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公開番号2024142852
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2023055213
出願日2023-03-30
発明の名称水中油型乳化物用油脂
出願人不二製油株式会社
代理人
主分類A23D 7/00 20060101AFI20241003BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】
水中油型乳化物、飲料、又は調理加工食品において、特定の油脂を配合することにより、加熱工程に由来する異風味の発生を抑制、ひいては初期の風味を長期間保つことを課題とする。
【解決手段】
以下(1)~(4)全てを満たす、水中油型乳化物用油脂を配合することで、水中油型乳化物、飲料、又は調理加工食品において、加熱工程に由来する異風味の発生を抑制し、ひいては初期の風味を長期間保つことができる。
(1)構成脂肪酸組成中の中鎖脂肪酸含量が合計1重量%以下である。
(2)ヨウ素価が100以下である。
(3)構成トリグリセリド中のS2Uトリグリセリドが合計40重量%以下である。
(4)S2Oトリグリセリド含有量に対するSSOトリグリセリド含有量の割合が15重量%以上である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
以下(1)~(4)全てを満たす、水中油型乳化物用油脂。
(1)構成脂肪酸組成中の中鎖脂肪酸含量が合計1重量%以下である。
(2)ヨウ素価が100以下である。
(3)構成トリグリセリド中のS2Uトリグリセリドが合計40重量%以下である。
(4)S2Oトリグリセリド含有量に対するSSOトリグリセリド含有量の割合が15重量%以上である。
ただし、中鎖脂肪酸とは、炭素数が6~10の飽和脂肪酸を示し、S2Uトリグリセリドとは、炭素数16~22の飽和脂肪酸(S)が2分子、炭素数16~22の不飽和脂肪酸(U)が1分子結合しているトリグリセリドを示し、S2Oトリグリセリドとは、炭素数16~22の飽和脂肪酸(S)が2分子、オレイン酸(O)が1分子結合しているトリグリセリドを示し、SSOトリグリセリドとは、トリグリセリド中の1位と2位に結合している脂肪酸が炭素数16~22の飽和脂肪酸(S)で、3位に結合している脂肪酸がオレイン酸(O)であるトリグリセリド及び、トリグリセリド中の2位と3位に結合している脂肪酸が炭素数16~22の飽和脂肪酸(S)で、1位に結合している脂肪酸がオレイン酸(O)であるトリグリセリドを示す。
続きを表示(約 810 文字)【請求項2】
さらに、(2)ヨウ素価が64以下である、請求項1記載の、水中油型乳化物用油脂。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の水中油型乳化物用油脂を0.2重量%以上含有する、水中油型乳化物。
【請求項4】
請求項1又は請求項2記載の水中油型乳化物用油脂を0.2重量%以上含有する、飲料又は調理加工食品。
【請求項5】
請求項3記載の水中油型乳化物を0.5重量%以上含有する、飲料又は調理加工食品。
【請求項6】
以下(1)~(4)全てを満たす油脂を用いることによる、水中油型乳化物、飲料、又は調理加工食品の加熱工程に由来する異風味の発生を抑制する方法。
(1)構成脂肪酸組成中の中鎖脂肪酸含量が合計1重量%以下である。
(2)ヨウ素価が100以下である。
(3)構成トリグリセリド中のS2Uトリグリセリドが合計40重量%以下である。
(4)S2Oトリグリセリド含有量に対するSSOトリグリセリド含有量の割合が15重量%以上である。
ただし、中鎖脂肪酸とは、炭素数が6~10の飽和脂肪酸を示し、S2Uトリグリセリドとは、炭素数16~22の飽和脂肪酸(S)が2分子、炭素数16~22の不飽和脂肪酸(U)が1分子結合しているトリグリセリドを示し、S2Oトリグリセリドとは、炭素数16~22の飽和脂肪酸(S)が2分子、オレイン酸(O)が1分子結合しているトリグリセリドを示し、SSOトリグリセリドとは、トリグリセリド中の1位と2位に結合している脂肪酸が炭素数16~22の飽和脂肪酸(S)で、3位に結合している脂肪酸がオレイン酸(O)であるトリグリセリド及び、トリグリセリド中の2位と3位に結合している脂肪酸が炭素数16~22の飽和脂肪酸(S)で、1位に結合している脂肪酸がオレイン酸(O)であるトリグリセリドを示す。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水中油型乳化物用油脂に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
油脂を含む、水中油型乳化物、飲料、又は調理加工食品などが、加熱工程を経て製造される場合において、加熱工程により劣化が促進され、異風味が発生する場合がある。その場合、これらの初期の風味を長期間保つことが困難であることから、それに対応する技術が求められている。
【0003】
特許文献1には、「乳飲料において、SUS(ただしSは炭素数16~22の飽和脂肪酸を、Uは炭素数16~22の不飽和脂肪酸を示す)の量が所定の値となる様に、SUSを含む油脂を配合するという簡易な方法で、その乳味感を向上させる方法を提供できる」旨が記載されている。
特許文献2には、「乳飲料において、及び乳清タンパク質含有量を低下させることにより加熱殺菌後の風味劣化を防止できる」旨が記載されている。
特許文献3には、「クリームにおいて、原料となる生乳を濃縮しておき、かつ加熱殺菌を行う前までに脱酸素処理を行うことにより、加熱臭の少ないすっきりとした風味を得ることができる」旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-149944号公報
特開2010-057435号公報
特開2006-141273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、水中油型乳化物、飲料、又は調理加工食品において、特定の油脂を配合することにより、加熱工程に由来する異風味の発生を抑制し、初期の風味を長期間保つことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、課題の解決に向け鋭意検討を行った。特許文献1では、同じ技術分野の乳飲料の風味向上に係る発明であったが、乳味感付与に関するものであり、加熱工程に由来する異風味の発生を抑制することへの示唆はされていなかった。また特許文献2や3では、加熱工程に由来する異風味の発生を抑制する方法への提案はされていたが、配合上或いは製造工程上の制限を受ける場合があった。
【0007】
本発明者らは更に検討を行ったところ、予想に反して、(1)構成脂肪酸組成中の中鎖脂肪酸含量が合計1重量%以下であり、かつ(2)ヨウ素価が100以下であり、かつ(3)構成トリグリセリド中のS2Uトリグリセリド含量が合計40重量%以下であり、かつ(4)S2Oトリグリセリド含有量に対するSSOトリグリセリド含有量の割合が15重量%以上であるという特定の組成を有する油脂を水中油型乳化物、飲料、又は調理加工食品に配合することにより、加熱工程に由来する異風味の発生を抑制し、特に飲料又は調理加工食品の初期の風味を長期間保つことが可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、下記の発明を含有するものである。
[1] 以下(1)~(4)全てを満たす、水中油型乳化物用油脂。
(1)構成脂肪酸組成中の中鎖脂肪酸含量が合計1重量%以下である。
(2)ヨウ素価が100以下である。
(3)構成トリグリセリド中のS2Uトリグリセリドが合計40重量%以下である。
(4)S2Oトリグリセリド含有量に対するSSOトリグリセリド含有量の割合が15重量%以上である。
ただし、中鎖脂肪酸とは、炭素数が6~10の飽和脂肪酸を示し、S2Uトリグリセリドとは、炭素数16~22の飽和脂肪酸(S)が2分子、炭素数16~22の不飽和脂肪酸(U)が1分子結合しているトリグリセリドを示し、S2Oトリグリセリドとは、炭素数16~22の飽和脂肪酸(S)が2分子、オレイン酸(O)が1分子結合しているトリグリセリドを示し、SSOトリグリセリドとは、トリグリセリド中の1位と2位に結合している脂肪酸が炭素数16~22の飽和脂肪酸(S)で、3位に結合している脂肪酸がオレイン酸(O)であるトリグリセリド及び、トリグリセリド中の2位と3位に結合している脂肪酸が炭素数16~22の飽和脂肪酸(S)で、1位に結合している脂肪酸がオレイン酸(O)であるトリグリセリドを示す。
[2] さらに、(2)ヨウ素価が64以下である、[1]の、水中油型乳化物用油脂。
[3] [1]又は[2]の水中油型乳化物用油脂を0.2重量%以上含有する、水中油型乳化物。
[4] [1]又は[2]の水中油型乳化物用油脂を0.2重量%以上含有する、飲料又は調理加工食品。
[5] [3]の水中油型乳化物を0.5重量%以上含有する、飲料又は調理加工食品。
[6] 以下(1)~(4)全てを満たす油脂を用いることによる、水中油型乳化物、飲料、又は調理加工食品の、加熱工程に由来する異風味の発生を抑制する方法。
(1)構成脂肪酸組成中の中鎖脂肪酸含量が合計1重量%以下である。
(2)ヨウ素価が100以下である。
(3)構成トリグリセリド中のS2Uトリグリセリドが合計40重量%以下である。
(4)S2Oトリグリセリド含有量に対するSSOトリグリセリド含有量の割合が15重量%以上である。
ただし、中鎖脂肪酸とは、炭素数が6~10の飽和脂肪酸を示し、S2Uトリグリセリドとは、炭素数16~22の飽和脂肪酸(S)が2分子、炭素数16~22の不飽和脂肪酸(U)が1分子結合しているトリグリセリドを示し、S2Oトリグリセリドとは、炭素数16~22の飽和脂肪酸(S)が2分子、オレイン酸(O)が1分子結合しているトリグリセリドを示し、SSOトリグリセリドとは、トリグリセリド中の1位と2位に結合している脂肪酸が炭素数16~22の飽和脂肪酸(S)で、3位に結合している脂肪酸がオレイン酸(O)であるトリグリセリド及び、トリグリセリド中の2位と3位に結合している脂肪酸が炭素数16~22の飽和脂肪酸(S)で、1位に結合している脂肪酸がオレイン酸(O)であるトリグリセリドを示す。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、水中油型乳化物、飲料、又は調理加工食品において、特定の組成を含む油脂を配合することにより、加熱工程に由来する異風味の発生を抑制し、特に飲料又は調理加工食品の初期の風味を長期間保つことができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明をより詳細に説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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