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公開番号2024079020
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-11
出願番号2022191706
出願日2022-11-30
発明の名称有価金属の製造方法
出願人住友金属鉱山株式会社
代理人個人,個人
主分類C22B 7/00 20060101AFI20240604BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】廃リチウムイオン電池を含む原料から乾式製錬プロセスにより有価金属を回収して製造する方法において、二酸化炭素排出量を低減しながら、有価金属を有効に回収することのできる技術を提供する。
【解決手段】本発明は、廃リチウムイオン電池を含む原料からの有価金属の製造方法であって、廃リチウムイオン電池を含む原料を粉砕して粉砕物とする粉砕工程S1と、粉砕物を篩別する篩別工程S2と、篩下物を焙焼しその篩下物に含まれる有機物を分解する焙焼工程S3と、得られた焙焼物を浮遊選鉱処理に供し、少なくとも、焙焼工程S3にて有機物を分解して得られた炭素を回収する浮遊選鉱工程S4と、得られた浮遊選鉱物を加熱して還元熔融し、スラグと有価金属を含むメタルとを含む熔融物を得る熔融工程S5と、を有し、焙焼工程S3では、篩下物を300℃以上600℃以下の温度で焙焼する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
廃リチウムイオン電池を含む原料からの有価金属の製造方法であって、
前記廃リチウムイオン電池を含む原料を粉砕して粉砕物とする粉砕工程と、
前記粉砕物を篩別する篩別工程と、
得られた篩下物を焙焼し、該篩下物に含まれる有機物を分解する焙焼工程と、
前記焙焼工程で得られた焙焼物を浮遊選鉱処理に供し、少なくとも、該焙焼工程にて有機物を分解して得られた炭素を回収する浮遊選鉱工程と、
前記浮遊選鉱工程で得られた浮遊選鉱物を加熱して還元熔融し、スラグと前記有価金属を含むメタルとを含む熔融物を得る熔融工程と、を有し、
前記焙焼工程では、前記篩下物を300℃以上600℃以下の温度で焙焼する、
有価金属の製造方法。
続きを表示(約 75 文字)【請求項2】
前記焙焼工程では、前記篩下物を300℃以上500℃未満の温度で焙焼する、
請求項1に記載の有価金属の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、廃リチウムイオン電池からの有価金属の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、軽量で大出力の二次電池としてリチウムイオン電池が普及している。よく知られているリチウムイオン電池は、外装缶内に、負極材と、正極材と、セパレータと、電解液とを封入した構造を有している。例えば、外装缶は、アルミニウム(Al)や鉄(Fe)等の金属から構成される。また、負極材は、負極集電体(銅箔等)に固着させた負極活物質(黒鉛等)から構成され、正極材は、正極集電体(アルミニウム箔等)に固着させた正極活物質(ニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム等)から構成され。また、セパレータは、ポリプロピレンの多孔質樹脂フィルム等から構成され、電解液は、六フッ化リン酸リチウム(LiPF

)等の電解質を含んで構成される。
【0003】
リチウムイオン電池の主要な用途の一つにハイブリッド自動車や電気自動車があり、自動車のライフサイクルと共に、搭載されたリチウムイオン電池も将来大量に廃棄される見込みとなっている。廃リチウムイオン電池(単に「廃電池」ともいう)の再利用法として、高温炉でその廃電池を全量熔解する乾式製錬プロセスが提案されている。
【0004】
廃リチウムイオン電池には、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、銅(Cu)等の有価金属のほかに、炭素(C)、アルミニウム、フッ素(F)、リン(P)等の不純物成分が含まれる。そのため、廃リチウムイオン電池から有価金属を回収するにあたっては、これらの不純物成分を除去する必要がある。特に、これらの不純物成分の中で、炭素は、残留するとメタルとスラグの分離性を妨げてしまう。また、炭素は、還元剤として寄与するため、他の物質の適正な酸化除去を妨げる場合がある。このような炭素を除去する方法として、空気や酸素を吹き込みながら800℃程度の温度で焙焼を行う酸化焙焼がある。
【0005】
例えば特許文献1には、廃電池から有価金属を回収する方法において、乾式工程に先行して酸化処理を行う予備酸化工程を設けることにより、従来困難であった熔融工程での安定した酸化度の制御が可能となり、安定的に高い回収率で有価金属を回収することが可能となることについて開示されている。
【0006】
しかしながら、廃電池を含む原料から乾式製錬プロセスにより有価金属を回収するにあたり、二酸化炭素排出量を低減しながらその有価金属を有効に回収することに関する技術は、これまで提案されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第5434934号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、廃リチウムイオン電池を含む原料から乾式製錬プロセスにより有価金属を回収して製造する方法において、二酸化炭素排出量を低減しながら、有価金属を有効に回収することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、廃リチウムイオン電池を含む原料を粉砕し、得られた粉砕物を篩別けして得られる篩下物に対し所定の温度で焙焼処理を行うことによってその篩下物に含まれる有機物を分解し、その後、焙焼物に対して浮遊選鉱処理を施して有機物が分解されて得られた炭素を分離回収することで、二酸化炭素排出量を低減しながら、有価金属を有効に回収できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
(1)本発明の第1の発明は、廃リチウムイオン電池を含む原料からの有価金属の製造方法であって、前記廃リチウムイオン電池を含む原料を粉砕して粉砕物とする粉砕工程と、前記粉砕物を篩別する篩別工程と、得られた篩下物を焙焼し、該篩下物に含まれる有機物を分解する焙焼工程と、前記焙焼工程で得られた焙焼物を浮遊選鉱処理に供し、少なくとも、該焙焼工程にて有機物を分解して得られた炭素を回収する浮遊選鉱工程と、前記浮遊選鉱工程で得られた浮遊選鉱物を加熱して還元熔融し、スラグと前記有価金属を含むメタルとを含む熔融物を得る熔融工程と、を有し、前記焙焼工程では、前記篩下物を300℃以上600℃以下の温度で焙焼する、有価金属の製造方法である。
(【0011】以降は省略されています)

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