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公開番号2025037612
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-18
出願番号2023144634
出願日2023-09-06
発明の名称積層防錆フィルム
出願人株式会社アイセロ
代理人弁理士法人お茶の水内外特許事務所
主分類B32B 27/18 20060101AFI20250311BHJP(積層体)
要約【課題】金属製品の高温下での長期間の保存によっても、防錆フィルムとしての特性を低下させないこと、厳しい環境下や注意をして取り扱うことが困難な状況においても防錆性が要求される場、さらに長期にわたり防錆性が要求される場において、通常時と同様の防錆性を発揮すること。
【解決手段】下記樹脂層1及び樹脂層2を含有する積層防錆フィルム。
樹脂層1:平均粒子径が50μm以上の亜硝酸カルシウム粒子、及び、密度が0.945g/cm3以上の高密度ポリエチレンを含有する層
樹脂層2:低密度ポリエチレン及び/又は、直鎖状低密度ポリエチレンを含有する層
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記樹脂層1及び樹脂層2を有する積層防錆フィルム。
樹脂層1:平均粒子径が50μm以上の亜硝酸カルシウム粒子、及び、密度が0.945g/cm

以上の高密度ポリエチレンを含有する層
樹脂層2:低密度ポリエチレン及び/又は直鎖状低密度ポリエチレンを含有する層
続きを表示(約 250 文字)【請求項2】
前記樹脂層2側に下記樹脂層3を有する請求項1に記載の積層防錆フィルム。
樹脂層3:平均粒子径が50μm以上の亜硝酸カルシウム粒子、及び、低密度ポリエチレン及び/又は直鎖状低密度ポリエチレンを含有する層
【請求項3】
前記樹脂層2が、アミン/アンモニウム塩を含有する請求項1又は2に記載の積層防錆フィルム。
【請求項4】
積層防錆フィルムの厚みを100にしたときの、樹脂層1の厚みが15~45である請求項1又は2に記載の積層防錆フィルム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は積層防錆フィルムに関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1の実施例に記載されるように、低密度ポリエチレンに亜硝酸ナトリウムを含有させてなる樹脂層を有する積層防錆フィルムは公知である。
この発明による積層防錆フィルムは、製造後使用前までの保管状況を特定せずに防錆効果を発揮するものとしている。なお、実施例では積層防錆フィルムを製造直後の状態のまま使用することを前提とした例である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-131267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
金属製品等を収納するための積層防錆フィルムとして2層からなる積層シートを採用することによって、より長期間の防錆効果を発揮できるようにすることは可能である。しかしながら、高温下での長期間の保存によっても、防錆フィルムとしての特性を低下させないこと、厳しい環境下や注意をして取り扱うことが困難な状況においても防錆性が要求される場、さらに長期にわたり防錆性が要求される場において、通常時と同様の防錆性を発揮することが近年より求められるようになってきた。
そしてそのような場において、従来の防錆フィルムでは十分な防錆性を発揮することができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、以下の手段で解決することができることを見出し、本発明をなすに至った。
1.下記樹脂層1及び樹脂層2を有する積層防錆フィルム。
樹脂層1:平均粒子径が50μm以上の亜硝酸カルシウム粒子、及び、密度が0.945g/cm

以上の高密度ポリエチレンを含有する層
樹脂層2:低密度ポリエチレン及び/又は直鎖状低密度ポリエチレンを含有する層
2.前記樹脂層2側に下記樹脂層3を有する1に記載の積層防錆フィルム。
樹脂層3:平均粒子径が50μm以上の亜硝酸カルシウム粒子、及び、低密度ポリエチレン及び/又は直鎖状低密度ポリエチレンを含有する層
3.樹脂層2が、アミン/アンモニウム塩を含有する1又は2に記載の積層防錆フィルム。
4.積層防錆フィルムの厚みを100にしたときの、樹脂層1の厚みが15~45である1~3のいずれかに記載の積層防錆フィルム。
【発明の効果】
【0006】
本発明の特定の粒子径を有する亜硝酸カルシウム塩を含有する積層防錆フィルムによると、少なくとも一部をこの積層防錆フィルムから構成してなる容器又はシート状物、袋状物は、内容物に発錆する可能性がある金属製品等の製品を収納する、又は製品と一緒に梱包されることにより、より長期間にわたって防錆効果を維持することができる。そのため、金属製品を輸送・保管等する際に錆の発生をより長期にわたり確実に防止することができる。
さらに、使用前の保管条件が高温であっても、使用時に優れた防錆性を備え、かつ過酷な使用環境下においても十分な防錆性を発揮でき、具体的には、積層防錆フィルムの疲労試験後のVIA試験、及び空間の防錆性を良好にすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は積層防錆フィルムであり、この積層防錆フィルムは基材層を有していてもよい。
以下に、本発明について説明する。
本発明において、樹脂の密度の測定は、JIS K7112:1999のうち、A法に規定された方法に従った。
本明細書において、亜硝酸カルシウム、亜硝酸カリウム及び亜硝酸ナトリウムを、それぞれ、亜硝酸Ca、亜硝酸K及び亜硝酸Naと記載する場合がある。
また本発明における樹脂層1、樹脂層2及び樹脂層3は、それぞれ1層からなっても良く、複数層からなっても良い。
【0008】
(積層防錆フィルム)
本発明の積層防錆フィルムは、樹脂層1及び樹脂層2を有する積層防錆フィルムである。但し、樹脂層1を複数層設けても良く、樹脂層2を複数層設けても良い。
樹脂層1が2層以上の層からなる場合には、それぞれの層が含有する亜硝酸カルシウム及び樹脂等を独立して決定できる。なお、これら各層は、それぞれ本発明の積層防錆フィルムに関する要件を満たすことが必要である。樹脂層2が2層以上の層からなる場合には、それぞれの層が含有する低密度ポリエチレン及び/又は直鎖状低密度ポリエチレン等を独立して決定できる。
なお、これら各層は、それぞれ本発明の積層防錆フィルムに関する要件を満たすことが必要である。
【0009】
[樹脂層1]
樹脂層1は平均粒子径が50μm以上の亜硝酸カルシウム粒子、及び、密度が0.945g/cm

以上の高密度ポリエチレンを含有する層である。樹脂層1は1層から形成されてもよく、複数の樹脂層1を積層させることにより全体として樹脂層1としてもよい。複数の樹脂層1を積層させる際の、各樹脂層1は、それぞれ独立して、含有させる亜硝酸カルシウム粒子の平均粒子径及び含有量、密度が0.945g/cm

以上の高密度ポリエチレンの種類や樹脂の組成を決めることができる。
機械強度や加工性の観点から、メルトフローレート値(MFR)は1.0g/10min以上が好ましく、3.0g/10min以上がより好ましく、4.0g/10min以上が更に好ましい。また、10.0g/10min以下が好ましく、8.0g/10min以下がより好ましく、7.0g/10min以下が更に好ましい。この範囲にすることにより、適切な強度を有しつつ、溶融加工時に適度な粘度を持つことにより、粒子状の亜硝酸カルシウムを樹脂中に包含及び被覆することが可能となり、樹脂成形体から防錆剤が脱落することを防ぐことが可能となる。
【0010】
(樹脂層1が含有する平均粒子径が50μm以上の亜硝酸カルシウム粒子)
樹脂層1は平均粒子径が50μm以上の亜硝酸カルシウム粒子を含有する。その亜硝酸カルシウム粒子の含有量は、樹脂層1の100重量部中に、0.01重量部以上が好ましく、0.10重量部以上がより好ましく、0.50重量部以上が更に好ましく、1.00重量部以上が最も好ましい。また10.00重量部以下が好ましく、5.00重量部以下がより好ましく、3.00重量部以下が更に好ましく、2.50重量部以下が最も好ましい。0.01重量部未満であると防錆性をさらに向上させることが困難であり、10.00重量部を超えると成形加工が困難になる。
そして、亜硝酸カルシウム粒子の平均粒子径は50μm以上であり、55μm以上が好ましく、60μm以上がより好ましい。また平均粒子径は150μm以下が好ましく、140μm以下がより好ましい。平均粒子径が50μm以上であると、疲労試験後のVIA試験に優れる効果を発揮する。
なお、亜硝酸のカリウム塩、ナトリウム塩やマグネシウム塩を含有しないことが好ましいが、本発明による効果を毀損しない程度に、これらの平均粒子径を限定せずに含有させても良い。これらの亜硝酸金属塩を含有させたときの含有量は、含有される樹脂層100重量部中、例えば0.01重量部以上が好ましく、1.0重量部以下が好ましい。1.0重量部を超えると成形加工が困難になる。
(【0011】以降は省略されています)

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