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公開番号2024081314
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-18
出願番号2022194838
出願日2022-12-06
発明の名称軟磁性金属粉体
出願人大同特殊鋼株式会社
代理人弁理士法人むつきパートナーズ
主分類C22C 38/00 20060101AFI20240611BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】安定した高い透磁率を有するとともに、高い耐食特性を兼ね備えた高周波部品用の圧粉コアに使用されるFe基軟磁性金属粉体の提供。
【解決手段】質量%で、Feに、Si:5~10wt%、Cr:2~6wt%、を不可避的不純物とともに含み、O量を0.1wt%以下とする成分組成を有し、表層に厚さ1~10nmの自然酸化膜を有する粒体からなる軟磁性金属粉体である。平均粒径D50を15~40μm、かつ、D95を63μm以下とし、X線解折パターンにおける50~55°の範囲内にある最大ピークの半値幅を0.15°以下とした。
【選択図】 なし

特許請求の範囲【請求項1】
質量%で、Feに、
Si:5~10%、
Cr:2~6%、
を不可避的不純物とともに含み、O量を0.1%以下とする成分組成を有し、
表層に厚さ1~10nmの自然酸化膜を有する粒体からなる軟磁性金属粉体であって、
平均粒径D50を15~40μm、かつ、D95を63μm以下とし、
X線解折パターンにおける50~55°の範囲内にある最大ピークの半値幅を0.15°以下としたことを特徴とする軟磁性金属粉体。
続きを表示(約 300 文字)【請求項2】
前記自然酸化膜において、Si、Cr及びAlの含有量の質量合計が、Fe、Si、Cr及びAlの含有量の質量合計の0.1%以上であることを特徴とする請求項1記載の軟磁性金属粉体。
【請求項3】
前記粒体の中心部断面におけるビッカース硬さHvを600≧Hv≧250とすることを特徴とする請求項1記載の軟磁性金属粉体。
【請求項4】
規則相の生成率が0.015%以上であることを特徴とする請求項1記載の軟磁性金属粉体。
【請求項5】
前記成分組成は更に0.8質量%以下でAlを含むことを特徴とする請求項1乃至4のうちの1つに記載の軟磁性金属粉体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波部品用の圧粉磁心に使用されるFe基軟磁性金属粉体に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
電子機器の小型化・高性能化に伴って、動作周波数が高周波側へとシフトし、これらに用いられるインダクタやチョークコイルなどの受動部品でも動作周波数を高周波側へとシフトさせることが求められる。ここで、受動部品の磁心材としては、安価で透磁率の高い酸化物フェライトが多く用いられてきた。しかしながら、数kHz以上といった高周波側では損失が大きく、大電流下では透磁率も著しく低下してしまうため、酸化物フェライト磁心に替わって、軟磁性金属粉体を絶縁処理した後に圧縮成形した圧粉磁心が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、数10kHz~数100kHz程度の高周波領域での使用に適したFe-Si-Cr軟磁性金属粉体からなる圧粉磁心を開示している。高周波領域では、軟磁性金属粉体の平均粒径だけを小さくしても圧粉磁心の渦電流損失を十分に低減できないことを述べた上で、平均粒径範囲とともに最大粒径を規定するとしている。これにより、成形密度のばらつきから来る高周波ロスを低減でき、かつ、絶縁破壊の起点となって粒間渦電流を生じさせることに起因するロスの増大も防止できるとしている。ここでは、軟磁性金属粉体は、Feを主成分としてSiを1~8wt%、Crを1~13wt%だけ含む成分組成とし、平均粒径を5~25μm、最大粒径を63μm未満とすることで、透磁率41~42の圧粉磁心を得られることを示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2011-49568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したように、高周波領域では、渦電流損失が急激に増大してしまうため、圧粉磁心の成形に使用される軟磁性金属粉体の平均粒径を小さくすべきであるが、磁心の透磁率が低くなる傾向にある。また、高いインダクタンス値を得られるよう、圧粉コアの密度を高めて透磁率を高くしようとしても、高い圧力で圧縮成形することで歪を蓄積させ、却って透磁率を低下させてしまう場合もある。また、粉体個々の絶縁被膜の破壊による磁気損失の増大といった問題も生じる。
【0006】
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、安定した高い透磁率を有するとともに、高い耐食特性を兼ね備えた高周波部品用の圧粉コアに使用されるFe基軟磁性金属粉体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による軟磁性金属粉体は、質量%で、Feに、Si:5~10%、Cr:2~6%、を不可避的不純物とともに含み、O量を0.1%以下とする成分組成を有し、表層に厚さ1~10nmの自然酸化膜を有する粒体からなる軟磁性金属粉体であって、平均粒径D50を15~40μm、かつ、D95を63μm以下とし、X線解折パターンにおける50~55°の範囲内にある最大ピークの半値幅を0.15°以下としたことを特徴とする。
【0008】
かかる特徴によれば、安定した高い透磁率を有するとともに、高い耐食特性を兼ね備えた高周波部品用の圧粉コアを得られるのである。
【0009】
上記した発明において、前記自然酸化膜において、気体成分を除いて、Fe以外の元素を0.1質量%以上含むことを特徴としてもよい。かかる特徴によれば、より安定した高い透磁率を有するとともに、高い耐食特性を兼ね備えた高周波部品用の圧粉コアを得られるのである。
【0010】
上記した発明において、前記粒体の中心部断面におけるビッカース硬さHvを600≧Hv≧250とすることを特徴としてもよい。かかる特徴によれば、加工安定性に優れ、より安定した高い透磁率を有するとともに、高い耐食特性を兼ね備えた高周波部品用の圧粉コアを得られるのである。
(【0011】以降は省略されています)

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