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公開番号2025016353
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-31
出願番号2024100270,2023119306
出願日2024-06-21,2023-07-21
発明の名称酵母エキス菌体残渣を含む乳代替組成物
出願人アサヒグループホールディングス株式会社
代理人弁理士法人 津国
主分類A23L 29/00 20160101AFI20250124BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】 酵母素材由来の特徴的な香味(旨味、酸味)を低減し、タンパク質補給を目的とした乳代替組成物を提供すること。
【解決手段】 酵母エキス菌体残渣又はその細胞壁溶解酵素分解物を含む乳代替組成物であって、該残渣又は該分解物が含有する遊離のアミノ酸(特に、グルタミン酸)の総量が所定量未満であることを特徴とする組成物、該組成物を含む乳代替飲食品を提供する。本発明の組成物は、酵母特有の特徴的な香味が顕著に低減されるため、乳代替組成物として従来品よりも高濃度で種々の飲食品に配合することができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
以下:
(a)酵母エキス菌体残渣を、40~60℃、1~24時間、細胞壁溶解酵素で処理すること、及び
(b)(a)で得られた処理物を回収すること
を含み、
該残渣が含有する遊離のグルタミン酸の総量が、該残渣の乾燥質量に対して、0.5質量%未満であることを特徴とする、
酵母エキス菌体残渣の細胞壁溶解酵素分解物を含む乳代替組成物の製造方法。
続きを表示(約 630 文字)【請求項2】
該残渣が含有する遊離のアミノ酸の総量が、該残渣の乾燥質量に対して、1質量%未満である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
該残渣が含有するリン酸の総量が、該残渣の乾燥質量に対して、0.1質量%未満である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
該残渣が、酵母の熱水抽出後の水不溶性画分である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
該残渣が含有する可溶性固形分が、該残渣の乾燥質量に対して、5質量%未満である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
該分解物が含有する遊離のグルタミン酸の総量が、該分解物の乾燥質量に対して、0.4質量%未満である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
該分解物が含有する遊離のアミノ酸の総量が、該分解物の乾燥質量に対して、1質量%未満である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項8】
該分解物が含有するリン酸の総量が、該分解物の乾燥質量に対して、0.20質量%未満である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項9】
細胞壁溶解酵素が、グルカナーゼである、請求項1に記載の製造方法。
【請求項10】
細胞壁溶解酵素が、β-1,3、β-1,4、及び/又はβ-1,6活性を有するグルカナーゼである、請求項1に記載の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、酵母エキス菌体残渣又はその細胞壁溶解酵素分解物を含む乳代替組成物であって、該残渣又は該分解物が含有する遊離のアミノ酸(特に、グルタミン酸)の総量が所定量未満であることを特徴とする組成物、該組成物を含む乳代替飲食品に関するものである。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、乳由来のアレルゲンの回避のため、ダイエット志向や健康志向による低脂肪又は無脂肪食品への需要の増大、あるいはビーガン食への需要の増大などから、乳原料に替えて、オーツ麦、大豆、アーモンドなどの植物由来の乳様代替物を用いた食品への注目が一層高まっている。しかしながら、これらの植物由来の乳様代替物は、通常、牛乳よりも高価であり、またアレルギー物質を含む食品として知られている。
【0003】
そのような植物由来の乳様代替物の他に、酵母素材由来の乳様代替物も報告されている。例えば、本出願人は酵母エキス製造後の残渣(酵母エキス菌体残渣)の細胞壁溶解酵素分解物を含む、酵母細胞壁分解物含有組成物の、乳様代替物としての使用を報告している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-135934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、酵母素材由来の乳様代替物は特徴的な香味(旨味、酸味)を有する。そのため、タンパク質補給を目的として、酵母素材由来の乳様代替物を5%程度の濃度で使用すると、強い香味によって直接飲用には適さないとの課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、酵母エキス菌体残渣又はその細胞壁溶解酵素分解物を含む乳代替組成物において、該残渣又は該分解物が含有する遊離のアミノ酸(特に、グルタミン酸)や有機酸(特に、リン酸)等の総量を所定量未満とすることで、特徴的な香味が低減され、乳代替組成物として直接飲用に供することができるようになることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
よって、本発明の要旨は以下のとおりである。
[1] 酵母エキス菌体残渣を含む乳代替組成物であって、該残渣が含有する遊離のグルタミン酸の総量が、該残渣の乾燥質量に対して、0.5質量%未満である、組成物。
[2] 該残渣が含有する遊離のアミノ酸の総量が、該残渣の乾燥質量に対して、1質量%未満である、[1]に記載の組成物。
[3] 該残渣が含有するリン酸の総量が、該残渣の乾燥質量に対して、0.1質量%未満である、[1]又は[2]に記載の組成物。
[4] 該残渣が、酵母の熱水抽出後の水不溶性画分である、[1]~[3]のいずれか一項に記載の組成物。
[5] 該残渣が含有する可溶性固形分が、該残渣の乾燥質量に対して、5質量%未満である、[1]~[4]のいずれか一項に記載の組成物。
[6] 酵母エキス菌体残渣の細胞壁溶解酵素分解物を含む乳代替組成物であって、該分解物が含有する遊離のグルタミン酸の総量が、該分解物の乾燥質量に対して、0.4質量%未満である、組成物。
[7] 該分解物が含有する遊離のアミノ酸の総量が、該分解物の乾燥質量に対して、1質量%未満である、[6]に記載の組成物。
[8] 該分解物が含有するリン酸の総量が、該分解物の乾燥質量に対して、0.20質量%未満である、[6]又は[7]に記載の組成物。
[9] 酵母エキス菌体残渣の細胞壁溶解酵素分解物を含む乳代替組成物であって、該残渣が含有する可溶性固形分が、該残渣の乾燥質量に対して、5質量%未満である、[6]~[8]のいずれか一項に記載の組成物。
[10] 該分解物が、以下:
(a)酵母エキス菌体残渣を、40~60℃、1~24時間、細胞壁溶解酵素で処理すること、及び
(b)(a)で得られた処理物を回収すること
を含む方法により得られたものである、[6]~[9]のいずれか一項に記載の組成物。
[11] 細胞壁溶解酵素が、グルカナーゼである、[6]~[10]のいずれか一項に記載の組成物。
[12] 細胞壁溶解酵素が、β-1,3、β-1,4、及び/又はβ-1,6活性を有するグルカナーゼである、[6]~[11]のいずれか一項に記載の組成物。
[13] 細胞壁溶解酵素が、ストレプトマイセス由来のグルカナーゼである、[6]~[12]のいずれか一項に記載の組成物。
[14] 細胞壁溶解酵素が、プロテアーゼ活性を有さないグルカナーゼである、[6]~[13]のいずれか一項に記載の組成物。
[15] [1]~[14]のいずれかに記載の組成物を含む乳代替飲食品。
[16] さらに0.1~30質量%の油脂を含む、[15]に記載の乳代替飲食品。
[17] 酵母エキス菌体残渣を含む乳代替組成物において、該残渣が含有する遊離のグルタミン酸の総量を、該残渣の乾燥質量に対して、0.5質量%未満に減少させることを含む、乳代替組成物の香味改善方法。
[18] 酵母エキス菌体残渣の細胞壁溶解酵素分解物を含む乳代替組成物において、該分解物が含有する遊離のグルタミン酸の総量を、該分解物の乾燥質量に対して、0.4質量%未満に減少させることを含む、乳代替組成物の香味改善方法。
[19] 酵母エキス菌体残渣の乳代替組成物としての使用であって、該残渣が含有する遊離のグルタミン酸の総量が、該残渣の乾燥質量に対して、0.5質量%未満である、使用。
[20] 酵母エキス菌体残渣の細胞壁溶解酵素分解物の乳代替組成物としての使用であって、該分解物が含有する遊離のグルタミン酸の総量が、該分解物の乾燥質量に対して、0.4質量%未満である、使用。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、安価で入手の容易な酵母エキス菌体残渣を原料として、乳代替組成物を提供することができる。本発明の組成物は、酵母エキス菌体残渣又はその細胞壁溶解酵素分解物が含有する遊離のアミノ酸(特に、グルタミン酸)や有機酸(特に、リン酸)等の総量を特定量未満に制御することで、酵母特有の特徴的な香味(特に旨味、酸味)が顕著に低減されるため、乳代替組成物として従来品よりも高濃度で種々の飲食品に配合することができる。したがって、本発明の組成物により、酵母由来のタンパク質、食物繊維、その他の栄養素等の摂取をより容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
試験例1において処方物1及び2に対する専門パネラー5名の官能評価の結果(平均値)を示したレーダーチャートである。
試験例2において処方物3及び4に対する専門パネラー5名の官能評価の結果(平均値)を示したレーダーチャートである。
試験例2において処方物5及び6に対する専門パネラー5名の官能評価の結果(平均値)を示したレーダーチャートである。
試験例2において処方物7及び8に対する専門パネラー5名の官能評価の結果(平均値)を示したレーダーチャートである。
試験例2において処方物9及び10に対する専門パネラー5名の官能評価の結果(平均値)を示したレーダーチャートである。
試験例2において処方物11及び12に対する専門パネラー5名の官能評価の結果(平均値)を示したレーダーチャートである。
試験例5において酵母エキス菌体残渣(比較例1、3-4、及び実施例1、3の組成物)に対する専門パネラー5名の官能評価の結果(平均値)を示したレーダーチャートである。
試験例5において細胞壁溶解酵素分解物(比較例2、5-6、及び実施例2、4の組成物)に対する専門パネラー5名の官能評価の結果(平均値)を示したレーダーチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施態様では、酵母エキス菌体残渣を含む乳代替組成物であって、好ましくは、該残渣が含有する遊離のグルタミン酸の総量が、該残渣の乾燥質量に対して0.5質量%未満である、組成物を提供する。
(【0011】以降は省略されています)

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