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公開番号
2025013191
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-24
出願番号
2024096507
出願日
2024-06-14
発明の名称
ガスタングステンアーク溶接継手
出願人
JFEスチール株式会社
代理人
個人
主分類
B23K
35/30 20060101AFI20250117BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約
【課題】極低温環境下で使用される高Mn鋼用の溶接継手として、母材又は溶接材料を変更せずとも、溶接金属の強度をさらに向上させ、高温割れの発生をより一層抑制できるガスタングステンアーク溶接継手を提供する。
【解決手段】シールドガスと溶加材を用いた鋼材のガスタングステンアーク溶接継手であって、鋼材が高Mn含有オーステナイト鋼であり、溶接金属の化学組成が質量%で、C:0.15%~0.80%、Si:0.10%~1.00%、Mn:17.0%~30.0%、P:0.030%以下、S:0.030%以下、Al:0.005%~0.100%、Cr:0.4%~5.5%、Mo:0.01%~3.50%、Ni:0.01%~10.00%、N:0.0400%~0.4000%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなることを特徴とする溶接継手である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
シールドガスと溶加材を用いた鋼材のガスタングステンアーク溶接継手であって、
前記鋼材が、高Mn含有オーステナイト鋼であり、
前記鋼材の化学組成が、質量%で、
C:0.10%~0.70%、
Si:0.05%~1.00%、
Mn:18.0%~30.0%、
P:0.030%以下、
S:0.007%以下、
Al:0.010%~0.070%、
Cr:2.5%~7.0%、
N:0.0050%~0.0500%、
O(酸素):0.0050%以下
を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、
溶接金属の化学組成が、質量%で、
C:0.15%~0.80%、
Si:0.10%~1.00%、
Mn:17.0%~30.0%、
P:0.030%以下、
S:0.030%以下、
Al:0.005%~0.100%、
Cr:0.4%~5.5%、
Mo:0.01%~3.50%、
Ni:0.01%~10.00%、
N:0.0400%~0.4000%
を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる
ことを特徴とするガスタングステンアーク溶接継手。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記鋼材の化学組成がさらに、質量%で、
Mo:0.01%~2.00%、
V:0.01%~2.00%、
W:0.01%~2.00%、
Ni:0.01%~4.00%、
REM:0.0010%~0.0200%及び
B:0.0005%~0.0020%
のうちから選ばれた1種又は2種以上を含有する
ことを特徴とする請求項1に記載のガスタングステンアーク溶接継手。
【請求項3】
前記溶接金属の化学組成がさらに、質量%で、
V:0.01%~1.00%、
Ti:0.010%~1.000%、
Nb:0.010%~1.000%、
W:0.01%~1.00%、
Cu:0.01%~1.00%及び
B:0.0010%以下
のうちから選ばれた1種又は2種以上を含有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のガスタングステンアーク溶接継手。
【請求項4】
前記シールドガスが、体積%で0.5%~10.0%の窒素ガスを含有し、残部が不活性ガス及び不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスタングステンアーク溶接継手。
【請求項5】
前記シールドガスが、体積%で0.5%~10.0%の窒素ガスを含有し、残部が不活性ガス及び不可避的不純物からなることを特徴とする請求項3に記載のガスタングステンアーク溶接継手。
【請求項6】
前記溶加材のN含有量が、質量%で、0.4000%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスタングステンアーク溶接継手。
【請求項7】
前記溶加材のN含有量が、質量%で、0.4000%以下であることを特徴とする請求項3に記載のガスタングステンアーク溶接継手。
【請求項8】
前記溶接金属の降伏応力(0.2%耐力)が400MPa以上、引張強さが600MPa以上で、シャルピー衝撃吸収エネルギー(
v
E
-196
)が28J以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスタングステンアーク溶接継手。
【請求項9】
前記溶接金属の降伏応力(0.2%耐力)が400MPa以上、引張強さが600MPa以上で、シャルピー衝撃吸収エネルギー(
v
E
-196
)が28J以上であることを特徴とする請求項3に記載のガスタングステンアーク溶接継手。
【請求項10】
前記溶接金属の降伏応力(0.2%耐力)が400MPa以上、引張強さが600MPa以上で、シャルピー衝撃吸収エネルギー(
v
E
-196
)が28J以上であることを特徴とする請求項4に記載のガスタングステンアーク溶接継手。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタングステンアーク溶接継手に関し、特に、極低温環境下で使用される高Mn含有オーステナイト鋼材の溶接継手に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
ガスタングステンアーク溶接方法は、電極棒に消耗しない材料のタングステンを使用して、一般には不活性ガスであるアルゴンガスやヘリウムガスを吹き付けて大気を遮断しながら、溶加材(溶接棒)をアーク中で溶融して溶接する方法である。この溶接は、Tungsten Inert Gas(タングステン-不活性ガス)溶接(以下、略して「TIG溶接」ともいう。)とも呼ばれている。このTIG溶接は、様々な合金鋼や非鉄金属など、さらに複雑な形状にも適用でき、優れた溶接品質が得られる。
【0003】
近年、環境に対する規制が厳しくなっている。その中で、液化天然ガス(以下、LNGともいう)は、硫黄を含まないため、硫黄酸化物等の大気汚染物質を発生させないクリーンな燃料と言われ、その需要が増加している。そして、LNGの輸送又は保管のために、LNGを輸送又は貯蔵する容器(タンク)は、LNGの液化温度である-162℃以下の温度で、優れた極低温衝撃靭性を保持することが求められている。
【0004】
この優れた極低温衝撃靭性を保持することの必要性から、容器(タンク)等の材料用としては、従来より、アルミニウム合金、9%Ni鋼、オーステナイト系ステンレス鋼等が、用いられてきた。
【0005】
しかしながら、アルミニウム合金は、引張強さが低いため、構造物の板厚を大きく設計する必要があり、また溶接性が悪いという問題がある。また、9%Ni鋼は、溶接材料として高価なNi基材料を用いることが必要なため、経済的に不利となる。
【0006】
そこで、オーステナイト系ステンレス鋼を用いたTIG溶接技術が検討されている。
【0007】
例えば、特許文献1には、特定の組成を有するオーステナイト鋼の母材を、特定の組成を有するオーステナイト鋼の溶接材料を用いて、ガスタングステンアーク溶接方法により溶接したオーステナイト鋼溶接継手が開示されている。この溶接金属の主たる組成が、C≦0.1%、Si≦0.8%、Mn:1.5~5.5%、Ni:8~15%、Cr:18~24%、Al<0.05%、N:0.15~0.35%であり、溶接金属のフェライト量が、面積率で20%以下であるとしている。さらにガスタングステンアーク溶接において、シールドガスにArガスに加えてN
2
ガスを50体積%以下混合することも記載されている。
【0008】
しかしながら、オーステナイト系ステンレス鋼は、高価であり、母材強度も低いという問題がある。このことから、最近では、LNGを輸送又は貯蔵する容器(タンク)用の材料として、Mnを10~35質量%程度含有する高Mn含有オーステナイト鋼(以下、「高Mn鋼」ともいう。)の適用が検討されている。高Mn鋼の金属組織は、極低温においても、オーステナイト相を有し、脆性破壊が発生せず、またオーステナイト系ステンレス鋼と比較して、高い強度を有するという特徴がある。そこで、このような高Mn鋼を安定して溶接できる溶接材料の開発が要望されていた。
【0009】
このような要望に対して、例えば、特許文献2には、「極低温用高Mn鋼材」が開示されている。この鋼材は、質量%で、C:0.001~0.80%、Mn:15.0~35.0%、S:0.001~0.01%、Cr:0.01~10.0%、Ti:0.001~0.05%、N:0.0001~0.10%、O:0.001~0.010%を含有している。また、P:0.02%以下に制限し、Si:0.001~5.00%、Al:0.001~2.0%の一方又は両方を含有し、Mg:0.01%以下、Ca:0.01%以下、REM:0.01%以下の1種又は2種以上を合計で0.0002%以上含有している。また、30C+0.5Mn+Ni+0.8Cr+1.2Si+0.8Mo≧25・・・(式1)、O/S≧1・・・(式2)を満足し、残部Fe及び不可避的不純物からなる鋼材である。そして、オーステナイトの体積率が95%以上であり、前記オーステナイトの結晶粒径が20~200μmであり、前記オーステナイトの結晶粒界における炭化物被覆率が50%以下である極低温用高Mn鋼材であるとしている。この特許文献2の鋼材は、結晶粒界に生成する炭化物が破壊の起点や亀裂の伝播の経路とならないように、オーステナイト粒径を適切なサイズに制御し、合金元素の添加量やバランス、さらにはS量、O量を適正に調整し、Mg、Ca、REMを添加する。それにより、オーステナイト粒径を適正に調整し、溶接熱影響部の結晶粒径の粗大化の抑制をも可能にできるとしている。
【0010】
また、特許文献3には、「低温用厚鋼板」が開示されている。この厚鋼板は、質量%で、C:0.30~0.65%、Si:0.05~0.30%、Mn:20.00%超え30.00%未満、Ni:0.10%以上3.00%未満、Cr:3.00%以上8.00%未満、Al:0.005~0.100%を含有している。また、N:0.0050%以上0.0500%未満を含有し、P:0.0040%以下、S:0.020%以下、O:0.0050%以下に制限し、残部Feおよび不純物からなる鋼板である。さらに、Mn濃化部のMn濃度Mn1とMn希薄部のMn濃度Mn0から算出されるMn偏析比XMn(XMn=Mn1/Mn0)が1.6以下であるとしている。そして、室温(25℃)における降伏応力が400MPa以上、引張応力が800MPa以上、溶接熱影響部のシャルピー衝撃吸収エネルギー(
v
E
-196
)が70J以上であるとしている。この特許文献3に記載された技術によれば、熱間圧延ままで、LNGを輸送または貯蔵する容器(タンク)用の材料として提供できることが記載されている。
(【0011】以降は省略されています)
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