TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024070366
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-23
出願番号2022180807
出願日2022-11-11
発明の名称金属の回収方法
出願人株式会社プロテリアル
代理人弁理士法人平田国際特許事務所
主分類C22B 7/00 20060101AFI20240516BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】環境負荷の増大や作業環境の悪化を抑制し、目的とする金属を高い純度で回収することが可能な金属の回収方法を提供する。
【解決手段】金属導体線を含む電線を第1溶液に浸漬して化学溶解を行い、金属導体線を構成する金属材料を溶解させる工程と、金属材料が溶解した第2溶液に電極を浸漬して電解反応を行い、電極に目的金属を析出させる工程とによって、金属導体線を絶縁体で被覆した電線から目的金属を回収する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
金属導体線を絶縁体で被覆した電線から目的金属を回収する金属の回収方法であって、
前記電線を第1溶液に浸漬して化学溶解を行い、前記金属導体線を構成する金属材料を溶解させる工程と、
前記金属材料が溶解した第2溶液に電極を浸漬して電解反応を行い、前記電極に前記目的金属を析出させる工程と、を備えた、
金属の回収方法。
続きを表示(約 400 文字)【請求項2】
前記目的金属が銅であり、
前記第1溶液として、鉄化合物水溶液を用いる、
請求項1に記載の金属の回収方法。
【請求項3】
前記鉄化合物水溶液として、硫酸第二鉄水溶液を用いる、
請求項2に記載の金属の回収方法。
【請求項4】
前記絶縁体が、ポリイミド又はポリアミドイミドからなるエナメル層である、
請求項1乃至3の何れか1項に記載の金属の回収方法。
【請求項5】
前記第1溶液として、前記第2溶液に対して電解反応を行って得られる溶液を用いる、
請求項1に記載の金属の回収方法。
【請求項6】
前記電線を裁断して複数の電線片とする工程を含み、
前記金属材料を溶解させる工程では、前記複数の電線片を前記第1溶液に浸漬して化学溶解を行う、
請求項1に記載の金属の回収方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電線から目的金属を回収する金属の回収方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、例えば電動モータに用いられるエナメル線等の電線から再利用のための金属を回収する方法が様々提案されている。例えば特許文献1には、樹脂で被覆された電線を加熱して樹脂を炭化する加熱処理と、樹脂の炭化物と電線を分離する分別処理と、分別処理された電線を酸で洗浄する酸洗処理と、電線に含有される金属を溶解させる溶解処理と、金属が溶解した液に鉄粉を添加して溶存する塩化物を置換させ、溶解した金属を回収する処理と、を含む樹脂被覆電線の処理方法が記載されている。金属を回収する処理では、特許文献2に記載されているように、銅を含有する塩化鉄系の強酸廃液中に鉄粉を添加して溶存塩化銅を置換析出させ、脱銅された液中に鉄粉及び塩化鉄系廃液を混入して水酸化第2鉄を生成し、生成した水酸化第2鉄に混合廃液中の懸濁性不純物を吸着・包括させると共に凝集剤を添加することによりある程度大きな分離し易い凝集フロックを形成させ、この凝集フロックを例えば固液分離機により分離除去する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6056088号公報
特開平6-127946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたような方法では、樹脂を炭化させる処理で煤煙が発生し、環境負荷が増大してしまう。また、特許文献2に記載されたような回収処理方法では、回収により得られる金属の純度を高めることが難しかった。そこで、本発明は、環境負荷の増大を抑制し、かつ目的とする金属を高い純度で回収することが可能な金属の回収方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決することを目的として、金属導体線を絶縁体で被覆した電線から目的金属を回収する金属の回収方法であって、前記電線を第1溶液に浸漬して化学溶解を行い、前記金属導体線を構成する金属材料を溶解させる工程と、前記金属材料が溶解した第2溶液に電極を浸漬して電解反応を行い、前記電極に前記目的金属を析出させる工程と、を備えた、金属の回収方法を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、環境負荷の増大を抑制すると共に、回収の目的とする金属を高い純度で回収することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
(a)は、本発明の実施の形態に係る製造方法によって製造される電線の一例であるエナメル線を示す斜視図である。(b)は、エナメル線の断面図である。
本発明の実施の形態に係る金属の回収方法を含む電線の製造方法の概要を示すフローチャートである。
裁断工程を説明する説明図である。
化学溶解工程を説明する説明図である。
電析工程を説明する説明図である。
溶液への電線片の浸漬時間と、溶液に溶け出した銅の重量との関係を測定した実験結果のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[実施の形態]
図1(a)は、本発明の実施の形態に係る製造方法によって製造される電線の一例であるエナメル線1を示す斜視図である。図1(b)は、長手方向に対して垂直なエナメル線1の断面図である。図2は、本発明の実施の形態に係る金属の回収方法を含む電線の製造方法の概要を示すフローチャートである。
【0009】
なお、本実施の形態では、エナメル線1が断面矩形状の平角線である場合について説明するが、これに限らず、例えば断面円形状の絶縁被覆電線に本発明を適用することも可能である。エナメル線1は、例えば電動モータの固定子巻線や変圧器のコイル巻線として用いられる。
【0010】
エナメル線1は、良導電性の金属導体からなる線状の金属導体線11と、金属導体線11を被覆する絶縁体であるエナメル層12とを有している。エナメル層12は、ポリエステルイミド、ポリイミド又はポリアミドイミドからなり、金属導体線11の外周面11aに密着している。金属導体線11は、例えば純度99.95%以上の純銅からなる金属材料で構成されるが、これに限らず、主成分である純銅からなる金属材料に錫や銀あるいはインジウム等の合金元素を添加した銅合金で構成されていてもよい。また、金属導体線11の表面に錫、銀、あるいはニッケル等がめっきされていてもよい。また、金属導体線11は、例えばアルミニウムからなる金属材料で構成されていてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

ハイモ株式会社
水中の金属の回収方法
24日前
大同特殊鋼株式会社
鋼材及び金型
1か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
1か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
1か月前
日本製鉄株式会社
接合継手
1か月前
日本製鉄株式会社
接合継手
1か月前
住友金属鉱山株式会社
銀粉の製造方法
1か月前
日本冶金工業株式会社
抗菌性に優れるNi合金
2か月前
JFEスチール株式会社
鋼板
2か月前
JFEスチール株式会社
鋼板
2か月前
JFEスチール株式会社
鋼板
2か月前
住友金属鉱山株式会社
有価金属の製造方法
18日前
住友金属鉱山株式会社
銅製錬転炉の操業方法
1か月前
住友金属鉱山株式会社
銅製錬転炉の操業方法
1か月前
日本製鉄株式会社
スチールピストン
2か月前
JX金属株式会社
金属回収方法
2か月前
住友金属鉱山株式会社
銅製錬原料の供給方法
19日前
株式会社トウネツ
金属溶湯炉
1か月前
大同特殊鋼株式会社
浸炭用鋼およびその製造方法
1か月前
日本製鉄株式会社
シャフト部材
1か月前
学校法人福岡工業大学
触媒の処理方法
1か月前
国立研究開発法人物質・材料研究機構
マグネシウム基合金伸展材
1か月前
日本精線株式会社
ステンレス鋼極細線
1か月前
住友金属鉱山株式会社
ニッケル酸化鉱石の製錬方法
9日前
日本製鉄株式会社
オーステナイト系合金材
2日前
住友金属鉱山株式会社
硫化水素ガスの除害設備
29日前
DOWAメタルマイン株式会社
ルテニウムの回収方法
2か月前
大同特殊鋼株式会社
軟磁性金属粉体
11日前
武生特殊鋼材株式会社
刃物用鋼
1か月前
株式会社タンガロイ
立方晶窒化硼素焼結体
2か月前
山陽特殊製鋼株式会社
結晶粒度特性に優れた真空浸炭用鋼
1か月前
株式会社プロテリアル
金属の回収方法
1か月前
山陽特殊製鋼株式会社
真空浸炭用鋼および真空浸炭鋼部品
22日前
日本製鉄株式会社
塊成化状高炉用原料の製造方法
1か月前
日本製鉄株式会社
焼結鉱の製造方法
19日前
山陽特殊製鋼株式会社
被削性と窒化特性に優れた窒化用鋼
2か月前
続きを見る