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公開番号
2024095485
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-07-10
出願番号
2023051595
出願日
2023-03-28
発明の名称
核酸検出用PCR溶液
出願人
杏林製薬株式会社
代理人
主分類
C12Q
1/6876 20180101AFI20240703BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】
生体試料から核酸成分を分離、精製することなく直接核酸増幅することが可能な核酸増幅用組成物を提供する。
【解決手段】
以下の成分(A)~(D)を含有し、生体試料から核酸成分の単離精製をしないで核酸を増幅することを特徴とする核酸増幅用組成物。
(A)DNAポリメラーゼ
(B)フォワードプライマー及びリバースプライマー
(C)蛍光色素で標識されたプローブ
(D)尿素
【選択図】 図3
特許請求の範囲
【請求項1】
以下の成分(A)~(D)を含有し、生体試料から核酸成分の単離精製をしないで核酸を増幅することを特徴とする核酸増幅用組成物。
(A)DNAポリメラーゼ
(B)フォワードプライマー及びリバースプライマー
(C)蛍光色素で標識されたプローブ
(D)尿素
続きを表示(約 220 文字)
【請求項2】
レシプロカルフロー型の核酸増幅装置を用いることを特徴とする、請求項1記載の核酸増幅用組成物。
【請求項3】
さらに(E)非イオン界面活性剤を含有する、請求項2記載の核酸増幅用組成物。
【請求項4】
さらに(F)無機塩を含有する、請求項1記載の核酸増幅用組成物。
【請求項5】
請求項4記載の核酸増幅用組成物を製造するための、(D)尿素及び(F)無機塩を含有する水溶液の使用。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウイルス、バクテリア等の感染、ならびに各種遺伝子疾患の検出を行うリアルタイムPCRの分野において、生体試料からの核酸成分の精製工程を経ることなく、直接遺伝子検出を可能とする組成物に関する。なお、本明細書に記載される文献は、下記先行技術文献(特許文献及び非特許文献)として挙げた文献を含め、全ての文献につき、記載される全ての内容が、参照により本明細書に組み込まれる。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
核酸の検出は、医薬品の研究開発、法医学、臨床検査、農作物や病原性微生物の種類の同定など、様々な分野において中核をなしている。当該核酸の検出のために、PCR(polymerase chain reaction)が広く用いられている。PCRはDNAのある特定領域を選択的に増幅する技術である。具体的には、サーマルサイクルと呼ばれる三相もしくは二相の温度条件を繰り返すことにより、単一鎖へのDNAの変性、変性されたDNA一本鎖とプライマーのアニーリング、及び熱安定性DNAポリメラーゼ酵素によるプライマーの伸長という個々の反応を順次繰り返すことによりDNAを増幅する。
【0003】
また、PCRにより増幅されたDNAの検出を容易とするリアルタイムPCRが開発されている。
【0004】
PCRは目的のDNAを選択的に増幅できるが、増幅したDNAを確認するためには、PCRの終了後に別途ゲル電気泳動などによる確認作業が必要であった。リアルタイムPCRでは目的のDNAの増幅量に合わせ蛍光を発生もしくは消光させることにより、試料中の目的のDNAの有無を簡便に確認できるようになった。
【0005】
また、従来のPCRでは、PCR前の試料中のテンプレートDNA量が一定量を超えると、PCR後の増幅DNA量はプラトーに達していることが多く、PCR前のテンプレートDNA量を定量することはできない。しかし、リアルタイムPCRにおいては、プラトーに達する前に、PCR途中の増幅DNA量をリアルタイムに検出できるため、DNA増幅の様子からPCR前のテンプレートDNA量を定量することが可能である。そのためリアルタイムPCRは、定量的PCRとも呼ばれる。
【0006】
PCRに使用される汎用のサーマルサイクラー装置は、ヒーターであるアルミブロック部の巨大な熱容量のため温度制御が遅く、30~40サイクルのPCR操作に従来1~2時間、場合によってはそれ以上を要する。そのため、最新の遺伝子検査装置を用いても分析にはトータルで、通常1時間以上を要しており、PCR操作の高速化は、技術登場以来の大きな課題であった。
【0007】
PCRの高速化のための手法として、レシプロカルフロー型の核酸増幅装置が提案されている(特許文献1)。
【0008】
レシプロカルフロー型の核酸増幅装置を用いるPCRにおいては、マイクロプロア等の送液機構を使用し、中間流路を介して連通している変性温度帯に維持されている流路と伸長およびアニーリング温度帯に維持されている流路との間で試料液を行き来させ、短時間でのDNA増幅を可能としている。
【0009】
しかしながら、PCR法は、たんぱく、糖類や未知の夾雑物によって反応が阻害されることがある。すなわち、多くのDNAポリメラーゼは、生体由来の夾雑物がPCR反応液中に混在すると、活性が強く阻害されることが知られている。
【0010】
このため、PCR法によるDNA増幅にあたり、被験物から細菌、ウィルス等(以下、遺伝子包含体)を分離し、さらに遺伝子包含体から核酸を抽出する操作が必要となる。分離・抽出方法としては、酵素、界面活性剤等により遺伝子包含体を分解し、その後にフェノール等を用いて、遺伝子包含体の分解物から核酸を抽出する方法が使用されている。また、核酸抽出の過程において、イオン交換樹脂、ガラスフィルター、ガラスビーズあるいはタンパク凝集作用を有する試薬等が使用される。
(【0011】以降は省略されています)
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