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公開番号2025031110
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-07
出願番号2023137101
出願日2023-08-25
発明の名称車両の挙動制御装置
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
主分類B60W 30/045 20120101AFI20250228BHJP(車両一般)
要約【課題】横加速度に応じた大きなロールの抑制又は車両安定性制御の状態を考慮しつつロール剛性配分の偏りを抑制できるようにする。
【解決手段】車両の挙動制御装置は、ロール剛性可変装置と、コントローラとを備える。ロール剛性可変装置は、車両の前軸及び後軸の一方である第1軸のロール剛性と、前軸及び後軸の他方である第2軸のロール剛性と、を可変にするように構成されている。コントローラは、車両に作用する横加速度の領域のうちの少なくとも低加速度域において、横加速度の増大に応じて第1軸のロール剛性を増大させるようにロール剛性可変装置を制御する。また、横加速度が低加速度域を超えて高加速度域まで増大した場合、又は車両のオーバーステア及びアンダーステアの少なくとも一方を抑制する車両安定性制御に異常がある場合、コントローラは、第2軸のロール剛性を増大させるようにロール剛性可変装置を制御する制御処理を実行する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項１】
車両の前軸及び後軸の一方である第１軸のロール剛性と、前記前軸及び前記後軸の他方である第２軸のロール剛性と、を可変にするように構成されたロール剛性可変装置と、
コントローラと、
を備え、
前記コントローラは、
前記車両に作用する横加速度の領域のうちの少なくとも低加速度域において、前記横加速度の増大に応じて前記第１軸のロール剛性を増大させるように前記ロール剛性可変装置を制御し、
前記横加速度が前記低加速度域を超えて高加速度域まで増大した場合、又は前記車両のオーバーステア及びアンダーステアの少なくとも一方を抑制する車両安定性制御に異常がある場合、前記第２軸のロール剛性を増大させるように前記ロール剛性可変装置を制御する制御処理を実行する
ことを特徴とする車両の挙動制御装置。
続きを表示（約 830 文字）【請求項２】
前記ロール剛性可変装置は、
前記第１軸の左右輪に対して上下方向の制御力を付与するように構成された左右一対の第１アクチュエータと、
前記第２軸の片輪に対して上下方向の制御力を付与するように構成された第２アクチュエータと、
を含み、
前記コントローラは、前記横加速度に応じた要求ロールモーメントを算出し、
前記制御処理は、前記要求ロールモーメントを実現するために前記左右一対の第１アクチュエータによって発生させるべき制御力の一部を第２アクチュエータに配分する配分処理を含む
ことを特徴とする請求項１に記載の車両の挙動制御装置。
【請求項３】
前記配分処理において、前記コントローラは、前記第２軸の前記片輪と同じ側に位置する前記第１軸の前記左右輪の一方に対して設けられた前記左右一対の第１アクチュエータの一方によって発生させるべき制御力の一部を、前記第２アクチュエータに配分する
ことを特徴とする請求項２に記載の車両の挙動制御装置。
【請求項４】
前記要求ロールモーメントは、前記車両のばね上のロール速度のフィードバック項を含み、
前記フィードバック項は、前記ロール速度に対するフィードバック制御ゲインを含み、
前記横加速度が前記低加速度域を超えて前記高加速度域まで増大した場合、又は前記異常がある場合、前記コントローラは、前記横加速度が前記低加速度域にあり且つ前記異常がない場合と比べて大きな前記フィードバック制御ゲインを選択する
ことを特徴とする請求項２又は３に記載の車両の挙動制御装置。
【請求項５】
前記制御処理において、前記コントローラは、前記横加速度が高いほど前記第２軸のロール剛性を増大させるように前記ロール剛性可変装置を制御する
ことを特徴とする請求項１～３の何れか１つに記載の車両の挙動制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本開示は、車両の挙動制御装置に関する。
続きを表示（約 1,800 文字）【背景技術】
【０００２】
特許文献１は、車両のロール制御装置を開示している。このロール制御装置は、横加速度の増大に応じて第１軸及び第２軸（後軸及び前軸）のロール剛性を増大させるように第１軸及び第２軸の双方の側のアクチュエータの制御量を増大させる。そして、横加速度が低加速度域を超えて高加速度域まで増大した場合、ロール制御装置は、第１軸のロール剛性配分率が所定値を超えないように、横加速度の増大に応じて横加速度に対する第１軸の側のアクチュエータの制御量のゲインを低下させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２０２３－０５１０２６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
特許文献１に記載の技術によれば、高加速度域におけるロール剛性配分の偏りを抑制し、意図しないオーバーステア又はアンダーステアの発生を抑制できる。しかしながら、ロール制御ゲインを下げるという手法では、高加速度域において大きなロールが生じ易くなる。また、横加速度が低くても車両安定性制御に異常がある場合には、ロール剛性配分の偏りは、例えば路面状況によっては、意図しないオーバーステア又はアンダーステアを生じさせ易くする要因となり得る。
【０００５】
本開示は、上述のような課題に鑑みてなされたものであり、横加速度に応じた大きなロールの抑制又は車両安定性制御の状態を考慮しつつロール剛性配分の偏りを抑制できるようにした車両の挙動制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本開示に係る車両の挙動制御装置は、ロール剛性可変装置と、コントローラとを備える。ロール剛性可変装置は、車両の前軸及び後軸の一方である第１軸のロール剛性と、前軸及び後軸の他方である第２軸のロール剛性と、を可変にするように構成されている。コントローラは、車両に作用する横加速度の領域のうちの少なくとも低加速度域において、横加速度の増大に応じて第１軸のロール剛性を増大させるようにロール剛性可変装置を制御する。また、横加速度が低加速度域を超えて高加速度域まで増大した場合、又は車両のオーバーステア及びアンダーステアの少なくとも一方を抑制する車両安定性制御に異常がある場合、コントローラは、第２軸のロール剛性を増大させるようにロール剛性可変装置を制御する制御処理を実行する。
【発明の効果】
【０００７】
本開示によれば、加速度が低加速度域を超えて高加速度域まで増大した場合に、ロール制御ゲインを下げる手法に頼らずに（つまり、横加速度に応じた大きなロールの発生を抑制しつつ）ロール剛性配分の偏りを抑制できるようになる。また、本開示によれば、車両安定性制御に異常がある場合、低加速度域であっても、制御処理の実行によるロール剛性配分の偏り抑制によって意図しないオーバーステア又はアンダーステアを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
実施の形態に係る挙動制御装置を搭載する車両の構成を示す図である。
実施の形態に係るロール制御の基本構成を概念的に示す図である。
実施の形態に係る制御処理を含むロール制御に関する処理の一例を示すフローチャートである。
配分処理の具体例ＥＸ３を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
１．車両の挙動制御装置
図１は、実施の形態に係る挙動制御装置を搭載する車両１０の構成を示す図である。図１に示すように、車両１０は、４つの車輪１４として、前軸１６Ｆに左前輪１４ＦＬと右前輪１４ＦＲとを備え、後軸１６Ｒに左後輪１４ＲＬと右後輪１４ＲＲとを備える。車両１０では、例えば左右輪１４ＦＬ及び１４ＦＲが操舵輪である。
【００１０】
車両１０は、サスペンション２０ＦＬ、２０ＦＲＡ、２０ＲＬＡ、及び２０ＲＲＡを備える。サスペンション２０ＦＬ、２０ＦＲＡ、２０ＲＬＡ、及び２０ＲＲＡは、それぞれ、左前輪１４ＦＬ、右前輪１４ＦＲ、左後輪１４ＲＬ、及び右後輪１４ＲＲを車体１２から懸架する。
（【００１１】以降は省略されています）

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