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公開番号2024083797
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-24
出願番号2022197820
出願日2022-12-12
発明の名称溶鋼の脱窒処理方法
出願人日本製鉄株式会社
代理人個人
主分類C21C 7/00 20060101AFI20240617BHJP(鉄冶金)
要約【課題】効率よく溶鋼を脱窒することが可能な溶鋼の脱窒処理方法を提供する。
【解決手段】減圧下で金属MgまたはMg合金の少なくとも1種とCaOとを含み、かつ媒溶剤の含有量が1質量%未満のフラックスを、酸素濃度が15ppm未満の溶鋼の表面へ上吹きすることにより、Mg気泡の生成を促進させるとともに脱硫効果を促進し、溶鋼を低酸素かつ低硫黄濃度として脱窒における界面化学反応速度を増加させるようにする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
減圧下で金属MgまたはMg合金の少なくとも1種とCaOとを含み、かつ媒溶剤の含有量が1質量%未満のフラックスを、酸素濃度が15ppm未満の溶鋼の表面へ上吹きすることを特徴とする溶鋼の脱窒処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、効率よく脱窒処理を行うための溶鋼の脱窒処理方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、溶鋼中の不純物ガス成分である炭素、窒素、水素を除去するため、RHやREDAといった装置による真空脱ガス処理が行われている。一般的に、脱ガス反応を促進するためには反応界面積を増加させたり物質移動を促進させたりすることが有効であり、溶鋼中にガスを吹込んで気泡を生成させることで、気液界面積を増加させたり撹拌を強化したりすることが行われる。
【0003】
気泡を生成させる手法の一例としては、RH型真空脱ガス装置において、環流ガスとしてAr流量を増加させることによって気泡生成量を増加させる操作が挙げられる。しかしながら、過剰にAr流量を増加させて撹拌を強化すると耐火物の溶損も助長するため、環流ガスの流量には実質的な上限がある。また、吹込みにより生成する気泡は粗大であるため、気液界面積を増加させる効率が低い。
【0004】
一方、ガス成分を溶解させた溶鋼を、真空にして過飽和の状態とすることで、溶鋼内部から気泡を生成させる手法がある。この場合、ガス化の反応によって気泡が生成するため、ガスを溶鋼に吹込む場合よりも微細な気泡となり、気液界面積を増加させる効率が高い利点がある。
【0005】
特許文献1には、真空脱炭処理中に水素含有物質を溶鋼に添加することで、溶鋼から水素気泡が発生し、上記の効果によって脱炭速度を増加させることが記載されている。また、特許文献2には、金属Mg、Mg合金、金属Ca、Ca合金の内、1種又は2種類以上の粉体を真空槽内溶鋼面下にキャリアーガスと共に吹込み、ガス-溶鋼界面近傍の溶鋼酸素濃度を180~350ppmの範囲に保ちつつ脱炭反応を進行させることが記載されている。この方法では、Mg、Caのガス化に加えて、その気泡または酸化により生成したMgO、CaOが脱炭で生じるCO気泡を生成させる核となることで、気液界面積を増加させるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開昭57-194206号公報
特開平7-150226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
溶鋼中の水素飽和溶解度は、1気圧下においても約25ppmと低い。このため、特許文献1に記載の方法では、十分に水素濃度を高めることが難しい。一方で、溶鋼中の水素濃度を高め過ぎると鋼中の不純物となって悪影響を及ぼすため、脱炭後に余剰の水素を除去する必要があり、真空脱ガス処理時間の延長および生産性低下に繋がる。また、特許文献2に記載の方法では、溶鋼中の酸素濃度が極めて高いため、先述した脱窒の界面化学反応速度が低く、脱窒速度が低くなってしまう。また、Mg、Caの気泡においては、核生成サイトが少なく気泡径が粗大であるため、気液界面積を増加させる効率が低い。
【0008】
本発明は前述の問題点を鑑み、効率よく溶鋼を脱窒することが可能な溶鋼の脱窒処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、溶鋼内で気泡を発生させ、気泡表面に窒素を付着させて脱窒処理を行う方法で、気泡を発生させるための金属として溶鋼温度よりも沸点の低いMgに着目し、Mgを気化させることによって微細な気泡を生成させ、さらにCaOを添加すると、CaO粒子表面がMg気泡の核生成サイトとなり、より効率よく微細な気泡を生成し、気液界面積が増加して脱窒効果を高めることを見出した。
【0010】
本発明は以下の通りである。
(1)
減圧下で金属MgまたはMg合金の少なくとも1種とCaOとを含み、かつ媒溶剤の含有量が1質量%未満のフラックスを、酸素濃度が15ppm未満の溶鋼の表面へ上吹きすることを特徴とする溶鋼の脱窒処理方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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