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公開番号2024155271
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-31
出願番号2023069867
出願日2023-04-21
発明の名称トーチノズル
出願人個人
代理人個人
主分類B23K 9/013 20060101AFI20241024BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】 既存のTIG溶接装置を有効活用すべく、母材への斫りを繰り返せば、母材を溶断することが可能なトーチノズルを提供すること。
【解決手段】 トーチノズル1の母材側端部には、略U字状の吐出溝14が形成され、受給口13から受給した特定ガスは、略U字状の吐出溝14から吐出される。このため、例えば溶融池の表面径が所定の大きさになったときに、作業者がリモコンを操作すれば、溶融池に対して特定ガスが吐出される。その結果、特定ガスの吐出によって、溶融池の溶融母材が母材上を移動する。溶融母材が母材上を移動する際には、溶融母材との温度差が大きいため、母材上で凝固することがあっても溶着することはない。従って、アーク放電によって母材を溶融しつつ、発生した溶融池の溶融母材を特定ガスによって移動させる作業、すなわち母材への斫り作業を繰り返せば、最終的には母材を溶断することができることとなる。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
母材との間でアーク放電を行うタングステン電極を収容するとともに、シールドガスを吐出する略円筒のトーチノズルであって、
前記トーチノズルには、特定ガスを受給する受給口が設けられ、
前記受給口から受給した特定ガスを前記略円筒の母材側端部から吐出するトーチノズル。
続きを表示(約 330 文字)【請求項2】
請求項1に記載のトーチノズルにおいて、
前記トーチノズルの略円筒を構成する略円筒壁の内部には、前記受給口から前記母材側端部まで連通する連通管が設けられているトーチノズル。
【請求項3】
請求項2に記載のトーチノズルにおいて、
前記連通管は、タングステン電極を収容する収容部の縮径に沿うように傾斜しているトーチノズル。
【請求項4】
請求項3に記載のトーチノズルにおいて、
前記母材側端部には、略U字状の吐出溝が形成されているトーチノズル。
【請求項5】
請求項4に記載のトーチノズルにおいて、
前記吐出溝は、溶接の進行方向の後端側に設けられているトーチノズル。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、TIG(Tungsten Inert Gas:タングステン不活性ガス)溶接に用いられるトーチノズルに関するものである。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
一般的なステンレス材の切断方法としては、刃物による切断(例えばグラインダ、セイバーソー、ハンドソーなど)や溶断(例えばプラズマ切断機など)が挙げられる。これらの切断方法のうち、作業効率を考慮すれば、プラズマ切断が優位と考えられるものの、ステンレス材の肉厚が厚くなる程、急激に切断速度が低下することや、切断時にスラグ(ドロス)が飛散することや、多量のヒューム(粉塵)が発生することなどのデメリットも存在する。
【0003】
こうしたデメリットを解消すべく、スラグの飛散及び粉塵の発生を抑制することが可能な切断方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、溶接において、主に溶接部の裏斫り(突合せ溶接で、開先の底部の溶込み不良部分又は第一層部分などを裏面から斫り取ること)に用いられる方法の一つとしては、エアアークガウジングがある。エアアークガウジングでは、エアアークガウジング用トーチに炭素電極を取り付けて電極と母材間にアークを発生させて母材を溶融させるとともに、圧縮空気を吹き付けて溶融母材を吹き飛ばすことによって溝掘りを行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-112333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、例えばステンレス平板を切断する場合には、アーク放電によって発生した溶融池の溶融母材を移動させることは困難である。また、円筒形状の配管であっても、水平に設置された配管の頂点付近では平板を切断する場合と同様にアーク放電によって発生した溶融池の溶融母材を移動させることは困難である。
【0006】
そこで、本発明は、既存のTIG溶接装置を有効活用すべく、母材への斫りを繰り返せば、母材を溶断することが可能なトーチノズルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
母材との間でアーク放電を行うタングステン電極を収容するとともに、シールドガスを吐出する略円筒のトーチノズルであって、前記トーチノズルには、特定ガスを受給する受給口が設けられ、前記受給口から受給した特定ガスを前記略円筒の母材側端部から吐出する構成とした。
【0008】
このように構成すれば、アーク放電によって母材を溶融しつつ、発生した溶融池の表面径が所定の大きさになったときに、特定ガスを吐出すれば、溶融池の溶融母材が母材上を移動する。溶融母材が母材上を移動する際には、溶融池の溶融母材と母材との温度差が大きいため、母材上で凝固することがあっても溶着することはない。このように溶融池の溶融母材を特定ガスによって移動させる作業、すなわち母材への斫り作業を繰り返せば、最終的には母材を溶断することができることとなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、既存のTIG溶接装置を有効活用すべく、母材への斫りを繰り返せば、母材を溶断することが可能なトーチノズルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
トーチノズルを示す斜視図。
トーチノズルの母材側端部から見た側面図。
トーチノズルの平面図。
トーチノズルの右側面図。
TIG溶接の構成を示す説明図。
母材を斫るときの様子を示す第一説明図。
母材を斫るときの様子を示す第二説明図。
母材を斫った後の様子を示す説明図及び断面図。
厚みがある母材を斫るときの様子を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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