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公開番号2024081213
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-18
出願番号2022194670
出願日2022-12-06
発明の名称培養挙動予測方法
出願人花王株式会社
代理人個人
主分類C12Q 1/02 20060101AFI20240611BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】微生物を培養する培養容器内での培養挙動を高精度に予測可能な技術を提供する。
【解決手段】培養挙動予測方法では、学習済みモデルを利用可能な一以上のプロセッサが、或る培養時点における培養容器内の特定成分の濃度及び特定培養条件を含む培養情報を当該学習済みモデルに入力することにより培養挙動速度指標として当該特定成分の変化速度を取得する第一工程と、取得された特定成分の変化速度を少なくとも用いて次の培養時点における当該特定成分の濃度を算出する第二工程と、次の培養時点における特定培養条件を取得する第三工程と、各培養時点に関する第一工程、第二工程及び第三工程を含む予測サイクルを繰り返すことで、所定培養時間にわたる培養結果情報を取得する第四工程とを実行する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
微生物を培養する培養容器内における培養挙動を予測する方法であって、
培養情報を入力として培養挙動速度指標を出力する学習済みモデルを利用可能な一以上のプロセッサが、
或る培養時点における前記培養容器内の特定成分の濃度及び特定培養条件を含む前記培養情報を前記学習済みモデルに入力することにより前記培養挙動速度指標として該特定成分の変化速度を取得する第一工程と、
取得された前記特定成分の変化速度を少なくとも用いて次の培養時点における前記培養容器内の前記特定成分の濃度を算出する第二工程と、
前記次の培養時点における前記特定培養条件を取得する第三工程と、
各培養時点に関する前記第一工程、前記第二工程及び前記第三工程を含む予測サイクルを繰り返すことで、所定培養時間にわたる培養結果情報を取得する第四工程と、
を実行する培養挙動予測方法。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
前記培養容器内の前記特定成分は、前記培養挙動で生成される目的物であり、
前記一以上のプロセッサは、
前記第一工程において、前記目的物の濃度を含む前記培養情報を前記学習済みモデルに入力することにより前記培養挙動速度指標として前記目的物の生成速度を取得し、
前記第二工程において、取得された前記目的物の生成速度を少なくとも用いて前記次の培養時点における前記目的物の濃度を算出する、
請求項1に記載の培養挙動予測方法。
【請求項3】
前記特定培養条件は、前記培養容器内の温度及び前記培養容器内の培養液の水素イオン指数、並びに酸素供給速度若しくは酸素消費速度を含み、
前記一以上のプロセッサは、
前記第一工程において、前記或る培養時点における、前記特定成分の濃度、前記温度、前記水素イオン指数、並びに前記酸素供給速度若しくは前記酸素消費速度を含む前記培養情報を前記学習済みモデルに入力することにより前記培養挙動速度指標として前記特定成分の変化速度を取得し、
前記第三工程において、前記次の培養時点における前記温度、前記水素イオン指数、並びに前記酸素供給速度若しくは前記酸素消費速度を含む前記特定培養条件を取得する、
請求項1又は2に記載の培養挙動予測方法。
【請求項4】
前記一以上のプロセッサは、
前記第二工程において、各培養時点における培養経過時間並びに前記酸素供給速度若しくは前記酸素消費速度に基づいて各培養時点における前記微生物の特定の菌体量を算出し、算出された菌体量及び取得された前記特定成分の変化速度を少なくとも用いて前記次の培養時点における前記特定成分の濃度を算出する、
請求項3に記載の培養挙動予測方法。
【請求項5】
前記一以上のプロセッサが、
前記第一工程において、前記培養挙動で生成される目的物の濃度を含む前記培養情報を前記学習済みモデルに入力することにより前記培養挙動速度指標として該目的物の生成速度及び基質消費速度を取得し、
前記第二工程において、前記或る培養時点における基質投入情報を取得し、該基質投入情報及び取得された前記基質消費速度を少なくとも用いて前記次の培養時点における前記培養容器内の基質濃度を更に算出し、
前記第四工程において、前記算出された基質濃度に基づいて前記予測サイクルの繰り返しの継続又は終了を判定する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の培養挙動予測方法。
【請求項6】
前記培養情報は、前記微生物の菌体活動状態をカテゴリ変数で示す菌体活動情報を更に含み、
前記一以上のプロセッサは、
前記第一工程において、前記或る培養時点における前記特定成分の濃度、前記菌体活動情報及び前記特定培養条件を含む前記培養情報を前記学習済みモデルに入力することにより前記培養挙動速度指標として前記特定成分の変化速度を取得し、
前記第二工程において、前記次の培養時点における前記菌体活動情報を取得する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の培養挙動予測方法。
【請求項7】
前記特定培養条件は、酸素供給速度又は酸素消費速度を含み、
前記一以上のプロセッサは、
前記第二工程において、前記或る培養時点までの培養経過時間及び前記酸素供給速度又は前記酸素消費速度に基づいて、前記次の培養時点における前記菌体活動情報を算出し、
前記第三工程において、前記次の培養時点における前記酸素供給速度又は前記酸素消費速度を含む前記特定培養条件を取得する、
請求項6に記載の培養挙動予測方法。
【請求項8】
前記培養情報は、前記培養容器内における副生産物の増減状態をカテゴリ変数で示す副生産物状態情報を更に含み、
前記一以上のプロセッサは、
前記第一工程において、前記或る培養時点における前記特定成分の濃度、前記副生産物状態情報及び前記特定培養条件を含む前記培養情報を前記学習済みモデルに入力することにより前記副生産物の生成速度を前記特定成分の変化速度の一つとして取得し、
前記第二工程において、取得された前記副生産物の生成速度を用いて前記次の培養時点における前記副生産物状態情報を取得する、
請求項1から7のいずれか一項に記載の培養挙動予測方法。
【請求項9】
前記学習済みモデルは、前記培養情報のみを入力として前記培養挙動速度指標のみを出力し、
前記培養情報及び前記培養挙動速度指標は、示強変数若しくは無次元数、又はそれら両方のみで構成されている、
請求項1から8のいずれか一項に記載の培養挙動予測方法。
【請求項10】
メモリ及び前記一以上のプロセッサを少なくとも備える培養挙動予測装置であって、
請求項1から9のいずれか一項に記載の培養挙動予測方法を実行可能な培養挙動予測装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、微生物を培養する培養容器内での培養挙動を予測する技術に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、細胞の培養やバイオプロダクションにおいて、実験を繰り返すことなく、最適な培養条件を探索可能とする細胞培養プロセス探索方法が開示されている。
この方法は、複数のプロセス条件を発生させるプロセス条件発生工程、当該複数のプロセス条件に対して細胞の培養予測結果を取得する培養結果予測工程、当該培養予測結果から最適なプロセス条件を見出す最適化プロセス条件取得工程を含む。培養結果予測工程は、プロセス条件取得工程と、取込制約条件取得工程と、最適化計算工程と、濃度変化計算工程とを有しており、最適化計算工程は、培地組成(培地成分濃度)及び取込制約条件に基づいて、細胞の代謝に関する数理モデル(代謝回路モデル)で代謝流速(消費速度)の計算を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2021/166824号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の方法における培養結果予測工程で用いられる予測方法は、予測精度において改善の余地がある。
本発明は、微生物を培養する培養容器内での培養挙動を高精度に予測可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、微生物を培養する培養容器内における培養挙動を予測する方法であって、培養情報を入力として培養挙動速度指標を出力する学習済みモデルを利用可能な一以上のプロセッサが、或る培養時点における前記培養容器内の特定成分の濃度及び特定培養条件を含む前記培養情報を前記学習済みモデルに入力することにより前記培養挙動速度指標として該特定成分の変化速度を取得する第一工程と、取得された前記特定成分の変化速度を少なくとも用いて次の培養時点における前記培養容器内の前記特定成分の濃度を算出する第二工程と、前記次の培養時点における前記特定培養条件を取得する第三工程と、各培養時点に関する前記第一工程、前記第二工程及び前記第三工程を含む予測サイクルを繰り返すことで、所定培養時間にわたる培養結果情報を取得する第四工程とを実行する培養挙動予測方法が提供される。
【0006】
また、本発明によれば、メモリ及び上記一以上のプロセッサを少なくとも備える培養挙動予測装置であって、上記培養挙動予測方法を実行可能な培養挙動予測装置が提供可能である。
更に言えば、上記培養挙動予測方法をコンピュータに実行させるプログラムも提供可能であるし、このようなプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体も提供可能である。この記録媒体は、非一時的な有形の媒体を含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、微生物を培養する培養容器内での培養挙動を高精度に予測可能な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
培養システムの例を示す模式図である。
本実施形態に係る培養挙動予測方法を実行可能な情報処理装置のハードウェア構成例を概念的に示す図である。
本実施形態に係る培養挙動予測方法を示すフローチャートである。
第一予測方法における各種情報(データ)の流れを概念的に示す図である。
第二予測方法における各種情報(データ)の流れを概念的に示す図である。
第三予測方法における各種情報(データ)の流れを概念的に示す図である。
第一予測方法、第二予測方法及び第三予測方法の予測精度を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の好ましい実施形態の例(以降、本実施形態と表記する)について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は例示であり、本発明は以下に挙げる構成に限定されない。
【0010】
以下に説明する本実施形態は、微生物を培養する培養容器内における培養挙動を予測する培養挙動予測方法(以下、本方法と表記する)である。
図1は、培養システムの例を示す模式図である。
図1には液体培養を行う培養槽が例示されており、培養槽(培養容器)内の培養液中で微生物の培養が行われる。
このような培養システムでは、培養槽内或いは培養液の温度や培養液の水素イオン指数(pH)等が計測されており、微生物の培養に必要な栄養源である基質の投入や酸素の供給等が制御されることで、当該培養挙動に伴う目的物(目的生産物)の生産が促される。
基質は、溶液として培養槽内に投入され、本明細書ではその溶液を基質投入溶液と表記する。
酸素は、培養槽の下部に空気供給配管、上部に排気配管が設けられており、空気供給配管から任意の設定流量で常時空気が流されることで、供給される。更に、攪拌翼を使って任意設定速度で攪拌することで酸素供給効率を上げることもできる。
また、当該培養挙動では、図1に例示されているように、目的物に加えて、その他の物質(副生産物や二酸化炭素等)も生成される。
(【0011】以降は省略されています)

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