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公開番号2025015573
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-30
出願番号2024196694,2021572497
出願日2024-11-11,2020-06-08
発明の名称心筋細胞及び組成物ならびにそれらを生成する方法
出願人プレジデント アンド フェローズ オブ ハーバード カレッジ,ザ チルドレンズ メディカル センター コーポレーション
代理人個人,個人
主分類C12N 5/077 20100101AFI20250123BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】心筋細胞及び組成物ならびにそれらを生成する方法の提供。
【解決手段】本明細書には、成熟心筋細胞を生成する方法、及び成熟心筋細胞を含む組成物が開示される。本明細書にはまた、静止心筋細胞の成熟を促進させる方法、及び成熟した静止心筋細胞を含む組成物が開示される。数ある用途の中でも、細胞療法及び細胞スクリーニングで用いる成熟心筋細胞を生成するための方法またはプロトコルが必要である。心筋細胞を静止状態に導くことにより、心筋細胞の成熟が促進され得る。本明細書には、未熟心筋細胞から成熟心筋細胞を作製する方法が開示される。本方法は、未熟心筋細胞をmTOR阻害剤と接触させることを含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
明細書に記載の発明。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2019年11月11日に出願された米国仮出願第62/933,962号、2019年8月8日に出願された米国仮出願第62/884,592号、及び2019年6月6日に出願された米国仮出願第62/858,302号に対する優先権を主張するものである。上記の出願の全教示は、参照により本明細書に援用される。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
心筋細胞をヒト人工多能性幹細胞(iPSC)から作製する現在の分化プロトコルは、心筋トロポニンTの発現によって決定される高純度の心筋細胞集団を生成することが可能である。しかし、これらの心筋細胞は未熟なままであり、成人心筋細胞に比べて、最大収縮力が弱く、アップストローク速度が遅く、ミトコンドリア機能が未熟であり、胎児の状態により密接に類似している。未熟な心筋細胞は、自動能またはペースメーカー様活動を示し、その結果、成体動物モデルに送達された場合には、生命を脅かす心室性不整脈を引き起こす可能性があり、さらにはサルコメア構造も組織化されにくく、十分な収縮力が得られないので、iPSC由来心筋細胞の未熟さは、心疾患のための心筋細胞の細胞療法の臨床解釈に対する大きな障壁となり得る。心筋細胞は、発生過程において、胎児期の増殖状態から、出生後に、より成熟するが静止状態へと移行する。ラパマイシン機構的標的(mTOR)シグナル伝達経路は、栄養素の感知と成長とにおいて重要な役割を果たす。mTORシグナル伝達経路を一時的に阻害することで、心筋細胞を静止状態に導き、心筋細胞の成熟を促進させる可能性がある。分化の過程で心筋細胞を静止状態に導き、結果として心筋細胞の成熟を促進させる方法の改善が求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
数ある用途の中でも、細胞療法及び細胞スクリーニングで用いる成熟心筋細胞を生成するための方法またはプロトコルが必要である。心筋細胞を静止状態に導くことにより、心筋細胞の成熟が促進され得る。
【0004】
本明細書には、未熟心筋細胞から成熟心筋細胞を作製する方法が開示される。本方法は、未熟心筋細胞をmTOR阻害剤と接触させることを含む。
【0005】
いくつかの実施形態では、mTOR阻害剤が、mTORC1及びmTORC2の両方の阻害剤である。いくつかの実施形態では、mTOR阻害剤が、4E-BP1のリン酸化を阻害する。いくつかの実施形態では、mTOR阻害剤が、リボソームタンパク質S6及び4E-BP1の両方のリン酸化を阻害する。いくつかの実施形態では、mTOR阻害剤が、ラパマイシン、Torin1、Torin2、エベロリムス、テムシロリムス、リダフォロリムス、任意のATP競合型mTORキナーゼ阻害剤(例えば、ダクトリシブ、BGT226、SF1126、PKI-587、または他の二重mTOR/PI3K阻害剤や、サパニセルチブ、AZD8055、AZD2014、または他のmTORC1/mTORC2二重阻害剤)、及び前記のいずれかの任意の類似体または誘導体からなる群から選択される。
【0006】
いくつかの実施形態では、未熟心筋細胞が、iPS細胞、ES細胞、T細胞、及び/または線維芽細胞に由来する。いくつかの実施形態では、未熟心筋細胞が、胎児心筋細胞に類似している。
【0007】
いくつかの実施形態では、成熟心筋細胞が、未熟心筋細胞と比べて1種以上の成熟遺伝子(例えば、TNNI3、TNNT2、MYH6、MYH7、NPPB、HCN4、CACNA1c、SERCA2a、PPARGC1、KCNJ2、REST、RyR、及び/またはSCN5a)の発現の増加を呈する。いくつかの実施形態では、成熟心筋細胞が、未熟心筋細胞と比べて1種以上のサルコメアタンパク質(例えば、TNNT2、TNNI3、MYH6、及び/またはMYH7)の発現の増加を呈する。いくつかの実施形態では、成熟心筋細胞が、未熟心筋細胞と比べて1種以上のイオンチャネル遺伝子(例えば、KCNJ2、HCN4、SCN5a、RYR2、CACNA1c、及び/またはSERCA2a)の発現の増加を呈する。いくつかの実施形態では、成熟心筋細胞が、未熟心筋細胞と比べてREST及び/またはGATA4の発現の増加を呈する。いくつかの実施形態では、成熟心筋細胞が、未熟心筋細胞と比べて拍動数の減少を呈する。
【0008】
いくつかの実施形態では、成熟心筋細胞が、電気的に成熟した心筋細胞である。いくつかの実施形態では、成熟心筋細胞が、収縮性が成熟した心筋細胞である。いくつかの実施形態では、成熟心筋細胞が、代謝的に成熟した心筋細胞である。いくつかの実施形態では、成熟心筋細胞が、電気的に成熟した心筋細胞、収縮性が成熟した心筋細胞、及び代謝的に成熟した心筋細胞のうちの1種以上である。
【0009】
いくつかの実施形態では、未熟心筋細胞が拍動を開始してから(例えば、1~30日後に、1~15日後に、または1~3日後に)、未熟心筋細胞をmTOR阻害剤と接触させる。いくつかの実施形態では、未熟心筋細胞が、トロポニンT、トロポニンI、ミオシン重鎖6、またはミオシン重鎖7の少なくとも1種を発現し始めた後に、未熟心筋細胞をmTOR阻害剤と接触させる。
【0010】
本明細書にはまた、非自然発生的心筋細胞であって、この非自然発生的心筋細胞が成熟心筋細胞である、非自然発生的心筋細胞が開示される。
(【0011】以降は省略されています)

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