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公開番号2024043950
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-02
出願番号2022149205
出願日2022-09-20
発明の名称糞便培養用培地及び当該培地を用いる分析方法
出願人森永乳業株式会社
代理人個人,個人
主分類C12N 1/20 20060101AFI20240326BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】本技術は、腸内環境の改善のための手法を提供することを目的とする。また、本技術は、腸内環境のモデルを提供することも目的とする。
【解決手段】尿素を含む糞便培養用培地であって、前記培地は、pH7以上の腸内環境を再現するためのモデル、腎臓病を有するヒト又は腎臓病予備軍のヒトの腸内環境を再現するためのモデル、または、全身の尿素量が高値を有するヒトの腸内環境を再現するためのモデルとして用いられる培地、もしくは、尿素を含む糞便培養用培地を用いる分析方法であって、糞便試料を前記培地において培養する培養工程、および、前記培養工程において得られた培養物の分析を行う分析工程を含む。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
尿素を含む糞便培養用培地。
続きを表示(約 570 文字)【請求項2】
尿素含有割合が、前記培地の質量に対して0.1質量%以上である、請求項1に記載の培地。
【請求項3】
前記培地は、腸内細菌を培養するために用いられるものである、請求項1又は2に記載の培地。
【請求項4】
前記培地は、生育促進用エキスをさらに含む、請求項1又は2に記載の培地。
【請求項5】
前記培地は、たんぱく質分解物をさらに含む、請求項1又は2に記載の培地。
【請求項6】
前記培地は、脂肪酸をさらに含む、請求項1又は2に記載の培地。
【請求項7】
前記培地は、pH7以上の腸内環境を再現するためのモデルとして用いられる、請求項1又は2に記載の培地。
【請求項8】
前記培地は、24時間の糞便培養後のアンモニア産生量が100mM以上となるように構成されている、請求項1又は2に記載の培地。
【請求項9】
前記培地は、糞便培養に伴う短鎖脂肪酸産生を抑制するものである、請求項1又は2に記載の培地。
【請求項10】
前記培地は、腎臓病を有するヒト又は腎臓病予備軍のヒトの腸内環境を再現するためのモデルとして用いられる、請求項1又は2に記載の培地。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本技術は、糞便培養用培地及び当該培地を用いる分析方法に関し、特には特定の腸内環境のモデルとして利用できる糞便培養用培地及び当該培地を用いる分析方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
疾患と腸内環境との関連性に関してこれまでに種々の研究が行われてきている。例えば腎臓病の患者において、腎臓からの排泄量はしばしば低下し、これに伴い腸内環境の悪化を招く場合がある。当該排泄量の低下は、例えば腸内細菌由来の毒素の体内における蓄積をもたらすことがあり、これは病状の悪化をもたらしうる。また、腎臓病だけでなく、肝臓病などの他の疾患に関しても、腸内環境との関連性について研究が行われている。
【0003】
このような疾患と腸内環境との関連性に着目した種々の提案も行われている。例えば下記特許文献1には、「肝性脳症及び/又は大腸癌及び/又は大腸の難病疾患を治療/予防する目的で消化管内のpH環境を改善し、腐敗産物を減少させるために、オリゴ糖及び食物繊維を混合してなることを特徴とする組成物。」(請求項1)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平03-151854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のとおり、腎臓病患者における腎臓からの排泄量低下は、腸内環境の悪化をもたらすことがある。また、肝臓病患者においても、腸内環境の悪化が起こることがある。このような腸内環境悪化は、腸内細菌由来の毒素の体内における蓄積や、さらには病状の悪化ももたらしうる。そこで、腎臓又は肝臓の疾患を有する患者の腸内環境を改善することができれば、毒素の蓄積を防ぐことや、さらなる病状の悪化を防ぐことに貢献できると考えられる。
そこで、本技術は、腸内環境の改善のための手法を提供することを目的とする。本技術は、例えば腎臓病患者又は肝臓病患者の腸内環境など特定の腸内環境を改善するための技術を提供することを目的とする。
【0006】
また、上記の患者の腸内環境を再現するモデルがこれまでに存在していなかった。そのため、従前は、当該患者の腸内環境の改善に関する評価をすることができなかった。そのようなモデルは、患者の腸内環境を改善するための手段を検討するために有用であると考えられる。
そこで、本技術は、腸内環境のモデルを提供することを目的とする。本技術は、例えば上記腸内環境を再現するモデルを提供すること及び当該モデルと用いた分析方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、特定の培地が、特定の腸内環境を再現するモデルとして有用であることを見出した。当該培地は、例えば腸内環境の改善をもたらす手段の調査又は評価のための分析方法において利用されることができる。
また、本発明者らは、当該培地を利用して検討を行ったところ、特定の組成物が、腸内環境を改善するために有用であることを見出した。より具体的には、当該特定の組成物が、腸内のアンモニア濃度を低減するために有用であることを見出した。
【0008】
本技術は、以下を提供する。
[1]難消化性デキストリンとイヌリンとを含む、腸内のアンモニア濃度低減用組成物。
[2]前記組成物中の前記難消化性デキストリン及び前記イヌリンの質量比が、1:99~99:1である、[1]に記載の組成物。
[3]前記組成物中の前記難消化性デキストリン及び前記イヌリンの質量比が、5:95~95:5である、[1]に記載の組成物。
[4]前記組成物中の前記難消化性デキストリン及び前記イヌリンの質量比が、5:95~60:40である、[1]に記載の組成物。
[5]前記組成物は栄養組成物である、[1]~[4]のいずれか一つに記載の組成物。
[6]前記組成物は、腸内環境を良好にするために用いられる組成物である、[1]~[5]のいずれか一つに記載の組成物。
[7]前記組成物は、悪玉菌増加を抑制するために用いられる組成物である、[1]~[6]のいずれか一つに記載の組成物。
[8]前記組成物は、体内の尿素量の低減のために用いられる組成物である、[1]~[7]のいずれか一つに記載の組成物。
[9]前記組成物は、前記難消化性デキストリン及び前記イヌリンをプレバイオティクス成分として含み、
前記プレバイオティクス成分に占める前記難消化性デキストリン及び前記イヌリンの質量割合の合計が50質量%以上である、[1]~[8]のいずれか一つに記載の組成物。
[10]前記組成物は、腎臓病又は肝臓病を有するヒトに投与されるものである、[1]~[9]のいずれか一つに記載の組成物。
[11]前記組成物は、腸内細菌に起因するアンモニア産生を抑制し、腸内環境を改善するためのものである、[1]~[10]のいずれか一つに記載の組成物。
【0009】
また、本技術は、以下を提供する。
<1>尿素を含む糞便培養用培地。
<2>尿素含有割合が、前記培地の質量に対して0.1質量%以上である、<1>に記載の培地。
<3>前記培地は、腸内細菌を培養するために用いられるものである、<1>又は<2>に記載の培地。
<4>前記培地は、生育促進用エキスをさらに含む、<1>~<3>のいずれか一つに記載の培地。
<5>前記培地は、たんぱく質分解物をさらに含む、<1>~<4>のいずれか一つに記載の培地。
<6>前記培地は、脂肪酸をさらに含む、<1>~<5>のいずれか一つに記載の培地。
<7>前記培地は、pH7以上の腸内環境を再現するためのモデルとして用いられる、<1>~<6>のいずれか一つに記載の培地。
<8>前記培地は、24時間の糞便培養後のアンモニア産生量が100mM以上となるように構成されている、<1>~<7>のいずれか一つに記載の培地。
<9>前記培地は、糞便培養に伴う短鎖脂肪酸産生を抑制するものである、<1>~<8>のいずれか一つに記載の培地。
<10>前記培地は、腎臓病を有するヒト又は腎臓病予備軍のヒトの腸内環境を再現するためのモデルとして用いられる、<1>~<9>のいずれか一つに記載の培地。
<11>前記培地は、全身の尿素量が高値を有するヒトの腸内環境を再現するためのモデルとして用いられる、<1>~<10>のいずれか一つに記載の培地。
<12>尿素を含む糞便培養用培地を用いる分析方法。
<13>前記培地は、尿素含有量が0.1質量%以上である、<12>に記載の分析方法。
<14>前記分析方法は、糞便試料を前記培地において培養する培養工程を含む、<12>又は<13>に記載の分析方法。
<15>前記分析方法は、前記培養工程において得られた培養物の分析を行う分析工程を含む、<14>に記載の分析方法。
【発明の効果】
【0010】
本技術に従う組成物は、腸内のアンモニア濃度を低減することができる。当該組成物は、例えば腸内細菌によるアンモニア産生を抑制するために有用である。当該組成物は、例えば腎臓病又は肝臓病など、アンモニア又は尿素の代謝に関係する疾患を有するヒトにおける腸内環境の改善のために有用である。
(【0011】以降は省略されています)

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