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公開番号2024082533
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-20
出願番号2022196453
出願日2022-12-08
発明の名称ニッケル酸化鉱石の製錬方法
出願人住友金属鉱山株式会社
代理人個人,個人
主分類C22B 23/02 20060101AFI20240613BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】ニッケル酸化鉱石を含む混合物を還元することでニッケル及びコバルトを含む有価メタルを製造する製錬方法において、コバルト品位が高く、また品質の良好な有価メタルを効率よく製造することができるニッケル酸化鉱石の製錬方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るニッケル酸化鉱石の製錬方法は、2種類以上のニッケル酸化鉱石と炭素質還元剤とを含有する混合物を調製する混合物調製工程S1と、混合物からペレットを成形する混合物成形工程S2と、ペレットを加熱還元することによりニッケルを含有する有価メタルとスラグとを得る還元処理工程S3と、を含み、ニッケル酸化鉱石はコバルトを含有するものであり、混合物調製工程S1では、ニッケル酸化鉱石の合計を100質量%としたとき、コバルト含有率が0.07質量%以上となるように混合物を調製する。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
2種類以上のニッケル酸化鉱石と、炭素質還元剤と、を含有する混合物を調製する混合物調製工程と、
前記混合物からペレットを成形する混合物成形工程と、
得られたペレットを加熱還元することにより、コバルトを含有する有価メタルと、スラグと、を得る還元処理工程と、を含み、
前記ニッケル酸化鉱石は、コバルトを含有するものであり、
前記混合物調製工程では、前記ニッケル酸化鉱石の合計を100質量%としたとき、コバルト含有率が0.07質量%以上となるように混合物を調製する、
ニッケル酸化鉱石の製錬方法。
続きを表示(約 220 文字)【請求項2】
前記混合物調製工程では、少なくとも、リモナイト鉱と、サプロライト鉱とを含む2種類以上のニッケル酸化鉱石を用いて混合物を調製する、
請求項1に記載のニッケル酸化鉱石の製錬方法。
【請求項3】
前記混合物調製工程では、前記ニッケル酸化鉱石の合計を100質量%としたとき、ニッケル含有率が0.10質量%以上となるように混合物を調製する、
請求項1又は2に記載のニッケル酸化鉱石の製錬方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ニッケル酸化鉱石の製錬方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
リモナイトあるいはサプロライトと呼ばれるニッケル酸化鉱石の製錬方法には、熔錬炉を使用して硫黄と共に硫化焙焼してニッケルマットを製造する乾式製錬方法、ロータリーキルンあるいは移動炉床炉を使用して炭素質還元剤により還元することでニッケルを含有する合金を製造する乾式製錬方法、オートクレーブを使用して硫酸によりニッケルやコバルトを浸出して得られた浸出液に硫化剤を添加し混合硫化物(ミックスサルファイド)を製造する湿式製錬方法等が知られている。
【0003】
上述した種々の製錬方法の中で、炭素源と共にキルンや移動炉床炉に装入して還元処理することでニッケル酸化鉱石を製錬(乾式製錬方法)しようとする場合、還元処理により生成するニッケルやコバルトのメタルは粗大である方が生産性の観点から好ましい。これは、ニッケルやコバルトを含むメタルが例えば数10μm程度の細かな大きさであった場合には、同時に生成するスラグと分離することが困難となり、ニッケルやコバルトの回収率(収率)が大きく低下するためである。
【0004】
粗大なメタルを得るには、ニッケルやコバルトの品位が高い鉱石を処理することが最も簡単な方法ではある。しかしながら、近年は世界的に資源事情が厳しく、高品位の鉱石を得ることは容易でない。特にコバルトは品位が低く、ニッケル酸化鉱石と呼ばれる鉱石中には例えば0.03質量%以下であることも珍しくない。ニッケル酸化鉱石中において、コバルトはニッケルに比べると数分の1~数10分の1程度しか含まれていないとともに、高価なものである。そのため、ニッケルと共に高い回収率で回収することが望まれている。
【0005】
そこで、品位の低い鉱石(例えばニッケルの品位が1.0質量%以下の鉱石)から粗大なメタルを得るための研究が行われている。例えば、特許文献1には、金属酸化物と炭素質還元剤とを含むペレットを溶融炉で加熱して金属酸化物を還元溶融してニッケルメタル(粒状金属)を製造するにあたり、炉床上に供給するペレットの平均直径を調整し、炉床上でペレットを加熱するときのペレットの炉床への投影面積率から算出される敷密度を特定範囲に制御することで、ニッケルメタルの生産性を向上させる方法が開示されている。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ペレットの作製にコストがかかったり、炉内におけるペレットの敷密度を特定の範囲に調整する必要があること等から、結果的に生産性が向上せず、ニッケルメタルの製造コストが高くなるという問題が生じる。また、特許文献1の技術では、コバルトには注目しておらず、ニッケルだけではなく、そのニッケルよりも還元し難いコバルトの回収率をも高める方法については示されていない。
【0007】
このように、従来の技術では、ニッケル酸化鉱石等の酸化鉱石を混合及び還元して金属や合金を製造するにあたり、生産性を高めて製造コストを低減させ、品質を高めたメタルを得るという点で、多くの技術的課題が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2011-256414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、ニッケル酸化鉱石を含む混合物を還元することでニッケル及びコバルトを含む有価メタルを製造する製錬方法において、コバルト品位が高く、また品質の良好な有価メタルを効率よく製造することができるニッケル酸化鉱石の製錬方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、2種類以上のニッケル酸化鉱石を用いて炭素質還元剤と混合し、コバルト含有率が特定の範囲となるように混合物を調製し、その混合物に対して加熱還元の処理を施すことで、生成するメタルを有効に粗大化することができ、コバルト品位が高く、品質の良好なメタルを製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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