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公開番号2024122605
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-09
出願番号2023030235
出願日2023-02-28
発明の名称オリゴデンドロサイト分化促進剤
出願人株式会社ニップン,国立大学法人 筑波大学
代理人弁理士法人平木国際特許事務所
主分類A23L 33/105 20160101AFI20240902BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】オリゴデンドロサイト分化誘導促進剤を提供することを目的とする。
【解決手段】ロスマリン酸(A)とカルノシン酸(B)とを含有し、その含有比率B/Aが1.0~1.5であるローズマリー含水エタノール抽出物を有効成分として含む、オリゴデンドロサイトの分化に関わる遺伝子の発現促進用組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ロスマリン酸(A)とカルノシン酸(B)とを含有し、その含有比率B/Aが1.0~1.5であるローズマリー含水エタノール抽出物を有効成分として含む、オリゴデンドロサイトの分化に関わる遺伝子の発現促進用組成物。
続きを表示(約 68 文字)【請求項2】
オリゴデンドロサイトの分化に関わる遺伝子が、OLIG1及び/又はOLIG2である、請求項1記載の組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばオリゴデンドロサイト分化促進剤に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
オリゴデンドロサイトは、アストロサイト、マイクログリア及び上衣細胞と並び、中枢神経系を構成するグリア細胞の一つである。オリゴデンドロサイトの主要機能は、(1)ニューロンの軸索周囲にミエリン鞘(髄鞘)と呼ばれる幾重にも巻き付いた分厚い絶縁層を形成することにより神経電気信号を跳躍伝導させて神経電位をニューロンの軸索末端へ迅速に伝達させること、(2)ニューロンの軸索を強固に保護すること、(3)神経栄養因子の産生を通じてニューロンに栄養を補給することである。このようなオリゴデンドロサイトは、グリア芽細胞からオリゴデンドロサイト前駆細胞を経て分化される。ミエリン形成を踏まえ、より具体的には、グリア芽細胞がニューロン軸索上で遊走ないし増殖する第一過程、グリア芽細胞の突起が伸長し始める第二過程、ニューロン軸索の周囲に幾重もの層を形成していくミエリン成熟する第三過程において、第一過程と第二過程の初期とにある状態がオリゴデンドロサイト前駆細胞と称されている。なお、条件によっては、グリア芽細胞はアストロサイトに分化することもある。
【0003】
ミエリン鞘は、炎症や外傷等により損傷を受け、時に脱落し(このような状態を脱髄という)、その機能低下ないしは機能不全が起こることは広く知られており、多発性硬化症がその典型例である。健全であれば、ミエリン鞘が損傷を受けても、すぐさまオリゴデンドロサイト前駆細胞の分化が誘導され、ミエリン鞘が修復され、その機能が再度発揮されるようになる。しかしながら、加齢や神経変性疾患等においては、オリゴデンドロサイト前駆細胞の分化能が低下し、あるいは適切に分化誘導されなくなり、損傷を受けたミエリン鞘が修復されない状態に陥ることとなる。その結果、脱髄したニューロンの軸索における神経電位の伝達速度が極端に遅くなり、様々な脳機能ないしは神経機能の障害が引き起こされる。近年では、アルツハイマー病や筋委縮性側索硬化症等の神経変性疾患、統合失調症等の精神疾患にもミエリン鞘の損傷(脱落を含む)が関与していることが示唆されている。各種方面から研究が重ねられているが、損傷を受けたミエリン鞘を修復させる効果的な治療薬は未だ見出されていないのが現状である。
【0004】
一方、OLIG1及びOLIG2遺伝子は、オリゴデンドロサイトの分化誘導に関与しており、特に、OLIG2においては遺伝子発現の亢進によりオリゴデンドロサイトの細胞数が増幅することが知られている(非特許文献1~4)。このようなOLIG1及びOLIG2等のオリゴデンドロサイトの分化誘導に関わる遺伝子群の発現を亢進させることにより脱髄に起因する各種の疾病を改善できることが期待されており、従来において、そのような遺伝子発現を亢進させる組成物が求められていた。
【0005】
他方、ローズマリーを用いた各種の生理機能に関する研究が為されている。地中海沿岸地方原産のローズマリーは、シソ科に属する常緑性低木であり、ハーブティー等の原料として広く親しまれている栽培作物の一つである。また、水蒸気蒸留法により得られるローズマリー精油は、伝統療法における治療薬としても利用されている。このようなローズマリーにはロスマリン酸やカルノシン酸が含有されており、特にロスマリン酸はアミロイドβの凝集(認知症の原因の一つ)を抑制し(非特許文献5)、認知症の改善又は治療に使用する薬剤として期待されている。しかしながら、ロスマリン酸やカルノシン酸が、OLIG1及びOLIG2遺伝子等のオリゴデンドロサイトの分化誘導に関わる遺伝子群に対する作用については知られていなかった。
【0006】
また、ニューロンやアストロサイトを新生する化合物について種々検討されており、カテキン(特許文献1)やDHA(非特許文献6)、オーラプテン(非特許文献7)がその作用を有していることが知られている。しかしながら、オリゴデンドロサイトの分化誘導に作用する食品ないしは食品素材由来の成分は知られていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2007-161606号公報
【非特許文献】
【0008】
Richard Luら, Cell, 2002年, 第109巻, pp. 75-86
Qiao Zhouら, Neuron, 2000年, 第25巻, pp. 331-343
Hirohide Takebayashiら, Current Biology, 2002年, 第12巻, pp. 1157-1163
Amelie Wegenerら, Brain, 2015年, 第138巻, 第1号, pp. 120-135
T. HASEら, Scientific Reports, 2019年, 第9巻, 8711
E. KAWAKITAら, Neuroscience, 2006年, 第139巻, pp. 991-997
日薬理誌, 155巻, pp. 214-219 (2020)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述の実情に鑑み、オリゴデンドロサイトの分化を誘導するために用いることができる、オリゴデンドロサイト分化誘導促進剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、特定のローズマリー抽出物がオリゴデンドロサイトの分化に関わる遺伝子の発現を促進することを見出し、本発明を完成するに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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