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公開番号2025063944
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-16
出願番号2025012829,2024542163
出願日2025-01-29,2023-12-27
発明の名称積層体、電子機器、カバーガラス及び樹脂組成物
出願人積水化学工業株式会社
代理人弁理士法人WisePlus
主分類B32B 17/10 20060101AFI20250409BHJP(積層体)
要約【課題】耐衝撃性に優れる積層体を提供する。また、該積層体を用いてなる電子機器及びカバーガラス、並びに、該積層体の樹脂層を形成するために用いられる樹脂組成物を提供する。
【解決手段】厚さが200μm以下の薄板ガラスと、前記薄板ガラスの少なくとも一方の側に配置される、厚さ5μm以上の樹脂層とを有し、前記樹脂層の破断エネルギーが1mJ/mm3以上であり、かつ、25℃における貯蔵弾性率が2500MPa以下である積層体、又は、厚さが200μm以下の薄板ガラスと、前記薄板ガラスの少なくとも一方の側に配置される、厚さ5μm以上の樹脂層とを有し、前記樹脂層のヤング率が50MPa以上、1500MPa以下である積層体。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
厚さが200μm以下の薄板ガラスと、前記薄板ガラスの少なくとも一方の側に配置される、厚さ5μm以上の樹脂層とを有し、
前記樹脂層の破断エネルギーが1mJ/mm

以上であり、かつ、25℃における貯蔵弾性率が2500MPa以下である
ことを特徴とする積層体。
続きを表示(約 560 文字)【請求項2】
前記樹脂層のヤング率が50MPa以上、1500MPa以下である請求項1記載の積層体。
【請求項3】
前記樹脂層の25℃における貯蔵弾性率が2000MPa以下である請求項1又は2記載の積層体。
【請求項4】
前記樹脂層のガラス転移温度が100℃以下である請求項1又は2記載の積層体。
【請求項5】
前記樹脂層がカチオン硬化性樹脂の重合体を含む請求項1又は2記載の積層体。
【請求項6】
前記カチオン硬化性樹脂が、エポキシ基含有化合物及びオキセタニル基含有化合物を含む請求項5記載の積層体。
【請求項7】
前記エポキシ基含有化合物が、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂を含む請求項6記載の積層体。
【請求項8】
前記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂が、水添ビスフェノールA骨格を含む請求項7記載の積層体。
【請求項9】
前記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキシ当量が100以上2000以下である請求項7記載の積層体。
【請求項10】
前記エポキシ基含有化合物が、ポリエーテル骨格を有するエポキシ樹脂を含む請求項6記載の積層体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、耐衝撃性に優れる積層体に関する。また、本発明は、該積層体を用いてなる電子機器及びカバーガラス、並びに、該積層体の樹脂層を形成するために用いられる樹脂組成物に関する。
続きを表示(約 6,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン、電子ブック、タブレットPC等の電子機器の表示画面を折り畳み可能にするための開発が進められている。このような折り畳み可能な表示画面の最表面側に、可撓性を有する薄板ガラスを用いることが検討されている。
【0003】
薄板ガラスは衝撃によって割れやすいことから、薄板ガラスの一方の面に保護用の樹脂層を配置することが検討されている。例えば、特許文献1には、ガラスと、該ガラスの片側に樹脂層を備える表示装置用保護基板であって、該ガラスの厚みが20μm~200μmであり、該樹脂層の比重が0.9g/cm

~1.5g/cm

であり、該樹脂層の25℃における曲げ弾性率が1000MPa~8000MPaである、表示装置用保護基板が記載されている。また、特許文献2には、厚みが120μm以下の薄ガラスと、前記薄ガラスの一方の側に配置される、厚み5μm以上の衝撃吸収層とを有し、該衝撃吸収層が、25℃において10

~10
15
Hzの範囲にtanδの極大値を有する光学積層体が記載されている。また、特許文献3には、厚みが500μm以下であるガラス板と、樹脂フィルムとが接着層を介して積層された構成を有する、カバー部材が記載されている。また、特許文献4には、無機ガラスと、該無機ガラスの両側に配置された樹脂層とを備える、表示素子用基板が記載されている。
しかしながら、薄板ガラス保護用の樹脂層を形成するための樹脂組成物に関しては、耐衝撃性を向上する観点から組成について従来は充分な検討がなされていなかったり、耐衝撃性が不充分なものが用いられたりしていたため、更に耐衝撃性を高めることが求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2013-37207号公報
国際公開第2018/190208号
国際公開第2020/153259号
特開2008-107510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、耐衝撃性に優れる積層体を提供することを目的とする。また、本発明は、該積層体を用いてなる電子機器及びカバーガラス、並びに、該積層体の樹脂層を形成するために用いられる樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示1は、厚さが200μm以下の薄板ガラスと、前記薄板ガラスの少なくとも一方の側に配置される、厚さ5μm以上の樹脂層とを有し、前記樹脂層の破断エネルギーが1mJ/mm

以上であり、かつ、25℃における貯蔵弾性率が2500MPa以下である、積層体(第1の積層体)である。
本開示2は、前記樹脂層のヤング率が50MPa以上、1500MPa以下である、本開示1の積層体である。
本開示3は、前記樹脂層の25℃における貯蔵弾性率が2000MPa以下である、本開示1又は2の積層体である。
本開示4は、前記樹脂層のガラス転移温度が100℃以下である、本開示1、2又は3の積層体である。
本開示5は、前記樹脂層がカチオン硬化性樹脂の重合体を含む、本開示1、2、3又は4の積層体である。
本開示6は、前記カチオン硬化性樹脂が、エポキシ基含有化合物及びオキセタニル基含有化合物を含む本開示5の積層体である。
本開示7は、前記エポキシ基含有化合物が、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂を含む本開示6の積層体である。
本開示8は、前記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂が、水添ビスフェノールA骨格を含む本開示7の積層体である。
本開示9は、前記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキシ当量が100以上2000以下である本開示7又は8の積層体である。
本開示10は、前記エポキシ基含有化合物が、ポリエーテル骨格を有するエポキシ樹脂を含む本開示6、7、8又は9の積層体である。
本開示11は、前記ポリエーテル骨格を有するエポキシ樹脂が、23℃で液状である本開示10の積層体である。
本開示12は、前記オキセタニル基含有化合物が、単官能である本開示6、7、8、9、10又は11の積層体である。
本開示13は、前記カチオン硬化性樹脂が、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、ポリエーテル骨格を有するエポキシ樹脂、及び、オキセタニル基含有化合物を含む本開示5、6、7、8、9、10、11又は12の積層体である。
本開示14は、前記樹脂層中の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂の含有量が20重量%以上60重量%以下であり、前記ポリエーテル骨格を有するエポキシ樹脂の含有量が10重量%以上20重量%以下であり、前記オキセタニル基含有化合物の含有量が20重量%以上60重量%以下である本開示13の積層体である。
本開示15は、前記薄板ガラスの一方の側に配置される、厚さ5μm以上の第1の樹脂層と、前記薄板ガラスの前記第1の樹脂層側とは反対側に配置される、厚さ5μm以上の第2の樹脂層と、を有し、前記第1の樹脂層及び前記第2の樹脂層がいずれも、破断エネルギーが1mJ/mm

以上であり、かつ、25℃における貯蔵弾性率が2500MPa以下である、本開示1の積層体である。
本開示16は、前記第1の樹脂層及び前記第2の樹脂層がいずれも、ヤング率が50MPa以上、1500MPa以下である、本開示15の積層体である。
本開示17は、前記第1の樹脂層及び前記第2の樹脂層の少なくとも一方が、厚さ25μm以下である、本開示15又は16の積層体である。
本開示18は、前記第1の樹脂層及び前記第2の樹脂層の少なくとも一方が、ガラス転移温度が100℃以下である、本開示15、16又は17の積層体である。
本開示19は、前記第1の樹脂層及び前記第2の樹脂層の少なくとも一方が、カチオン硬化性樹脂の重合体を含む、本開示15、16、17又は18の積層体である。
【0007】
本開示20は、厚さが200μm以下の薄板ガラスと、前記薄板ガラスの少なくとも一方の側に配置される、厚さ5μm以上の樹脂層とを有し、前記樹脂層のヤング率が50MPa以上、1500MPa以下である積層体(第2の積層体)である。
本開示21は、前記樹脂層の破断エネルギーが1mJ/mm

以上である、本開示20の積層体である。
本開示22は、前記樹脂層の25℃における貯蔵弾性率が2500MPa以下である、本開示20又は21の積層体である。
本開示23は、前記樹脂層のガラス転移温度が100℃以下である、本開示20、21又は22の積層体である。
本開示24は、前記樹脂層がカチオン硬化性樹脂の重合体を含む、本開示20、21、22又は23の積層体である。
本開示25は、前記カチオン硬化性樹脂が、エポキシ基含有化合物及びオキセタニル基含有化合物を含む本開示24の積層体である。
本開示26は、前記エポキシ基含有化合物が、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂を含む本開示25の積層体である。
本開示27は、前記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂が、水添ビスフェノールA骨格を含む本開示26の積層体である。
本開示28は、前記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキシ当量が100以上2000以下である本開示26又は27の積層体である。
本開示29は、前記エポキシ基含有化合物が、ポリエーテル骨格を有するエポキシ樹脂を含む本開示25、26、27又は28の積層体である。
本開示30は、前記ポリエーテル骨格を有するエポキシ樹脂が、23℃で液状である本開示29の積層体である。
本開示31は、前記オキセタニル基含有化合物が、単官能である本開示25、26、27、28、29又は30の積層体である。
本開示32は、前記カチオン硬化性樹脂が、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、ポリエーテル骨格を有するエポキシ樹脂、及び、オキセタニル基含有化合物を含む本開示24、25、26、27、28、29、30又は31の積層体である。
本開示33は、前記樹脂層中の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂の含有量が20重量%以上60重量%以下であり、前記ポリエーテル骨格を有するエポキシ樹脂の含有量が10重量%以上20重量%以下であり、前記オキセタニル基含有化合物の含有量が20重量%以上60重量%以下である本開示32の積層体である。
【0008】
本開示34は、前記薄板ガラスの一方の側に配置される、厚さ5μm以上の第1の樹脂層と、前記薄板ガラスの前記第1の樹脂層側とは反対側に配置される、厚さ5μm以上の第2の樹脂層と、を有し、前記第1の樹脂層及び前記第2の樹脂層がいずれも、ヤング率が50MPa以上、1500MPa以下である、本開示20の積層体である。
本開示35は、前記第1の樹脂層及び前記第2の樹脂層の少なくとも一方が、25℃における貯蔵弾性率が3000MPa以下である、本開示34の積層体である。
本開示36は、前記第1の樹脂層及び前記第2の樹脂層の少なくとも一方が、厚さ25μm以下である、本開示34又は35の積層体である。
本開示37は、前記第1の樹脂層及び前記第2の樹脂層の少なくとも一方が、ガラス転移温度が100℃以下である、本開示34、35又は36の積層体である。
本開示38は、前記第1の樹脂層及び前記第2の樹脂層の少なくとも一方が、カチオン硬化性樹脂の重合体を含む、本開示34、35、36又は37の積層体である。
本開示39は、前記カチオン硬化性樹脂が、エポキシ基含有化合物及びオキセタニル基含有化合物を含む本開示38の積層体である。
本開示40は、前記エポキシ基含有化合物が、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂を含む本開示39の積層体である。
本開示41は、前記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂が、水添ビスフェノールA骨格を含む本開示40の積層体である。
本開示42は、前記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキシ当量が100以上2000以下である本開示40又は41の積層体である。
本開示43は、前記エポキシ基含有化合物が、ポリエーテル骨格を有するエポキシ樹脂を含む本開示39、40、41又は42の積層体である。
本開示44は、前記ポリエーテル骨格を有するエポキシ樹脂が、23℃で液状である本開示43の積層体である。
本開示45は、前記オキセタニル基含有化合物が、単官能である本開示39、40、41、42、43又は44の積層体である。
本開示46は、前記カチオン硬化性樹脂が、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、ポリエーテル骨格を有するエポキシ樹脂、及び、オキセタニル基含有化合物を含む本開示38、39、40、41、42、43、44又は45の積層体である。
本開示47は、前記カチオン硬化性樹脂の重合体を含む樹脂層中の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂の含有量が20重量%以上60重量%以下であり、前記ポリエーテル骨格を有するエポキシ樹脂の含有量が10重量%以上20重量%以下であり、前記オキセタニル基含有化合物の含有量が20重量%以上60重量%以下である本開示46の積層体である。
【0009】
本開示48は、本開示1~47のいずれかの積層体を備える電子機器である。
本開示49は、本開示1~47のいずれかの積層体を備えるカバーガラスである。
本開示50は、本開示1~47のいずれかの積層体の樹脂層を形成するために用いられる樹脂組成物である。
本開示51は、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、ポリエーテル骨格を有するエポキシ樹脂、及び、オキセタニル基含有化合物を含む樹脂組成物である。
本開示52は、厚さ200μm以下の薄板ガラスへ塗布するために用いられる本開示50又は51の樹脂組成物である。
本開示53は、前記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂が、水添ビスフェノールA骨格を含む本開示51又は52の樹脂組成物である。
本開示54は、前記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキシ当量が100以上2000以下である本開示51、52又は53の樹脂組成物である。
本開示55は、前記ポリエーテル骨格を有するエポキシ樹脂が、23℃で液状である本開示51、52、53又は54の樹脂組成物である。
本開示56は、前記オキセタニル基含有化合物が、単官能である本開示51、52、53、54又は55の樹脂組成物である。
本開示57は、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂の含有量が20重量%以上60重量%以下であり、前記ポリエーテル骨格を有するエポキシ樹脂の含有量が10重量%以上20重量%以下であり、前記オキセタニル基含有化合物の含有量が20重量%以上60重量%以下である本開示51、52、53、54、55又は56の樹脂組成物である。
以下に本発明を詳述する。
【0010】
本発明者は、薄板ガラスの少なくとも一方の側に配置される樹脂層について検討した結果、樹脂層の破断エネルギー及び貯蔵弾性率と耐衝撃性の相関に着目し、破断エネルギーを1mJ/mm

以上とし、かつ、25℃における貯蔵弾性率を2500MPa以下にすることで、充分な耐衝撃性が得られることを見出した。
また、本発明者は、薄板ガラスの少なくとも一方の側に配置される樹脂層について検討した結果、樹脂層のヤング率と耐衝撃性の相関に着目し、ヤング率を50MPa以上、1500MPa以下にすることで、充分な耐衝撃性が得られることを見出した。
更に、本発明者は、電子機器の表示面等に配置される薄板ガラスについて、その表面に樹脂層を積層することにより耐衝撃性を改善することを検討した結果、薄板ガラスの両側に樹脂層を設けることでガラス飛散を効果的に防止でき、第1及び第2の樹脂層の破断エネルギーを破断エネルギー及び貯蔵弾性率の組み合わせ又はヤング率を特定の範囲内に調整することで、耐衝撃性を高めることができることを見出した。
そして、本発明者は、破断エネルギー、25℃における貯蔵弾性率、ヤング率を特定の範囲内に調整した樹脂層を形成するのに適した樹脂組成物を見出した。
以上のようにして、本発明者は、本発明を完成させるに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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