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公開番号2024109074
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-13
出願番号2024009211
出願日2024-01-25
発明の名称積層体、包装材、及び梱包体
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B32B 27/32 20060101AFI20240805BHJP(積層体)
要約【課題】 本発明は、ロール状態で長期保管した後も優れたバリア性を維持し、かつ、熱がかかる加工工程でのバリア性悪化も抑制できる積層体を提供することを目的とする。
【解決手段】 ポリプロピレン系樹脂フィルムの片面に金属又は金属酸化物の層(M層)を有する積層体であって、前記M層表面の突出山部高さ(Spk1)が10nm以上100nm以下であり、主配向軸とフィルム面内で直交する方向における100℃のF5値に厚みを掛けた値(強度X)が80N/m以上400N/m以下であり、かつ異なる面同士を擦過する際の静止摩擦係数μsが0.20以上0.80以下であることを特徴とする、積層体。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ポリプロピレン系樹脂フィルムの片面に金属又は金属酸化物の層(M層)を有する積層体であって、前記M層表面の突出山部高さ(Spk1)が10nm以上100nm以下であり、主配向軸とフィルム面内で直交する方向における100℃のF5値に厚みを掛けた値(強度X)が80N/m以上400N/m以下であり、かつ異なる面同士を擦過する際の静止摩擦係数μsが0.20以上0.80以下であることを特徴とする、積層体。
続きを表示(約 800 文字)【請求項2】
熱機械分析(TMA)により測定される主配向軸とフィルム面内で直交する方向の0.1MPa応力発生開始温度が90℃以上である、請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
前記M層と反対側の表面の突出山部高さ(Spk2)が10nm以上150nm以下である、請求項1または2に記載の積層体。
【請求項4】
前記M層表面の最大高さをSz(nm)、前記M層の厚みをd(nm)とした際に、d-Sz/50≧5を満たす、請求項1または2に記載の積層体。
【請求項5】
前記M層とポリプロピレン系樹脂フィルムの剥離力が0.5N/15mm以上8.0N/15mm以下である、請求項1または2に記載の積層体。
【請求項6】
前記M層を剥離した際の剥離モードが凝集破壊である、請求項1または2に記載の積層体。
【請求項7】
示差走査熱量計DSCで30℃から260℃まで昇温した際に、1st Runで165℃以上に融解ピークを有し、かつ、1st Runと2nd Runの融解ピークの温度差が5℃以上10℃以下である、請求項1または2に記載の積層体。
【請求項8】
前記M層の金属がアルミニウムである、請求項1または2に記載の積層体。
【請求項9】
前記ポリプロピレン系樹脂フィルムが、ポリプロピレン系樹脂層であるA層、B層の少なくとも2層を有し、前記A層が前記M層から最も近い場所に位置し、かつ、前記B層が前記M層から最も遠い場所に位置する、請求項1または2に記載の積層体。
【請求項10】
前記A層の全構成成分を100質量%としたときに、分子量1500以上10000以下の成分量が0.1質量%以上3.5質量%以下である、請求項9に記載の積層体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、特に包装用途に適して用いられる積層体、及びこれを用いた包装材、梱包体に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
ポリプロピレンフィルムは、透明性、機械特性、電気特性等に優れるため、包装用途、テープ用途、ケーブルラッピングやコンデンサをはじめとする電気絶縁用途等の様々な用途に用いられている。この中でも包装用途においては、ポリプロピレンフィルムの上にアルミニウム(以降、「Al」と称することがある。)の薄膜を蒸着した積層フィルムが広く用いられている(例えば、特許文献1)。
【0003】
Al蒸着層を有するポリプロピレンフィルムは、高い水蒸気バリア性や酸素バリア性が必要な用途、遮光性が必要な用途等に好適である。また、近年は包装用プラスチックをリサイクルする動きが活発化しており、リサイクル性をより優れたものとする目的で、蒸着層を酸化アルミニウム(以降、AlOxと称することがある。)や酸化ケイ素(以降、SiOxと略すことがある。)とする設計も用いられるようになってきている(例えば、特許文献2、3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2007-105893号公報
特開2021-020391号公報
国際公開第2017/221781号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1や2の積層ポリプロピレンフィルムは、表面に粗大突起を有するため、バリアコート(以下、トップコートと称することがある。)層の塗工や印刷等、熱と張力が同時にかかる後加工を施した際に、該粗大突起を起点として微細なクラック等の欠陥が発生して水蒸気バリア性が損なわれやすいという課題があった。また、特許文献3の積層ポリプロピレンフィルムは高温環境下における強度が不足しているため、蒸着層の上に酸素バリア性向上や蒸着層保護等を目的として別途トップコート層の塗工や印刷等、熱と張力が同時にかかる後加工を施した際に、従来保有していた水蒸気バリア性が損なわれやすいという課題があった。
【0006】
そこで本発明は、高温環境下での加工や使用が必要でありながら、湿気の影響を軽減することが求められる用途に好適に用いることができる積層体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討を重ね、以下の本発明に至った。すなわち本発明は、ポリプロピレン系樹脂フィルムの片面に金属又は金属酸化物の層(M層)を有する積層体であって、前記M層表面の突出山部高さ(Spk1)が10nm以上100nm以下であり、主配向軸とフィルム面内で直交する方向における100℃のF5値に厚みを掛けた値(強度X)が80N/m以上400N/m以下であり、かつ異なる面同士を擦過する際の静止摩擦係数μsが0.20以上0.80以下であることを特徴とする、積層体である。
【0008】
また、本発明の積層体は以下の態様とすることや、包装材や梱包体とすることができる。
(1) ポリプロピレン系樹脂フィルムの片面に金属又は金属酸化物の層(M層)を有する積層体であって、前記M層表面の突出山部高さ(Spk1)が10nm以上100nm以下であり、主配向軸とフィルム面内で直交する方向における100℃のF5値に厚みを掛けた値(強度X)が80N/m以上400N/m以下であり、かつ異なる面同士を擦過する際の静止摩擦係数μsが0.20以上0.80以下であることを特徴とする、積層体。
(2) 熱機械分析(TMA)により測定される主配向軸とフィルム面内で直交する方向の0.1MPa応力発生開始温度が90℃以上である、(1)に記載の積層体。
(3) 前記M層と反対側の表面の突出山部高さ(Spk2)が10nm以上150nm以下である、(1)または(2)に記載の積層体。
(4) 前記M層表面の最大高さをSz(nm)、前記M層の厚みをd(nm)とした際に、d-Sz/50≧5を満たす、(1)~(3)のいずれかに記載の積層体。
(5) 前記M層とポリプロピレン系樹脂フィルムの剥離力が0.5N/15mm以上8.0N/15mm以下である、(1)~(4)のいずれかに記載の積層体。
(6) 前記M層を剥離した際の剥離モードが凝集破壊である、(1)~(5)のいずれかに記載の積層体。
(7) 示差走査熱量計DSCで30℃から260℃まで昇温した際に、1st Runで165℃以上に融解ピークを有し、かつ、1st Runと2nd Runの融解ピークの温度差が5℃以上10℃以下である、(1)~(6)のいずれかに記載の積層体。
(8) 前記M層の金属がアルミニウムである、(1)~(7)のいずれかに記載の積層体。
(9) 前記ポリプロピレン系樹脂フィルムが、ポリプロピレン系樹脂層であるA層、B層の少なくとも2層を有し、前記A層が前記M層から最も近い場所に位置し、かつ、前記B層が前記M層から最も遠い場所に位置する、(1)~(8)のいずれかに記載の積層体。
(10) 前記A層の全構成成分を100質量%としたときに、分子量1500以上10000以下の成分量が0.1質量%以上3.5質量%以下である、(9)に記載の積層体。
(11) 前記B層がポリプロピレン系樹脂と非相溶である樹脂を含み、かつ、前記A層におけるポリプロピレン系樹脂と非相溶である樹脂の含有量が、前記B層におけるポリプロピレン系樹脂と非相溶である樹脂の含有量よりも少ないことを特徴とする、(9)または(10)に記載の積層体。
(12) 前記M層の上にトップコート層を有する、(1)~(11)のいずれかに記載の積層体。
(13) 温度23℃、相対湿度90%で測定される酸素透過率が0.50cc/m

/day以下である、(1)~(12)のいずれかに記載の積層体。
(14) 主配向軸方向の厚み偏差が2.5%以下である、(1)~(12)のいずれかに記載の積層体。
(15) (1)~(14)のいずれかに記載の積層体を有する、包装材。
(16) (15)に記載の包装材により内容物が梱包されている、梱包体。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、ロール状態で長期保管した後も優れたバリア性を維持し、かつ、熱がかかる加工工程でのバリア性悪化も抑制されることで、例えば包装材料用に好適な積層体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の一実施態様に係る積層体を示す概略断面図である。
本発明の一実施態様に係る積層体を構成するポリプロピレン系樹脂フィルム(単層構成のもの)の概略断面図である。
本発明の一実施態様に係る積層体を構成するポリプロピレン系樹脂フィルムの概略断面図(2層構成のもの)である。
本発明の一実施態様に係る積層体を構成するポリプロピレン系樹脂フィルムの概略断面図(3層構成のもの)である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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