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公開番号
2024145610
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-15
出願番号
2023058046
出願日
2023-03-31
発明の名称
血管柔軟性改善剤
出願人
SoPros株式会社
代理人
主分類
A23L
33/12 20160101AFI20241004BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約
【課題】低用量の服用において血管柔軟性改善効果を有する、安全で効果の高い血管柔軟性改善剤として用いることのできる食品組成物、及び医薬品組成物を提供すること。
【解決手段】本発明に係る血管柔軟性改善剤は、n-6DPA(n-6ドコサペンタエン酸)を含有する微細藻、n-6DPAを含有する脂肪酸組成物、又はn-6DPAのいずれか一つからなり、前記n-6DPAが1.2mg/kg・dayから0.03mg/kg・dayの範囲で経口投与されることを特徴とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
n-6DPA(n-6ドコサペンタエン酸)を含有する微細藻、n-6DPAを含有する脂肪酸組成物、又はn-6DPAのいずれか一つからなり、経口投与されることを特徴とする血管柔軟性改善剤。
続きを表示(約 270 文字)
【請求項2】
前記n-6DPAが1.2mg/kg・dayから0.03mg/kg・dayの範囲で経口投与されることを特徴とする請求項1記載の血管柔軟性改善剤。
【請求項3】
前記微細藻がスラウストキトリッドであることを特徴とする請求項1又は2記載の血管柔軟性改善剤。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項記載の血管柔軟性改善剤を含有する、血管柔軟性改善用の食品組成物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項記載の血管柔軟性改善剤を含有する、血管柔軟性改善用の医薬品組成物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、血管柔軟性改善の為に用いられる剤、食品や医薬品に関する。より詳細には、n-6DPA(n-6ドコサペンタエン酸)を含有し、経口投与されかつ血管柔軟性改善効果に優れる剤、食品、又は医薬品に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
血管の老化には狭義と広義があり、狭義の老化は、加齢に伴う血管障害であり、広義の老化は、加齢に加えて生活習慣病、運動不足などに伴う総合的な血管障害である。近年、心拍によって生じる動脈圧の変動(脈波)を測定して解析することにより、血管の老化度を非侵襲的、かつ定量的に評価することが可能となってきており、各年代における基準値をもとにした「血管年齢」という概念が普及している。また、近年のライフスタイルの欧米化に伴い高血圧症、狭心症、心筋梗塞、脳循環障害など、血管系の生活習慣病が増加傾向にある。これらの疾患の要因の一つとして、血管柔軟性の低下や、血管内皮機能の低下、血小板凝集能の亢進による血栓の形成、血流低下が関与していることが明らかとなっており、この血管内皮障害は動脈硬化の始まりに深く関わっている(非特許文献1、2)。生活習慣病は慢性的な疾患であるため、その予防や治療には長期間を要する。従って、長期間にわたって安全かつ効果的に、血管の機能を改善する飲食品が求められている。例えば、血管柔軟性を向上し、血管内皮機能を改善する食品素材としては、ホップやクロロゲン酸が知られている(特許文献1、2)
【0003】
魚油の継続的な摂取が血栓症や動脈硬化症、高血圧症などの予防につながることが知られており、魚油に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)には血管収縮抑制作用(非特許文献3)、EPA(エイコサペンタエン酸)には血小板凝集抑制作用(非特許文献4)が提示されている。魚油以外のPUFAs(多価不飽和脂肪酸)の供給源として、微細藻類であるスラウストキトリッドが挙げられる。スラウストキトリッドはラビリンチュラ類に属する葉緑素を持たない従属栄養性藻類で発酵槽による大規模培養が可能であることから、安定供給性及び安全性、SDGs(持続可能な開発目標)の観点で注目されている。(n-6)系PUFAsであるn-6DPAに関しては試験管内の血管内皮細胞遊走性促進作用(EPAの10倍、非特許文献5)や抗炎症作用(非特許文献6)が提示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2005-104951号公報
特開2003-261444号公報
【非特許文献】
【0005】
血栓止血誌、日本血栓止血学会、2015、26巻、3号、p.302-309
化学と生物、日本農芸化学会、2016、54巻、10号、p.713-719
日薬理誌、日本薬理学会、2016、147巻、p.63-65
化学と生物、日本農芸化学会、1983、21巻、3号、p.168-173
脂質栄養学、脂質栄養学会、1996、5巻、1号、p.17-22
Lipid (2010), 11, p.1-14
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ホップやクロロゲン酸、ピペリンによる血管柔軟性改善作用は十分とはいえず、DHAやEPAの動脈硬化予防作用も血管柔軟性とは異なる作用機序であり、n-6DPA含有藻体の血管柔軟性改善作用については何ら示唆されていない。
【0007】
本発明の課題は、低用量の服用において血管柔軟性を改善し血管年齢を低下させるなど、血管内皮機能改善効果を有する、安全で効果の高い血管柔軟性改善剤として用いることのできる食品組成物、及び医薬品組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決する為に鋭意検討した結果、n-6DPAを含有する微細藻を低用量服用することで血管年齢およびAVI(動脈速度脈波指数:値が低いほど血管柔軟性が高い)が低下し、極めて高い血管柔軟性改善効果が得られることを見出し、本発明の完成に至った。
【0009】
即ち、本発明の第1は、「n-6DPA(n-6ドコサペンタエン酸)を含有する微細藻、n-6DPAを含有する脂肪酸組成物、又はn-6DPAのいずれか一つからなり、経口投与されることを特徴とする血管柔軟性改善剤」である。
本発明の第2は、前記第1発明において、前記n-6DPAが1.2mg/kg・dayから0.03mg/kg・dayの範囲で経口投与されることを特徴とする血管柔軟性改善剤である。
本発明の第3は、前記第1又は第2発明のいずれか一つの発明における微細藻が、スラウストキトリッドであることを特徴とする血管柔軟性改善剤である。
本発明の第4は、前記第1~第3発明のいずれか一つの発明における血管柔軟性改善剤を含有する、血管柔軟性改善用の食品組成物である。
本発明の第5は、前記第1~第4発明のいずれか一つの発明における血管柔軟性改善剤を含有する、血管柔軟性改善用の医薬品組成物である。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、低用量の服用において血管柔軟性改善効果を有する、安全で効果の高い血管柔軟性改善剤として用いることのできる食品組成物、及び医薬品組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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