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公開番号2025030722
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-07
出願番号2023136265
出願日2023-08-24
発明の名称車両
出願人マツダ株式会社
代理人個人,個人
主分類B60J 1/20 20060101AFI20250228BHJP(車両一般)
要約【課題】高いエネルギ効率を実現しつつ、ウインドの曇りをより確実に抑制することができる車両を提供する。
【解決手段】フロントウインドシールド11の車内側面11aには、ともに吸水性の防曇膜である薄膜部131と通常膜厚部15とが積層されている。薄膜部131は、通常膜厚部15よりも単位面積あたりの保水可能量の最大値である満タン量が低い。車両は、薄膜部131の曇りの発生を検出するカメラ132を備える。また、車両は、通常膜厚部15における保水量を推定するコントローラと、フロントウインドシールド11の除湿を行う空調装置と、も備える。薄膜部131の曇りを検出した場合に、コントローラは、カメラ132の撮像結果を基に通常膜厚部15の保水量を推定する。空調装置は、コントローラによる推定結果に基づいてフロントウインドシールド11の除湿を行う。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
車室の内方と外方とを区画するウインドと、
前記ウインドにおける前記車室側の車内側面の内の一部領域を除いて積層された吸水性の第1防曇膜部と、
前記ウインドにおける前記車内側面の内の前記一部領域に積層されるとともに、単位面積あたりの保水可能量の最大値である満タン量が前記第1防曇膜部よりも低い吸水性の第2防曇膜部と、
前記第2防曇膜部における曇りを検出する曇り検出部と、
前記第1防曇膜部における保水量を推定する推定部と、
前記ウインドの前記車内側面の除湿を行う空調装置と、
を備え、
前記曇り検出部が前記第2防曇膜部の曇りを検出した場合に、前記推定部は、前記曇り検出部の検出情報を基に前記第1防曇膜部の保水量を推定し、
前記空調装置は、前記推定部による前記第1防曇膜部の保水量に関する推定結果に基づいて前記ウインドの除湿を行う、
車両。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記推定部は、
前記第2防曇膜部の前記車内側面に曇りが検出された場合に、当該第2防曇膜部における初期保水率を算出する処理と、
前記第2防曇膜部の前記初期保水率と、前記第1防曇膜部の前記満タン量とを用いて、当該第1防曇膜部における初期保水量を算出する処理と、
前記車室内における空気中の水蒸気量から算出した積算値を、前記初期保水量に加算する処理と、
を実行して、前記第1防曇膜部の保水量を推定する、
請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記ウインドの前記車内側面の温度を検出する表面温度検出部と、
前記ウインドの前記車内側面の近傍の湿度を検出する湿度検出部と、
をさらに備え、
前記推定部は、前記表面温度検出部および前記湿度検出部からの各検出情報を基に、前記積算値を算出する、
請求項2に記載の車両。
【請求項4】
前記第2防曇膜部は、前記第1防曇膜部に対して、膜質が同一であって、膜厚が相対的に薄く形成されている、
請求項1から請求項3の何れかに記載の車両。
【請求項5】
前記第2防曇膜部は、前記第1防曇膜部に対して、膜厚が同一であって、弾性率が相対的に高くなるように形成されている、
請求項1から請求項3の何れかに記載の車両。
【請求項6】
前記第2防曇膜部は、前記第1防曇膜部に対して、膜厚が同一であって、水との親和力が相対的に低い防曇材料を用いて形成されている、
請求項1から請求項3の何れかに記載の車両。
【請求項7】
前記ウインドの前記車内側面上において、前記第1防曇膜部と前記第2防曇膜部との間に設けられた、互いの間での水分の行き来を抑制する止水部をさらに備える、
請求項1から請求項3の何れかに記載の車両。
【請求項8】
前記第2防曇膜部は、単位面積あたりの保水可能量の最大値である満タン量が互いに異なる複数の防曇膜要素を備え、
前記曇り検出部は、前記複数の防曇膜要素のそれぞれにおける曇りを検出する、
請求項1から請求項3の何れかに記載の車両。
【請求項9】
前記推定部は、
前記複数の防曇膜要素のそれぞれについて、曇りが検出された場合に当該防曇膜要素の前記満タン量を算出する処理と、
前記複数の防曇膜要素のそれぞれにおける前記満タン量を時系列的に記憶する処理と、
前記複数の防曇膜要素同士の前記満タン量の差異の時系列的な変化を基に、前記複数の防曇膜要素の劣化率を算出する処理と、
前記劣化率を基に、前記第1防曇膜部の前記満タン量を補正する処理と、
を実行する、
請求項8に記載の車両。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に関し、特にウインドの車内側面に吸水性の防曇膜が積層されてなる構成を有する車両における空調制御技術に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
車両では、フロントウインドシールドなどのウインドの曇りを防止して視界を確保することが安全上において重要である。ウインドの曇りを防止するために、ウインドの車内側面に吸水性の防曇膜が積層される場合がある。吸水性の防曇膜は、膜中に水分を吸水して表面が曇り難いという機能を有する。
【0003】
しかしながら、このようにウインドの車内側面に吸水性の防曇膜を積層した場合であっても、防曇膜の吸水量が所定量(満タン量)を超えると、それ以上の水分を膜中に保水することができず、膜表面に結露水が付着して曇ってしまう。
【0004】
上記のような吸水性の防曇膜が積層されてなるウインドの曇りを抑制するための技術が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示の車両は、防曇膜の吸水量を積算している。防曇膜の吸水量は、ウインドの車内側面の温度と、ウインドの車内側面近傍の露点温度とを逐次取得して、これらから積算される。そして、特許文献1に開示の車両では、防曇膜の吸水量が所定の閾値に達すると、空調装置を外気導入モードでの運転に切り替えて除湿を行い、これによりウインドが曇るのを抑制しようとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2012-35689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示の技術では、防曇膜の吸水量を正確に算出することは難しいと考えられる。即ち、上記特許文献1に開示の技術では、上記吸水量の積算を開始する時点での防曇膜の保水量(初期保水量)を考慮していないため、初期保水量が多い場合には積算量が同じであっても早く保水量が満タン量に達してしまい、内気循環モードから外気導入モードへと空調モードを切り替える前にウインドが曇ってしまう場合がある。
【0007】
なお、ウインドの曇りを防止する観点からは、空調装置を絶えず外気導入モードで走行することによってウインドの除湿を行いながら車両を走行させることも考えられるが、絶えず外気導入モードで空調を行う場合にはエネルギ効率が低くなってしまう。例えば、外気温度が低い寒冷地や冬季などでは、低温で低湿度の外気を導入してウインドの曇りを除去するのであるが、この場合に車室内の温度が低下しすぎないように導入した外気を温める必要がある。このように導入した外気を温めるにあたっては、エンジンを搭載した車両ではエンジンからの排熱を利用することができるものの、エンジンを搭載せず、電気モータにより駆動を行う電気自動車(BEV)では、バッテリーの電力を用いて発熱して外気を温める必要が生じる。よって、寒冷地や冬季においては、絶えずウインド(防曇膜)の除湿を行うことは難しい。
【0008】
本発明は、上記のような問題の解決を図ろうとなされたものであって、高いエネルギ効率を実現しつつ、ウインドの曇りをより確実に抑制することができる車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る車両は、車室の内方と外方とを区画するウインドと、前記ウインドにおける前記車室側の車内側面の内の一部領域を除いて積層された吸水性の第1防曇膜部と、前記ウインドにおける前記車内側面の内の前記一部領域に積層されるとともに、単位面積あたりの保水可能量の最大値である満タン量が前記第1防曇膜部よりも低い吸水性の第2防曇膜部と、前記第2防曇膜部における曇りを検出する曇り検出部と、前記第1防曇膜部における保水量を推定する推定部と、前記ウインドの前記車内側面の除湿を行う空調装置と、を備える。
【0010】
本態様に係る車両において、前記曇り検出部が前記第2防曇膜部の曇りを検出した場合に、前記推定部は、前記曇り検出部の検出情報を基に前記第1防曇膜部の保水量を推定し、前記空調装置は、前記推定部による前記第1防曇膜部の保水量に関する推定結果に基づいて前記ウインドの除湿を行う。
(【0011】以降は省略されています)

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