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公開番号
2025015091
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-30
出願番号
2023118225
出願日
2023-07-20
発明の名称
嗜好性向上剤
出願人
株式会社ニップン
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
A23K
10/37 20160101AFI20250123BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約
【課題】従来の嗜好性向上剤よりも嗜好性向上効果が高い嗜好性向上剤の製造方法を提供する。
【解決手段】下記工程(1)含水おから、アミノ酸類および還元糖を含む、水分含有量45~90質量%の混合物を得る工程、及び(2)工程(1)で得られた混合物を加熱乾燥する工程を含む嗜好性向上剤の製造方法により上記課題を解決する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記工程
(1)含水おから、アミノ酸類および還元糖を含む、水分含有量45~90質量%の混合物を得る工程、及び
(2)工程(1)で得られた混合物を加熱乾燥する工程
を含む嗜好性向上剤の製造方法。
続きを表示(約 210 文字)
【請求項2】
工程(1)の含水おからが、生おからおよび/または乾燥おからに加水した水膨潤おからである、請求項1に記載の嗜好性向上剤の製造方法。
【請求項3】
工程(1)の含水おからが、挽割大豆から調整されたものである、請求項1に記載の嗜好性向上剤の製造方法。
【請求項4】
請求項1~3に記載の嗜好性向上剤の製造方法により得られる嗜好性向上剤を使用する、ペットフードの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペットフード等に使用される嗜好性向上剤及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 4,200 文字)
【背景技術】
【0002】
ペットフードは、ドライタイプ(水分含有量10%程度以下)、セミモイストタイプ(水分含有量20~40%で未発泡のもの)、ソフトドライタイプ(水分含有量20~40%で加熱発泡させたもの)、ウエットタイプ(水分含有量70%程度、缶詰類)の4種類に大別される。
ウエットタイプペットフードでは、畜肉や魚肉等をそのまま又は適切な加工を施して配合することができるため、愛玩動物に対して嗜好性が高い。その反面、栄養バランスに片寄りが出易い。
ドライタイプ、セミモイストタイプ及びソフトドライタイプでは、均質なペットフードを大量に生産することが可能であり、栄養成分の調節も容易であるため、市場流通するペットフードの主流となっている。しかしながら、これらのペットフードは、ウエットタイプペットフードと比較して愛玩動物に対する嗜好性に劣るという問題がある。
そのため、嗜好性向上剤を原料に配合してペットフードを製造することや、製造したペットフードの表面に嗜好性向上剤を付着させる又は表面を嗜好性向上剤で被覆することが一般的である。特に、ドライタイプペットフードでは、乾燥粉末化させた嗜好性向上剤をその表面に付着/被覆させることが一般的である。
このような嗜好性向上剤としては、畜肉や魚肉、酵母等を酵素や酸等で加水分解して得たアミノ化合物(アミノ酸、ペプチド及びタンパク質)が含まれる原料に、必要に応じて還元糖を添加し、加熱処理することによりメイラード反応を起こし、香気成分等のメイラード反応生成物により嗜好性を向上させるメイラード型エキスが知られている。メイラード反応は水溶液中で反応が進行し易く、また、反応を制御し易いため、メイラード型エキスは通常、原料である還元糖やアミノ化合物が含まれる原料等の混合水溶液を調製し、90~150℃で一定時間加熱して製造される、つまり、水溶性溶媒を介したメイラード反応を実施することが一般的である。
この嗜好性向上剤を非ウエットタイプペットフード、特にドライタイプペットフードの表面付着や表面被覆に使用する場合、得られたメイラード型エキスを水溶液のままで使用するとペットフードの食感や保形が著しく損なわれるため、水溶液をスプレードライやバキュームドライ、エアードライ等により乾燥粉末化する必要がある。このようにして製造された嗜好性向上剤の嗜好性向上効果は優れているが、多段階の製造工程及び製造設備が必要であり、また水溶性溶媒を介したメイラード反応には時間がかかるため、製造に掛かる費用が高くなるという問題がある。また、ペットフードの表面に付着する嗜好性向上剤の量には限度があるため、一般的には、安価で高力価の嗜好性向上剤が求められている。
このような嗜好性向上剤として、特許文献1では、アミノ酸類と還元糖を含む粉末状原料を容器に密封し、品温80~180℃の範囲で、5~200分間乾熱処理する工程を含む、嗜好性向上剤の製造方法が開示されており、従来の水溶性溶媒を介したメイラード反応によって得られる嗜好性向上剤に対して、製造工程が簡略化された嗜好性向上剤の製造方法であるが、乾熱処理のため焦げやすく、それぞれの資材を粉末化しなければならない工程も生じるという問題がある。
また特許文献2では、ソフトドライタイプやセミモイストタイプのペットフードに使用する粉末エキスを含む被覆組成物であって、被覆組成物中おから粉末を30質量部以上90質量部以下含むことを特徴とする被覆組成物の開示がされており、おから粉末をソフトドライフードやセミモイストフードに被覆させることで、フードに被覆させるエキスの量を大幅に減らすことなく、ラインやフードのベタつきを軽減させているが、おから粉末をさらに加工することで嗜好性が向上するような記載はない。
さらに特許文献3では、アミノ酸に還元糖を加え、これを加熱処理することにより得られる素材であり、前記加熱処理により生じるメイラード反応生成物を含むことを特徴とする、嗜好性と保健的機能性に優れた食品素材またはペットフード素材が開示されている。メイラード反応生成物により嗜好性の向上と抗酸化作用に優れた食品素材またはペットフード素材、その製造方法、及びこれらを用いた食品、ペットフードまたはサプリメントを製造できるが、生おからを原料とする記載はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-187255
特開2012―075414
特開2017-006030
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の嗜好性向上剤よりも嗜好性向上効果が高い嗜好性向上剤の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は含水おからにアミノ酸類および還元糖を混合して加熱乾燥することによりメイラード反応を起こすことにより、従来の嗜好性向上剤よりも嗜好性向上効果の高い嗜好性向上剤が得られることを見出した。
さらに、加熱乾燥処理を経ていない生おからや特に挽割大豆を原料とした生おからを使用した方が、乾燥おからに加水した水膨潤おからを使用するよりも、得られるメイラード型エキスの嗜好性向上効果がより高いことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明は以下の通りである。
[1]下記工程
(1)含水おから、アミノ酸類および還元糖を含む、水分含有量45~90質量%の混合物を得る工程、及び
(2)工程(1)で得られた混合物を加熱乾燥する工程、
を含む嗜好性向上剤の製造方法。
[2]工程(1)の含水おからが、生おからおよび/または乾燥おからに加水した水膨潤おからである、[1]に記載の嗜好性向上剤の製造方法。
[3]工程(1)の含水おからが、挽割大豆から調整されたものである、[1]に記載の嗜好性向上剤の製造方法。
[4][1]~[3]に記載の嗜好性向上剤の製造方法により得られる嗜好性向上剤を使用する、ペットフードの製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、従来の嗜好性向上剤よりも嗜好性向上効果が高い嗜好性向上剤を得ることができる。また、本発明によれば、食品残渣として廃棄されているおからを原料とし、おから乾燥時の熱を利用してメイラード反応を生じさせることで、従来の嗜好性向上剤よりも安価に嗜好性向上剤を製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、下記工程、(1)含水おから、アミノ酸類および還元糖を含む、水分含有量45~90質量%の混合物を得る工程、及び(2)工程(1)で得られた混合物を加熱乾燥する工程を含む嗜好性向上剤の製造方法に関する。
【0009】
(嗜好性向上剤の製造方法)
「工程(1):含水おから、アミノ酸類および還元糖を含む、水分含有量45~90質量%の混合物を得る工程」
含水おからは生おからであって良く、生おからを得る工程は、豆腐製造の常法において生おからを得る方法と同様の方法であればどのような方法であってもよい。例えば、原料大豆を水に12~24時間浸漬した後、ひき水を加えながら摩砕機で摩砕して生呉を得、生呉を煮沸した後、絞ることで水分含有量を調節した生おからを得ることができる。
また、含水おからは乾燥おからに加水して水膨潤おからとして得ることもできる。乾燥おからは、市販の乾燥おからや豆乳おからパウダー(キッコーマン)、生おからを任意の方法で乾燥させたものを使用することができる。乾燥おからを使用する場合、あらかじめ加水して水膨潤おから(含水おから)としてから他の成分(アミノ酸類および還元糖)と混合しても良く、乾燥おからと他の成分を混合する際、または混合した後にさらに加水することにより水膨潤おから(含水おから)としても良い。生おからは保存性が低いため、一般には加熱乾燥処理を行った乾燥おからが流通している。嗜好性向上の観点から、含水おからは生おからであることが好ましい。
さらに含水おからは、挽割大豆から調整されたものであってもよい。本発明において「挽割大豆」は、任意の方法で丸大豆を2分割以上に粉砕したものであればよく、例えば特開2012-187058に記載されるように得ることができる。豆腐製造の常法においては、生おからを得る工程において原料大豆として丸大豆を使用することが一般的であるが、挽割大豆を使用することで浸漬時間を短縮することができる。また、挽割大豆を使用することで、丸大豆を使用する場合と比較して得られる生おからにおいてメイラード反応に必要な成分である蛋白質や脂質の含有量が多くなる。
【0010】
本発明において「アミノ酸類」はアミノ酸(α又はβ、γ型を問わない)及びその誘導体であり、アミノ酸としては、ヒスチジン、アルギニン、イソロイシン、ロイシン、リジン、ヒドロキシリジン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、バリン、アスパラギン、アスパラギン酸、セリン、グルタミン、グルタミン酸、プロリン、ヒドロキシプロリン、グリシン、アラニン、スレオニン、メチオニン、シスチン、システイン、チロキシン、オルニチン、シトルリン、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン等が挙げられる。アミノ酸類は1種類を単独で又は複数の種類、例えば2~8種類を組み合わせて使用しても良い。
アミノ酸類の量は、混合物の乾燥固形分全量に対して特に制限はなく、メイラード反応の起こる範囲で設定することができ、好ましくは0.5~20質量%、さらに好ましくは0.5~15質量%、より好ましくは1~10質量%の範囲で使用できる。アミノ酸類の量が多くなるにつれてメイラード反応生成物の生成量が多くなり、嗜好性も向上する傾向にあるが、同時に原料コストが上昇する傾向にある。
(【0011】以降は省略されています)
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