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公開番号
2024159116
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-08
出願番号
2023074899
出願日
2023-04-28
発明の名称
組み付け装置
出願人
日東精工株式会社
代理人
主分類
B23P
19/02 20060101AFI20241031BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約
【課題】Οリングを環状溝に組み込む際のしわ、傷等の発生を防止可能な組み付け装置を提供する。
【解決手段】ワークWの平面部に形成された有底の環状溝にOリングを組み付ける装置において、ワークW上に設置され、Oリングを環状溝まで案内するガイド部材30と、ガイド部材30をワークW上に設置するツールユニット40とを備え、ガイド部材30は、ワークWに向かうにつれて徐々に外径が大きくなる拡径部31を有し、ツールユニット40は、ガイド部材30に挿着されたOリングを環状溝まで押し下げる複数本の押圧部材49を有するツール部42と、ツール部42を昇降駆動させる昇降駆動源41から構成され、押圧部材49は、その下端がガイド部材30の拡径部31に当接後、拡径部31の傾斜に沿って湾曲することを特徴とする組み付け装置10による。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
ワークの平面部に形成された有底の環状溝にOリングを組み付ける組み付け装置において、
前記ワーク上に設置され、ワークに向かうにつれて徐々に外径が大きくなる拡径部を有するガイド部材と、
前記ガイド部材をワーク上に設置するツールユニットとを備え、
前記ツールユニットは、前記ガイド部材に挿着されたOリングを前記環状溝まで押し下げる複数本の押圧部材を有するツール部と、前記ツール部を昇降駆動させる昇降駆動源から構成され、
前記押圧部材は、その下端が前記ガイド部材の拡径部に当接後、拡径部の傾斜に沿って湾曲することを特徴とする組み付け装置。
続きを表示(約 800 文字)
【請求項2】
前記ツール部は、前記ガイド部材を着脱自在に保持する保持爪と、前記押圧部材を保持爪に対して接近離反させる往復駆動源を有していることを特徴とする請求項1に記載の組み付け装置。
【請求項3】
前記押圧部材は、前記保持爪に対して上下方向相対移動可能に構成されており、前記ワーク上に載置されたガイド部材を回収する際、前記保持爪に保持されたガイド部材がワーク上面から所定の寸法離れるまで前記Οリングを環状溝側に押圧可能に構成されていることを特徴とする請求項2に記載の組み付け装置。
【請求項4】
前記往復駆動源は、前記昇降駆動源がツール部を上昇させ、前記押圧部材の下端と前記ワークの上面との間に前記環状溝の深さ寸法より短い所定の隙間が形成された後、前記保持爪から前記押圧部材を離反させるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の組み付け装置。
【請求項5】
前記ガイド部材は、前記拡径部に連続する略円柱形状の案内部を有しており、前記押圧部材は、その下端に径方向内側に突出する当接部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の組み付け装置。
【請求項6】
前記Οリングを把持可能な把持爪を開閉駆動させる把持機構と、この把持機構を移動させる移動手段からなり、
前記ガイド部材上にΟリングを設置する供給ユニットを有することを特徴とする請求項1に記載の組み付け装置。
【請求項7】
前記ガイド部材には、前記把持爪が通過可能な切り欠き溝が形成されており、
前記移動手段は、把持機構に把持されたΟリングの下端を前記ガイド部材に当接させるとともに、前記把持機構を前記Οリングの下端と前記ガイド部材との当接箇所を中心とした円弧上に移動させることを特徴とする請求項6に記載の組み付け装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークに形成された環状溝にOリングを組み付ける組み付け装置に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、ワークに形成された環状溝にOリングを組み付ける組み付け装置として、特許文献1に記載のものが知られている。この組み付け装置は、円錐形状のガイド部材と、このガイド部材に外嵌可能な押込金具を備えており、前記ガイド部材には、Oリングが装着されている。このOリングが装着されたガイド部材をワーク上に載置後、前記押込金具をガイド部材に嵌合させてワーク側に移動させる構造であり、前記Oリングが押圧金具に押圧されて前記環状溝まで圧入される構造であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
実開昭59-120565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の組み付け装置は、押圧金具の内周面とガイド部材の外周面との間に隙間が生じるため、Oリングが当該隙間に入り込み、その表面にしわや傷が形成されることがあった。このように表面にしわや傷が形成されたり、ねじれたりしたOリングは、十分に機能を発揮できず、気密性が弱まる等の問題が生じることがあった。また、ワークの環状溝がアンダーカット形状でない場合、組み付け後、Oリングがワーク上から離脱するガイド部材等に張り付き、ガイド部材とともに持ち帰られることがあった。
【0005】
そのため、本発明は、Oリングにしわや傷をつけることなくワークに組み付け可能かつ、組み付けたOリングの持ち帰りを防止可能な組み付け装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために本発明は、ワークの平面部に形成された有底の環状溝にOリングを組み付ける組み付け装置において、前記ワーク上に設置され、Oリングを前記環状溝まで案内するガイド部材と、前記ガイド部材をワーク上に設置するツールユニットとを備え、前記ガイド部材は、ワークに向かうにつれて徐々に外径が大きくなる拡径部を有し、前記ツールユニットは、前記ガイド部材に挿着されたOリングを前記環状溝まで押し下げる複数本の押圧部材を有するツール部と、前記ツール部を昇降駆動させる昇降駆動源から構成され、前記押圧部材は、その下端が前記ガイド部材の拡径部に当接後、拡径部の傾斜に沿って湾曲することを特徴とする。なお、前記ツール部は、前記ガイド部材を着脱自在に保持する保持爪と、前記押圧部材を保持爪に対して接近離反させる往復駆動源を有していることが好ましい。また、前記押圧部材は、前記保持爪に対して上下方向相対移動可能に構成されており、前記ワーク上に載置されたガイド部材を回収する際、前記保持爪に保持されたガイド部材がワーク上面から所定の寸法離れるまで前記Οリングを環状溝側に押圧可能に構成されていることが好ましい。さらに前記往復駆動源は、前記昇降駆動源がツール部を上昇させ、前記押圧部材の下端と前記ワークの上面との間に前記環状溝の深さ寸法より短い所定の隙間が形成された後、前記保持爪から前記押圧部材を離反させるように構成されていることが好ましい。しかも、前記ガイド部材は、前記拡径部に連続する略円柱形状の案内部を有しており、前記押圧部材は、その下端に径方向内側に突出する当接部が設けられていることが好ましい。また、前記Οリングを把持可能な把持爪を開閉駆動させる把持機構と、この把持機構を移動させる移動手段からなり、前記ガイド部材上にΟリングを設置する供給ユニットを有することが好ましい。さらに、前記ガイド部材には、前記把持爪が通過可能な切り欠き溝が形成されており、前記移動手段は、把持機構に把持されたΟリングの下端を前記ガイド部材に当接させるとともに、前記把持機構を前記Οリングの下端と前記ガイド部材との当接箇所を中心とした円弧上に移動させることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
上記発明によれば、Οリングの組み込み時、押圧部材がガイド部材に沿って湾曲するため、押圧部材の下端は、湾曲による反発力でガイド部材に密着してその間に隙間が形成しない。この結果、Οリングが隙間に入り込むことにより生じるしわや傷等が防止される等の利点も有する。なお、ツール部がガイド部材を保持する保持爪を有するとともに往復駆動源が押圧部材を保持爪に対して接近離反させるため、ツール部を昇降させるのみでワーク上にガイド部材を設置する工程およびΟリングをワークに組み込む工程を実施可能等の利点も有する。また、ガイド部材がワーク上面から所定の寸法離れるまで押圧部材がΟリングを環状溝側に押圧するため、Oリングが離脱するガイド部材に張り付いて環状溝から外れることを防止可能等の利点がある。さらに、前記昇降駆動源がツール部を上昇させ、前記押圧部材の下端と前記ワークの上面との間に前記環状溝の深さ寸法より短い所定の隙間が形成された後、前記往復駆動源が前記保持爪から前記押圧部材を離反させるように構成されているため、Οリングが離脱する押圧部材に張り付いて環状溝から外れることを防止可能等の利点がある。これらにより、Οリングの表面に油分等が付着していても、ツール部の離脱時にΟリングがツール部と一緒にワークから外れることを防止可能等の利点も有する。しかも、押圧部材の下端に径方向内側に突出する当接部が設けられているため、ガイド部材が円柱形状の案内部を有していてもガイド部材と押圧部材との間に隙間が形成されない等の利点も有する。また、前記Οリングを把持可能な把持爪を開閉駆動させる把持機構と、この把持機構を移動させる移動手段からなり、前記ガイド部材上にΟリングを設置する供給ユニットを有するため、Οリングをガイド部材に設置する行程も自動化することが可能になる等の利点も有する。加えて、前記ガイド部材には、前記把持爪が通過可能な切り欠き溝が形成されており、前記移動手段は、把持機構に把持されたΟリングの下端を前記ガイド部材に当接させるとともに、前記把持機構を前記Οリングの下端と前記ガイド部材との当接箇所を中心とした円弧上に移動させている。このため、ガイド部材に設置されたΟリングの変形を最小源にすることが可能となり、ガイド部材上のΟリングが張力等で移動することが防止される等の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明に係る組み付け装置の構造を示す概略正面図である。
本発明に係るツールユニットの構造を示す要部拡大正面図である。
図2から次の状態に移行した状態を示す要部拡大正面図である。
(a)は図3のA-A断面平面図であり、(b)は(a)から次の状態に移行した状態を示す一部断面平面図である。
本発明に係るツールユニットの構造を示す要部拡大断面正面図である。
図5から次の状態に移行した状態を示す要部拡大断面正面図である。
図6から次の状態に移行した状態を示す要部拡大断面正面図である。
図7から次の状態に移行した状態を示す要部拡大断面正面図である。
図8から次の状態に移行した状態を示す要部拡大断面正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。図1において10は、ワークWにOリングRを組み付ける組み付け装置である。この組み付け装置10は、前記ワークWを搬送する搬送ユニット20と、ワークW上に設置されるガイド部材30と、このガイド部材30をワークW上に設置するツールユニット40と、前記OリングRを前記ガイド部材30上に載置する供給ユニット50と、これらの動作を制御する制御ユニットとを有している。
【0010】
前記ワークWは、厚さ方向に円形の貫通孔W1が形成されたリング形状部材であり、その上面には、前記貫通孔W1と中心を共有する環状溝W2が形成されている。また、前記OリングRは、前記ワークWの環状溝W2とほぼ同じ直径を有している。なお、前記環状溝W2は、OリングRの太さ径より浅く構成されており、当該環状溝W2に組み付けられたOリングRは、上方に突き出すよう構成されている。
(【0011】以降は省略されています)
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