TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024163018
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-21
出願番号2024061578
出願日2024-04-05
発明の名称水素発生装置
出願人国立大学法人 宮崎大学
代理人弁理士法人上野特許事務所
主分類C12M 1/00 20060101AFI20241114BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】バイオマスを原料とし、微生物を利用して水素を発生させ、プロトン交換膜を用いることなく、その水素を分離・純化することができる水素発生装置を提供する。
【解決手段】バイオ水素発生部2と、水素分離部3と、を備え、バイオ水素発生部2は、微生物の活動による工程を含んで、バイオマスBより水素分子を含んだバイオ水素ガスを生成し、水素分離部3は、プロトン伝導性セラミックスよりなる電解質層41、および電解質層41に接合されたアノード42およびカソード43を有する電気化学ポンプ4と、アノード42とカソード43の間に電圧を印加する電源5と、を有し、電気化学ポンプ4は、アノード42において、バイオ水素発生部2より供給されたバイオ水素ガス中の水素分子からプロトンを発生させ、電解質層41を移動した該プロトンからカソード43にて水素分子を生成させる、水素発生装置1とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
バイオ水素発生部と、
水素分離部と、を備え、
前記バイオ水素発生部は、微生物の活動による工程を含んで、バイオマスから水素分子を含んだバイオ水素ガスを生成し、
前記水素分離部は、プロトン伝導性セラミックスよりなる電解質層、および前記電解質層に接合されたアノードおよびカソードを有する電気化学ポンプと、前記アノードと前記カソードの間に電圧を印加する電源と、を有し、
前記電気化学ポンプは、前記アノードにおいて、前記バイオ水素発生部より供給された前記バイオ水素ガス中の水素分子からプロトンを発生させ、前記電解質層を移動した該プロトンから前記カソードにて水素分子を生成させる、水素発生装置。
続きを表示(約 390 文字)【請求項2】
前記微生物は水素発生菌であり、前記バイオマスから直接水素分子を発生させる、請求項1に記載の水素発生装置。
【請求項3】
前記微生物は、受託番号NITE P-02709のクロストリジウム・ニューエンスである、請求項2に記載の水素発生装置。
【請求項4】
前記バイオマスは、食品廃水であり、
前記微生物は、嫌気性とした前記食品廃水の中に添加される、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の水素発生装置。
【請求項5】
前記バイオマスは、蒸留かす廃液である、請求項4に記載の水素発生装置。
【請求項6】
前記電解質層は、ペロブスカイト型金属複酸化物より構成され、
前記アノードおよび前記カソードは、PtまたはPt合金より構成される、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の水素発生装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水素発生装置に関し、さらに詳しくは、微生物を利用してバイオマスからバイオ水素ガスを生成したうえで、水素の純度を高めて供給する水素発生装置に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
食品廃棄物等のバイオマスを原料として水素を生成し、資源化する試みが進められている。食品廃棄物のように多くの有機化合物を含む廃棄物の処理には、曝気処理が用いられ、多大な電力を必要としていたが、それらの廃棄物を水素生成の原料として用いることができれば、廃棄物の処理に必要なエネルギーを削減できるのに加え、生成した水素を燃料等として利用可能となることが期待される。例えば、特許文献1に、微生物を固定化した固定化微生物電極を陽極として用い、微生物が代謝可能なグルコースや酢酸などの有機物を電子供与体とする機能構成の電解槽を用いた循環型水素生産施設が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2015-25172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
食品廃棄物等のバイオマスを原料とし、微生物を利用して水素を発生させる場合に、燃料等として実用可能な高品質の水素ガスを得るためには、微生物によって生成された水素分子を含むガス(バイオ水素ガス)から、水素分子を分離・純化する必要がある。特許文献1に開示されている電解槽においては、微生物が固定化された陽極と、対極となる陰極との間に、プロトン交換膜が配置されており、このプロトン交換膜の機能により、水素分子の分離・純化が行われる。つまり、微生物の活動によって生成した水素分子が、陽極においてプロトンとなり、プロトン交換膜を通過したうえで、陰極において水素分子として放出される。
【0005】
このように、プロトン交換膜を備えた電解槽を利用することで、バイオ水素ガスから水素分子を分離・純化できる可能性がある。しかし、原料として用いられるバイオマスに多様な有機物が含有されていることに起因して、実際のバイオ水素ガスには、水素以外に様々な成分が含まれ、それらの成分が、プロトン交換膜に影響を与える可能性がある。例えば、食品廃棄物を原料としてバイオ水素ガスを生成すると、多くの場合、含硫黄有機物の発酵によって、バイオ水素ガスに含硫黄分子が含有されやすい。含硫黄分子は、有機高分子より構成されるプロトン交換膜の劣化を引き起こす可能性がある。プロトン交換膜の劣化が起こりうる状況で、水素の分離・純化を継続的に行うためには、プロトン交換膜の頻繁な交換が必要となる。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、バイオマスを原料とし、微生物を利用して水素を発生させ、プロトン交換膜を用いることなく、その水素を分離・純化することができる水素発生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明にかかる水素発生装置は、以下の構成を有している。
[1]本発明にかかる水素発生装置は、バイオ水素発生部と、水素分離部と、を備え、前記バイオ水素発生部は、微生物の活動による工程を含んで、バイオマスから水素分子を含んだバイオ水素ガスを生成し、前記水素分離部は、プロトン伝導性セラミックスよりなる電解質層、および前記電解質層に接合されたアノードおよびカソードを有する電気化学ポンプと、前記アノードと前記カソードの間に電圧を印加する電源と、を有し、前記電気化学ポンプは、前記アノードにおいて、前記バイオ水素発生部より供給された前記バイオ水素ガス中の水素分子からプロトンを発生させ、前記電解質層を移動した該プロトンから前記カソードにて水素分子を生成させる。
【0008】
[2]上記[1]の態様において、前記微生物は水素発生菌であり、前記バイオマスから直接水素分子を発生させるとよい。
【0009】
[3]上記[2]の態様において、前記微生物は、受託番号NITE P-02709のクロストリジウム・ニューエンスであるとよい。
【0010】
[4]上記[1]から[3]のいずれか1つの態様において、前記バイオマスは、食品廃水であり、前記微生物は、嫌気性とした前記食品廃水の中に添加されるとよい。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

個人
菊川深蒸し茶わり
2か月前
東レ株式会社
RNAの検出方法
1か月前
東洋紡株式会社
酵素の製造方法
1か月前
池田食研株式会社
納豆菌発酵液
1か月前
東レ株式会社
RNA溶液の製造方法
1か月前
豊田合成株式会社
細胞回収具
1か月前
長谷川香料株式会社
抗菌活性評価方法
1か月前
株式会社日本バイオデータ
品質管理方法
1か月前
株式会社 資生堂
融解装置
1か月前
テルモ株式会社
多段培養容器
2か月前
個人
アルコール飲料の味覚改良方法
1か月前
東洋紡株式会社
マウス組換え抗体の生産性向上
2か月前
株式会社写真化学
菌体観察装置
17日前
メルス ナムローゼ フェンノートシャップ
CLEC12AxCD3二重特異性抗体及び疾患の治療方法
1か月前
株式会社雷神の風
試料採取装置
26日前
新東工業株式会社
培養装置
1か月前
株式会社アテクト
培養シート
1か月前
新東工業株式会社
培養システム
1か月前
株式会社MARS Company
善玉菌増殖方法
1か月前
国立大学法人東京海洋大学
ウイルス不活化用組成物
4日前
横河電機株式会社
観察培養装置
1か月前
学校法人近畿大学
柿を用いた酒類の製造方法
1か月前
国立大学法人山梨大学
キメラタンパク質
2か月前
TDK株式会社
評価方法、及び評価装置
1か月前
JFEエンジニアリング株式会社
生細胞選別方法
2か月前
日本バイリーン株式会社
細胞培養基材、および、その製造方法
24日前
花王株式会社
抗アミラーゼ抗体
17日前
株式会社リコー
液滴形成装置
1か月前
JFEエンジニアリング株式会社
生細胞選別方法
1か月前
花王株式会社
濾過速度向上方法
1か月前
国立大学法人京都大学
ウイルスベクターの製造方法
2か月前
三菱商事ライフサイエンス株式会社
スルフォラファンの製造方法
1か月前
セイコーエプソン株式会社
キノコ栽培用培地
1か月前
株式会社リコー
細胞培養用基材
1か月前
横河電機株式会社
状態特定方法
2か月前
東ソー株式会社
トリ骨髄芽細胞腫ウイルス逆転写酵素の製造方法
26日前
続きを見る