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公開番号2024119123
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-03
出願番号2023025793
出願日2023-02-22
発明の名称原着アクリル系繊維およびその製造方法
出願人東レ株式会社
代理人
主分類D06P 3/70 20060101AFI20240827BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約【課題】従来の原着アクリル系繊維では実現できなかった、黒色衣料用途等に好適に用いることができる濃色に着色された原着アクリル系繊維を提供する。
【解決手段】繊維の色を示すL値が11.0~15.0、a値が-0.5~1.5、b値が-3.0~1.0であることを特徴とする原着アクリル系繊維、およびアクリル系重合体を湿式紡糸して得られた乾燥緻密化前のゲル状態にある繊維束を、絞り後の持ち込み水分率(WPU)が80~300%となるように、染料濃度0.5~3.0質量%の染料液に0.5~3.0秒間浸漬させることを特徴とする原着アクリル系繊維の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
繊維の色を表すL値が11.0~15.0、a値が-0.5~1.5、b値が-3.0~1.0であることを特徴とする原着アクリル系繊維。
続きを表示(約 440 文字)【請求項2】
洗濯堅ろう度(変退色、汚染)が4以上であることを特徴とする請求項1に記載の原着アクリル系繊維。
【請求項3】
摩擦堅ろう度(乾燥)が4以上であり、かつ、摩擦堅ろう度(湿潤)が2-3以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の原着アクリル系繊維。
【請求項4】
昇華堅ろう度(変退色、汚染)が3-4以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の原着アクリル系繊維。
【請求項5】
結節強度が1.3~2.2cN/dtexであり、かつ、結節伸度が10~20%であることを特徴とする請求項1または2に記載の原着アクリル系繊維。
【請求項6】
アクリル系重合体を湿式紡糸して得られた乾燥緻密化前のゲル状態にある繊維束を、絞り後の持ち込み水分率(WPU)が80~300%となるように、染料濃度0.5~3.0質量%の染料液に0.5~3.0秒間浸漬させることを特徴とする原着アクリル系繊維の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、濃色に着色された原着アクリル系繊維およびその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
アクリル系繊維は羊毛に似た風合いと発色性の良さから、セーターや靴下などの衣料製品、あるいは獣毛調の風合いや光沢を生かした獣毛調立毛製品のパイル素材に用いられてきた。アクリル系繊維の染色は、綿染め、紡績糸染め、生地染め等、繊維製造後の後加工で染められることがほとんどである。しかし、これらの染色法では、目的の色に染めるために長時間処理、複数工程の処理が必要となるため、染料費、光熱費、染料廃液処理費等がかかり高コストであること、及び、水使用量と廃液発生量が多いことで環境負荷が高いことから、代替手段が求められてきた。そこで、近年では、後工程での染色プロセスを削減可能な、繊維製造プロセス中に着色する原着アクリル系繊維が開発されてきている。
【0003】
例えば、特許文献1では、ゲル膨潤状態になるアクリル系繊維束に、塩基性染料とカチオン界面活性剤を含む処理液を付与することで連続染色された繊維を得る方法が示されている。また、特許文献2では、乾湿式紡糸の延伸、洗浄等の処理後にカチオン系染料を含有する染色浴中に繊維を浸漬させることで染色された高強度アクリル系繊維を製造する方法が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平9-49175号公報
特開昭61-167025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、繊維製造プロセス中での着色は従来の染色法と比較して短時間、低コストで着色できるメリットがある一方、短時間での処理であるがゆえに濃色を発現するのが難しいという課題があった。特に黒色等の濃色に着色された原着アクリル系繊維を得ることは難しく、黒色衣料用途に原着アクリル系繊維を適用することは困難であった。
【0006】
すなわち、特許文献1では、濃色発現に重要な繊維内部への染料の浸透に関する記載が無く、本方法では濃色を発現させることが困難であった。
【0007】
しかしながら、特許文献1では、濃色発現に重要な繊維内部への染料の浸透に関する記載が無く、本方法では濃色を発現させることが困難であった。
【0008】
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、従来の原着アクリル系繊維では実現できなかった濃色に着色された原着アクリル系繊維とその製造方法を提供することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は次の構成を有する。すなわち、本発明は、繊維の色を表すL値が11.0~15.0、a値が-0.5~1.5、b値が-3.0~1.0であることを特徴とする原着アクリル系繊維である。より好ましい形態として、洗濯堅ろう度(変退色、汚染)が4以上であること、摩擦堅ろう度(乾燥)が4以上であり、かつ、摩擦堅ろう度(湿潤)が2-3以上であること、昇華堅ろう度(変退色、汚染)が3-4以上であることがあげられる。また、アクリル系重合体を湿式紡糸し、乾燥緻密化前のゲル状態にある繊維束を、絞り後の持ち込み水分率(WPU)が80~300%となるように、染料濃度0.5~3.0質量%の染料液に0.5~3.0秒間浸漬させることを特徴とする原着アクリル系繊維の製造方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、従来の原着アクリル系繊維では実現できなかった濃色に着色された原着アクリル系繊維を得ることができ、特に黒色衣料用途等に好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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