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公開番号2025024364
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-20
出願番号2023128413
出願日2023-08-07
発明の名称麺皮類用穀粉組成物
出願人日清製粉株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類A23L 7/10 20160101AFI20250213BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】高アミロース小麦粉を含有し、かつ良好な食感を有する麺皮類の提供。
【解決手段】穀粉類及び澱粉類の総質量中に、高アミロース小麦粉を30~95質量%、及びデュラム小麦粉砕物を5~70質量%含有し、該高アミロース小麦粉が、コンカナバリンA法で分析された総澱粉中のアミロース含有量が40質量%以上の小麦粉である、麺皮類用穀粉組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
穀粉類及び澱粉類の総質量中に、高アミロース小麦粉を30~95質量%、及びデュラム小麦粉砕物を5~70質量%含有し、
該高アミロース小麦粉が、コンカナバリンA法で分析された総澱粉中のアミロース含有量が40質量%以上の小麦粉である、
麺皮類用穀粉組成物。
続きを表示(約 380 文字)【請求項2】
前記高アミロース小麦粉が、SBEIIaの活性が低い改変小麦由来の小麦粉である、請求項1記載の穀粉組成物。
【請求項3】
前記穀粉類及び澱粉類の総質量中における、前記高アミロース小麦粉と前記デュラム小麦粉砕物の合計量が70質量%以上である、請求項1記載の穀粉組成物。
【請求項4】
前記デュラム小麦粉砕物の平均粒径が200μm以下である、請求項1記載の穀粉組成物。
【請求項5】
前記穀粉類及び澱粉類の総含有量が80質量%以上である、請求項1記載の穀粉組成物。
【請求項6】
前記麺皮類が春巻皮、餃子の皮、焼売の皮、ワンタンの皮、又は小籠包の皮である、請求項1記載の穀粉組成物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項記載の穀粉組成物を用いる、麺皮類の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、麺皮類用穀粉組成物に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
餃子、焼売、春巻、小籠包などの麺皮食品は、具材を包む麺皮の食感が良いものが好まれる。また、これらの麺皮食品は、製造後すぐに食されるだけでなく、常温、冷蔵又は冷凍で保存された後、電子レンジで再加熱して食されることが少なくないため、電子レンジで再加熱された後にも食感の良さを保つことができることが望まれる。
【0003】
穀物に含まれる澱粉にはアミロースとアミロペクチンが含まれる。アミロースは、消化酵素による消化性が悪く、そのため、ヒトの消化酵素で消化されない難消化性成分、すなわち食物繊維として機能し得、難消化性澱粉に分類される。近年、澱粉合成に関連する酵素に変異を有することでアミロース含有量を増加させた高アミロース小麦が開発されている(非特許文献1、2)。特許文献1~4には、澱粉分枝酵素SBEIIaの遺伝子の点変異を有し、SBEIIaの活性が低下しており、穀粒に含まれる澱粉のアミロース含有量が高い高アミロース小麦が開示されている。しかし一方で、アミロースは食品がパサついたり硬くなったりする原因でもある。例えば、前述の非特許文献2には、高アミロース小麦から製造したパンが、通常の小麦を使用したものと比べて膨らみが悪く品質に劣っていたこと、一方で、高アミロース小麦粉の配合によりパスタのようなテクスチャーの中華麺が得られたことが記載されている。
【0004】
特許文献5には、揚げ春巻の皮用の組成物に膨潤度5以下の膨潤度抑制澱粉を配合すること、該揚げ春巻の皮が経時的な食感低下や電子レンジ等で調理した際の食感低下が抑えられていること、該膨潤度抑制澱粉としてハイアミロース澱粉を使用できることが記載されている。特許文献6には、損傷澱粉量が9.5質量%以下のデュラム小麦粉を5質量%以上含む原料粉を用いることで、良好な食感と味、香りを有する麺類及び麺皮類を製造することができることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特表2007-504803号公報
特表2008-526690号公報
特表2015-504301号公報
特表2019-527054号公報
特開2003-199518号公報
特開2009-213354号公報
【非特許文献】
【0006】
J Jpn Assoc Dietary Fiber Res, 2003, 7(1):20-25
Trends in Food Science and Technology, 2006, 17:448-456
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
健康志向の観点から、食物繊維を豊富に含有する麺類が求められている。高アミロース小麦粉は有望な食物繊維素材の1つである。本出願人は以前に、高アミロース小麦粉を含有する穀粉組成物から製造した麺皮類が、食物繊維を豊富に含有しているにもかかわらず生地の二次加工性に優れかつ良好な食感を有することを見出し、この知見に基づき特許出願を行った(特願2022-018797)。しかしながら、高アミロース小麦粉を用いて製造される麺皮類の食感のさらなる向上が望まれる。本発明は、高アミロース小麦粉を含有しかつ良好な食感を有する麺皮類のための、穀粉組成物を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、代表的実施形態として、以下を提供する。
〔1〕穀粉類及び澱粉類の総質量中に、高アミロース小麦粉を30~95質量%、及びデュラム小麦粉砕物を5~70質量%含有し、
該高アミロース小麦粉が、コンカナバリンA法で分析された総澱粉中のアミロース含有量が40質量%以上の小麦粉である、
麺皮類用穀粉組成物。
〔2〕前記高アミロース小麦粉が、SBEIIaの活性が低い改変小麦由来の小麦粉である、〔1〕記載の穀粉組成物。
〔3〕前記穀粉類及び澱粉類の総質量中における、前記高アミロース小麦粉と前記デュラム小麦粉砕物の合計量が70質量%以上である、〔1〕又は〔2〕記載の穀粉組成物。
〔4〕前記デュラム小麦粉砕物の平均粒径が200μm以下である、〔1〕~〔3〕のいずれか1項記載の穀粉組成物。
〔5〕前記穀粉類及び澱粉類の総含有量が80質量%以上である、〔1〕~〔4〕のいずれか1項記載の穀粉組成物。
〔6〕前記麺皮類が春巻皮、餃子の皮、焼売の皮、ワンタンの皮、又は小籠包の皮である、〔1〕~〔5〕のいずれか1項記載の穀粉組成物。
〔7〕〔1〕~〔6〕のいずれか1項記載の穀粉組成物を用いる、麺皮類の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の穀粉組成物は、高アミロース小麦粉を含有し、かつ良好な食感を有する麺皮類の原料として有用である。本発明の穀粉組成物から製造された麺皮類は、焼き、茹で、蒸し、油ちょうなどの様々な方法で調理したときに、いずれも良好な食感を有することができ、かつ、調理後長時間保管され、又はさらに電子レンジで再加熱された後でも、良好な食感を有することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、麺皮類用穀粉組成物、及びそれを用いる麺皮類の製造方法を提供する。本発明の麺皮類用穀粉組成物(以下、単に「本発明の穀粉組成物」ともいう)は、高アミロース小麦粉及びデュラム小麦粉砕物を含有する。
(【0011】以降は省略されています)

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