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公開番号2024078333
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-10
出願番号2022190831
出願日2022-11-29
発明の名称銅製錬原料の供給方法
出願人住友金属鉱山株式会社
代理人個人,個人
主分類C22B 15/00 20060101AFI20240603BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】 雑原料の装入に起因する自熔炉の熱負荷変動を抑制して安定的に操業することが可能な銅製錬原料の供給方法を提供する。
【解決手段】 銅製錬原料としての銅精鉱、含珪酸塩冷材、及び雑原料を自熔炉6に供給する方法であって、自熔炉6に向かって走行するベルトコンベア3の上方に設けた2基のビン1、2のうち、第1のビン1から銅精鉱を切り出すと共に第2のビン2から含珪酸塩冷材及び前記雑原料を切り出し、第1のビン1から切り出した銅精鉱の自熔炉6での燃焼時の発熱量に基づいて第2のビン2からの切り出し量を制御する。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
銅製錬原料としての銅精鉱、含珪酸塩冷材、及び雑原料を自熔炉に供給する方法であって、前記自熔炉に向かって走行する搬送手段の上方に設けた少なくとも2基のビンのうち、第1のビンから前記銅精鉱を切り出すと共に第2のビンから前記含珪酸塩冷材及び前記雑原料を切り出し、前記第1のビンから切り出した銅精鉱の前記自熔炉での燃焼時の発熱量に基づいて前記第2のビンからの切り出し量を制御することを特徴とする銅製錬原料の供給方法。
続きを表示(約 190 文字)【請求項2】
前記雑原料が石膏を含有し、前記含珪酸塩冷材が酸化物であることを特徴とする、請求項1に記載の銅製錬原料の供給方法。
【請求項3】
前記発熱量に基づく前記第2のビンからの切り出し量の制御が、前記第1のビンから単位時間あたり切り出される前記銅精鉱の切り出し量による間接的な制御であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の銅製錬原料の供給方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、銅精鉱、冷材及び雑原料を含む銅製錬原料の供給方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
乾式銅製錬では、主として黄銅鉱からなる硫化鉱に対して浮遊選鉱などの前処理を施すことにより銅品位30%程度の銅精鉱を生成した後、主として珪石からなるフラックス(溶剤)及び自熔炉内の熔体の温度を下げる役割を担う冷材と共にこの銅精鉱を自熔炉に装入し、これにより生じる銅精鉱中の硫黄分の酸化反応によりスラグを生成させ、これを比重差で分離することで銅品位60~65%程度のマットを生成している。このマットを後段の転炉及び精製炉で更に濃縮することで銅品位99.8%程度の精製粗銅を生成した後、アノードの形態に鋳造して電解精製することにより、銅品位99.99%の電気銅が製造される。
【0003】
上記の自熔炉では、銅精鉱に含まれる硫黄分に由来する二酸化硫黄を多く含む高温の排ガスが発生するので、廃熱ボイラーにこの排ガスを導入して熱回収した後、硫酸工場において硫酸の原料として処理している。この硫酸工場内では、上記自熔炉から排出される排ガスに含まれるダスト分を除去する設備や、精製系プロセスで副生する廃酸を処理する設備において、不純物が濃縮した泥状の澱物が発生する。また、銅製錬工場内でも例えば上記の電解精製で使用した電解液を浄液する設備から不純物の濃縮した泥状の澱物や粒状物が発生する。
【0004】
上記のように銅製錬工場や硫酸工場で発生する澱物や粒状物は一般的に銅等の有価金属を含んでいるので、通常はこれら澱物を回収して繰り返し物として上記銅精鉱と共に自熔炉に装入している。また、廃棄された携帯電話やパソコン等から回収した廃電子基板に代表されるいわゆる都市鉱山を処理することで回収される有価金属を含んだスラッジからなる金銀滓、銅箔や鋳物メーカーで発生する銅を含んだスラッジからなる銅滓などのリサイクル原料も、二次原料として上記自熔炉で処理している。これら繰り返し物や二次原料はまとめて雑原料又は雑物と称されており、組成のみならず、泥状、湿潤ケーキ状、粒状、又はフレーク状などの形態、粒径(大きさ)、含水率、反応熱量等の性状が銅精鉱と比較して大きくばらついているため、これら雑原料を自熔炉に装入したときに製錬炉の操業が不安定になることがあった。
【0005】
そこで、自熔炉への装入前に銅精鉱と雑原料とをできるだけ均一に混合する技術が提案されている。例えば特許文献1には、銅精鉱と雑原料との混合物の性状がほぼ均一になるように、複数銘柄の銅精鉱を調合する調合設備に向けてベルトコンベアによって搬送中の各銘柄の銅精鉱の上に、雑原料を定量的に切り出して添加する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平09-087760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述したように、銅精鉱は硫黄分を含むため、その燃焼により発熱反応が生じる。一方、雑原料に含まれる繰り返し物は、CaSO

(H

O)

、Fe(OH)

、Ni(OH)

などのように大半が硫酸塩や水酸化物であるため、自熔炉内で吸熱反応を起こす。また、銅滓や金銀滓などの二次原料も自熔炉内で吸熱するものが大半である。そのため、特許文献1の技術を採用することにより、銅精鉱と雑原料とをある程度均一に混合することはできるものの、例えば銅精鉱に添加する雑原料のロットが切り替わったり、組成が大きく変動したりすると自熔炉内の操業が不安定になることがあった。すなわち、銅精鉱と共に自熔炉に装入する雑原料中の吸熱反応を生じさせる物質の含有率が少なくなると発熱量が増大し、逆に雑原料中の吸熱反応を生じさせる物質の含有率が多くなると発熱量が減少する。
【0008】
このように、雑原料に含まれる吸熱反応を生じる物質の含有率の変動に伴って熱負荷が大きく変動するので自熔炉での操業が不安定になり、自熔炉から抜き出したスラグを流水により砂状に破砕することで得られる水砕スラグ中の銅品位が所望の品位よりも高くなる問題を生じることがあった。本発明は上記の自熔炉が抱える問題点に鑑みてなされたものであり、雑原料の装入に起因する自熔炉の熱負荷変動を抑制して安定的に操業することが可能な銅製錬原料の供給方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る銅製錬原料の供給方法は、銅製錬原料としての銅精鉱、含珪酸塩冷材、及び雑原料を自熔炉に供給する方法であって、前記自熔炉に向かって走行する搬送手段の上方に設けた少なくとも2基のビンのうち、第1のビンから前記銅精鉱を切り出すと共に第2のビンから前記含珪酸塩冷材及び前記雑原料を切り出し、前記第1のビンから切り出した銅精鉱の前記自熔炉での燃焼時の発熱量に基づいて前記第2のビンからの切り出し量を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、自熔炉の操業を安定化できるので、水砕スラグ中の銅品位を所望のレベル以下に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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