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公開番号2025014401
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-30
出願番号2023116921
出願日2023-07-18
発明の名称スラッジ除去装置
出願人個人
代理人
主分類B23Q 11/00 20060101AFI20250123BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】工作機械から排出されるダーティクーラント液に含まれるスラッジを簡便且つ低ランニングコストで除去して工作機外へ排出し、工作機械の保全性と作業環境の向上を図る。
【解決手段】ダーティクーラント液を非容積式の送液ポンプでスラッジ除去箱へ抽送し、スラッジが除去されたクリーンクーラント液を同一送液ポンプの圧力を利用してスラッジ除去箱からクリーンクーラントタンクへ抽送し、スラッジ除去箱内で重力による自然沈降現象によってスラッジを除去し、除去したスラッジをサイフォンの原理によってスラッジ除去箱底部へ押し流し、必要に応じて前記送液ポンプの圧力を利用してスラッジ除去箱底部に堆積したスラッジをスラッジ除去箱外へ簡便に排出する。
【選択図】図1




特許請求の範囲【請求項1】
ダーティクーラントタンクとスラッジ除去箱とクリーンクーラントタンクによって構成され、ダーティクーラントタンクは工作機械の加工作業時に常時排出されるダーティクーラント液量以上の吐出量を持つ非容積式の送液ポンプと該送液ポンプに運転開始信号および運転停止信号を出力する液面センサーおよび該送液ポンプの吐出口からスラッジ除去箱下部にあるダーティクーラント液受入用開口を繋ぐ配管を具備することを特徴とし、スラッジ除去箱は密閉された筐体の中央部に同一傾斜角かつ同一間隙で並べられた複数の傾斜板部あるいは同一傾斜角かつ同一内径を持つ複数の傾斜管部によって形成される通水路の集合体を持ち、筐体上部でダーティクーラントタンク液面よりも高い位置に濾過済みクーラント液溜りを持ち、筐体最上部に濾過済みクーラント液排出用開口を持ち、筐体下部にダーティクーラント液受入用開口を持ち、筐体最下部にスラッジ排出用開口を持つことと、筐体最上部にある濾過済みクーラント液排出用開口からクリーンクーラントタンクを繋ぐ配管を具備することを特徴とすることにより、送液ポンプ運転時にはスラッジ除去箱の通水路内に発生する上昇流によって上方へと運ばれるダーティクーラント液に含まれるスラッジがクーラント液とスラッジの比重差によって通水路経路上で鉛直方向へ下降して、隣接する傾斜板部または傾斜管部の傾斜面に沈底してクーラント液から除去され、送液ポンプ運転停止時にはダーティクーラントタンクの液面とクーラント液溜まりの液面の高低差によるサイフォンの原理によって濾過済みクーラント液溜まりにあるクーラント液が通水路内を逆流する下降流によって通水路経路上の傾斜板部の斜面または傾斜管部の内壁面で形成される傾斜面に沈底しているスラッジをスラッジ除去箱の底部へ押し流すことを特徴とするスラッジ除去装置。
続きを表示(約 470 文字)【請求項2】
ダーティクーラント液受入用開口をスラッジ除去箱側面下部に配置し、反対側側面の最下部にスラッジ回収用開口を配置し、送液ポンプによってダーティクーラント液受入用開口へ抽送されたダーティクーラント液をスラッジ除去箱底部に沿ってスラッジ回収用開口に向かって流すための整流板を持つことにより、スラッジ除去箱底部に沈底して堆積したスラッジを同一送液ポンプの圧力によってスラッジ回収用開口付近へ集めることを特徴とする請求項1のスラッジ除去装置。
【請求項3】
濾過済みクーラント液排出用開口とスラッジ排出用開口に開閉弁を持ち、濾過済みクーラント液排出用開口の開閉弁を開としスラッジ排出用開口の開閉弁を閉として送液ポンプを運転することによりスラッジを除去し、濾過済みクーラント液排出用開口の開閉弁を閉としスラッジ排出用開口の開閉弁を開として送液ポンプを運転することによりスラッジ除去箱のスラッジ排出用開口付近に堆積したスラッジを同一送液ポンプの圧力によってスラッジ除去箱外へ排出することを特徴とする請求項1のスラッジ除去装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械において循環使用されるクーラント液に含まれるスラッジを、簡便に除去してスラッジ除去装置外へ排出する装置に関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
工作機械による切削加工や旋削加工等においては、被加工物や加工刃先等の冷却や潤滑および発生した切粉やスラッジを加工部位から除去する目的で、加工作業中にクーラントタンクから工作機械へと常時供給される比較的少量のクーラント液と、工作機械の加工室内に溜まった切粉やスラッジを加工室外へ流し出す目的でクーラントタンクから工作機械へと加工終了時を含む適時に供給される短時間かつ大容量の所謂ベッドウォッシュ用クーラント液が必要とされ、これらのクーラント液は工作機械の加工室下部に設けられた排出口から工作機械下部に設置されたクーラントタンクへと落下し、切粉やスラッジが取り除かれた後に、濾過済みクーラント液として循環使用される。工作機械の加工室下部から排出されたダーティクーラント液に含まれる切粉は、クーラントタンクの内部または上部に設置されたチップコンベヤによって容易に回収できるが、スラッジはクーラント液と一緒にクーラントタンクへと流出してクーラントタンク底部に沈殿し、沈澱したスラッジによるタンク容量の低下はクーラント液温の上昇による工作機械の加工精度の悪化を招く。また、スラッジに付着したウィルス等の増殖によるクーラント液の腐敗によって悪臭が発生して作業環境の悪化を招く場合もあるので、工作機械の稼働を停止してクーラントタンクに沈殿したスラッジを定期的に除去して工作機外へ回収する保全作業が必要となり工作機械の稼働率低下に繋がっている。
現有のスラッジ除去装置としては濾紙による固液分離方式や遠心力による固液分離方式あるいは磁性体スラッジに対する磁力による固液分離方式がある。
【0003】
しかしながら、濾紙によるスラッジ除去装置の場合には濾紙の目詰まり防止を目的とした逆洗浄機構の追加と定期的な濾紙交換が必要であるとともに、除去したスラッジをスラッジ除去装置外へ排出する機構が別途必要になるので、機構の複雑化による設備費用の高額化やランニングコストの高額化及び濾紙交換作業に伴う工作機械のダウンタイムが問題となる。
【0004】
そして、遠心力を利用した所謂サイクロン方式の固液分離の場合には、サイクロン式分離装置の内壁にスラッジが高速で接触することによってサイクロン式分離装置の内壁面が摩耗するので定期的な交換が必要となることと、サイクロン式分離装置の下部から排出される高濃度なダーティクーラント液からスラッジだけを抽出して工作機外へ搬出する機構が別途必要となる。
【0005】
また、磁力を利用した個液分離手段では非磁性体のスラッジは分離できず、除去した磁性体スラッジを当該分離装置外へ排出する機構が別途必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2005―66820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする課題は、工作機械から排出されたダーティクーラント液に含まれるスラッジを、簡便に除去して工作機外へ排出することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、密閉された筐体に収納された同一傾斜角かつ同一間隙で並べられた複数の傾斜板部あるいは同一傾斜角かつ同一内径を持つ複数の傾斜管部によって形成される通水路の集合体の下部からダーティクーラント液を非容積式の送液ポンプによって抽送し、クーラント液とスラッジの比重差を利用した自然沈降現象によって、ダーティクーラント液に含まれるスラッジを通水路上の傾斜板部の傾斜面または傾斜管部の内壁面で形成される傾斜面に沈底させて除去することと、非容積式送液ポンプの運転停止時にダーティクーラントタンクの液面とクーラント液溜まりの液面の高低差によるサイフォンの原理によって濾過済みクーラント液溜まりにあるクーラント液が通水路内を逆流することによる下降流によって通水路経路上の傾斜面に沈底しているスラッジをスラッジ除去箱の底部へ押し流すことを最も主要な特徴とする。
【0009】
本発明のスラッジ除去装置は、クーラント液とスラッジの比重差を利用した自然沈降現象によってスラッジを除去するので、濾紙を必要としない。また、他の固液分離方式とは異なり、工作機外に配置したスラッジ除去箱から同一送液ポンプの圧力を利用して簡便にスラッジを排出できるという特長を持つ。
【0010】
さらに、本発明のスラッジ除去装置は、低速で抽送されたダーティクーラント液に含まれるスラッジを自然沈降現象によって除去するので、スラッジ除去箱内壁面の摩耗が殆ど発生せず、定期的な交換や補修作業を行う必要がない。
(【0011】以降は省略されています)

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