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公開番号
2025054865
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-08
出願番号
2023164058
出願日
2023-09-26
発明の名称
海中林ブロック構造体および前記海中林ブロック構造体を備えた藻場礁
出願人
個人
代理人
個人
主分類
A01G
33/00 20060101AFI20250331BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約
【課題】 海水の干満の差が激しい海域であっても海藻類を繁茂育成することを可能とし、藻食性魚介類の食害を防止できる海中林ブロック構造体を提供する。
【解決手段】 海中林ブロック構造体10は、海面下の海中に浮かせて海藻類を繁茂育成することを可能とするもので、 海藻類を繁茂育成する藻場21を上面に形成した藻場基盤ブロック20と、 前記藻場基盤ブロック20を浮かせる浮体30と、 前記藻場基盤ブロック20を海中に浮かせて海底に係留する係留装置40と、を備えている。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
海面下の海中に浮かせて海藻類を繁茂育成することを可能とする海中林ブロック構造体であって、
海藻類を繁茂育成する藻場を上面に形成した藻場基盤ブロックと、
前記藻場基盤ブロックを浮かせる浮体と、
前記藻場基盤ブロックを海中に浮かせて海底に係留する係留装置と、
を備えていることを特徴とする海中林ブロック構造体。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記藻場基盤ブロックは、上面に上面開口の藻場用穴部を形成し、この藻場用穴部の内部に、海藻類を繁茂育成する泥炭モルタルを収容したことを特徴とする請求項1に記載の海中林ブロック構造体。
【請求項3】
前記藻場基盤ブロックは、
上面に適宜間隔を介して並列に形成した複数の海藻カートリッジ用穴部と、
この海藻カートリッジ用穴部に抜き差し可能に形成し、かつ海藻類を繁茂育成する泥炭モルタルを収容した上面開口の海藻カートリッジと、
を備えていることを特徴とする請求項1に記載の海中林ブロック構造体。
【請求項4】
前記藻場基盤ブロックは、泥炭モルタルの中に、海藻の胞子、幼体あるいは成熟体の少なくともいずれか一種を付着した海藻種苗付着体の複数個を分散して投入したことを特徴とする請求項2又は3に記載の海中林ブロック構造体。
【請求項5】
前記泥炭モルタルは、海藻類を繁茂育成するために有効な有機酸を含有する泥炭と、セメント固化材とを混ぜて構成したことを特徴とする請求項2、3又は4に記載の海中林ブロック構造体。
【請求項6】
前記藻場基盤ブロックは、上面のほぼ中央で上下方向に挿通する支柱を設け、前記支柱を少なくとも藻場基盤ブロックの下面から下方へ延伸し、この支柱の下端を前記係留装置に連結したことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5に記載の海中林ブロック構造体。
【請求項7】
前記支柱が、浮力を有する材質であることを特徴とする請求項6に記載の海中林ブロック構造体。
【請求項8】
係留装置は、海底に固定する機能を備えたアンカーブロックに、前記藻場基盤ブロックをチェーンで連結した構成であることを特徴とする請求項1に記載の海中林ブロック構造体。
【請求項9】
所定区域内に複数の海中林ブロック構造体を設置した藻場礁であって、
海中林ブロック構造体は、
海面下の海中に浮かせて海藻類を繁茂育成することを可能とする構造で、
海藻類を繁茂育成する藻場を上面に形成した藻場基盤ブロックと、
前記藻場基盤ブロックを浮かせる浮体と、
前記藻場基盤ブロックを海中に浮かせて海底に係留する係留装置と、
を備えていることを特徴とする藻場礁。
【請求項10】
所定区域内の複数の海中林ブロック構造体の全周囲を漁網で囲んだ生け簀を形成したことを特徴とする請求項9に記載の藻場礁。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、海藻類を繁茂育成する海中林を保全・改善する海中林ブロック構造体および前記海中林ブロック構造体を備えた藻場礁を提供する技術に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、藻類を増殖させる藻場増殖礁は、天然の岩場、あるいはテトラポット、コンクリートブロック、各種コンクリート製品などを重積したり、その間に自然石を配設したりして利用され、種々工夫されてきた。
藻類には、大型の海藻として例えば、コンブ、アラメ、カジメ、クロメなどのコンブ科の海藻があり、海藻の群落である海中林が形成される。この海中林は、海の“ゆりかご”と称されるほどの魚介類の産卵の場であり、養魚を守るバリケードである。
【0003】
しかしながら、近年、各地の沿岸海域においては、地球温暖化によって海水温が上昇したことなどを要因として海藻類が消失している。あるいは海水の干満の差が激しい海域では、例えば3m(メートル)ほどの干満差があるので満潮時に太陽光が十分にとどかず、海藻類などの光合成が十分にできなくなっている。そのために海藻の群落(いわゆる海中林)が極端に減少している。さらに、海中の藻食性魚介類による食害などの様々な原因によって藻類が死滅してしまい、藻場で生活してきた魚介類が減少するという磯焼け現象が生じている。
【0004】
磯焼け現象の直接的あるいは間接的な原因ともいえる地球温暖化を防止するために、新しい二酸化炭素吸収方法として「ブルーカーボン」が注目されている。ブルーカーボンとは、2009年に国連環境計画によって命名されたもので、藻場・浅場等の海洋生態系に取り込まれた炭素をいう。ブルーカーボン生態系には、海草藻場・海藻藻場・塩性湿地、干潟・マングローブ林がある。地球上に排出された二酸化炭素は、一部が海洋生態系に光合成されて有機炭素として貯められる。一方、陸地の森林等に光合成して取り込まれる有機炭素はグリーンカーボンという。
なお、ブルーカーボンは、森林のグリーンカーボンの吸収率に匹敵、あるいはそれ以上の吸収率の固定能力を有している。
【0005】
しかし、前述のように磯焼け現象によって、ブルーカーボン生態系である海藻群落は著しく被害を受けているので、所謂ブルーカーボンの減少が生じている。この課題を解消するための取り組みの一環としてブルーカーボンの生態系を保全・改善するために、消滅した藻場の再生や造成が必要である。
【0006】
この点では、従来においても海中林を造成するための種々の方法や形態が開発されている。例えば、特許文献1における海中林造成方法は、基盤に複数本の柱体を立設した造成用構造物に、海草種苗を一部の柱体に取着し、この海草種苗から放出される胞子を介して他の柱体にも海藻を繁茂させる。これらの柱体に繁茂した海草種苗が核となって、造成用構造物全体に広がる。さらにはその周囲にも海藻が繁茂する。
【0007】
また、特許文献2における海中林造成方法では、海草種苗が付設された複数の造成用構造物からなる造成用構造物群を、相互に間隔をあけて複数群形成する。これらの造成用構造群によって形成される藻場相互間に、漁網の挿入可能な漁獲領域を形成する。基盤に立設した柱体に海草種苗を付設してなる柱状構造物を、海流の方向に対して略直交し、かつ互いに略平行に並んだ複数の列に配列する。これにより、良好な藻場を形成し、魚介類の安定した繁殖を得、漁獲作業にも適した配置としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2000-69878公報
特開2000-23593公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来では、特許文献1および特許文献2に示されているように、造成用構造物は海底に設置するが、海底は必ずしも平坦ではなく高低差に起伏のある状態が多い。この場合は造成用構造物の基盤が傾斜して設置されることが多くなるので、基盤に垂直状態に設けた柱体が傾斜することになる。上記の造成用構造物および造成用構造物群では、複数あるいは多数の柱体において海草の胞子の着生や生育が良好に促進するには、各柱体が垂直状態に立設されることが大切な要素となる。実際、各柱体が垂直状態に設置するために海底の起伏状態をある程度、平坦にするには大変な労力と設備を必要とする。
【0010】
また、上記の造成用構造物は、海底の砂泥の堆積によって基盤および柱体の下部が埋まることもあるので、海草の生育が半減することになる。この場合は、柱体の上部で海藻が生育するとしても、藻食性魚介類による食害を受けることになりかねない。柱体を設けているとはいえ、藻食性魚介類による食害を防止するには必ずしも十分とはいえない。
(【0011】以降は省略されています)
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