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公開番号2024058480
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-25
出願番号2022165878
出願日2022-10-14
発明の名称車両の回生協調制動制御装置
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類B60T 8/17 20060101AFI20240418BHJP(車両一般)
要約【課題】 モータによる回生協調制動を実施する電動車の制動制御に於いて、電池の入力制限に起因する回生の停止による車両全体の制動力の急減を回避するために、電池に於ける充電限界に至る予兆となる状態を参照して、充電限界に至る前に回生量を低減する。
【解決手段】 モータ20で駆動される車両10の回生協調制動制御装置50は、車両に於ける要求制動力を決定し、モータの回生により充電される電池の充電量の充電限界までの逼迫の度合を表わす充電逼迫指標値を検出し、充電余裕指標値に基づいてモータによる回生量の制限値を決定し、回生量の制限値を超えないように要求制動力以内の回生制動力を発生するようモータによる回生量を制御し、車輪に於ける摩擦制動力を要求制動力から回生量に対応する回生制動力を差し引いて得られる制動力となるように制御する。
【選択図】 図3
特許請求の範囲【請求項1】
モータで駆動される車両の回生協調制動制御装置であって、
前記車両に於ける要求制動力を決定する要求制動力決定手段と、
前記モータの回生により充電される電池の充電量の充電限界までの逼迫の度合を表わす充電逼迫指標値を検出する充電逼迫検出手段と、
前記充電逼迫指標値に基づいて前記モータによる回生量の制限値を決定する回生制限値決定手段と、
前記回生量の制限値を超えないように前記要求制動力以内の回生制動力を発生するよう前記モータによる回生量を制御する回生制御手段と、
車輪に於ける摩擦制動力を前記要求制動力から前記回生量に対応する回生制動力を差し引いて得られる制動力となるように制御する摩擦制動制御手段
とを含む装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両の制動制御装置に係り、より詳細には、モータによる駆動可能な電動車(ハイブリッド車両、プラグインハイブリッド車両、燃料電池車、電気自動車を含む)であって、回生協調制動の実行される車両の制動制御装置に係る。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
モータを原動機として用いる電動車に於いて、モータの保護を目的としたモータの負荷の低減に伴う駆動力又は回生制動量の低下に対処するための構成が種々提案されている。例えば、特許文献1では、ハイブリッド車に於いて、モータの高温時にモータの負荷率制限を実行する際の駆動軸に出力されるパワーの低下を抑制するために、高回転数で且つ車速が高車速のときにはモータの回転数を制限し、それ以外のときには、トルクを制限することが提案されている。また、特許文献2では、回生制動装置と液圧制動装置とが協調して制動力が付与される構成に於いて、車両のブレーキペダル操作に対応した要求制動力に対する液圧制動力と回生制動力との分担の決定の際に、回生制動力の上限を、バッテリの充電電流が充電許容電流となる場合の回生制動力の大きさよりも低く設定し、これにより、一定の制動力を液圧制動力により分担させ、制動中に回生制動力から液圧制動力にすり替わることを抑制し、制動時にユーザの車両の動作に違和感の抑制を図ることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2013-091361
特開2019-188981
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電動車では、制動時、モータによる回生協調制動により、熱で捨てていた制動パワーが電池(バッテリ)に回収される。かかる回生協調制動は、モータ又は電池の異常や回生能力低下或いは電子制御装置との通信の異常が生じた時には終了するところ、急激に回生トルクを低減すると、車両全体の制動力の急減となるので、回生協調制動終了の際には、回生トルクを漸減し、そのレートは予め液圧制動の増大レートと合わせておくことで、総制動力の担保が図られる。また、車両の駆動にモータが用いられる構成に於いて、モータの冷却性能の限界まで使用するように設計する傾向があることなどから、その場合、モータの温度上昇を制限するために、モータの「負荷率制限」を実施する構成が採用されるところ、負荷率の制限が頻繁に生ずることを回避し、ドライバビリティへの影響を抑えるべく、負荷率制限が実施される前から回生量を抑制し、モータの温度上昇を遅らせる制御が実施される場合もある。かかる回生量を抑制する制御に於いては、モータの温度と車速とを参照して(車速が高いほど、空冷作用が大きくなる)、回生制限量が決定される。
【0005】
ところで、回生量の制限は、モータ温度の上昇時以外に、電池(バッテリ)の入力制限が必要な場合にも要求される。具体的には、上記の如き回生協調制動を実施する車両のシステムに於いては、電池の充電量が、その充電限界に達すると、回生の停止が要求される。その場合、電池の充電量が充電限界に達した時点で突然に回生制動を停止したときには、やはり、車両全体の制動力の急減となり得る。従って、電池に於ける入力制限(充電限界)を要因とする回生停止による制動力の急減を回避するために、電池に於ける充電限界に至る予兆となる状態を参照して、充電限界に至る前に回生量を漸減して車輪制動にすり替えられるようになっていることが好ましい。電池に於ける充電限界に至る予兆、換言すれば、電池の充電量の充電限界までの逼迫の度合として参照される状態としては、例えば、電池に於けるリチウムの析出量の増加やセル内の電解液からのガス発生による内圧の上昇が挙げられる。これらの状態を表わす指標値は、電池の状態を制御するコントローラから取得可能である。
【0006】
かくして、本発明の主な課題は、モータによる回生協調制動を実施する電動車の制動制御に於いて、電池の入力制限に起因する回生の停止による車両全体の制動力の急減を回避するために、電池に於ける充電限界に至る予兆となる状態を参照して、充電限界に至る前に回生量を低減する構成を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、上記の課題は、モータで駆動される車両の回生協調制動制御装置であって、前記車両に於ける要求制動力を決定する要求制動力決定手段と、前記モータの回生により充電される電池の充電量の充電限界までの逼迫度合を表わす充電逼迫指標値を検出する充電逼迫検出手段と、前記充電逼迫指標値に基づいて前記モータによる回生量の制限値を決定する回生制限値決定手段と、前記回生量の制限値を超えないように前記要求制動力以内の回生制動力を発生するよう前記モータによる回生量を制御する回生制御手段と、車輪に於ける摩擦制動力を前記要求制動力から前記回生量に対応する回生制動力を差し引いて得られる制動力となるように制御する摩擦制動制御手段とを含む装置によって達成される。
【0008】
上記の構成に於いて、「モータで駆動される車両」とは、ハイブリッド車両、プラグインハイブリッド車両、燃料電池車、電気自動車を含む駆動用原動機としてモータが搭載されている電動車であってよい。「電池の充電量の充電限界」とは、電池に於ける充電可能な電力量の最大量であり、電池の充電量が充電限界に達するとモータによる回生が停止される。「充電逼迫指標値」とは、上記の如く、電池の充電量の充電限界までの逼迫の度合を表わす任意の指標値であってよく、具体的には、既に触れた如く、電極のリチウムの析出量やセル内圧であってよい。「車両に於ける要求制動力」は、ブレーキペダルの踏込み或いは車両で実行される任意の制動処理に基づいて車両全体にて要求される制動力である。「車輪に於ける摩擦制動力」は、車輪に摩擦力を付与して回転を制動する液圧式、空圧式或いは電磁式の制動装置により与えられる制動力である。
【0009】
上記の如く、本発明の装置に於いては、モータの回生により充電される電池の充電量の充電限界までの逼迫の度合を表わす充電逼迫指標値を参照して、モータによる回生量の制限値が決定され、回生量がかかる制限値を超えないように制御され、そのようにして決定された回生量に応じて、要求制動力を達成するように車輪の摩擦制動力が制御されることとなる。かかる構成によれば、電池の充電量が充電限界に達して回生が停止される前に充電限界に対する逼迫の度合、即ち、充電限界までの余裕、に応じて回生量を調節し、それに対応して摩擦制動力を制御しておくことが可能となるので、電池の充電量が充電限界に達することによる回生の停止によって、制動力が急減してしまうといったことが回避できることとなる。また、電池の充電限界までの余裕に応じて回生量の調節が可能となるので、電池の部品を保護しながら、回生量が制限できることとなる。
【0010】
実施の態様に於いて、モータの回生量の制限値は、充電逼迫指標値の表わす充電限界までの余裕が少なくなるほど、徐々に低減されてよい。これにより、電池の充電量が充電限界に達することを遅らせることが可能となり、また、電池の充電量が充電限界に達して回生の停止が為されるまでに要求制動力を達成する制動力を摩擦制動力にすり替えておき、制動力の急変を防止することも可能となる。なお、回生量の制限値は、典型的には、充電逼迫指標値だけではなく、モータ温度など、その他の要因も考慮して設定され、そのような場合も本発明の範囲に属することは理解されるべきである。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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