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公開番号2025018305
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-06
出願番号2023121895
出願日2023-07-26
発明の名称摺動式等速自在継手
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F16D 3/227 20060101AFI20250130BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】誘起スラストを低減し、電気自動車に好適に適用可能なダブルオフセット型の摺動式等速自在継手を提供する。
【解決手段】外側継手部材2の円筒状内周面6、外側継手部材2のトラック溝7の表面、内側継手部材3の球状外周面8、内側継手部材3のトラック溝9の表面、保持器5の外周面の球面部13、及び、保持器5の内周面の球面部15のうちの少なくとも一つの面において、粗さ曲線の谷部の底部が鍛造面、転造面あるいは機械加工面の何れかであり、且つ、この面のRskが負の値である。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
円筒状内周面に複数の直線状のトラック溝が形成された外側継手部材と、球状外周面に複数の直線状のトラック溝が形成された内側継手部材と、前記外側継手部材のトラック溝と前記内側継手部材のトラック溝との間に配された複数のボールと、前記外側継手部材の円筒状内周面と摺接する球面部が外周面に形成され、前記内側継手部材の球状外周面と摺接する球面部が内周面に形成され、前記複数のボールを保持するポケットを有する保持器とを備えた摺動式等速自在継手において、
前記外側継手部材の円筒状内周面、前記外側継手部材のトラック溝の表面、前記内側継手部材の球状外周面、前記内側継手部材のトラック溝の表面、前記保持器の外周面の球面部、及び、前記保持器の内周面の球面部のうちの少なくとも一つの面において、粗さ曲線の谷部の底部が鍛造面、転造面あるいは機械加工面の何れかであり、
前記少なくとも一つの面のRskが負の値である摺動式等速自在継手。
続きを表示(約 2,300 文字)【請求項2】
円筒状内周面に複数の直線状のトラック溝が形成された外側継手部材と、球状外周面に複数の直線状のトラック溝が形成された内側継手部材と、前記外側継手部材のトラック溝と前記内側継手部材のトラック溝との間に配された複数のボールと、前記外側継手部材の円筒状内周面と摺接する球面部が外周面に形成され、前記内側継手部材の球状外周面と摺接する球面部が内周面に形成され、前記複数のボールを保持するポケットを有する保持器とを備えた摺動式等速自在継手において、
前記外側継手部材の円筒状内周面、前記外側継手部材のトラック溝の表面、前記内側継手部材の球状外周面、前記内側継手部材のトラック溝の表面、前記保持器の外周面の球面部、及び、前記保持器の内周面の球面部のうちの少なくとも一つの面において、粗さ曲線の谷部の底部が鍛造面、転造面あるいは機械加工面の何れかであり、
前記少なくとも一つの面のRpが2以下である摺動式等速自在継手。
【請求項3】
円筒状内周面に複数の直線状のトラック溝が形成された外側継手部材と、球状外周面に複数の直線状のトラック溝が形成された内側継手部材と、前記外側継手部材のトラック溝と前記内側継手部材のトラック溝との間に配された複数のボールと、前記外側継手部材の円筒状内周面と摺接する球面部が外周面に形成され、前記内側継手部材の球状外周面と摺接する球面部が内周面に形成され、前記複数のボールを保持するポケットを有する保持器とを備えた摺動式等速自在継手において、
前記外側継手部材の円筒状内周面、前記外側継手部材のトラック溝の表面、前記内側継手部材の球状外周面、前記内側継手部材のトラック溝の表面、前記保持器の外周面の球面部、及び、前記保持器の内周面の球面部のうちの少なくとも一つの面が、多数の微小な山部と、各山部の周囲に全周で繋がって設けられた谷部とを有し、
前記少なくとも一つの面のRskが負の値である摺動式等速自在継手。
【請求項4】
円筒状内周面に複数の直線状のトラック溝が形成された外側継手部材と、球状外周面に複数の直線状のトラック溝が形成された内側継手部材と、前記外側継手部材のトラック溝と前記内側継手部材のトラック溝との間に配された複数のボールと、前記外側継手部材の円筒状内周面と摺接する球面部が外周面に形成され、前記内側継手部材の球状外周面と摺接する球面部が内周面に形成され、前記複数のボールを保持するポケットを有する保持器とを備えた摺動式等速自在継手において、
前記外側継手部材の円筒状内周面、前記外側継手部材のトラック溝の表面、前記内側継手部材の球状外周面、前記内側継手部材のトラック溝の表面、前記保持器の外周面の球面部、及び、前記保持器の内周面の球面部のうちの少なくとも一つの面が、多数の微小な山部と、各山部の周囲に全周で繋がって設けられた谷部とを有し、
前記少なくとも一つの面のRpが2以下である摺動式等速自在継手。
【請求項5】
円筒状内周面に複数の直線状のトラック溝が形成された外側継手部材と、球状外周面に複数の直線状のトラック溝が形成された内側継手部材と、前記外側継手部材のトラック溝と前記内側継手部材のトラック溝との間に配された複数のボールと、前記外側継手部材の円筒状内周面と摺接する球面部が外周面に形成され、前記内側継手部材の球状外周面と摺接する球面部が内周面に形成され、前記複数のボールを保持するポケットを有する保持器とを備えた摺動式等速自在継手において、
前記外側継手部材の円筒状内周面、前記外側継手部材のトラック溝の表面、前記内側継手部材の球状外周面、前記内側継手部材のトラック溝の表面、前記保持器の外周面の球面部、及び、前記保持器の内周面の球面部のうちの少なくとも一つの面が、同じ方向に延びる多数の筋状の山部及び谷部を有し、
前記少なくとも一つの面のRskが負の値である摺動式等速自在継手。
【請求項6】
円筒状内周面に複数の直線状のトラック溝が形成された外側継手部材と、球状外周面に複数の直線状のトラック溝が形成された内側継手部材と、前記外側継手部材のトラック溝と前記内側継手部材のトラック溝との間に配された複数のボールと、前記外側継手部材の円筒状内周面と摺接する球面部が外周面に形成され、前記内側継手部材の球状外周面と摺接する球面部が内周面に形成され、前記複数のボールを保持するポケットを有する保持器とを備えた摺動式等速自在継手において、
前記外側継手部材の円筒状内周面、前記外側継手部材のトラック溝の表面、前記内側継手部材の球状外周面、前記内側継手部材のトラック溝の表面、前記保持器の外周面の球面部、及び、前記保持器の内周面の球面部のうちの少なくとも一つの面が、同じ方向に延びる多数の筋状の山部及び谷部を有し、
前記少なくとも一つの面のRpが2以下である摺動式等速自在継手。
【請求項7】
前記少なくとも一つの面が、前記外側継手部材の円筒状内周面、前記外側継手部材のトラック溝の表面、前記内側継手部材のトラック溝の表面のうちの何れかであり、
前記谷部の底部が鍛造面である請求項1~4の何れか1項に記載の摺動式等速自在継手。
【請求項8】
前記少なくとも一つの面のRaが1.5以下である請求項7に記載の摺動式等速自在継手。
【請求項9】
前記少なくとも一つの面のRzが10以下である請求項7に記載の摺動式等速自在継手。
【請求項10】
電気自動車に搭載される請求項1~6の何れか1項に記載の摺動式等速自在継手。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、摺動式等速自在継手に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
自動車のドライブシャフトやプロペラシャフトに適用される等速自在継手は、二軸間の角度変位および軸方向相対移動の双方を許容する摺動式と、二軸間の角度変位を許容するが、二軸間の軸方向相対移動は許容しない固定式とに大別される。
【0003】
摺動式等速自在継手としては、回転トルクを伝達する転動体としてボールを用いたダブルオフセット型等速自在継手(DOJ)や、転動体としてローラを用いたトリポード型等速自在継手(TJ)が知られている。ダブルオフセット型等速自在継手は、製造コストが安価なことや、継手内部の回転方向のガタが少ないことから広く用いられている。例えば下記の特許文献1には、ボールの個数を6個から8個に増やすことで、軽量コンパクト化を図ったダブルオフセット型等速自在継手が示されている。また、下記の特許文献2には、最大作動角を30°以上まで高角化すると共に、さらなる軽量コンパクト化を図ったダブルオフセット型等速自在継手が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平10-73129号公報
特開2007-85488号公報
特開2011-106534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年は車両の電動化が進んでおり、電動モータの動力で走行する電気自動車(電動モータの動力のみで走行するものの他、電動モータ及びエンジンの動力で走行するハイブリット車を含む。)が増えている。この種の車両では、ドライブシャフトやプロペラシャフト等の動力伝達シャフトに設けられる摺動式等速自在継手として、ガタが少なく応答性に優れるダブルオフセット型の採用が増えている。ダブルオフセット型の摺動式等速自在継手は、ガタが少なく応答性に優れるというメリットがある一方、トリポード型の摺動式等速自在継手と比べて誘起スラストが発生しやすいというデメリットがある。
【0006】
そこで、本発明は、誘起スラストを低減し、電気自動車に好適に適用可能なダブルオフセット型の摺動式等速自在継手を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ダブルオフセット型等速自在継手を構成する各部品(外側継手部材、内側継手部材、及び保持器)は、回転時に相対運動している。そのため、等速自在継手の回転時に、部品の摺動部が軸方向の摩擦力(誘起スラスト)を発生させ、振動問題を引き起こすことがある。本発明者らの鋭意検討により、上記のような振動問題の原因の一つに摺動面の粗さがあり、これを適切に制御することで振動問題を解決できることが明かになった。具体的には、各部品の表面を、鍛造、転造、あるいは、切削、研削、研磨等の機械加工で形成し、この表面の粗さ曲線の谷部の底部を残しながら山部の頂部を潰す、あるいは除去することにより、部品間の摺動部の軸方向の摩擦力を低減して、ダブルオフセット型等速自在継手の誘起スラストを低減できる。
【0008】
すなわち、本発明は、円筒状内周面に複数の直線状のトラック溝が形成された外側継手部材と、球状外周面に複数の直線状のトラック溝が形成された内側継手部材と、前記外側継手部材のトラック溝と前記内側継手部材のトラック溝との間に配された複数のボールと、前記外側継手部材の円筒状内周面と摺接する球面部が外周面に形成され、前記内側継手部材の球状外周面と摺接する球面部が内周面に形成され、前記複数のボールを保持するポケットを有する保持器とを備えた摺動式等速自在継手において、
前記外側継手部材の円筒状内周面、前記外側継手部材のトラック溝の表面、前記内側継手部材の球状外周面、前記内側継手部材のトラック溝の表面、前記保持器の外周面の球面部、及び、前記保持器の内周面の球面部のうちの少なくとも一つの面が鍛造、転造、あるいは機械加工で形成され、
前記少なくとも一つの面の粗さ曲線の谷部の底部を残しながら山部の頂部を潰すあるいは除去してこの面のRskを負の値とする(あるいはRpを2以下とする)ことにより、誘起スラストを低減したことを特徴とする。
【0009】
上記の摺動式等速自在継手では、前記外側継手部材の円筒状内周面、前記外側継手部材のトラック溝の表面、前記内側継手部材の球状外周面、前記内側継手部材のトラック溝の表面、前記保持器の外周面の球面部、及び、前記保持器の内周面の球面部のうちの少なくとも一つの面において、粗さ曲線の谷部の底部が鍛造面、転造面、あるいは機械加工面であり、且つ、この面のRskが負の値である(あるいは、Rpが2以下である)。
【0010】
鍛造面には、多数の微小な山部と、各山部の周囲に全周で繋がって設けられた谷部とが形成される。機械加工面には、同じ方向に延びる多数の筋状の山部及び谷部が形成される。本発明では、鍛造面もしくは機械加工面からなる谷部の底部を残しながら山部の頂部を潰す、あるいは除去することで、Rskを負の値(あるいは、Rpを2以下)とする。
(【0011】以降は省略されています)

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