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公開番号2024045048
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-02
出願番号2023150516
出願日2023-09-15
発明の名称肥満改善剤の有効性予測方法
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類C12N 15/12 20060101AFI20240326BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】個々人に対するカテキン類含有肥満改善剤の有効性を予測する方法、及びそのためのマーカーを提供する。
【解決手段】以下の工程a及びb、又は工程a及びcを含む女性被験者に対するカテキン類含有肥満改善剤の有効性の予測方法:
a)女性被験者を閉経前の有経者と閉経後の閉経者に分ける工程、
b)有経者から採取された試料について、SLC27A4、CHIC2、ARID3B、FGF22、FLG、CSNK2A2、INTS10、LILRB1、TOR1B、ENG、ENPP2及びZNF526の12種の遺伝子群より選択される少なくとも1つの遺伝子又はその発現産物の発現レベルを測定する工程、
c)閉経者から採取された試料について、ASB7、EIF5、EYA3、GPR153、NUMA1、PSTPIP2、SAMD1、TTC33及びUAP1L1の9種の遺伝子群より選択される少なくとも1つの遺伝子又はその発現産物の発現レベルを測定する工程。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
以下の工程a及びb、又は工程a及びcを含む女性被験者に対するカテキン類含有肥満改善剤の有効性の予測方法:
a)女性被験者を閉経前の有経者と閉経後の閉経者に分ける工程、
b)有経者から採取された試料について、SLC27A4、CHIC2、ARID3B、FGF22、FLG、CSNK2A2、INTS10、LILRB1、TOR1B、ENG、ENPP2及びZNF526の12種の遺伝子群より選択される少なくとも1つの遺伝子又はその発現産物の発現レベルを測定する工程、
c)閉経者から採取された試料について、ASB7、EIF5、EYA3、GPR153、NUMA1、PSTPIP2、SAMD1、TTC33及びUAP1L1の9種の遺伝子群より選択される少なくとも1つの遺伝子又はその発現産物の発現レベルを測定する工程。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記b)の発現レベルを測定する工程において、さらにBLMH、C6orf228、CXCL2、CLDN4、COG6及びF3の6種の遺伝子群より選択される少なくとも1つの遺伝子又はその発現産物の発現レベルが測定される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記c)の発現レベルを測定する工程において、さらにABCC1、BICD2、BIN3、C12orf10、APLF、HYPK、C19orf26、ATP1B3、CHAC1、CIAO1、CISH及びCLEC5Aの12種の遺伝子群より選択される少なくとも1つの遺伝子又はその発現産物の発現レベルが測定される、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記被験者に対するカテキン類含有肥満改善剤の有効性の予測が、被験者がカテキン類含有肥満改善剤を摂取した場合における内臓脂肪面積の変化量の予測である、請求項1~3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記遺伝子又はその発現産物の発現レベルの測定値を教師サンプルとして、カテキン類含有肥満改善剤を服用した場合の内臓脂肪面積の変化量を予測する判別式を作成し、被験者から採取された試料から得られた同遺伝子又はその発現産物の発現レベルの測定値を当該判別式に代入し、得られた結果から当該被験者がカテキン類含有肥満改善剤を摂取した場合における内臓脂肪面積の変化量を算出する、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記遺伝子又はその発現産物の発現レベルが皮膚表上脂質から採取されたmRNAの発現量の測定である、請求項1~5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記カテキン類含有肥満改善剤が緑茶ポリフェノールを含有する肥満改善剤である、請求項1~6のいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
試料の採取及び保存に必要な、用具及び試薬を含有する、請求項1~7のいずれか1項記載の方法に用いられるカテキン類含有肥満改善剤の有効性予測用キット。
【請求項9】
SLC27A4、CHIC2、ARID3B、FGF22、FLG、CSNK2A2、INTS10、LILRB1、TOR1B、ENG、ENPP2及びZNF526の12種の遺伝子群より選択される少なくとも1つの遺伝子又はその発現産物からなる、有経女性被験者に対するカテキン類含有肥満改善剤の有効性予測マーカー。
【請求項10】
ASB7、EIF5、EYA3、GPR153、NUMA1、PSTPIP2、SAMD1、TTC33及びUAP1L1の9種の遺伝子群より選択される少なくとも1つの遺伝子又はその発現産物からなる、閉経女性被験者に対するカテキン類含有肥満改善剤の有効性予測マーカー。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、個々人に対するカテキン類含有肥満改善剤の有効性を予測する方法、及びそのためのマーカーに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、多くの人々が肥満の問題を抱えている。日本においても食生活を取り巻く社会環境の変化、すなわち食生活の欧米化や運動不足から肥満の人が急激に増加している。一般的に、肥満とは正常な状態と比較して体重が多い状態、あるいは体脂肪が過剰に蓄積した状態を指す。肥満は糖尿病や脂質異常症・高血圧・心血管疾患などの生活習慣病をはじめとして数多くの疾患の原因となるため、健康づくりにおいて肥満の予防・対策は重要な意味を持つ。また、その治療費や健康対策費の増大など経済への影響も多大であることから、肥満を改善することは重要な課題となっている。
【0003】
肥満にはさまざまな生活環境が関与している。食習慣の変化や運動不足による身体活動量の低下などにより、摂取エネルギー量が消費エネルギー量を上回ることにより、過剰分が体脂肪として蓄積されることが肥満の原因である。したがって肥満の予防・治療には、摂取エネルギー量と消費エネルギー量のバランス改善、すなわち食事制限と運動が重要となる。これまで、肥満改善を目的とする肥満改善素材が多種開発されているが、それらの素材は、必ずしもすべての者において一様に、期待される最大限の効果を発揮するわけではない。肥満改善を求める個人は、多種多様な肥満改善素材を自ら試し、自身に適したものを見つけねばならない。さらに、それらの素材の多くは、効果を発揮するためには長期的に摂取されねばならない。そのため、個人が自身に適した肥満改善素材を見つけるためには、長い期間と、コスト、労力を要する。さらに、たとえ個人が自身に有効な肥満改善素材を見つけたとしても、それが数ある肥満改善素材の中で自身にとって最適なものであるか、又は該素材の最大限の効果が自身に対して発揮されているかを判別することは困難である。
【0004】
緑茶ポリフェノール又はその主要成分であるカテキン類は、肥満を改善する素材として報告されている。特許文献1及び2には、カテキン類の摂取は、肥満改善、例えば、内臓脂肪面積の低下、体重の低下、腹囲の低下、などをもたらすことが開示されている(非特許文献1、2、3)。しかしながら、カテキン類もまた、上述と同様に効果には個人差があり、必ずしも全ての使用者に対して十分な効果が発揮されるわけではなかった。
【0005】
一方、生体試料中のDNAやRNA等の核酸の解析によりヒトの生体内の現在、さらには将来の生理状態を調べる技術が開発されている。生体由来の核酸は、血液等の組織、退役、分泌物などから抽出することができ、特許文献1、2には、皮膚表上脂質(SSL)から被験者の皮膚細胞に由来するRNA等の核酸を分離し、生体の解析用の試料として用いることが記載されている。
【0006】
従来、肥満に関連するとされている遺伝子は多数報告されており、また、カテキン類を投与した場合にそれに応じて発現が変化する遺伝子についても報告がある。
しかしながら、前者の遺伝子と後者の遺伝子は共通しておらず、カテキン類の脂質改善効果に関与する遺伝子についてはなんら報告されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2015-199686号公報
特開2018-100293号公報
【0008】
J Oleo Sci 50(7), 599-605, 2001
J Oleo Sci 50(9), 717-728, 2001
Prog Med 22(9), 2189-2203, 2002
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、個々人に対するカテキン類含有肥満改善剤の有効性を予測する方法、及びそのためのマーカーを提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、女性被験者(単に、「被験者」とも称す)に対してカテキン類含有肥満改善剤を服用させてその内臓脂肪面積の変化量を調べると共に、被験者から検出された全てのSSL由来のRNAの発現量のデータを取得して相関検定を行ったところ、閉経前の有経者と閉経者で、当該RNAの発現量が内臓脂肪面積の変化量と相関する固有の遺伝子がそれぞれ見出され、これらを指標として女性被験者におけるカテキン類含有肥満改善剤の有効性の程度を効率よく予測できることを見出した。
(【0011】以降は省略されています)

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