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公開番号2024042511
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-28
出願番号2022147277
出願日2022-09-15
発明の名称すり板
出願人公益財団法人鉄道総合技術研究所
代理人個人
主分類B60L 5/26 20060101AFI20240321BHJP(車両一般)
要約【課題】すり板がトロリ線と摺動して上昇したすり板の最高温度を、銅の体積分率を低減しつつ、現用材よりなるすり板を用いた場合における最高温度と同程度に維持することができるすり板を提供する。
【解決手段】すり板1は、トロリ線と摺動する第1面13aと、第1面13aと反対側の第2面13bと、を含み、且つ、カーボンを主成分として含有する基体13と、第1面13aから第2面13bにそれぞれ達する複数の貫通孔14と、複数の貫通孔14の各々にそれぞれ埋め込まれ、且つ、それぞれ銅を主成分として含有する複数の柱状導体15と、を有する。すり板1の全体積に対する複数の柱状導体15の体積の総和の比である柱状導体15の体積分率は、5%以上である。
【選択図】図7


特許請求の範囲【請求項1】
トロリ線から集電する集電装置に備えられ、且つ、前記トロリ線と摺動するすり板において、
前記トロリ線と摺動する第1面と、前記第1面と反対側の第2面と、を含み、且つ、カーボンを主成分として含有する基体と、
前記第1面から前記第2面にそれぞれ達する複数の貫通孔と、
前記複数の貫通孔の各々にそれぞれ埋め込まれ、且つ、それぞれ銅を主成分として含有する複数の柱状導体と、
を有し、
前記すり板の全体積に対する前記複数の柱状導体の体積の総和の比である柱状導体の体積分率は、5%以上である、すり板。
続きを表示(約 460 文字)【請求項2】
請求項1に記載のすり板において、
前記柱状導体の体積分率は、5~18%である、すり板。
【請求項3】
請求項1に記載のすり板において、
前記柱状導体の体積分率は、9~15%である、すり板。
【請求項4】
請求項2に記載のすり板において、
前記第1面に沿った第1方向における熱伝導率に対する、前記第1面に垂直な第2方向における熱伝導率の比である熱伝導率比は、6~15である、すり板。
【請求項5】
請求項4に記載のすり板において、
前記第2方向における電気抵抗率に対する、前記第1方向における電気抵抗率の比である電気抵抗率比は、120~310である、すり板。
【請求項6】
請求項1に記載のすり板において、
前記複数の柱状導体の平均半径は、5~76μmであり、
前記複数の柱状導体の平均中心間隔は、60~300μmであり且つ前記複数の柱状導体の平均半径の2倍よりも大きい、すり板。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、トロリ線から集電する集電装置に備えられ、且つ、トロリ線と摺動するすり板に関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、トロリ線に沿って移動する車両に搭載されトロリ線から集電するパンタグラフ等の集電装置に備えられ、且つ、車両がトロリ線に沿って移動する際にトロリ線と摺動するすり板として、銅粉又は鉄粉が主成分として含有され潤滑材としてスズ粉又はカーボン粉などが混合された焼結合金製のすり板に代えて、炭素材料(カーボン)よりなる基材に金属が含有された炭素系材料よりなるすり板、即ち所謂カーボン系すり板が使われるようになってきている。カーボン系すり板を用いることにより、カーボンが有する潤滑性により、すり板自身の摩耗、及び、相手材であるトロリ線の摩耗が少なく、設備の保守経費を節減するために有効である。このようなカーボン系すり板として、すり板を構成する炭素系材料の基材に種々の金属又は合金を含浸させることにより、摩損及び離線アークによる材質劣化をいっそう低減させたものが実用化されている。
【0003】
特開平11-341603号公報(特許文献1)には、集電すり板において、軽金属の溶湯が含浸しうる空隙を内部に有する多孔質カーボンから形成される摺動部と、軽金属よりなる補強部から構成され、カーボン中の空隙内部に補強部と同一材質の軽金属を含侵させ、摺動部と補強部を結合させた技術が開示されている。
【0004】
特開2016-226180号公報(特許文献2)には、導電性摺動部材において、マトリックス中に炭素繊維及び黒鉛を含有する基材と、この基材中に層状に配設され、金属を主成分とし、表裏に貫通する複数の開口を規則的に有する1又は複数の導電層とを備え、導電層が、複数の開口に基材を構成する材料が充填されるよう基材中に埋没し、1又は複数の導電層の端面が少なくとも摺動面に露出し、1又は複数の導電層が摺動面に略垂直に配設されている技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平11-341603号公報
特開2016-226180号公報
【非特許文献】
【0006】
寺田賢二郎、外1名、「均質化法入門」、丸善株式会社、2003年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記したように、現用のパンタグラフ等の集電装置に備えられるすり板であって、カーボン系すり板と称されるすり板の材料即ち現用材として、銅とカーボンとの複合材料が用いられている。現用材の銅とカーボンとの複合材料としては、銅含浸カーボン材料(多孔質カーボンに銅が含浸された材料)、銅とカーボンとの焼結材料、及び、金属含浸C/C複合材料(炭素繊維/炭素複合材料に銅合金が含浸された材料)が挙げられる。
【0008】
上記した銅とカーボンとの複合材料のうち銅含浸カーボン材料は、多孔質のカーボンよりなる基材に溶融した銅が含浸されてなるものであり、銅含浸カーボン材料の全体積に対する銅の体積の総和の比である銅の体積分率は、15~18%程度である。このような体積分率で銅を含浸することにより、銅含浸カーボン材料の強度及び電気伝導率を向上させている。
【0009】
ところが、使用時の通電、摩擦又は離線アークにより、カーボン系すり板の表面温度が上昇して銅の融点である1083℃に達すると、カーボン系すり板の表面から銅が溶出してカーボン系すり板の強度が低下し、カーボン系すり板の摩耗量が増加するおそれがある。
【0010】
このような銅含浸カーボン材料を含む銅とカーボンとの複合材料は、複数の材料で構成された複合材料であるので、構成材料の組合せ、割合及び配置などの微視的構造が、材料全体の特性及び挙動に影響する。しかしながら、微視的構造を変更させた銅とカーボンとの複合材料よりなるすり板を作製し、変更させた微視的構造の全てについて測定を行って材料全体の特性及び挙動を評価することは容易ではない。そのため、集電装置が搭載された車両が走行する際にすり板がトロリ線と摺動することにより上昇したすり板の最高温度を、現用材よりなるすり板を用いた場合における最高温度よりも低下させることは、困難である。また、集電装置が搭載された車両が走行する際にすり板がトロリ線と摺動することにより上昇したすり板の最高温度を、銅の体積分率を低減しつつ、現用材よりなるすり板を用いた場合における最高温度と同程度に維持することは、困難である。
(【0011】以降は省略されています)

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