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公開番号2024122144
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-09
出願番号2023029521
出願日2023-02-28
発明の名称フォアグラ代替食品
出願人日本ハム株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類A23L 13/00 20160101AFI20240902BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】脂質分離が抑制され、好ましくはその他の品質(例えば、保色性、味、ジューシーさ、なめらかさ)も改善された、フォアグラ代替食品を提供する。
【解決手段】(A1)植物性タンパク質および/または乳タンパク質と、(B)乳脂肪と、(C)O/W型乳化剤と、(D)卵黄と、を含み、前記成分(D)の卵黄の配合量が、フォアグラ代替食品全量に対して5質量%以上20質量%以下である、フォアグラ代替食品。下記の工程(1)、(2)および(3)を含み、工程(3)による食品組成物中の卵黄の配合量が、フォアグラ代替食品全量に対して5質量%以上20質量%以下である、フォアグラ代替食品の製造方法:(1)(A)植物性タンパク質、乳タンパク質および卵タンパク質からなる群より選ばれる1種または2種以上を含むタンパク質と、水と、を含む水和物を調製する工程;(2)(B)乳脂肪と、(C)O/W型乳化剤と、含む乳化物を調製する工程;(3)前記工程(1)による水和物と、前記工程(2)による乳化物と、必要に応じて卵黄と、を混合して食品組成物を製造する工程。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A1)植物性タンパク質および/または乳タンパク質と、
(B)乳脂肪と、
(C)O/W型乳化剤と、
(D)卵黄と、
を含み、前記成分(D)の卵黄の配合量が、フォアグラ代替食品全量に対して5質量%以上20質量%以下である、フォアグラ代替食品。
続きを表示(約 880 文字)【請求項2】
(A2)卵黄を含む卵タンパク質と、
(B)乳脂肪と、
(C)O/W型乳化剤と、
を含み、前記成分(A2)の卵タンパク質に含まれる卵黄の配合量が、フォアグラ代替食品全量に対して5質量%以上20質量%以下である、フォアグラ代替食品。
【請求項3】
(E)動物のレバーをさらに含む、請求項1または2に記載のフォアグラ代替食品。
【請求項4】
(F)動物性油脂(乳脂除く)および/または植物性油脂をさらに含む、請求項1または2に記載のフォアグラ代替食品。
【請求項5】
前記(F)の植物性油脂が常温で固体である、請求項4に記載のフォアグラ代替食品。
【請求項6】
脂質含量がフォアグラ代替食品全量に対して40質量%以上である、請求項1または2に記載のフォアグラ代替食品。
【請求項7】
下記の工程(1)、(2)および(3)を含み、工程(3)による食品組成物中の卵黄の配合量が、フォアグラ代替食品全量に対して5質量%以上20質量%以下である、フォアグラ代替食品の製造方法。
(1)(A)植物性タンパク質、乳タンパク質および卵タンパク質からなる群より選ばれる1種または2種以上を含むタンパク質と、水と、を含む水和物を調製する工程。
(2)(B)乳脂肪と、(C)O/W型乳化剤と、を含む乳化物を調製する工程。
(3)前記工程(1)による水和物と、前記工程(2)による乳化物と、必要に応じて(D)卵黄と、を混合して食品組成物を製造する工程。
【請求項8】
前記工程(2)において、(F)動物性油脂(乳脂除く)および/または植物性油脂をさらに含む乳化物を調製する、請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
前記工程(2)の乳化時の温度が10~20℃である、請求項7に記載の製造方法。
【請求項10】
前記工程(3)の混合時の温度が10~20℃である、請求項7に記載の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、フォアグラ代替食品およびその製造方法、より具体的には、脂肪分離の抑制その他の品質が改善されたフォアグラ代替食品およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
高級品や希少価値の高い食品と知られているフォアグラは、脂肪含量が非常に多い肝臓であり、ガチョウや鴨を強制給餌で肥育させる。しかし、強制給餌は動物の健康への負荷が大きく、動物愛護の観点から、フォアグラの生産を禁止する国が増加している。一方、日本国内では、毎年のように飲食チェーンでフォアグラを使用したメニューが販売されており、人気メニューであるが、海外の動きと同じように強制給餌に対する問題意識も生まれている。そのため、強制給餌によらずに生産することのできる、フォアグラ代替食品の需要が高まっている。
【0003】
従来のフォアグラ代替食品およびその製造方法としては、例えば次のようなものが知られている。
【0004】
特許文献1には、動物エキスを添加した水産ねりまたはペースト状製品であって、特定量のゼラチンを分散添加したレバー様加工食品や、その製造方法であって、水、動植物タンパク、動植物性油などを混合攪拌して乳化物を形成し、これにゼラチンを加えて混合攪拌してゼラチン乳化液となし、魚のすり身に動物エキス等を加えたものに当該ゼラチン乳化液を混合分散させる工程を含む製造方法が記載されている。また、特許文献1の実施例には、油、エマルスター(カゼインナトリウムとグルテンの混合物)、ゼラチン、調整水、魚すりみ、全卵液、小麦澱粉、鶏の肝、チキンエキスおよび調味料(食塩および砂糖を含む)を含む、フォアグラ様食品の配合例が開示されており、所定の手順に従ってフォアグラ様食品を得たことが記載されている。なお、特許文献1には、レバー様加工食品の成分、原料として、「乳脂肪」や「O/W型乳化剤」は記載されていない。
【0005】
特許文献2には、(1)食用油脂と、W/O型乳化剤と、卵白粉末を含む粉末素材と、を撹拌混合した油脂系混合物を作製する工程、(2)水と、O/W型乳化剤と、を撹拌混合した水系混合物を作製する工程、(3)前記油脂系混合物と、前記水系混合物と、をさらに撹拌混合した乳化ペースト物を作製する工程、などを含む、レバー様乾燥食品の製造方法が記載されている。特許文献2の実施例には、フォアグラ風のレバー様乾燥食品の製造方法として、(1)レバーパウダー、卵白粉末、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム、エンドウ豆タンパク粉、W/O型乳化剤(HLB1のショ糖脂肪酸エステル)、精製ラード等を撹拌混合して油脂系混合物を作製する工程、(2)O/W型乳化剤(HLB9のショ糖脂肪酸エステル)、水等を撹拌混合して水系混合物を作製する工程、(3)作製した油脂系混合物と水系混合物を乳化攪拌して乳化ペースト物を作製する工程、などを含む、レバー様乾燥食品の製造方法が開示されている。なお、特許文献2には、レバー様乾燥食品の成分、原料として「卵黄」は記載されておらず、また「食用油脂」(段落0014)として「乳脂肪」は具体的に記載されていない。
【0006】
特許文献3には、所定の条件を満たす澱粉を含有する成分(A)と、食用油脂と、タンパク質を含む乳化素材とを含む乳化原料を乳化して乳化物を得る工程などを含む、パテ様食品の製造方法であって、食用油脂の配合量や乳化物の配合量を特定の範囲とすることを特徴とする製造方法が記載されている。特許文献3の実施例(実施例1~10、表2、表3)では、所定の配合の原料を用いて、所定の工程により、パテ様食品としてフォアグラ様食品を作製したことが記載されている。フォアグラ様食品の配合としては、成分(A)と、乳化素材またはそれを含む材料としての脱脂粉乳、豆乳または大豆粉と、食用油脂として各種の調味油、固体脂または植物油と、を含む配合が開示されている。また、実施例1~7では、表2の配合に従い、成分(A)、乳化素材またはそれを含む材料(脱脂粉乳または大豆粉)、および食用油脂等を混合し、その混合物に水を加えてさらに混合して乳化物を得る工程を含む製造方法が開示されている。実施例7~10では、表3の配合に従い、成分(A)、食用油脂等を混合し、その混合物に乳化素材またはそれを含む材料(豆乳)を加えてさらに混合して乳化物を得る工程を含む製造方法が開示されている。なお、特許文献3には、乳化安定性向上の観点から、大豆タンパク質または乳タンパク質を含む乳化素材を用いることが記載されているが、「O/W型乳化剤」を用いることは記載されていない。また、特許文献3には「食用油脂」(段落0030)として「乳脂」がその他の動物脂、植物油脂等と共に例示されており、「乳化素材」に含まれる「タンパク質」(段落0035)として「卵白タンパク質、卵黄タンパク質等の卵タンパク質」がその他の動物タンパク質または植物タンパク質と共に例示されているが、実施例では「乳脂」や「卵黄タンパク質」等の卵タンパク質は用いられていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開昭63-233764号公報
特開2019-176794号公報
特開2022-152094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来のフォアグラ代替食品は、脂肪含量が本物のフォアグラよりも少なく、本物同等のジューシーさがない。また、ジューシーさを出すために脂肪含量を増やすと、従来のフォアグラ代替食品の製造方法では脂肪分離が起こり、食感が悪くなる傾向にある。例えば、前掲特許文献1に記載された製造方法において、植物油脂を45%に高めると脂肪分離が起きてしまう。また、前掲特許文献2に記載された製造方法では、脂質を含む混合物を乳化する際に「W/O型乳化剤」を用いることを特徴としているが、脂質含量を増やすと乳化が良好でなく、やはり脂質分離が起きてしまう。
【0009】
本発明は、脂質分離が抑制され、好ましくはその他の品質(例えば、保色性、味、ジューシーさ、なめらかさ)も改善された、フォアグラ代替食品を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、特定の配合組成を有する原料を用いることにより、特に原料として特定量の卵黄を配合したり、動植物性油脂だけでなく乳脂肪を必須のものとして配合したりすることにより、また製造工程において特定の手順で乳化、混合を行うことにより、脂肪含量を高めても脂質分離を起こさないフォアグラ代替食品が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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