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公開番号2025032601
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-12
出願番号2023137964
出願日2023-08-28
発明の名称栓部材、CFT鋼管、CFT鋼管の蒸気抜き孔の封止方法、及び、CFT柱の構築方法
出願人株式会社大林組
代理人弁理士法人一色国際特許事務所
主分類E04B 1/94 20060101AFI20250305BHJP(建築物)
要約【課題】CFTの鋼管内へのコンクリートの充填時には蒸気抜き孔を塞ぎつつも、その後に蒸気抜き孔から取り外し不要な栓部材等を提供する。
【解決手段】CFT鋼管の蒸気抜き孔に貫入されて前記蒸気抜き孔を封止する栓部材であって、軸部と、前記軸部を囲繞する囲繞材と、前記軸部の一端に回動可能に取り付けられ、前記蒸気抜き孔に貫入されて、前記CFT鋼管の内側で回動して係止される係止機構と、前記軸部の他端に設けられ、前記軸部と前記係止機構と前記囲繞材を前記CFT鋼管に固定する締付機構と、を有し、前記囲繞材は、火災時に溶融して、前記CFT鋼管の内部に発生する蒸気を抜く隙間を前記蒸気抜き孔に形成する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
CFT鋼管の蒸気抜き孔に貫入されて前記蒸気抜き孔を封止する栓部材であって、
軸部と、
前記軸部を囲繞する囲繞材と、
前記軸部の一端に回動可能に取り付けられ、前記蒸気抜き孔に貫入されて、前記CFT鋼管の内側で回動して係止される係止機構と、
前記軸部の他端に設けられ、前記軸部と前記係止機構と前記囲繞材を前記CFT鋼管に固定する締付機構と、を有し、
前記囲繞材は、火災時に溶融して、前記CFT鋼管の内部に発生する蒸気を抜く隙間を前記蒸気抜き孔に形成することを特徴とする栓部材。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
請求項1に記載の栓部材であって、
前記締付機構は、
前記軸部に螺合するナットと、
前記ナットと前記CFT鋼管の間に設けられる跨ぎ材と、を有し、
前記跨ぎ材は、前記CFT鋼管の表面に当接される脚部と、
前記囲繞材を内側に収納させる収納部と、
前記収納部と外部とを連通する開口部と、を有し、
前記開口部から前記蒸気が抜けるようになっていることを特徴とする栓部材。
【請求項3】
請求項1に記載の栓部材であって、
前記締付機構は、前記軸部に螺合するナットと、
前記ナットと前記CFT鋼管の間に設けられ、前記軸部を囲繞する座金と、を有し、
前記座金は、前記軸部の径より大きな径の貫通孔を有し、
前記ナットにより固定された前記座金の前記貫通孔と前記軸部の間に形成される隙間から前記蒸気が抜けるようになっていることを特徴とする栓部材。
【請求項4】
請求項1に記載の栓部材であって、
前記締付機構は、前記軸部に螺合するナットと、
前記ナットと前記CFT鋼管の間に設けられ、前記軸部を囲繞する座金と、を有し、
前記座金は、前記囲繞材と接触する接触部と、前記ナットとの間に隙間を形成する隙間部と、を有し、
前記隙間部から前記蒸気が抜けるようになっていることを特徴とする栓部材。
【請求項5】
請求項1に記載の栓部材であって、
前記締付機構は、前記軸部に螺合するナットを有し、
前記ナットは、前記CFT鋼管の表面よりも外側に突出した前記囲繞材に当接して前記軸部に螺合され、
前記囲繞材が溶融して前記CFT鋼管と前記ナットとの間に形成される隙間から前記蒸気が抜けるようになっていることを特徴とする栓部材。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の栓部材で前記蒸気抜き孔が封止されたことを特徴とするCFT鋼管。
【請求項7】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の栓部材で、前記CFT鋼管の前記蒸気抜き孔を封止することを特徴とするCFT鋼管の蒸気抜き孔の封止方法。
【請求項8】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の栓部材で、前記蒸気抜き孔が封止された前記CFT鋼管を用いてCFT柱を構築することを特徴とするCFT柱の構築方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、CFT鋼管の蒸気抜き孔を封止する栓部材、CFT鋼管、CFT鋼管の蒸気抜き孔の封止方法、及び、CFT柱の構築方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来、建物の柱等の構造として、例えば鉛直に立設された鋼管内にコンクリートを充填して成されるCFT構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。CFT構造は、鋼管に火災時に鋼管内で発生する蒸気を抜いて減圧するための蒸気抜き孔が設けられており、この蒸気抜き孔がコンクリートで閉塞されていると鋼管内の蒸気が抜けないため、充填コンクリート打設時には当該蒸気抜き孔が閉塞されないように管理する必要がある。国土交通省告示には、柱に用いるCFT鋼管について、10mm以上20mm以下の蒸気抜き孔を柱頭及び柱脚の部分にかつ同じ高さに柱の中心に対して均等に2箇所設置すること、蒸気抜き孔を垂直法王の距離で5m以下の間隔で設置することが示されている。
そして、CFT鋼管に設けられた蒸気抜き孔は、CFT鋼管内へのコンクリート充填施工時にコンクリートで閉塞されないように、蒸気抜き孔を栓で塞ぐ、あるいは蒸気抜き孔部にナットを溶接し、当該ナットに蒸気抜き孔に挿通したボルトを螺合して塞いでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2010-150831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、蒸気抜き孔を栓やボルトにより塞いだ場合には、コンクリートを充填した後の、鋼管から取り外さなければならない。このため、栓やボルトを取り外す作業に時間が費やされる。特に、上記のようにボルトにより塞ぐ場合には、鋼管へのナットの溶接、ボルトの螺着及び取り外しの工程が必要であり、多大な時間が費やされるという課題があった。
また、栓やボルトは、確実に取り外しておく必要があるため、取り外したことを確認する作業にも時間が費やされるという課題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、CFTの鋼管内へのコンクリートの充填時には蒸気抜き孔を塞ぎつつも、その後に蒸気抜き孔から取り外し不要な栓部材、CFT鋼管、CFT鋼管の蒸気抜き孔の封止方法、及び、CFT柱の構築方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するために本発明の栓部材は、
CFT鋼管の蒸気抜き孔に貫入されて前記蒸気抜き孔を封止する栓部材であって、
軸部と、
前記軸部を囲繞する囲繞材と、
前記軸部の一端に回動可能に取り付けられ、前記蒸気抜き孔に貫入されて、前記CFT鋼管の内側で回動して係止される係止機構と、
前記軸部の他端に設けられ、前記軸部と前記係止機構と前記囲繞材を前記CFT鋼管に固定する締付機構と、を有し、
前記囲繞材は、火災時に溶融して、前記CFT鋼管の内部に発生する蒸気を抜く隙間を前記蒸気抜き孔に形成することを特徴とする。
本発明の他の特徴については、本明細書および添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、CFTの鋼管内へのコンクリートの充填時には蒸気抜き孔を塞ぎつつも、その後に蒸気抜き孔から取り外し不要な栓部材、CFT鋼管、CFT鋼管の蒸気抜き孔の封止方法、及び、CFT柱の構築方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
第1実施形態の栓部材を蒸気抜き孔に取り付けた状態を示す縦断面図である。
第1実施形態の栓部材の構成を示す分解図である。
第1実施形態の栓部材の蒸気抜き孔への取り付け方法を示す図である。
第1実施形態の栓部材が鋼管に取り付けた状態を上方から見た図である。
第1実施形態の栓部材が環状の鋼管に取り付けた状態を上方から見た図である。
2枚の座金を有する第2実施形態の栓部材を蒸気抜き孔に取り付けた状態を示す縦断面図である。
2枚の座金を有する第2実施形態の栓部材を蒸気抜き孔に取り付けた状態を上方から見た図である。
1枚の座金を有する第2実施形態の栓部材を蒸気抜き孔に取り付けた状態を示す縦断面図である。
1枚の座金を有する第2実施形態の栓部材を蒸気抜き孔に取り付けた状態を上方から見た図である。
第2実施形態の栓部材に用いる座金の第1変形例を鋼管の外側から見た図である。
第2実施形態の栓部材に用いる座金の第2変形例を鋼管の外側から見た図である。
ナットが囲繞材に当接する栓部材を蒸気抜き孔に取り付けた状態を示す縦断面図である。
ナットが囲繞材に当接する栓部材を蒸気抜き孔に取り付けた状態を上方から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
後述する明細書及び図面の記載から、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
態様1:CFT鋼管の蒸気抜き孔に貫入されて前記蒸気抜き孔を封止する栓部材であって、軸部と、前記軸部を囲繞する囲繞材と、前記軸部の一端に回動可能に取り付けられ、前記蒸気抜き孔に貫入されて、前記CFT鋼管の内側で回動して係止される係止機構と、前記軸部の他端に設けられ、前記軸部と前記係止機構と前記囲繞材を前記CFT鋼管に固定する締付機構と、を有し、前記囲繞材は、火災時に溶融して、前記CFT鋼管の内部に発生する蒸気を抜く隙間を前記蒸気抜き孔に形成することを特徴とする栓部材である。
【0010】
態様1の栓部材によれば、当該栓部材は、囲繞材に囲繞された軸部が、CFT鋼管の蒸気抜き孔に貫入され、軸部の一端に取り付けられた係止機構がCFT鋼管の内側で回動して係止され、軸部の他端に設けられた締付機構により、軸部、係止機構及び囲繞材がCFT鋼管に固定される。このため、栓部材は、蒸気抜き孔に挿通された軸部を囲繞材が囲繞している状態でCFT鋼管に固定される。このため、栓部材を取り付けることにより、蒸気抜き孔を塞ぐことが可能となる。
(【0011】以降は省略されています)

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