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公開番号2025018022
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-06
出願番号2023121402
出願日2023-07-26
発明の名称トルクリミッタ
出願人株式会社オリジン
代理人弁理士法人愛宕綜合特許事務所
主分類F16D 41/06 20060101AFI20250130BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】他側部材8が回転しようとした際に、転動体10がカム面42と外輪4の内周面との間で過剰に噛み込むことが防止される、新規の逆入力遮断クラッチを提供すること。更に、かかる逆入力遮断クラッチを用いたトルクリミッタを提供すること。
【解決手段】カム面42の周方向の端部46の断面形状を径方向外側に向かって周方向に傾斜して直線状に延びるように構成する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
筒状の外輪と、前記外輪内で共通の回転軸を中心として回転可能な片側部材及び他側部材とを備え、
前記外輪は断面円形の内周面を有し、前記外輪の内側には、前記片側部材に付設された片側係合片と、前記他側部材に付設された他側係合片とが組み合わせて配置されていて、
前記他側係合片には前記外輪の内周面と対向するカム面が形成され、前記カム面と前記外輪の内周面との間には、転動体が配置されており、
前記外輪に対し前記片側部材が回転すると、前記片側係合片が前記他側係合片と共に前記転動体を押して前記他側部材を回転させる一方、前記外輪に対し前記他側部材が回転しようとしても、前記転動体が前記外輪の内周面と前記カム面における周方向の端部との間で噛み込んで回転することができない逆入力遮断クラッチにおいて、
前記カム面の前記端部の断面形状は径方向外側に向かって周方向に傾斜して直線状に延びている、ことを特徴とする逆入力遮断クラッチ。
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
前記カム面は凹状であって、前記カム面の周方向両側に位置する2つの前記端部の断面形状は共に径方向外側に向かって周方向外側に傾斜して直線状に延びている、請求項1に記載の逆入力遮断クラッチ。
【請求項3】
周方向両側に位置する2つの前記端部に沿う2つの直線の内角は165乃至175度である、請求項2に記載の逆入力遮断クラッチ。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の逆入力遮断クラッチを用いたトルクリミッタにして、
前記片側部材及び前記他側部材と共に前記外輪が固定のハウジングに収容され、前記外輪と前記ハウジングとの間には、前記外輪が前記ハウジングに対して回転する際に前記外輪に制動トルクを付与する制動トルク付与手段が配設されており、
前記片側部材から前記他側部材への回転は無負荷乃至軽負荷で伝達される一方、前記他側部材から前記片側部材への回転は前記制動トルクに抗して伝達される、トルクリミッタ。
【請求項5】
前記制動トルク付与手段は前記外輪の外周面に装着されたコイルばねであって、前記コイルばねは線材が螺旋状に巻回された巻回部と前記巻回部の軸方向両端において夫々前記線材が径方向外方に屈曲された2つのフック部とを備え、
前記コイルばねが自由状態にあるときの前記巻回部の内径は円筒形状である前記外輪の外径よりも小さく、
前記2つのフック部の各々は周方向の異なる位置に配置され、前記2つのフック部は前記ハウジングの内周面に形成されたフック溝に挿入されて前記コイルばねは前記ハウジングに対して回転不能であり、前記外輪が前記ハウジングに対して回転しようとすると、前記2つのフック部のいずれかが前記フック溝にて前記巻回部が拡径する方向に相対的に押される、請求項4に記載のトルクリミッタ。
【請求項6】
前記ハウジング内には前記転動体に制動トルクを付与する補助制動トルク付与手段が配設されている、請求項4に記載のトルクリミッタ。
【請求項7】
前記制動トルク付与手段は前記転動体を軸方向に付勢するウェーブワッシャーである、請求項6に記載のトルクリミッタ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、転動体の噛み込みを利用した逆入力遮断クラッチ及びこれを用いたトルクリミッタに関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、転動体の噛み込みを利用した逆入力遮断クラッチは広く実用に供されている。その一例として、例えば下記特許文献1に示された逆入力遮断クラッチが存在する。この逆入力遮断クラッチは、筒状の外輪と、前記外輪内で共通の回転軸を中心として回転可能な片側部材及び他側部材とを備えている。前記外輪は断面円形の内周面を有し、前記外輪の内側には、前記片側部材に付設された片側係合片と、前記他側部材に付設された他側係合片とが組み合わせて配置されている。前記他側係合片には前記外輪の内周面と対向する凹状のカム面が形成され、前記カム面と前記外輪の内周面との間に、転動体が配置されている。カム面の周方向両側に位置する2つの端部の断面形状は共に径方向外側に向かって周方向外側に凸円弧形状に延びている。そして、前記外輪に対し前記片側部材が回転すると、前記片側係合片が前記他側係合片と共に前記転動体を押して前記他側部材を回転させる一方、前記外輪に対し前記他側部材が回転しようとしても、前記転動体が前記外輪の内周面と前記カム面における周方向の端部との間で噛み込んで回転することができない。従って、片側部材から他側部材に回転を伝達させようとする作動が入力、他側部材から片側部材に回転を伝達させようとする作動が逆入力とすると、入力は伝達されるが逆入力は遮断される。
【0003】
また、前記片側部材及び前記他側部材と共に前記外輪を固定のハウジングに収容し、前記外輪と前記ハウジングとの間に、前記外輪が前記ハウジングに対して回転する際に前記外輪に制動トルクを付与する制動トルク付与手段を配設することで、上述した逆入力遮断クラッチを、前記片側部材から前記他側部材への回転は無負荷乃至軽負荷で伝達される一方、前記他側部材から前記片側部材への回転は前記制動トルクに抗して伝達されるトルクリミッタとして使用することもできる。その一例が下記特許文献2に示されている。
【0004】
かようなトルクリミッタは、例えば乗用車のハッチバックの開閉機構における角度位置保持装置として用いられる。この場合、片側部材に駆動部材である電動モーターを、他側部材に従動部材であるハッチバックを夫々接続すれば、電動モーターは無負荷乃至軽負荷でハッチバックを旋回開閉動させることができる一方、ハッチバックが全開乃至中間角度位置にあるときには、ハッチバックの角度位置は電磁ブレーキ等の他のブレーキ機構を用いることなく上記制動トルクによって保持される。それ故に、角度位置保持装置がコンパクトに構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2013-174320号公報
国際公開第2015/137231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に示された逆入力遮断クラッチにあっては、他側係合片のカム面における周方向の端部の断面形状が径方向外側に向かって周方向に凸円弧形状に延びているため、上記端部にあっては、カム面上の移動距離(変位量)に対するカム面と外輪の内周面との間の距離の変化の割合(傾き)が小さい。これに起因して、他側部材が回転しようとすると、転動体がカム面と外輪の内周面との間で深く(つまり、より周方向外側で)噛み込む傾向がある。そのため、他側部材に付加された回転トルクが大きいと、上記噛み込みが過剰となり他側部材がロックつまり完全に動かなくなる虞がある。そうすると、外輪に対して片側部材が回転しようと、片側係合片が転動体を押してもこれを動かすことができないため他側係合片を押すこともできず、従って他側部材を回転させることはできず、逆入力遮断クラッチとしての機能を果たすことができない。つまり、動作不良となる。上記特許文献2にはカム面の断面形状に関する明確な記載はないが、図面を参照する限り、カム面における周方向の端部の断面形状は径方向外側に向かって周方向に凸弧形状に延びており、上記特許文献1に示された逆入力遮断クラッチが備える上述した虞と同様の虞を備えている。
【0007】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その第一の技術的課題は、他側部材が回転しようとした際に、転動体がカム面と外輪の内周面との間で過剰に噛み込むことが防止される、新規且つ改良された逆入力遮断クラッチを提供することである。本発明の第二の技術的課題は、上記逆入力遮断クラッチを用いたトルクリミッタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、鋭意検討の結果、カム面の周方向の端部の断面形状を径方向外側に向かって周方向に傾斜して直線状に延びるように構成することで、上記第一の技術的課題を解決できることを見出した。
【0009】
即ち、本発明によれば、上記第一の技術的課題を解決する逆入力遮断クラッチとして、筒状の外輪と、前記外輪内で共通の回転軸を中心として回転可能な片側部材及び他側部材とを備え、
前記外輪は断面円形の内周面を有し、前記外輪の内側には、前記片側部材に付設された片側係合片と、前記他側部材に付設された他側係合片とが組み合わせて配置されていて、
前記他側係合片には前記外輪の内周面と対向するカム面が形成され、前記カム面と前記外輪の内周面との間には、転動体が配置されており、
前記外輪に対し前記片側部材が回転すると、前記片側係合片が前記他側係合片と共に前記転動体を押して前記他側部材を回転させる一方、前記外輪に対し前記他側部材が回転しようとしても、前記転動体が前記外輪の内周面と前記カム面における周方向の端部との間で噛み込んで回転することができない逆入力遮断クラッチにおいて、
前記カム面の前記端部の断面形状は径方向外側に向かって周方向に傾斜して直線状に延びている、ことを特徴とする逆入力遮断クラッチが提供される。
【0010】
好ましくは、前記カム面は凹状であって、前記カム面の周方向両側に位置する2つの前記端部の断面形状は共に径方向外側に向かって周方向外側に傾斜して直線状に延びている。この場合、周方向両側に位置する2つの前記端部に沿う2つの直線の内角は165乃至175度であるのが良い。
(【0011】以降は省略されています)

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