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公開番号2024164531
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-27
出願番号2023080079
出願日2023-05-15
発明の名称レーザ装置
出願人住友重機械工業株式会社
代理人個人
主分類B23K 26/064 20140101AFI20241120BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】レーザビームの作用を受ける部材、例えばフィラワイヤ等を、環状のビーム断面を有するレーザビームの中央部分に、レーザビームの経路を遮ることなく配置することが可能なレーザ装置を提供する。
【解決手段】環状成形光学部品が、レーザビームのビームプロファイルを環状に成形する。環状成形光学部品によって成形された環状のビームプロファイルを有するレーザビームのビーム断面を、分岐光学部品が分割し、相互に空間的に隔てられた2つの分岐レーザビームを生成する。再合成光学部品が、2つの分岐レーザビームを、環状のビームプロファイルを有するレーザビームに再合成する。2つの分岐レーザビームで囲まれた空間の外側から、2つの分岐レーザビームの間の空間を経由して、再合成光学部品により再合成される位置まで、ガイド構造が、レーザビームの作用を受ける部材を案内する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
レーザビームのビームプロファイルを環状に成形する環状成形光学部品と、
前記環状成形光学部品によって成形された環状のビームプロファイルを有するレーザビームのビーム断面を分割し、相互に空間的に隔てられた2つの分岐レーザビームを生成する分岐光学部品と、
前記2つの分岐レーザビームを、環状のビームプロファイルを有するレーザビームに再合成する再合成光学部品と、
前記2つの分岐レーザビームで囲まれた空間の外側から、前記2つの分岐レーザビームの間の空間を経由して、前記再合成光学部品により再合成される位置まで、レーザビームの作用を受ける部材を案内するガイド構造と
を備えたレーザ装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
さらに、前記再合成光学部品によって再合成されたレーザビームを、対象物に向けて集光させる集光光学部品を備えた請求項1に記載のレーザ装置。
【請求項3】
前記ガイド構造は、前記集光光学部品による集光箇所に向って、前記集光箇所の手前まで延びている請求項2に記載のレーザ装置。
【請求項4】
前記環状成形光学部品は、2枚のアキシコンレンズを含み、前記再合成光学部品より前のレーザビームの経路でビーム径を大径化している請求項2または3に記載のレーザ装置。
【請求項5】
前記再合成光学部品と前記集光光学部品との間のレーザビームの経路に、ビーム径を大径化する大径化光学部品が配置されている請求項2または3に記載のレーザ装置。
【請求項6】
前記ガイド構造は、先端から前記部材を繰り出す構造を有し、
前記対象物から前記ガイド構造の先端までの距離を変化させる昇降機構を、さらに備えた請求項2に記載のレーザ装置。
【請求項7】
前記ガイド構造は、先端から前記部材を繰り出す構造を有し、
前記ガイド構造の先端を、レーザビームの経路と交差する方向に移動させる変位機構を、さらに備えた請求項2に記載のレーザ装置。
【請求項8】
前記分岐光学部品及び前記再合成光学部品のそれぞれは、入射側の表面及び出射側の表面が相互に平行な屈折部材をルーフ型に組み合わせた光学部材を含む請求項1、2、3、6、及び7のいずれか1項に記載のレーザ装置。
【請求項9】
前記分岐光学部品は、入射側の表面及び出射側の表面が相互に平行な板状の第1屈折部材及び第2屈折部材を含み、
前記第1屈折部材の入射側の表面の1つの縁は直線であり、入射するレーザビームの中心軸を通過し、入射するレーザビームを、分岐前のレーザビームの中心軸から離れる向きに屈折させ、
前記第2屈折部材は、前記第1屈折部材を通過しなかったレーザビームを、分岐前のレーザビームの中心軸から離れる向きに屈折させ、
前記第1屈折部材及び前記第2屈折部材のそれぞれを透過した2本の分岐レーザビームの進行方向が相互に平行である請求項1、2、3、6、及び7のいずれか1項に記載のレーザ装置。
【請求項10】
前記分岐光学部品と前記再合成光学部品との間のレーザビームの経路に配置され、レーザビームをウォブリングするウォブリング光学部品を、さらに備えた請求項1、2、3、6、及び7のいずれか1項に記載のレーザ装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ装置に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
レーザ溶接において、加工点の横からフィラワイヤや金属粉末を供給し、フィラワイヤや金属粉末を溶かし込みながら溶接を行う肉盛り溶接技術が知られている。肉盛り溶接を行う場合に、一般的にフィラワイヤは、溶接の進行方向の前方から加工点に向けて供給される。フィラワイヤや金属粉末を加工点に供給するガイド機構の存在が、ワークへのアクセスの大きな制限となっていた。この制限を緩和するために、レーザビームと同軸にフィラワイヤや金属粉末を供給する技術が提案されている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に開示されたレーザ溶接装置では、レーザビームの断面を円環状(リング状)にし、円環形状の中央部分に金属粉末のガイド構造(供給管)を配置し、ガイド構造から金属粉末を加工点に向けて供給するとともに、リング状のレーザビームを加工点に集光する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6529610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された溶接装置では、リング状のレーザビームを折返す折返しミラーに設けた貫通孔を通して、ガイド構造をレーザビームの中心部に挿入する。このとき、レーザビームのリング状のビーム断面の一部分がガイド構造と空間的に干渉し、ビーム断面の一部分を通過するレーザビームがガイド構造で遮光されてしまう。これにより、レーザビームのエネルギ損失や、ガイド構造の損傷等が発生する。また、レーザビームの経路の一部分が遮光されることにより、加工点におけるビームプロファイルに方向性が現れる。これにより、溶接品質が低下する場合がある。
【0006】
本発明の目的は、レーザビームの作用を受ける部材、例えばフィラワイヤ等を、環状のビーム断面を有するレーザビームの中央部分に、レーザビームの経路を遮ることなく配置することが可能なレーザ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一観点によると、
レーザビームのビームプロファイルを環状に成形する環状成形光学部品と、
前記環状成形光学部品によって成形された環状のビームプロファイルを有するレーザビームのビーム断面を分割し、相互に空間的に隔てられた2つの分岐レーザビームを生成する分岐光学部品と、
前記2つの分岐レーザビームを、環状のビームプロファイルを有するレーザビームに再合成する再合成光学部品と、
前記2つの分岐レーザビームで囲まれた空間の外側から、前記2つの分岐レーザビームの間の空間を経由して、前記再合成光学部品により再合成される位置まで、レーザビームの作用を受ける部材を案内するガイド構造と
を備えたレーザ装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
ガイド構造を環状のレーザビームの内部に挿入する箇所において、1本のレーザビームが相互に空間的に隔てられた2つの分岐レーザビームに分岐されている。このため、レーザビームに遮られることなく、2つのレーザビームの間の空間にガイド構造を挿入することができる。ガイド構造が挿入された箇所より下流側で、2つの分岐レーザビームを合成して1本のレーザビームに再合成すると、環状のレーザビームの内部にガイド構造が配置された構成が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、第1実施例によるレーザ装置の概略図である。
図2は、集光光学部品の焦点位置からずれた位置におけるビームプロファイルのシミュレーション結果を、再合成光学部品を配置した場合と、配置しない場合について示す図である。
図3Aは、集光光学部品、ガイド構造、ワーク、及びレーザビームの位置関係を示す模式図であり、図3Bは、ガイド構造とレーザビームとが空間的に干渉しないための条件を示すグラフである。
図4は、第1実施例の変形例によるレーザ装置の光学系を示す模式図である。
図5は、第1実施例の他の変形例によるレーザ装置の光学系を示す模式図である。
図6は、第1実施例のさらに他の変形例によるレーザ装置の光学系を示す模式図である。
図7は、第2実施例によるレーザ装置の概略図である。
図8は、第2実施例の変形例によるレーザ装置の概略図である。
図9は、第2実施例の他の変形例によるレーザ装置の概略図である。
図10は、第2実施例のさらに他の変形例によるレーザ装置の概略図である。
図11は、第3実施例によるレーザ装置の概略図である。
図12Aは、ガイド構造をz方向に昇降させる昇降機構の一例を示す図であり、図12Bは、ガイド構造をz方向に昇降させる昇降機構の他の例を示す図であり、図12Cは、ガイド構造をxy面内で移動させる変位機構を示す図である。
図13A及び図13Bは、第4実施例によるレーザ装置の概略図である。
図14Aは、第1実施例によるレーザ装置に用いられている分岐光学部品及び再合成光学部品の概略図、及びビーム断面の模式図であり、図14Bは、第5実施例によるレーザ装置に用いられている分岐光学部品及び再合成光学部品の概略図、及びビーム断面の模式図である。
図15は、レーザ溶接装置の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1~図3Bを参照して、第1実施例によるレーザ装置について説明する。
図1は、第1実施例によるレーザ装置の概略図である。レーザ伝送ファイバ10の出力端から出力されたレーザビーム15が、コリメートレンズ11でコリメートされる。コリメートレンズ11でコリメートされたレーザビーム15が、環状成形光学部品20、分岐光学部品30、折返しミラー35、再合成光学部品40、集光光学部品60、及び保護ウィンドウ61を経由して、加工対象物であるワーク65に入射する。
(【0011】以降は省略されています)

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