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公開番号2025172856
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-26
出願番号2025141447,2024084382
出願日2025-08-27,2024-05-23
発明の名称ポリビニルアルコールフィルム及びこれから製造された光学フィルム
出願人長春石油化學股分有限公司
代理人個人,個人,個人
主分類G02B 5/30 20060101AFI20251118BHJP(光学)
要約【課題】ポリビニルアルコールフィルム及びこれから製造された光学フィルムを提供する。
【解決手段】前記ポリビニルアルコールフィルムは、ポリビニルアルコール樹脂を含み、前記ポリビニルアルコールフィルムを40℃の水に1分間浸漬した場合、ポリビニルアルコールの溶出量は0.20~9.00ppm/m2であり、前記ポリビニルアルコールフィルムを水中で1℃/分の昇温速度で30℃から65℃まで昇温し、貯蔵弾性率(E’)対温度曲線が測定され、前記曲線は45℃~55℃の間に傾き値を有し、前記傾きの絶対値は0.20~0.70MPa/℃である。本発明のポリビニルアルコールフィルムの延伸張力が低いため、延伸時にフィルム切れにくい特性を有し、これから製造された光学フィルムは高い単体透過率及び低い赤色光の漏れ率の特性を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ポリビニルアルコール樹脂を含み、
40℃の水に1分間浸漬した場合、ポリビニルアルコールの溶出量は0.20~9.00ppm/m

であり、水中で1Hzの周波数および1℃/分の昇温速度で30℃から65℃まで昇温し、貯蔵弾性率(E')対温度曲線が測定され、前記曲線は45℃から55℃の間に傾き値を有し、傾きの絶対値は0.20~0.70MPa/℃である、
ポリビニルアルコールフィルム。
続きを表示(約 830 文字)【請求項2】
前記ポリビニルアルコールの溶出量は、1.60~7.20ppm/m

であり、前記傾きの絶対値は0.20~0.60MPa/℃である、請求項1に記載のポリビニルアルコールフィルム。
【請求項3】
前記傾きの絶対値は、0.25~0.60MPa/℃である、請求項2に記載のポリビニルアルコールフィルム。
【請求項4】
前記傾きの絶対値は、0.35~0.55MPa/℃である、請求項3に記載のポリビニルアルコールフィルム。
【請求項5】
45℃で5.00~14.00MPaの貯蔵弾性率(E’)を有し、55℃で3.00~7.00MPaの貯蔵弾性率(E’)を有する、請求項1に記載のポリビニルアルコールフィルム。
【請求項6】
45℃で8.00~11.50MPaの貯蔵弾性率(E’)を有し、55℃で4.00~6.00MPaの貯蔵弾性率(E’)を有する、請求項2に記載のポリビニルアルコールフィルム。
【請求項7】
50℃の2重量%ホウ酸水溶液に30秒間浸漬したとき、13.0~30.0N/mm

の延伸張力を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のポリビニルアルコールフィルム。
【請求項8】
前記ポリビニルアルコール樹脂は、1500~3500の平均重合度を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のポリビニルアルコールフィルム。
【請求項9】
前記ポリビニルアルコール樹脂は、3.5以下の多分散性指数(Polymer Dispersity Index、PDI)を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のポリビニルアルコールフィルム。
【請求項10】
45~75μmの厚さを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のポリビニルアルコールフィルム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol、PVA)製品に関し、特に、ポリビニルアルコールフィルム及びこれから製造された光学フィルムに関するが、これに限定されない。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol、PVA)フィルムは、ポリビニルアルコール高分子と可塑剤を含む水溶液から塗布、乾燥されて得られた親水性材料で、高透明度、機械的強度、水溶性、良好な加工性等の特性を備えているため、包装材料又は電子機器の各種光学フィルム、例えば偏光フィルムに広く使用されている。
【0003】
ポリビニルアルコールフィルムを偏光工程で加工して得られた偏光フィルムは、特定の方向からの光だけを通さない性質を持つため、通過する光の明さを制御することができる。この性質に基づいて、偏光フィルムは各種ティスプレイ、メガネ及びウェアラブル端末に応用され、欠かせない部品となっている。偏光工程とは、一般に、膨潤、延伸、及び染色などの工程を含み、具体的に言えば、ポリビニルアルコールフィルムを溶液中に入れて前述の工程を実施することにより、染料分子をポリビニルアルコールフィルム中の分子内に拡散させ、延伸により比較的規則的な配列が得られ、偏光フィルムは配列方向に平行な光成分を吸収し、垂直方向の光成分を通過して偏光の性質を生じることができるようにする。しかしながら、従来のポリビニルアルコールフィルムは、過度の延伸張力により、偏光フィルムの製造中にフィルム切れを起こしやすいことが多かった。
【0004】
特許文献1に開示されたポリビニルアルコール薄膜などの先行技術に関しては、このポリビニルアルコール薄膜の少なくとも片面において、飛行時間型二次イオン質量分析法に基づく陽イオン解析により得られる正のシリコンフラグメントイオンの検出強度の平均値が0.001~0.01であり、この正のシリコンフラグメントイオンの検出強度の平均値はポリビニルアルコール薄膜のTD方向に平行な任意の直線上において、ポリビニルアルコール薄膜をTD方向に6等分する5点において、飛行時間型二次イオン質量分析装置に基づく陽イオン解析により得られる正のシリコンフラグメントイオンの検出強度の平均値を技術的手段として一軸延伸時に延伸切れが発生しにくいことを実現した。
【0005】
なお、従来技術には、ポリビニルアルコールの構造を変更し、ポリビニルアルコールフィルム又は偏光フィルムの製造工程を調整することで、偏光フィルムの特性を改善することも開示されている。例えば特許文献2は、偏光性能に優れると共にクロスニコル状態における赤色光の漏れの少ない偏光フィルムを開示している。また、特許文献3などの先行技術にも、偏光フィルム製造時に良好な延伸性を有し、切れにくいポリビニルアルコール系薄膜であるため、高い延伸倍率で延伸して偏光特性の高い偏光フィルムが得られ、偏光フィルム製造時のポリビニルアルコール系樹脂の溶出、析出を抑制できるため、偏光フィルム製造装置の汚染が抑えられ、高い歩留まりで製造することができることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
台湾特開第202233739号公報
台湾特開第201719207号公報
台湾特開第202400694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術において、ポリビニルアルコールフィルムを使用して偏光フィルムを製造する場合、ポリビニルアルコールフィルムは、過度の延伸張力により偏光フィルムの製造中にフィルム切れを起こしやすいことが多く、且つこのポリビニルアルコールフィルムから作られた偏光フィルムは、単体透過率が低く、赤色光の漏れ率が高いという問題を抱えていることが多い。これに関して、本発明者らは、ポリビニルアルコールフィルムを調整することにより、特定の温度及び時間で水に浸漬した場合、特定のポリビニルアルコールの溶出量を有させ、特定の条件下で測定された貯蔵弾性率(E’)対温度の曲線は、特定の温度範囲で特定の傾きの絶対値を有させることで、ポリビニルアルコールフィルムが延伸時に切れやすいという問題が改善されて、さらにその後製造された偏光フィルムの低い単体透過率及び高い赤色光の漏れ率の問題が改善されることを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0008】
具体的には、本発明の一態様は、ポリビニルアルコール樹脂を含み、40℃の水に1分間浸漬した場合、ポリビニルアルコールの溶出量は、0.20~9.00ppm/m

であり、水中で1℃/分の昇温速度で30℃から65℃まで昇温し、貯蔵弾性率(E’)対温度曲線が測定され、前記曲線は45℃から55℃の間に傾き値を有し、傾きの絶対値は0.20~0.70MPa/℃であるポリビニルアルコールフィルムを提供する。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記ポリビニルアルコールの溶出量は、1.60~7.20ppm/m

であり、前記傾きの絶対値は0.20~0.60MPa/℃である。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記傾きの絶対値は、0.25~0.60MPa/℃である。
(【0011】以降は省略されています)

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