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公開番号2025034825
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023141468
出願日2023-08-31
発明の名称積層体の製造方法及び積層体
出願人富士フイルム株式会社
代理人個人,個人
主分類B32B 37/02 20060101AFI20250306BHJP(積層体)
要約【課題】長尺方向において一端側と他端側とで感度の差が生じ難く、水溶性樹脂層と感光性樹脂層との間における異物及び傷の発生が抑制され、且つ、被転写物に対して感光性樹脂層を転写して露光及び現像処理を施した際に直線性に優れるパターンを形成可能な積層体の製造方法を提供する。
【解決手段】支持体1上に水溶性樹脂層3を形成して積層体Aを形成する工程、水溶性樹脂層に仮保護層を形成して積層体Bを形成する工程、積層体Bを巻き取って巻回体Cを形成する工程、巻回体Cから積層体Bを巻き出した後、積層体Bから仮保護層を剥離する工程、露出した水溶性樹脂層に接するように感光性樹脂層11を形成して、積層体Dを形成する工程、感光性樹脂層に接するようにカバーフィルムを形成して、支持体、水溶性樹脂層、感光性樹脂層、及びカバーフィルムをこの順に有する積層体Eを形成する工程とを、この順に有する、積層体の製造方法。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
支持体上に水溶性樹脂層を形成して、積層体Aを形成する工程Xaと、
前記水溶性樹脂層に接するように仮保護層を形成して、積層体Bを形成する工程Xbと、
前記積層体Bを巻き取って、巻回体Cを形成する工程Xcと、
前記巻回体Cから前記積層体Bを巻き出した後、前記積層体Bから前記仮保護層を、前記仮保護層と前記水溶性樹脂層との間で剥離する工程Xdと、
露出した前記水溶性樹脂層に接するように感光性樹脂層を形成して、積層体Dを形成する工程Xeと、
前記感光性樹脂層に接するようにカバーフィルムを形成して、前記支持体、前記水溶性樹脂層、前記感光性樹脂層、及び前記カバーフィルムをこの順に有する積層体Eを形成する工程Xfとを、この順に有する、積層体の製造方法。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
前記仮保護層の前記水溶性樹脂層と接する面の算術平均粗さが、10~50nmである、請求項1に記載の積層体の製造方法。
【請求項3】
前記水溶性樹脂層及び前記感光性樹脂層がいずれも、フィラーを実質的に含まない、請求項1又は2に記載の積層体の製造方法。
【請求項4】
前記水溶性樹脂層が、ポリビニルアルコールを含む、請求項1又は2に記載の積層体の製造方法。
【請求項5】
前記感光性樹脂層が、アルカリ可溶性樹脂、重合性化合物、及び光重合開始剤を含む、請求項1又は2に記載の積層体の製造方法。
【請求項6】
前記重合性化合物が、下記式(B-2)で表される化合物を含む、請求項5に記載の積層体の製造方法。
式(B-2):
TIFF
2025034825000012.tif
74
63
式中、R

及びR

は、各々独立に、水素原子又はメチル基を表す。Aは、C



を表し、Bは、C



を表す。n

及びn

は、各々独立に、1~39の整数を表し、且つ、n

+n

は、2~40の整数を表す。n

及びn

は、各々独立に、0~29の整数を表し、且つ、n

+n

は、0~30の整数を表す。-(A-O)-及び-(B-O)-の繰り返し単位の配列は、ランダム及びブロックのいずれであってもよい。配列がブロックである場合、-(A-O)-と-(B-O)-とのいずれがビスフェニル基側でもよい。
【請求項7】
前記重合性化合物が、下記式(B-3)で表される化合物を含む、請求項5に記載の積層体の製造方法。
式(B-3):
JPEG
2025034825000013.jpg
54
103
式(B-3)中、R

、R

、及びR

は、各々独立に、水素原子又はメチル基を表す。a、b、及びcは、各々独立に、0~48の整数を表し、且つ、a+b+cは、0~50の整数を表す。
【請求項8】
前記光重合開始剤が、アクリジン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤、ビイミダゾール系光重合開始剤、アルキルフェノン系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、及びアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤からなる群から選ばれる1種以上である、請求項5に記載の積層体の製造方法。
【請求項9】
前記感光性樹脂層が、下記式(A-1)で表される繰り返し単位及び下記式(A-2)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位αと、下記式(B)で表される繰り返し単位βとを含む重合体Dを含む、請求項1又は2に記載の積層体の製造方法。
JPEG
2025034825000014.jpg
54
143
式(A-1)中、R

は、水素原子又はメチル基を表す。R

は、炭素数1~10のアルキレン基を表す。R

は、炭素数1~4のアルキル基を表す。lは、5~100の整数を表す。
式(A-2)中、R

は、水素原子又はメチル基を表す。R

は、炭素数1~10のアルキレン基を表す。Lは、トリメチルシリル基又はトリス(トリメチルシロキシ)シリル基を表す。
式(B)中、R

は、水素原子又はメチル基を表す。R

は、水素原子又は炭素数1~18のアルキル基を表す。mは、1~100の整数を表す。nは、1~4の整数を表す。
【請求項10】
前記積層体Eにおける前記水溶性樹脂層が、前記感光性樹脂層側の表面に1nm以上100nm未満の凹みを有する、請求項1又は2に記載の積層体の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、積層体の製造方法及び積層体に関する。
続きを表示(約 4,400 文字)【背景技術】
【0002】
所定のパターンを得るための工程数が少ないことから、転写フィルムを用いて任意の基板上に感光性樹脂層を配置し、この感光性樹脂に対してマスクを介して露光及び現像を施すパターン形成方法が広く使用されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、微粒子を含有する樹脂層を備えた所定の支持フィルムと、水溶性樹脂層と、感光性樹脂層とが順次積層された積層構造を有する感光性エレメント(転写フィルム)が開示されている。また、その製造方法として、微粒子を含有する樹脂層を備えた支持フィルムの上記樹脂層とは反対の面に、水溶性樹脂組成物を使用して塗布法により水溶性樹脂層を形成した後、上記水溶性樹脂層上に感光性樹脂組成物を使用して塗布法により感光性樹脂層を形成する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2013-024913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らは、特許文献1に記載された転写フィルムの製造方法及び得られる転写フィルムについて検討したところ、転写フィルムの長尺方向において一端側と他端側とで感度の差が生じる場合があることを明らかとした。
また、転写フィルムは、被転写物に対して感光性樹脂層を転写して露光処理を施した際に露光不良(光学異常)が発生しないようにするため、水溶性樹脂層と感光性樹脂層との間において異物や傷の発生が抑制されていること、及び、被転写物に対して感光性樹脂層を転写して露光及び現像処理を施した際に直線性に優れるパターンを形成可能なことも基本性能として求められる。
【0006】
そこで、本発明は、長尺方向において一端側と他端側とで感度の差が生じ難く、水溶性樹脂層と感光性樹脂層との間における異物及び傷の発生が抑制され、且つ、被転写物に対して感光性樹脂層を転写して露光及び現像処理を施した際に直線性に優れるパターンを形成可能な積層体(転写フィルム)の製造方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、積層体を提供することも課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題を解決できることを見出した。
【0008】
〔1〕 支持体上に水溶性樹脂層を形成して、積層体Aを形成する工程Xaと、
上記水溶性樹脂層に接するように仮保護層を形成して、積層体Bを形成する工程Xbと、
上記積層体Bを巻き取って、巻回体Cを形成する工程Xcと、
上記巻回体Cから上記積層体Bを巻き出した後、上記積層体Bから上記仮保護層を、上記仮保護層と上記水溶性樹脂層との間で剥離する工程Xdと、
露出した上記水溶性樹脂層に接するように感光性樹脂層を形成して、積層体Dを形成する工程Xeと、
上記感光性樹脂層に接するようにカバーフィルムを形成して、上記支持体、上記水溶性樹脂層、上記感光性樹脂層、及び上記カバーフィルムをこの順に有する積層体Eを形成する工程Xfとを、この順に有する、積層体の製造方法。
〔2〕 上記仮保護層の上記水溶性樹脂層と接する面の算術平均粗さが、10~50nmである、〔1〕に記載の積層体の製造方法。
〔3〕 上記水溶性樹脂層及び上記感光性樹脂層がいずれも、フィラーを実質的に含まない、〔1〕又は〔2〕に記載の積層体の製造方法。
〔4〕 上記水溶性樹脂層が、ポリビニルアルコールを含む、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の積層体の製造方法。
〔5〕 上記感光性樹脂層が、アルカリ可溶性樹脂、重合性化合物、及び光重合開始剤を含む、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の積層体の製造方法。
〔6〕 上記重合性化合物が、後述する式(B-2)で表される化合物を含む、〔5〕に記載の積層体の製造方法。
〔7〕 上記重合性化合物が、後述する式(B-3)で表される化合物を含む、〔5〕又は〔6〕に記載の積層体の製造方法。
〔8〕 上記光重合開始剤が、アクリジン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤、ビイミダゾール系光重合開始剤、アルキルフェノン系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、及びアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤からなる群から選ばれる1種以上である、〔5〕~〔7〕のいずれかに記載の積層体の製造方法。
〔9〕 上記感光性樹脂層が、後述する式(A-1)で表される繰り返し単位及び後述する式(A-2)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位αと、後述する式(B)で表される繰り返し単位βとを含む重合体Dを含む、〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の積層体の製造方法。
〔10〕 上記積層体Eにおける上記水溶性樹脂層が、上記感光性樹脂層側の表面に1nm以上100nm未満の凹みを有する、〔1〕~〔9〕のいずれかに記載の積層体の製造方法。
〔11〕 支持体上に水溶性樹脂層を形成して、積層体Aを形成する工程Yaと、
上記水溶性樹脂層に接するように仮保護層を形成して、積層体Bを形成する工程Ybと、
上記積層体Bを巻き取って、巻回体Cを形成する工程Ycと、
上記巻回体Cから上記積層体Bを巻き出して、上記積層体Bから上記仮保護層を上記仮保護層と上記水溶性樹脂層との間で剥離し、上記積層体Bの露出した面に、仮支持体と感光性樹脂層とを含む転写フィルムの上記感光性樹脂層を貼合し、上記支持体、上記水溶性樹脂層、上記感光性樹脂層、及び上記仮支持体を含む積層体Fを得る工程Ydを含む、積層体の製造方法。
〔12〕 さらに、上記積層体Fから、上記仮支持体を上記仮支持体と上記感光性樹脂層の間で剥離し、上記積層体Fの露出した面にカバーフィルムを貼合し、上記支持体、上記水溶性樹脂層、上記感光性樹脂層、及び上記カバーフィルムをこの順に有する積層体Gを形成する工程Yeを有する、〔11〕に記載の積層体の製造方法。
〔13〕 さらに、上記工程Ydの前に、
仮支持体上に感光性樹脂層を形成して、積層体Hを形成する工程Yfと、
上記感光性樹脂層に接するように仮保護層を形成して、積層体Iを形成する工程Ygと、
上記積層体Iを巻き取って、巻回体Jを形成する工程Yhと、
上記巻回体Jから上記積層体Iを巻き出して、上記積層体Iから上記仮保護層を上記仮保護層と上記感光性樹脂層との間で剥離して、上記仮支持体と感光性樹脂層とを含む転写フィルムを得る工程Yiと、を有する、〔11〕又は〔12〕に記載の積層体の製造方法。
〔14〕 上記仮保護層の上記水溶性樹脂層と接する面の算術平均粗さが、10~50nmである、〔11〕~〔13〕のいずれかに記載の積層体の製造方法。
〔15〕 上記仮保護層の上記感光性樹脂層と接する面の算術平均粗さが、10~50nmである、〔13〕に記載の積層体の製造方法。
〔16〕 上記積層体Fにおいて、
上記水溶性樹脂層は、上記感光性樹脂層側の表面に1nm以上100nm未満の凹みを有し、且つ、
上記感光性樹脂層は、上記水溶性樹脂層側の表面に1nm以上100nm未満の凹みを有する、〔11〕~〔15〕のいずれかに記載の積層体の製造方法。
〔17〕 上記水溶性樹脂層及び上記感光性樹脂層がいずれも、フィラーを実質的に含まない、〔11〕~〔16〕のいずれかに記載の積層体の製造方法。
〔18〕 上記水溶性樹脂層が、ポリビニルアルコールを含む、〔11〕~〔17〕のいずれかに記載の積層体の製造方法。
〔19〕 上記感光性樹脂層が、アルカリ可溶性樹脂、重合性化合物、及び光重合開始剤を含む、〔11〕~〔18〕のいずれかに記載の積層体の製造方法。
〔20〕 上記重合性化合物が、後述する式(B-2)で表される化合物を含む、〔19〕に記載の積層体の製造方法。
〔21〕 上記重合性化合物が、後述する式(B-3)で表される化合物を含む、〔19〕又は〔20〕に記載の積層体の製造方法。
〔22〕 上記光重合開始剤が、アクリジン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤、ビイミダゾール系光重合開始剤、アルキルフェノン系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、及びアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤からなる群から選ばれる1種以上である、〔19〕~〔21〕のいずれかに記載の積層体の製造方法。
〔23〕 上記感光性樹脂層が、後述する式(A-1)で表される繰り返し単位及び後述する式(A-2)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位αと、後述する式(B)で表される繰り返し単位βとを含む重合体Dを含む、〔11〕~〔22〕のいずれかに記載の積層体の製造方法。
〔24〕 支持体と、水溶性樹脂層と、上記水溶性樹脂層と接して配置される感光性樹脂層と、カバーフィルムとをこの順で有する積層体であって、
上記水溶性樹脂層は、上記感光性樹脂層側の表面に1nm以上100nm未満の凹みを有する、積層体。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、長尺方向において一端側と他端側とで感度の差が生じ難く、水溶性樹脂層と感光性樹脂層との間における異物及び傷の発生が抑制され、且つ、被転写物に対して感光性樹脂層を転写して露光及び現像処理を施した際に直線性に優れるパターンを形成可能な積層体(転写フィルム)の製造方法を提供できる。
また、本発明は、積層体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
第1製造方法の工程Xaを説明するための模式図である。
第1製造方法の工程Xbを説明するための模式図である。
第1製造方法の工程Xeを説明するための模式図である。
第1製造方法の工程Xfを説明するための模式図である。
第2製造方法の工程Ydを説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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