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公開番号2024065815
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-15
出願番号2022174857
出願日2022-10-31
発明の名称改良シャーレ
出願人合同会社陶徳堂研究所
代理人個人,個人
主分類C12M 1/22 20060101AFI20240508BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】
被験者の体液が、線虫の移動面に流出することを防止した、線虫の行動観察用のシャーレを提供することを課題とする。
【解決手段】
容器本体Cと、前記容器本体の内部に収容される内皿Nと、を備え、
前記内皿Nは、内皿孔N1と、線虫の移動が可能な表面を備え、かつ、前記内皿孔の周縁から外側に向かうに伴って漸次上方に傾斜している内皿傾斜面N2と、を備える、シャーレ。
【選択図】 図1


特許請求の範囲【請求項1】
容器本体と、前記容器本体の内部に収容される内皿と、を備え、
前記内皿は、内皿孔と、線虫の移動が可能な表面を備え、かつ、前記内皿孔の周縁から外側に向かうに伴って漸次上方に傾斜している内皿傾斜面と、を備える、シャーレ。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記内皿孔は、皿表面に凹設された、略鉛直方向に延びる孔壁により画定された貯留空間を備える、請求項1に記載のシャーレ。
【請求項3】
前記貯留空間の内部に吸水体が納置されている、請求項2に記載のシャーレ。
【請求項4】
前記容器本体と、前記内皿の外面と、で画定された空間の下部に吸水体が納置されている、請求項3に記載のシャーレ。
【請求項5】
前記容器本体の底部に吸水体が敷設され、前記内皿が前記吸水体の上に設置されており、前記吸水体が、前記内皿孔を通じて内皿内部に露出している、請求項1に記載のシャーレ。
【請求項6】
前記容器本体を覆う蓋体を備え、
前記蓋体は、その上面に、前記容器本体と外部空間とを連通する貫通孔と、前記貫通孔に向かうに伴い漸次下方に傾斜する蓋傾斜面を備え、
前記容器本体に前記内皿を収容し、前記蓋体で前記容器本体を覆ったとき、前記貫通孔と前記内皿孔が略同軸上に位置する、請求項1~5の何れか一項に記載のシャーレ。
【請求項7】
前記容器本体は、前記内皿を抑える、内皿抑え部を有する、請求項1~5の何れか一項に記載のシャーレ。
【請求項8】
請求項1~5の何れか一項に記載のシャーレを用いて、線虫の行動を観察する方法であって、
前記容器本体に前記内皿を収容し、内皿傾斜面に線虫を配置し、前記内皿孔に被験者の体液を滴下して前記体液に対する前記線虫の行動を観察し、
前記線虫が、前記内皿傾斜面を登り前記体液の入った内皿孔から離れていく行動が観察される場合には、健常者の体液に対する忌避行動を示しているものと判定する方法。
【請求項9】
請求項2に記載のシャーレを用いて、線虫の行動を観察する方法であって、
前記容器本体に前記内皿を収容し、前記貯留空間の下部に吸水体を納置し、内皿傾斜面に線虫を配置し、前記内皿孔に被験者の体液を滴下して前記体液に対する前記線虫の行動を観察し、
前記線虫が、前記内皿傾斜面を登り前記体液の入った内皿孔から離れていく行動が観察される場合には、健常者の体液に対する忌避行動を示しているものと判定する方法。
【請求項10】
請求項1に記載のシャーレを用いて、線虫の行動を観察する方法であって、
前記容器本体の底部に吸水体を敷設し、前記吸水体の上に前記内皿を設置し、内皿傾斜面に線虫を配置して前記吸水体が内皿孔を通じて内皿内部に露出した状態とし、前記内皿孔に、被験者の体液を滴下して前記体液に対する前記線虫の行動を観察し、
前記線虫が、前記内皿傾斜面を登り前記体液の入った内皿孔から離れていく行動が観察される場合には、健常者の体液に対する忌避行動を示しているものと判定する方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は線虫の行動評価を行う際に用いるシャーレに関するものである。
続きを表示(約 1,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、線虫と呼ばれる細長い糸状の生物を用いた、癌の検査方法の研究が盛んに進められており、注目を集めている。
【0003】
この検査方法は、線虫の嗅覚に基づく化学走性又は嗅覚神経の応答を利用している。
線虫は、癌患者の尿の匂いを好み、健常者の尿の匂いを嫌う性質を有している。このため線虫の近傍に対象者の尿を滴下すると、線虫が、尿に反応して誘引行動、忌避行動又はどちらともいえない曖昧な行動の何れかを示す。この線虫の行動を観察することにより、癌の有無を特定することができる。
【0004】
また、線虫は、犬と同等以上の嗅覚を持つことから、微量の尿であっても検査でき、さらに安価に培養できる。このため、対象者は、自身の体に影響を及ぼすことなく、少ない費用で検査を実施することができる。
【0005】
特許文献1には、上記の検査方法に関する発明が記載されている。
また、特許文献2には、上記の検査方法を実施する際に用いられるシャーレに関する発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2015/088039号
特許第6164622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、特許文献2に記載のシャーレは、容器の底面を複数領域に区画しているのみであるため、被験者の尿を滴下する際、滴下量が多くなると、線虫の移動面に尿が流出する場合があった。また、適量の被験者の尿を滴下した場合であっても、線虫の移動面との境がないため、わずかな振動によって、線虫の移動面に尿が流出する場合があった。
上記のように尿が線虫の移動面に流出すると、線虫の誘引行動、忌避行動の観察が困難となる。さらに、これを防ぐために検査時に尿の滴下を慎重に行う必要が生じ、多くの対象者を検査する際に非効率となる。
【0008】
上記のような状況をふまえ、本発明は被験者の体液が線虫の移動面に流出することを防止した、線虫の行動観察用のシャーレを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、
容器本体と、前記容器本体の内部に収容される内皿と、を備え、
前記内皿は、内皿孔と、
線虫の移動が可能な表面を備え、かつ、前記内皿孔の周縁から外側に向かうに伴って漸次上方に傾斜している内皿傾斜面と、を備えることを特徴とする。
【0010】
対象者の生体関連物質を含む尿などの体液は、内皿の表面ではなく内皿孔の内部に滴下される。また、内皿傾斜面が内皿孔周縁から外側に向かうに伴って漸次上方に傾斜している。これらの構成によって、滴下した体液が線虫の存在領域である内皿傾斜面に流出することを抑制している。
(【0011】以降は省略されています)

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