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公開番号
2025015786
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-30
出願番号
2024202171,2020217803
出願日
2024-11-20,2020-12-25
発明の名称
木材の風合いを有する木質成形体の製造に用いる改質木材の製造方法
出願人
国立研究開発法人産業技術総合研究所
代理人
個人
,
個人
主分類
B27K
3/16 20060101AFI20250123BHJP(木材または類似の材料の加工または保存;釘打ち機またはステープル打ち機一般)
要約
【課題】木材の風合いを有する加工製品の製造に好適な改質木材の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、原料木材と、[R
+
][OH
-
](R
+
は有機カチオン)で表される化合物(A)とを接触させる第1工程を備える。更に、第1工程により得られた改質木材と、修飾化合物とを接触させる第2工程を備えることができ、修飾化合物として、ハロゲン化炭化水素(塩素化合物、臭素化合物)等を好ましく用いることができる。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
原料木材と、下記一般式(1)で表される化合物(A)とを接触させる第1工程を備えることを特徴とする改質木材の製造方法。
[R
+
][OH
-
] (1)
(式中、R
+
は有機カチオンである。)
続きを表示(約 370 文字)
【請求項2】
前記有機カチオンR
+
が第4級ホスホニウムカチオンである請求項1に記載の改質木材の製造方法。
【請求項3】
前記第1工程において、前記原料木材と、前記化合物(A)の水溶液とを接触させる請求項1又は2に記載の改質木材の製造方法。
【請求項4】
更に、前記第1工程により得られた改質木材と、修飾化合物とを接触させる第2工程を備える請求項1乃至3のいずれか一項に記載の改質木材の製造方法。
【請求項5】
前記第2工程において用いる前記修飾化合物がハロゲン化炭化水素であり、改質木材の表面に炭化水素基を形成する請求項4に記載の改質木材の製造方法。
【請求項6】
前記ハロゲン化炭化水素が塩素化合物又は臭素化合物である請求項5に記載の改質木材の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、木材の風合いを有する加工製品(木質成形体)の製造原料として好適な改質木材を製造する方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、木材の小片又は粉末を樹脂とともに用いて、木材の風合いを有する建材、家具、食器、園芸用品、文具、玩具、楽器等を製造する技術の開発が行われている。この場合の木材は、前処理して、化学修飾された表面を有することが好ましいとされ、木材に含まれる水酸基を活性化させて、各種試薬と反応しやすい状態にするための表面処理が検討されてきた。
【0003】
例えば、非特許文献1には、ポプラ木粉に濃度40%の苛性ソーダ水溶液を所定量加え、3~4分間それを木粉に浸透させた後、圧搾除液し、次いで、ベンジルグロライドを所定量加えて、110℃でエーテル化処理を行い、反応後、処理木粉をメタノール中に投入し、ろ過後メタノールで洗浄し、その後、真空乾燥して改質された木粉を製造する技術が記載されている。
非特許文献2には、気乾木材(ブナ等)を室温で約40%の水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬した後、110℃のベンジルクロライド溶液中で反応させ、次いで、処理試料を水で洗浄、乾燥し、熱圧成形することにより、表面プラスチック化試料を製造する技術が記載されている。
また、非特許文献3には、木粉を、高濃度の水酸化ナトリウム水溶液で前処理した後、塩化ベンジルを加えて加熱撹拌し、ベンジル化したことが記載されている。
【0004】
更に、特許文献1には、pH7以上のアルカリ雰囲気下で第四アンモニウム塩を木材並びに木質材料に含浸し、含浸時又は含浸後化学反応を行わしめることを特徴とする木材の処理方法が開示されている。具体的には、二方柾目ブナ試片を85℃に保持したラウリル・ベンジル・トリメチル・アンモニウム・クロライド水溶液(pH8)の入った恒温加圧タンク中に浸し、85℃及び11.5気圧の条件で2時間の処理を行ったことが記載されている。
また、特許文献2には、セルロースを、特定の割合とした水およびアルカリの存在下、機械的処理をすることによりアルカリセルロースを製造し、得られたアルカリセルロースにエーテル化剤として、ハロゲン化アルキル、アルキレンオキサイド、ハロゲン化酢酸、またはビニル系モノマーを反応させることを特徴とするセルロースエーテル誘導体の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平2-47001号公報
特開2011-37924号公報
【非特許文献】
【0006】
則元京ら、木材研究・資料、17:181-191(1983)
青木務ら、木材研究・資料、22:66-77(1986)
Journal of Polymer Science: Part A: Polymer chemistry, 27, 2457-2482 (1989)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
非特許文献1、2及び3に記載の方法では、原料木材に水酸化ナトリウムを接触させた後、ベンジルクロライド(修飾化合物)に接触させる際には、例えば、110℃といった高い温度とする必要があり、経済的ではなかった。本発明の目的は、木材の風合いを有する加工製品(木質成形体)の製造原料として好適な改質木材を効率よく製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、原料木材を、特定の有機塩基に接触させる第1工程により、その後、修飾化合物を作用させやすい改質木材(以下、「第1改質木材」という)が得られることを見い出した。その後、第1改質木材を、更に、ハロゲン化炭化水素等の修飾化合物に接触させることにより、木材の風合いを有する加工製品の製造原料として好適な改質木材(以下、「第2改質木材」という)が効率よく得られることを見い出した。
【0009】
本発明は、以下に示される。
[1]原料木材と、下記一般式(1)で表される化合物(A)とを接触させる第1工程を備えることを特徴とする改質木材の製造方法。
[R
+
][OH
-
] (1)
(式中、R
+
は有機カチオンである。)
[2]上記有機カチオンR
+
が第4級ホスホニウムカチオンである上記[1]に記載の改質木材の製造方法。
[3]上記第1工程において、上記原料木材と、上記化合物(A)の水溶液とを接触させる上記[1]又は[2]に記載の改質木材の製造方法。
[4]更に、上記第1工程により得られた改質木材と、修飾化合物とを接触させる第2工程を備える上記[1]乃至[3]のいずれか一項に記載の改質木材の製造方法。
[5]上記第2工程において用いる上記修飾化合物がハロゲン化炭化水素であり、改質木材の表面に炭化水素基を形成する上記[4]に記載の改質木材の製造方法。
[6]上記ハロゲン化炭化水素が塩素化合物又は臭素化合物である上記[5]に記載の改質木材の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明の製造方法において、第1工程及び第2工程を経て得られた改質木材は、木材の風合いを有する加工製品の製造原料として好適である。第1工程に供する原料木材は、セルロース鎖の水酸基に富んでいるが、第1工程により、化学修飾させやすい化学状態の改質木材とすることができ、第2工程において、高い温度条件を必要とすることなく、効率よく、修飾化合物(ハロゲン化炭化水素、α-ハロゲン酸、アルキレンクロルヒドリン、ジアルキル硫酸、アクリロニトリル、アルキレンオキサイド、ジアゾ化合物、β-ラクトン、脂肪酸、脂肪酸無水物、脂肪酸ハロゲン化物、アルキルケテン、炭酸ジアルキル、アルコキシシラン、アルコキシシロキサン、シラザン、シリルハライド、シリルトリフルオロメタンスルホネート等)を作用させることができる。その結果、表面に所望の官能基を有する改質木材を得ることができる。また、第2工程を20℃~30℃の常温で行うことができるので、熱による損傷を抑制することもできる。修飾化合物が、例えば、ハロゲン化炭化水素である場合には、改質木材の表面に炭化水素基(正しくは、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基等のOR基(但し、Rは炭化水素基である))を形成することができ、修飾化合物がカルボン酸やカルボン酸無水物である場合には、改質木材の表面にカルボン酸エステル基を形成することができる。また、得られる改質木材は、原料木材と比べて、色相等の外観上の差が小さい傾向にあるため、原料木材の色相をもとに、改質木材を用いる製品設計が容易となる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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