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公開番号2024070748
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-23
出願番号2022181458
出願日2022-11-11
発明の名称非ゲノム配列抗ウイルス用オリゴヌクレオチド
出願人個人
代理人
主分類C12N 15/11 20060101AFI20240516BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】複数種のRNAウイルスの感染細胞に働き抗ウイルス効果を示し、また、耐性ウイルスが出現しにくい抗ウイルス用オリゴヌクレオチドおよびその薬理学的組成物を提供する。
【解決手段】RNAゲノムを持つウイルスのゲノムRNAとヌクレオキャプシドタンパク質の結合を阻害するゲノム配列に存在しないオリゴヌクレオチドであって、ウイルス粒子及び/あるいはウイルス感染細胞においてウイルスの増殖を抑制する抗ウイルス用オリゴヌクレオチドおよびその薬学的組成物を用いる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ウイルスのゲノムRNA中に少なくとも6塩基連続して存在しない配列を含む6~19ヌクレオチド長であって、ウイルスのヌクレオカプシド(N)タンパク質とRNAの結合を抑制する活性を有するオリゴヌクレオチド。
続きを表示(約 810 文字)【請求項2】
ウイルスのゲノムRNA中に少なくとも6塩基連続して存在しない配列を含む6~19ヌクレオチド長であって、ウイルスの増殖を抑制するオリゴヌクレオチド。
【請求項3】
ウイルスのNタンパク質とRNAの結合を抑制する活性を有するオリゴヌクレオチドであって、グアニンヌクレオチドが少なくとも6つ連続した配列を含む6~19ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチド。
【請求項4】
ウイルス及び/又はウイルス感染細胞に接触させた場合にウイルスの増殖を抑制する活性を有する抗ウイルス用オリゴヌクレオチドであって、グアニンヌクレオチドが少なくとも6つ連続した配列を含む6~19ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチド。
【請求項5】
請求項1~4に記載されたオリゴヌクレオチドでグアニンヌクレオチドが12個または12を超える数が連続したオリゴヌクレオチド。
【請求項6】
請求項1~5に記載されたオリゴヌクレオチドの一部又は全てがリボヌクレオチドであるオリゴヌクレオチド。
【請求項7】
請求項1~5に記載されたオリゴヌクレオチドの一部又は全てがデオキシリボヌクレオチドであるオリゴヌクレオチド。
【請求項8】
請求項1~7に記載されたオリゴヌクレオチドのリン酸ジエステル結合の一部又は全てがホスホロチオエート化されたオリゴヌクレオチド。
【請求項9】
請求項1~8に記載されたオリゴヌクレオチドの一部又は全てのリボース部分への2′‐Oメチル、2′‐O(2‐メトキシエチル)、2′‐フルオロ化のいずれかあるいは組み合わせた修飾を含むオリゴヌクレオチド。
【請求項10】
請求項1~9に記載されたオリゴヌクレオチドの、一部又は全ての塩基に修飾を加えたオリゴヌクレオチド。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ウイルス及び/又はウイルス感染細胞に作用しウイルスの増殖を阻害する抗ウイルス用オリゴヌクレオチド、並びにヒト及び動物のウイルスにより起きるウイルス感染、および病因がウイルスに基づくその他の疾患における治療剤としての該抗ウイルス用オリゴヌクレオチドとその使用に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
以下の議論は、単に読者の理解を助けるために提供されるのであって、議論された情報又は引用された文献のいかなるものも本発明の先行技術を構成することを容認するものではない。
【0003】
有史以来世界の人々を苦しめてきた痘瘡の根絶が1977年に宣言され、「ウイルス感染症は克服できるもの」と認識された時期があった。しかし、エボラウイルス病、新型インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症など新たな感染症が次々見いだされ人類を苦しめている。ヒトに病気を起こす新たな感染症の多くは自然界の動物より派生する人獣共通感染症である。
【0004】
インフルエンザA型ウイルスは、8本の分節に分かれたゲノムをもち、ヒト、ブタ、トリに感染する。複数の異なった型のインフルエンザAウイルスがブタの気道上皮細胞に同時感染したときに、分節ゲノムの組み換えを起こす。さらに変異を繰り返す過程で、ヒトに感染しさらにヒトからヒトへの感染が成立した場合に、人類がこれまで経験したことがない(免疫を持たない)新型インフルエンザウイルスの発生とその感染拡大につながると考えられている。
【0005】
コロナウイルスは多くの動物に固有のウイルスが存在する。ヒトコロナウイルス(HCoV)としてはHCoV-229E、HCoV‐OC43、HCoV‐NL63、HCoV‐HKU1が存在し通常の風邪の10~15%(流行期35%)の原因となる。これら風邪のコロナウイルスに加えて、重症肺炎を起こす重症急性呼吸器症候群(SARS)を起こすSARSコロナウイルス(2002年)、中東呼吸器症候群(MERS)の原因となるMERSコロナウイルス(2012年)、新型コロナウイルス(SARSコロナウイルス2型、2019年)が発生した。SARSのり患者は8096人で9.7%の致死率と高いが1年足らずで収束した。一方MERSは22500名以上のり患者で致死率は35%と高く感染は継続している。新型コロナウイルス感染症は発生後4年が経過し約6億3千万人以上がり患し660万人が犠牲になっており、この新感染症が医療の混乱をはじめ感染対策による社会経済活動の停滞と混乱の原因となっている。これらのコロナウイルスのほとんどは、もともとはコウモリが持つコロナウイルスに由来し、ヒトに感染するようになったと考えられている(非特許文献1)。
【0006】
これらの状況から考えて、今後も新型インフルエンザや新型コロナウイルス感染症などの新感染症の発生を防ぐのは難しく、発生時に対応するための有効な予防法および治療法の開発が求められる。
【0007】
これまでに人類が唯一根絶に成功した感染症は痘瘡である。痘瘡は痘瘡ウイルスの接触、飛沫感染により起こる。感染者を早期に発見して隔離治療をするとともに、広くワクチン接種(種痘)を施したことによる。自然界で痘瘡ウイルスにり患する動物はヒトのみで、痘瘡にり患すると症状が現れること、痘瘡ワクチン接種による感染防御の有効性は高いことが理由で1980年に根絶することに成功した。
【0008】
一方で新型インフルエンザや新型コロナウイルス感染症は、自然界のヒト以外の動物よりその派生する人獣共通感染症ためにその発生を防ぐことは難しい。また、これらの感染症は感染しても症状が出ない場合や発症前の数日の期間(潜伏期)の人の移動が感染拡大の要因となっている。
【0009】
新型コロナウイルス感染症の発生で実用化されたmRNAワクチンは感染予防効果、重症化を防ぐ効果を示してその有効性が認められている(非特許文献2)。しかし、新型コロナウイルスに対する感染予防効果を示す免疫は数カ月で減弱する。さらにウイルスのゲノムの変異が積み重なり、抗原性を担うSタンパク質の抗原性が変化し人の免疫から逃れた変異株が発生し、それによる度重なる流行を繰り返した(非特許文献3)。そのため、感染症の流行の抑制には有効なワクチンと共に抗ウイルス薬の実用化が好ましい。
【0010】
新型インフルエンザではないインフルエンザ、いわゆる季節性インフルエンザは毎年流行を繰り返し、世界で毎年3~5約万人がり患し29~65万人が呼吸器死すると見積もられている感染症である(非特許文献4)。地球上のどこかで流行し、変異を繰り返すことで抗原性を変えながら流行地を変えていく。したがって年ごとに流行する可能性のある抗原型を予測して、それに合わせたワクチンを用意するという計画的な施策がなされている。また、ワクチンの有効性も数か月で減弱することからその予防には毎年の接種が求められる。
(【0011】以降は省略されています)

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