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公開番号2025013815
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-28
出願番号2024173825,2020132868
出願日2024-10-02,2020-08-05
発明の名称多層構造体及びそれを含む包装材
出願人株式会社クラレ
代理人弁理士法人せとうち国際特許事務所
主分類B32B 27/28 20060101AFI20250121BHJP(積層体)
要約【課題】炭素数が30以下であり、かつエチレン-ビニルアルコール共重合体よりもSP値が低い化合物がリサイクル樹脂層からマイグレーションするのを抑制するとともに、耐屈曲性に優れた多層構造体を提供する。
【解決手段】リサイクル樹脂(a)を主成分とするリサイクル樹脂層(A)、ポリオレフィン樹脂(b)を主成分とする層(B)、及び二層以上のエチレン-ビニルアルコール共重合体樹脂(c)を主成分とするバリア層(C)を少なくとも有する多層構造体であって、バリア層(C)がリサイクル樹脂層(A)の外側及び内側に位置し、リサイクル樹脂層(A)が、炭素数が30以下であり、かつエチレン-ビニルアルコール共重合体樹脂(c)よりもSP値が低い化合物(X)をさらに含有する多層構造体。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
リサイクル樹脂(a)を主成分とするリサイクル樹脂層(A)、ポリオレフィン樹脂(b)を主成分とする層(B)、及び二層以上のエチレン-ビニルアルコール共重合体樹脂(c)を主成分とするバリア層(C)を少なくとも有する多層構造体であって、
バリア層(C)がリサイクル樹脂層(A)の外側及び内側に位置し、
リサイクル樹脂層(A)が、炭素数が30以下であり、かつエチレン-ビニルアルコール共重合体樹脂(c)よりもSP値が低い化合物(X)をさらに含有する多層構造体。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
化合物(X)のSP値が11.5以下である、請求項1に記載の多層構造体。
【請求項3】
リサイクル樹脂層(A)が熱可塑性樹脂を主成分とするポストコンシューマリサイクル品からなる、請求項1又は2に記載の多層構造体。
【請求項4】
化合物(X)が脂肪族飽和炭化水素及び芳香族炭化水素からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1~3のいずれかに記載の多層構造体。
【請求項5】
バリア層(C)がエチレン-ビニルアルコール共重合体樹脂(c)のみからなる、請求項1~4のいずれかに記載の多層構造体。
【請求項6】
ポリオレフィン樹脂(b)がポリエチレン樹脂及びポリプロピレン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含む、請求項1~5のいずれかに記載の多層構造体。
【請求項7】
リサイクル樹脂層(A)の厚みが、全体厚みの10%以上である、請求項1~6のいずれかに記載の多層構造体。
【請求項8】
バリア層(C)とリサイクル樹脂層(A)の間に、さらに接着性樹脂層(D)を有する、請求項1~7のいずれかに記載の多層構造体。
【請求項9】
リサイクル樹脂層(A)とは反対側のバリア層(C)表面に、さらに接着性樹脂層(D)を介して層(B)を有する、請求項1~8のいずれかに記載の多層構造体。
【請求項10】
樹脂層(A)とは反対側のバリア層(C)表面に、さらに接着性樹脂層(D)を介して層(B)を有する、請求項1~9のいずれかに記載の多層構造体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、リサイクル樹脂を主成分とするリサイクル樹脂層、ポリオレフィン樹脂を主成分とする層、及び二層以上のエチレン-ビニルアルコール共重合体樹脂を主成分とするバリア層を有する多層構造体及びそれを含む包装材に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
ポリオレフィン層と、バリア性に優れるエチレン-ビニルアルコール共重合体(以下、EVOHと略称することがある)層とを含む多層構造体は、そのバリア性を活かして食品包装容器、燃料容器等各種用途に用いられている。このような多層構造体はフィルム、シート、カップ、トレー、ボトル等の各種成形品として用いられる。このとき、上記各種成形品を得る際に発生する端部や不良品等を回収し、溶融成形してポリオレフィン層とEVOH層を含む多層構造体の少なくとも1層として再利用する場合がある。このような回収技術は、廃棄物削減や経済性の点で有用であり、広く採用されている。
【0003】
特許文献1には、(A)エチレン含有率が20~60モル%のエチレン-ビニルエステル系共重合体ケン化物、(B)ポリオレフィン系樹脂、及び(C)多価金属硫酸塩水和物の完全脱水物又は部分脱水物を含む樹脂組成物において、(A)エチレン-ビニルエステル系共重合体ケン化物を(B)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.1~30重量部含有し、且つ(C)多価金属硫酸塩水和物の完全脱水物又は部分脱水物を前記(A)エチレン-ビニルエステル系共重合体ケン化物100重量部に対して1重量部以上、100重量部未満含有することを特徴とする樹脂組成物、当該樹脂組成物からなる層を含む多層構造体が記載されている。これによれば、EVOH樹脂層とポリオレフィン系樹脂層とを含む多層構造体の回収物を再使用するにあたり、(C)多価金属硫酸塩水和物の完全脱水物又は部分脱水物を含有させることにより、ダイリップ付着物の発生を抑制できるとされている。
【0004】
特許文献2には、3層フィルム複合体からなる積層体であって、第1バリア層と第2バリア層との間にリサイクル材料を有する積層体が記載されており、第1バリア層と第2バリア層として、アルミニウム;酸化ケイ素、酸化アルミニウムのようなセラミックバリアを有するプラスチックフィルム;金属蒸着バリアを有するプラスチックフィルム;エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、シクロオレフィン共重合体(COC)、非晶質、芳香族、又は部分的芳香族ポリアミド(PA)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が例示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2012-193327号公報
DE102017123135A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1には、炭素数が30以下であり、かつエチレン-ビニルアルコール共重合体よりもSP値が低い化合物が、多層構造体の回収物に含まれ得ることについての記載はなく、当該SP値の低い化合物が多層構造体からマイグレーションすると、臭気等が発生する課題があることについての記載もなかった。また、特許文献2には、3層フィルム複合体からなる積層体として、アルミニウム箔とアルミニウム箔との間にリサイクル材料を有する積層体が記載されているが、当該積層体では耐屈曲性に問題があり、また、列挙されるバリア層の中にはリサイクル材料に由来する臭気等の抑制が不十分な場合もあり、改善が望まれていた。また、より限定的な課題として、食品包装材として用いる際に、比較的低極性の長鎖脂肪酸等を含む食品を内容物とする場合には、SP値の低い化合物が該食品にマイグレーションしやすいおそれがあり、改善が望まれていた。
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、炭素数が30以下であり、かつエチレン-ビニルアルコール共重合体よりもSP値が低い化合物がリサイクル樹脂層からマイグレーションするのを抑制するとともに、耐屈曲性に優れた多層構造体を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、リサイクル樹脂(a)を主成分とするリサイクル樹脂層(A)、ポリオレフィン樹脂(b)を主成分とする層(B)、及び二層以上のエチレン-ビニルアルコール共重合体樹脂(c)を主成分とするバリア層(C)を少なくとも有する多層構造体であって、バリア層(C)がリサイクル樹脂層(A)の外側及び内側に位置し、リサイクル樹脂層(A)が、炭素数が30以下であり、かつエチレン-ビニルアルコール共重合体樹脂(c)よりもSP値が低い化合物(X)をさらに含有する多層構造体を提供することによって解決される。
【0009】
このとき、化合物(X)のSP値が11.5以下が好適であり、リサイクル樹脂層(A)が熱可塑性樹脂を主成分とするポストコンシューマリサイクル品からなることが好適である。化合物(X)が脂肪族飽和炭化水素及び芳香族炭化水素からなる群から選択される少なくとも1種であることが好適であり、バリア層(C)がエチレン-ビニルアルコール共重合体樹脂(c)のみからなることが好適である。ポリオレフィン樹脂(b)がポリエチレン樹脂及びポリプロピレン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含むことが好適であり、リサイクル樹脂層(A)の厚みが、全体厚みの10%以上であることが好適である。バリア層(C)とリサイクル樹脂層(A)の間に、さらに接着性樹脂層(D)を有することが好適であり、リサイクル樹脂層(A)とは反対側のバリア層(C)表面に、さらに接着性樹脂層(D)を介して層(B)を有することが好適である。
【0010】
また、上記課題は、樹脂層(E)、ポリオレフィン樹脂(b)を主成分とする層(B)、及び二層以上のエチレン-ビニルアルコール共重合体樹脂(c)を主成分とするバリア層(C)を少なくとも有する多層構造体であって、バリア層(C)が樹脂層(E)の外側及び内側に位置し、樹脂層(E)が、炭素数が30以下であり、かつエチレン-ビニルアルコール共重合体樹脂(c)よりもSP値が低い化合物(X)をさらに含有し、樹脂層(E)の全体厚みに対する割合が20%以上である多層構造体を提供することによっても解決される。
(【0011】以降は省略されています)

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