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公開番号2024011991
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-01-25
出願番号2022114386
出願日2022-07-15
発明の名称脱炭酸システム、ハイドロゲルおよびその製造方法
出願人個人
代理人個人
主分類C12N 1/12 20060101AFI20240118BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】ゲルの腐蝕を抑えつつ、ゲル内に微細藻類を内包させても光合成を効率よく行うことができるハイドロゲルを提供する。
【解決手段】微細藻類を含有し、アルカリ性を示すハイドロゲルであって、当該ハイドロゲル内で前記微細藻類が細胞分裂して形成されたコロニーが内包されている。ハイドロゲルには、蓄光物質、磁性物質が内包されていてもよい。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
微細藻類を含有し、アルカリ性を示すハイドロゲルであって、
当該ハイドロゲル内で前記微細藻類が細胞分裂して形成されたコロニーが内包されているハイドロゲル。
続きを表示(約 570 文字)【請求項2】
更に、蓄光物質および磁性物質の少なくとも一方を有する請求項1に記載のハイドロゲル。
【請求項3】
水面に浮くように、気泡を内包させた請求項1に記載のハイドロゲル。
【請求項4】
前記ハイドロゲルは、グルコマンナンおよび/又は蒟蒻粉を含む請求項1に記載のハイドロゲル。
【請求項5】
前記ハイドロゲルは、有害物質を吸着する請求項1に記載のハイドロゲル。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか記載のハイドロゲルと、
前記ハイドロゲルを浮遊または分散させる、水系媒体とを含み、
前記ハイドロゲルに含まれる微細藻類に光を照射して光合成をさせ、酸素を産生すると共に、炭素化合物を合成する脱炭酸システム。
【請求項7】
光照射により、微細藻類が光合成を行なうハイドロゲルの製造方法であって、
前記微細藻類、ゲル成分および水系媒体を混合する工程Aと、
前記工程Aの後、ゲル化する工程Bと、
前記微細藻類の培養成分をゲル内に取り込む工程Cと、
前記ゲルをアルカリ性とする工程Dとを有し、
工程C、Dは、それぞれ独立に、工程A、工程Bの少なくともいずれか、および/又は工程B後に行うハイドロゲルの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、微細藻類を用いた脱炭酸システム、光合成を行うハイドロゲルおよびその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
地球温暖化を防止するために、CO

を削減するための脱炭酸システムの技術開発が急務となっている。CO

回収技術として、特許文献1には、大気中の空気から化学反応によりCO

を吸収する吸収部と、気体のCO

を化学反応により取り出す処理部を備えるCO

回収システムが提案されている。また、特許文献2には、電気化学反応によってCO
2
含有ガスからCO
2
を分離するCO

回収システムが提案されている。
【0003】
二酸化炭素は、植物による光合成によって酸素と炭素に分解される。大気中の酸素全体の凡そ半分は、光合成を行うことができる微細藻類により産生されている。この微細藻類は、光合成により、糖、脂質、タンパク質などの有機物を産生する。微細藻類を用いた二酸化炭素の固定・有機物の産生は、地球温暖化、食料飢饉対策の一つとして期待されている。非特許文献1には、微細藻類であるChlamydomonasdebaryanaNIES-2212をアルギン酸ゲルに内包させ、ゲル内において増殖すると共に、トリアシルグリセロール(TAG)が産生されることが報告されている。非特許文献1の方法によれば、二酸化炭素の分解、脂質の産生が可能であり、脱炭酸技術、食料生産の点で期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-181451号公報
特開2022-072977号公報
【非特許文献】
【0005】
Plant Cell Physiol. 61(1): 158-168 (2020)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ゲルを用いた微細藻類による脱炭酸技術は、微細藻類単体を用いる場合に比べて、回収が容易であり、管理しやすいというメリットを有する。その一方で、ゲル自体が腐蝕するという新たな問題がある。また、ゲルに微細藻類を内包させても光合成を効率よく行うことができる技術が重要となる。
【0007】
本開示は上記背景に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、ゲルの腐蝕を抑えつつ、ゲル内に微細藻類を内包させても光合成を効率よく行うことができるハイドロゲルおよびその製造方法、並びにこのハイドロゲルを用いた脱炭酸システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の課題を解決すべく鋭意検討を重ね、以下の態様において、本開示の課題を解決し得ることを見出し、本開示を完成するに至った。
[1]: 微細藻類を含有し、アルカリ性を示すハイドロゲルであって、
当該ハイドロゲル内で前記微細藻類が細胞分裂して形成されたコロニーが内包されているハイドロゲル。
[2]: 更に、蓄光物質および磁性物質の少なくとも一方を有する[1]に記載のハイドロゲル。
[3]: 水面に浮くように、気泡を内包させた[1]または[2]に記載のハイドロゲル。
[4]: 前記ハイドロゲルは、グルコマンナンおよび/又は蒟蒻粉を含む[1]~[3]のいずれかに記載のハイドロゲル。
[5]: 前記ハイドロゲルは、有害物質を吸着する[1]に記載のハイドロゲル。
[6]: [1]~[5]のいずれか記載のハイドロゲルと、
前記ハイドロゲルを浮遊または分散させる、水系媒体とを含み、
前記ハイドロゲルに含まれる微細藻類に光を照射して光合成をさせ、酸素を産生すると共に、炭素化合物を合成する脱炭酸システム。
[7]: 光照射により、微細藻類が光合成を行なうハイドロゲルの製造方法であって、
前記微細藻類、ゲル成分および水系媒体を混合する工程Aと、
前記工程Aの後、ゲル化する工程Bと、
前記微細藻類の培養成分をゲル内に取り込む工程Cと、
前記ゲルをアルカリ性とする工程Dとを有し、
工程C、Dは、それぞれ独立に、工程A、工程Bの少なくともいずれか、および/又は工程B後に行うハイドロゲルの製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、ゲルの腐蝕を抑えつつ、ゲル内に微細藻類を内包させても光合成を効率よく行うことができるハイドロゲルおよびその製造方法、並びにこのハイドロゲルを用いた脱炭酸システムを提供できるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
第1実施形態に係る。ハイドロゲルの一例を示す模式的説明図。
第1実施形態に係る混合撹拌装置の一例を示す模式的説明図。
実施例1のハイドロゲルの写真。
実施例2のハイドロゲルの写真。
実施例3のハイドロゲルの写真。
実施例4のハイドロゲルの写真。
実施例5で用いた小型密閉装置の模式図。
実施例5のハイドロゲル:暗室下、CO
2
濃度の経時的変化を示すグラフ。
実施例5のハイドロゲル:光照射下、CO
2
濃度の経時的変化を示すグラフ。
実施例6、7のハイドロゲル:光照射前後の溶存酸素量をプロットしたグラフ。
実施例8で用いた小型密閉装置の模式図。
実施例8のハイドロゲル、比較例1のCO

濃度の経時的変化を示すグラフ。
実施例1のハイドロゲルに対し、LED光源3000ルクスを1日8時間の割合で7日間照射した後の写真。
実施例10のハイドロゲル:暗室下、CO
2
濃度の経時的変化を示すグラフ。
実施例10のハイドロゲル:光照射下、CO
2
濃度の経時的変化を示すグラフ。
実施例12のハイドロゲルの写真。
実施例10のハイドロゲルを30時間撹拌した後の写真。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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