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公開番号2025013326
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2024113668
出願日2024-07-16
発明の名称プリン体濃度が低減されたビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料およびその製造方法
出願人キリンホールディングス株式会社
代理人弁理士法人フィールズ国際特許事務所
主分類C12C 12/00 20060101AFI20250117BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】プリン体濃度が低減されたビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料の提供。
【解決手段】本発明によれば、プリン体濃度が2.0mg/100mL以下である、ビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料であって、濃色麦芽を含む麦芽を原料の一部とするビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料が提供される。ビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料のプリン体濃度は好ましくは0.5mg/100mL以下である。全麦芽原料に対する濃色麦芽の比率は5%以上とすることができる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
プリン体濃度が2.0mg/100mL以下である、ビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料であって、濃色麦芽を含む麦芽を原料の一部とするビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料。
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
全麦芽原料に対する濃色麦芽の比率が5%以上である、請求項1に記載のビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料。
【請求項3】
濃色麦芽以外の麦芽が淡色麦芽を含む、請求項1または2に記載のビールテイスト発酵
麦芽アルコール飲料。
【請求項4】
淡色麦芽が小麦麦芽を含む、請求項3に記載のビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料。
【請求項5】
麦芽使用比率が10%以上である、請求項1または2に記載のビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料。
【請求項6】
麦芽使用比率が50%以上である、請求項1または2に記載のビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料。
【請求項7】
ビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料のプリン体濃度が0.5mg/100mL以下である、請求項1または2に記載のビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料。
【請求項8】
飲料のオリジナルエキス濃度(°P)に対する飲料の色度(EBC)の比率が0.85以上である、請求項1または2に記載のビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料。
【請求項9】
着色料を原料として含まない、請求項1または2に記載のビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料。
【請求項10】
アデニン濃度/プリン体総量比率が0.05~0.3であり、グアニン濃度/プリン体総量比率が0.1~0.3であり、キサンチン濃度/プリン体総量比率0.4~0.8であり、ヒポキサンチン濃度/プリン体総量比率が0.01~0.11である、請求項1または2に記載のビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料およびその製造方法に関し、より詳細にはプリン体濃度が低減されたビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
発酵麦芽飲料であるビール中には麦原料等に由来するプリン体化合物が含まれていることが知られている。プリン体化合物は、食餌として摂取された場合、尿酸に分解される。高尿酸血症における食餌制限では、このプリン体化合物の摂取の制限がなされる場合があるが、より高含有食物としての肉、卵、肝等の制限に加えて、ビール等の発酵麦芽飲料についても食餌制限を受けることがある。このため、ビール等の発酵麦芽飲料についてもプリン体化合物を低減した製品が望まれる。
【0003】
これまでに、ビール等の発酵麦芽飲料においてプリン体化合物を低減化する技術としては、ビールの麦汁にヌクレオシド・フォスフォリラーゼおよび/またはヌクレオシダーゼを作用させて、麦汁中のヌクレオシドを分解させ、プリン体化合物の濃度を低減させる技術(特許文献1)が知られている。また、発酵麦芽飲料の製造工程において、プリン体化合物を選択的に吸着する吸着剤でプリン体化合物を吸着、除去する処理を、糖化工程以降、ホップ添加前の工程において、25℃以上、かつ糖化工程に用いる温度以下の温度範囲で行うことにより、発酵麦芽飲料のプリン体化合物濃度を低減させる技術(特許文献2)も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第96/25483号
特開2004-290071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、プリン体濃度が低減されたビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料およびその製造方法の提供を目的とする。本発明はまた、プリン体濃度が低減された麦汁の製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは今般、ビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料の製造において使用麦芽原料に濃色麦芽を配合することにより冷麦汁および酒下し発酵液のプリン体濃度を有意に低減できることを見出した。本発明はこの知見に基づくものである。
【0007】
本発明によれば以下の発明が提供される。
[1]プリン体濃度が2.0mg/100mL以下である、ビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料であって、濃色麦芽を含む麦芽を原料の一部とするビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料。
[2]全麦芽原料に対する濃色麦芽の比率が5%以上である、上記[1]に記載のビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料。
[3]濃色麦芽以外の麦芽が淡色麦芽を含む、上記[1]または[2]に記載のビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料。
[4]淡色麦芽が小麦麦芽を含む、上記[3]に記載のビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料。
[5]麦芽使用比率が10%以上である、上記[1]~[4]のいずれかに記載のビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料。
[6]麦芽使用比率が50%以上である、上記[1]~[5]のいずれかに記載のビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料。
[7]ビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料のプリン体濃度が0.5mg/100mL以下である、上記[1]~[6]のいずれかに記載のビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料。
[8]飲料のオリジナルエキス濃度(°P)に対する飲料の色度(EBC)の比率が0.85以上である、上記[1]~[7]のいずれかに記載のビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料。
[9]着色料を原料として含まない、上記[1]~[8]のいずれかに記載のビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料。
[9-1]飲料のオリジナルエキス濃度(°P)に対する飲料のプリン体総量(ppb)の比率が1250以下である、上記[1]~[9]のいずれかに記載のビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料。
[9-2]飲料のオリジナルエキス濃度(°P)に対する飲料のキサンチン濃度(ppb)の比率が500以上800以下である、上記[1]~[9]および[9-1]のいずれかに記載のビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料。
[9-3]飲料のプリン体総量(ppb)に対する飲料のキサンチン濃度(ppb)の比率が0.47以上である、上記[1]~[9]、[9-1]および[9-2]のいずれかに記載のビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料。
[10]アデニン濃度/プリン体総量比率が0.05~0.3であり、グアニン濃度/プリン体総量比率が0.1~0.3であり、キサンチン濃度/プリン体総量比率0.4~0.8であり、ヒポキサンチン濃度/プリン体総量比率が0.01~0.11である、上記[1]~[9]、[9-1]、[9-2]および[9-3]のいずれかに記載のビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料。
[11]麦芽使用比率が50%以上である、上記[10]に記載のビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料。
[12]プリン体濃度が2.0mg/100mL以下である、ビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料の製造方法であって、濃色麦芽を含む麦芽を原料として使用することを特徴とする、製造方法。
[13]全麦芽原料に対する濃色麦芽の比率が5%以上である、上記[12]に記載の製造方法。
[14]濃色麦芽以外の麦芽が淡色麦芽である、上記[12]または[13]に記載の製造方法。
[15]淡色麦芽が小麦麦芽である、上記[14]に記載の製造方法。
[16]麦芽使用比率が10%以上である、上記[12]~[15]のいずれかに記載の製造方法。
[17]麦芽使用比率が50%以上である、上記[12]~[16]のいずれかに記載の製造方法。
[18]ビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料のプリン体濃度が0.5mg/100mL以下である、上記[12]~[17]のいずれかに記載の製造方法。
[19]飲料のオリジナルエキス濃度(°P)に対する飲料の色度(EBC)の比率が0.85以上である、上記[12]~[18]のいずれかに記載の製造方法。
[20]着色料を配合する工程を有さない、上記[12]~[19]のいずれかに記載の製造方法。
[21]ビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料におけるプリン体濃度の低減方法であって、濃色麦芽を含む麦芽を原料として使用することを特徴とする、プリン体濃度の低減方法。
[22]プリン体濃度が2.0mg/100mL以下である、麦汁の製造方法であって、濃色麦芽を含む麦芽を原料として使用することを特徴とする、製造方法。
[23]全麦芽原料に対する濃色麦芽の比率が5%以上である、上記[22]に記載の製造方法。
[24]濃色麦芽以外の麦芽が淡色麦芽を含む、上記[22]または[23]に記載の製造方法。
[25]淡色麦芽が小麦麦芽を含む、上記[24]に記載の製造方法。
[26]麦汁の糖度(°P)に対する麦汁の色度(EBC)の比率が1.5以上である、上記[22]~[25]のいずれかに記載の製造方法。
[27]ビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料の製造に用いる麦汁におけるプリン体濃度の低減方法であって、濃色麦芽を含む麦芽を原料として使用することを特徴とする、プリン体濃度の低減方法。
【0008】
本発明によれば、使用麦芽原料の一部を濃色麦芽に置換することで、プリン体濃度が低減されたビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料および麦汁を製造することができる。このため本発明は、より簡便な手段でプリン体濃度が低減されたビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料および麦汁を提供できる点で有利である。
【発明の概要】
発明の具体的説明
【0009】
本発明において「ビールテイスト」とは通常にビールを製造した場合、すなわち、酵母等による発酵に基づいてビールを製造した場合に得られるビール特有の味わい、香りを意味する。
【0010】
本発明において、「ビールテイスト発酵アルコール飲料」は、炭素源、窒素源、および水等を原料として酵母により発酵させた飲料を意味し、ビール、発泡酒および原料として麦芽を使用するビールや発泡酒にアルコールを添加してなる飲料(例えば、酒税法上、「リキュール(発泡性)(2)」に分類されるリキュール系新ジャンル飲料)が挙げられる。ビールテイスト発酵アルコール飲料の好ましい態様としては、麦芽を原料の少なくとも一部とするビールテイスト発酵アルコール飲料(すなわち、ビールテイスト発酵麦芽アルコール飲料)が挙げられる。
(【0011】以降は省略されています)

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