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公開番号2025087597
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-10
出願番号2024193563
出願日2024-11-05
発明の名称離型フィルム及びその応用
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人弁理士法人特許事務所サイクス
主分類B32B 27/00 20060101AFI20250603BHJP(積層体)
要約【課題】薄膜のセラミックグリーンシートが積層された状態で巻き取られた場合であっても、裏面(反離型面)にセラミックグリーンシートが貼りつかず、巻き取り性や巻き出し性に優れる離型フィルムを提供することにある。
【解決手段】ポリエステルフィルムの片面に樹脂層A、反対面に樹脂層Bを備え、樹脂層Aが非シリコーン系離型剤を含有し、樹脂層Bとセラミックグリーンシートとをプレス処理し、樹脂層Bのセラミックグリーンシートに対する、以下の測定条件における剥離時の帯電量が10kV以下である離型フィルム。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ポリエステルフィルムの片面に樹脂層A、反対面に樹脂層Bを備え、
前記樹脂層Aが非シリコーン系離型剤を含有し、
前記樹脂層Bのセラミックグリーンシートに対する、以下の測定条件における剥離時の帯電量が10kV以下である離型フィルム;
(測定条件)
樹脂層A上に、トルエン39.84質量部、エタノール39.84質量部、チタン酸バリウム17.65質量部、ポリビニルブチラール1.77質量部及びフタル酸ジオクチル0.90質量部を含む組成物から形成され、かつ厚みが1.0μmのセラミックグリーンシートを形成し、該セラミックグリーンシートと樹脂層Bとをプレス圧(8.2MPa)で5時間処理した後、樹脂層Bからセラミックグリーンシートを剥離させる際の静電気量を測定する;セラミックグリーンシートを剥離させる際の剥離角度は90度、剥離速度は4cm/秒とする。
続きを表示(約 690 文字)【請求項2】
前記樹脂層Bが(C)帯電防止剤を含む、請求項1に記載の離型フィルム。
【請求項3】
前記(C)帯電防止剤がイオン導電性高分子化合物である、請求項2に記載の離型フィルム。
【請求項4】
前記(C)帯電防止剤が、(a1)チオフェンまたはチオフェン誘導体からなる化合物が他の陰イオン化合物によりドーピングされた重合体、及び(a2)チオフェンまたはチオフェン誘導体からなる化合物が陰イオン基を持ち自己ドープされた重合体から選択される少なくとも1種である、請求項2に記載の離型フィルム。
【請求項5】
前記樹脂層Bが(A)非シリコーン系離型剤を含む、請求項1に記載の離型フィルム。
【請求項6】
前記(A)非シリコーン系離型剤が、ワックス及び長鎖アルキル基含有化合物から選択される少なくとも1種である、請求項5に記載の離型フィルム。
【請求項7】
前記樹脂層Bが(B)バインダー樹脂を含む、請求項1に記載の離型フィルム。
【請求項8】
前記(B)バインダー樹脂が、(メタ)アクリル樹脂及びポリビニルアルコールから選択される少なくとも1種である、請求項7に記載の離型フィルム。
【請求項9】
前記樹脂層Bが(D)架橋剤を含む、請求項1に記載の離型フィルム。
【請求項10】
前記(D)架橋剤が、メラミン化合物及びオキサゾリン化合物から選択される少なくとも1種である、請求項9に記載の離型フィルム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、離型フィルム、セラミックグリーンシート付き離型フィルム、セラミックグリーンシートの製造方法に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルムに代表されるポリエステルフィルムは、機械的特性、寸法安定性、平坦性、耐熱性、耐薬品性、光学特性等に優れた特性を有し、コストパフォーマンスに優れるため、各種用途に使用されている。
【0003】
また、ポリエステルフィルムは、フィルム表面の平滑性を利用して、積層セラミックコンデンサーのグリーンシートを成形するための離型フィルムや、層間絶縁樹脂離型用基材、ドライフィルムレジスト用基材など、各種用途に好適に用いられている。
【0004】
従来、グリーンシート成形用途にはポリエステルフィルムの一方の面上にシリコーン系離型剤を含む離型層を備えた、離型フィルムが汎用的に使用されている(特許文献1)。また、半導体分野など、珪素(Si)元素の混入を極端に嫌う用途に対応するために、非シリコーン系離型剤を用いた離型層を備えた離型フィルムの提案がなされている(特許文献2及び3)。これらの文献では、いずれも常温あるいは加熱処理後におけるセラミックグリーンシートからの離型層の剥離性を良好とすることを課題としている。
【0005】
近年、積層セラミックコンデンサーの更なる高容量化に伴い、セラミックグリーンシートの厚みも益々、薄膜化する傾向にある。特に、厚み(乾燥後)が2μm以下のセラミックグリーンシートを成形する場合、単純にシート厚みを薄膜化するだけでは、セラミックグリーンシート自体が脆く、割れやすいため、ハンドリング性を確保するために、セラミックスラリーの組成を調整することで、セラミックグリーンシート自体に、適度に柔軟性を付与する対策が講じられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2014-213590号公報
特開2003-300283号公報
WO2022/118755号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の離型フィルムを用いて、柔軟性を有する薄膜のセラミックグリーンシートを成形した場合であって、薄膜のセラミックグリーンシートが積層された状態で、離型フィルムをロール状に巻き取り、再度、離型フィルムを巻き出す際に、セラミックグリーンシートが離型層を備えていなかったり、セラミックグリーンシートが反離型面側のフィルム表面に貼り付いたりする現象が発生することを本発明者らは知見した。
【0008】
そこで、本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、特に2μm以下の薄膜のセラミックグリーンシートが積層された状態で巻き取られた場合であっても、裏面(反離型面)にセラミックグリーンシートが貼りつかず、巻き取り性や巻き出し性に優れる離型フィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記実情に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、以下の構成からなる離型フィルムを用いれば、上記課題を容易に解決できることを知見し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[23]を提供するものである。
【0010】
[1] ポリエステルフィルムの片面に樹脂層A、反対面に樹脂層Bを備え、
樹脂層Aが非シリコーン系離型剤を含有し、
樹脂層Bのセラミックグリーンシートに対する、以下の測定条件における剥離時の帯電量が10kV以下である離型フィルム;
(測定条件)
樹脂層A上に、トルエン39.84質量部、エタノール39.84質量部、チタン酸バリウム17.65質量部、ポリビニルブチラール1.77質量部及びフタル酸ジオクチル0.90質量部を含む組成物から形成され、かつ厚みが1.0μmのセラミックグリーンシートを形成し、該セラミックグリーンシートと樹脂層Bとをプレス圧(8.2MPa)で5時間処理した後、樹脂層Bからセラミックグリーンシートを剥離させる際の静電気量を測定する;セラミックグリーンシートを剥離させる際の剥離角度は90度、剥離速度は4cm/秒とする。
[2] 樹脂層Bが(C)帯電防止剤を含む、[1]に記載の離型フィルム。
[3] (C)帯電防止剤がイオン導電性高分子化合物である、[2]に記載の離型フィルム。
[4] (C)帯電防止剤が、(a1)チオフェンまたはチオフェン誘導体からなる化合物が他の陰イオン化合物によりドーピングされた重合体、及び(a2)チオフェンまたはチオフェン誘導体からなる化合物が陰イオン基を持ち自己ドープされた重合体から選択される少なくとも1種である、[2]又は[3]に記載の離型フィルム。
[5] 樹脂層Bが(A)非シリコーン系離型剤を含む、[1]~[4]のいずれかに記載の離型フィルム。
[6] (A)非シリコーン系離型剤が、ワックス及び長鎖アルキル基含有化合物から選択される少なくとも1種である、[5]に記載の離型フィルム。
[7] 樹脂層Bが(B)バインダー樹脂を含む、[1]~[6]のいずれかに記載の離型フィルム。
[8] (B)バインダー樹脂が、(メタ)アクリル樹脂及びポリビニルアルコールから選択される少なくとも1種である、[7]に記載の離型フィルム。
[9] 樹脂層Bが(D)架橋剤を含む、[1]~[8]のいずれかに記載の離型フィルム。
[10] (D)架橋剤が、メラミン化合物及びオキサゾリン化合物から選択される少なくとも1種である、[9]に記載の離型フィルム。
[11] 樹脂層Aに含まれる非シリコーン系離型剤がワックスまたは長鎖アルキル基含有化合物から選ばれる1種以上を含む、[1]~[10]のいずれかに記載の離型フィルム。
[12] ポリエステルフィルムが3層構成である、[1]~[11]のいずれかに記載の離型フィルム。
[13] ポリエステルフィルムが3種3層構成である、[12]に記載の離型フィルム。
[14] 離型フィルムにおける樹脂層A面の算術平均高さ(Sa)が5nm以下である、[1]~[13]のいずれかに記載の離型フィルム。
[15] 離型フィルムの厚みが9~50μmである、[1]~[14]のいずれかに記載の離型フィルム。
[16] 離型フィルムにおける樹脂層B面と樹脂層A面との動摩擦係数が0.20以下である、[1]~[15]のいずれかに記載の離型フィルム。
[17] 積層セラミックコンデンサーの製造工程においてセラミックグリーンシートの支持体として用いられる、[1]~[16]のいずれかに記載の離型フィルム。
[18] 自動車用セラミックコンデンサーの製造工程においてセラミックグリーンシートの支持体として用いられる、[1]~[17]のいずれかに記載の離型フィルム。
[19] [1]~[18]のいずれかに記載の離型フィルムの樹脂層A上にセラミックグリーンシートを積層した、セラミックグリーンシート付き離型フィルム。
[20] セラミックグリーンシートの厚み(乾燥後)が2μm以下である、[19]に記載のセラミックグリーンシート付き離型フィルム。
[21] 積層セラミックコンデンサーの製造工程において用いられる、[19]又は[20]に記載のセラミックグリーンシート付き離型フィルム。
[22] 自動車用セラミックコンデンサーの製造工程において用いられる、[19]~[21]のいずれかに記載のセラミックグリーンシート付き離型フィルム。
[23] [1]~[18]のいずれかに記載の離型フィルムの少なくとも一方の面側に、セラミック成分を含むセラミックスラリーを塗工する工程を有する、セラミックグリーンシートの製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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