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公開番号2025034554
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023141003
出願日2023-08-31
発明の名称積層体の製造方法
出願人artience株式会社
代理人
主分類B32B 7/06 20190101AFI20250306BHJP(積層体)
要約【課題】
本発明の課題は、印刷層の画質及び印刷層の脱離性に優れ、脱離した成分の再付着が抑制された、プラスチックリサイクルに適した積層体の製造方法を提供すること、並びに、回収したプラスチック基材を溶融混練して得られる成形用材料の製造方法、及び、成形用材料を加熱成形して得られる高品位な成型体の製造方法を提供することである。
【解決手段】
少なくとも、プラスチック基材、硬化剤由来の構造単位を含有するプライマー層、及び印刷層をこの順に備えた積層体の製造方法であって、プライマー層形成工程と、前記プライマー層を、フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)で測定した硬化剤由来のピークの残存率が20%以下となるようにエージングする、エージング工程と、印刷層形成工程とを含み、前記プライマー層は、前記プラスチック基材を回収するために、脱離液中で脱離可能な層である、積層体の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも、プラスチック基材、硬化剤由来の構造単位を含有するプライマー層、及び印刷層をこの順に備えた積層体の製造方法であって、
前記プラスチック基材上に前記プライマー層を設ける、プライマー層形成工程と、
前記プライマー層形成工程の後、前記プライマー層を、フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)で測定した硬化剤由来のピークの残存率が20%以下となるようにエージングする、エージング工程と、
前記エージング工程の後、前記プライマー層上に、前記印刷層を設ける、印刷層形成工程とを含み、
前記プライマー層は、前記プラスチック基材を回収するために、脱離液中で脱離可能な層である、積層体の製造方法。
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
硬化剤が、ポリイソシアネート系化合物である、請求項1に記載の積層体の製造方法。
【請求項3】
硬化剤が、カルボジイミド系化合物である、請求項1に記載の積層体の製造方法。
【請求項4】
プライマー層が、アルカリ水溶液に溶解又は膨潤する化合物を含有する、請求項1~3いずれかに記載の積層体の製造方法。
【請求項5】
アルカリ水溶液に溶解又は膨潤する化合物が、酸性基を有する、請求項4に記載の積層体の製造方法。
【請求項6】
プラスチック基材が、ポリオレフィン基材である、請求項1~3いずれかに記載の積層体の製造方法。
【請求項7】
包装材の製造に用いられる、請求項1~3いずれかに記載の積層体の製造方法。
【請求項8】
請求項1~3いずれかに記載の積層体の製造方法により得られる積層体を脱離液に接触させ、プラスチック基材を脱離させて回収する、プラスチック基材の分離回収方法。
【請求項9】
請求項8に記載のプラスチック基材の分離回収方法で回収されたプラスチック基材を溶融混練することを特徴とする、成形用材料の製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載の成形用材料の製造方法により得られる成形用材料を、加熱成形することを特徴とする、成形体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、積層体の製造方法に関する。本発明の他の実施形態は、成形用材料の製造方法及び成形体の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、プラスチックフィルムを原料とするパッケージ、プラスチックボトル、その他プラスチック製品は、海洋にゴミとして廃棄又は投棄され環境汚染問題となっている。これらのプラスチック製品は海水中で分解されてサブミクロンサイズの破片(マイクロプラスチック)となり海水中に浮遊する。当該マイクロプラスチックは、魚類等の海洋生物に摂取されることで生物体内中に濃縮され、当該海洋生物を食料として摂取する海鳥や人間の健康にも影響することが懸念されている。
【0003】
上記プラスチック製品としては、プラスチックフィルムを使用した複層構成の食品包装パッケージ等が挙げられ、このような食品包装パッケージでは、フィルム基材としてポリエステル基材、ナイロン基材(NY)、ポリプロピレン基材(PP)、ポリエチレン基材(PE)等、種々のプラスチック基材が使用されている。これらフィルム基材は、印刷インキにより印刷が施され、接着剤等を介して他のフィルム基材や熱溶融樹脂基材と貼り合わされた後に、カットされ熱融着されてパッケージとなる。しかしながら、このような複層構成の食品包装パッケージは、相溶しない異種の材料が複数混合しているため、このままではマテリアルリサイクルができないという問題がある。
【0004】
このような複層構成の包装材のマテリアルリサイクルについて、例えば、特許文献1、2には、所定の酸価を有するポリウレタン樹脂を含む脱離層を備える積層体を処理することで、表刷り構成だけでなく複層構成の積層体から印刷層を脱離する技術が開示されている。
【0005】
また特許文献3には、水酸基含有樹脂とイソシアネート系硬化剤を含む脱離層を備える積層体をアルカリ水で処理することで、積層体から印刷層を脱離する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2020-090627号公報
特開2021-098294号公報
特開2021-088408号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1~3に記載の積層体の製造方法では、プライマー層上に印刷層を印刷した際に、プライマー層の一部を膨潤及び/又は溶解させてしまい、特に単色刷りではなく重ね刷りの場合に、印刷濃度の低下や絵柄の再現性低下といった印刷層の画質不良が発生する。さらには、印刷層がプライマー層に浸透することにより、アルカリ水溶液中での脱離性が低下し、脱離した印刷層も細かく分散されるため、基材に再付着しやすくなるという課題が発生する。そしてこのような基材をリサイクルして得られる成形用材料は、着色による外観低下及び物理性状の低下を引き起こす。
【0008】
本発明の課題は、印刷層の画質及び印刷層の脱離性に優れ、脱離した成分の再付着が抑制された、プラスチックリサイクルに適した積層体の製造方法を提供すること、並びに、回収したプラスチック基材を溶融混練して得られる成形用材料の製造方法、及び、成形用材料を加熱成形して得られる高品位な成型体の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、下記[1]~[10]に関する。
【0010】
[1]
少なくとも、プラスチック基材、硬化剤由来の構造単位を含有するプライマー層、及び印刷層をこの順に備えた積層体の製造方法であって、
前記プラスチック基材上に前記プライマー層を設ける、プライマー層形成工程と、
前記プライマー層形成工程の後、前記プライマー層を、フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)で測定した硬化剤由来のピークの残存率が20%以下となるようにエージングする、エージング工程と、
前記エージング工程の後、前記プライマー層上に、前記印刷層を設ける、印刷層形成工程とを含み、
前記プライマー層は、前記プラスチック基材を回収するために、脱離液中で脱離可能な層である、積層体の製造方法。
(【0011】以降は省略されています)

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