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公開番号2025011135
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-23
出願番号2024168021,2021535537
出願日2024-09-27,2019-12-19
発明の名称核酸の標的化組込み
出願人ジェネンテック, インコーポレイテッド
代理人園田・小林弁理士法人
主分類C12N 5/10 20060101AFI20250116BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】組換えタンパク質の発現に適した標的化組込み(TI)宿主細胞および目的のポリペプチドを発現させる方法を提供する。
【解決手段】目的ポリペプチドを発現することができる宿主細胞であって、a)第1の目的ポリペプチドと、2つの組換え認識配列(RRS)に隣接する第1の選択マーカーとをコードする、標的化組込み外因性核酸目的配列(SOI)であって、前記標的化組込み外因性SOIが前記宿主細胞のゲノムの標的化遺伝子座内に組み込まれる、標的化組込み外因性核酸SOI、及び、b)第2の目的ポリペプチド及び第2の選択マーカーをコードするRI外因性核酸SOIであって、前記ランダム組込みSOIが前記宿主細胞のゲノムに少なくとも1回組み込まれる、外因性核酸SOI、を含む、宿主細胞を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
目的のポリペプチドを発現することができる宿主細胞であって、
a)第1の目的のポリペプチドと、2つの組換え認識配列(RRS)に隣接する第1の選択マーカーとをコードする、標的化組込み外因性核酸目的配列(SOI)であって、前記標的化組込み外因性SOIが前記宿主細胞のゲノムの標的化遺伝子座内に組み込まれる、標的化組込み外因性核酸SOI、および
b)第2の目的のポリペプチドおよび第2の選択マーカーをコードするランダム組込み外因性核酸SOIであって、前記ランダム組込みSOIが前記宿主細胞のゲノムに少なくとも1回組み込まれる、外因性核酸SOI、を含む、宿主細胞。
続きを表示(約 840 文字)【請求項2】
前記第1の目的のポリペプチドと前記第2の目的のポリペプチドとが同一である、請求項1に記載の宿主細胞。
【請求項3】
前記第1の選択マーカーと前記第2の選択マーカーとが同一である、請求項1に記載の宿主細胞。
【請求項4】
1個~10個のランダム組込み外因性核酸SOIを含む、請求項1に記載の宿主細胞。
【請求項5】
前記標的化遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同である、請求項1に記載の宿主細胞。
【請求項6】
前記宿主細胞のゲノムの標的化遺伝子座内に組み込まれた第2の目的のポリペプチドおよび第2の選択マーカーをコードする、第2の標的化組込み外因性核酸SOIをさらに含み、前記第1の標的化組込み外因性核酸SOIおよび前記第1の選択マーカーが第1のRRSおよび第3のRRSに隣接し、前記第2の標的化外因性SOIおよび第2の選択マーカーが第2のRRSおよび第3のRRSに隣接している、請求項1に記載の宿主細胞。
【請求項7】
前記目的のポリペプチドが、一本鎖抗体、抗体軽鎖、抗体重鎖、一本鎖Fv断片(scFv)およびFc融合タンパク質からなる群から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項8】
前記宿主細胞が哺乳動物宿主細胞である、請求項1~5のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項9】
前記宿主細胞が、ハムスター宿主細胞、ヒト宿主細胞、ラット宿主細胞、またはマウス宿主細胞である、請求項8に記載の宿主細胞。
【請求項10】
前記宿主細胞が、CHO宿主細胞、CHO K1宿主細胞、CHO K1SV宿主細胞、DG44宿主細胞、DUKXB-11宿主細胞、CHOK1S宿主細胞、またはCHO K1M宿主細胞である、請求項9に記載の宿主細胞。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2018年12月21日に出願された米国特許出願第62/784,019号に対する優先権を主張するものであり、その内容は参照によりその全体が組み込まれている。
続きを表示(約 3,900 文字)【技術分野】
【0002】
本開示の主題は、組換えタンパク質の発現に適した標的化組込み(TI)宿主細胞であって、該TI宿主細胞はスーパートランスフェクションされ、その結果外因性核酸がそれらのゲノムにコード化されてランダム組込み(RI)標的化組込み宿主細胞、ならびに前記スーパートランスフェクションされたTI宿主細胞の製造法、および使用法に関する。
【0003】
[配列表]
本明細書は、配列表(2019年12月19日に「00B2060866SEQ.txt」という名前のtxtファイルとして電子的に提出)を参照する。00B2060866SEQ.txtファイルは2019年12月10日に作成されたものであり、サイズは1,251,200バイトである。配列表の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0004】
細胞生物学および免疫学の急速な進歩により、がん、心血管疾患および代謝疾患を含む様々な疾患のための新規治療用組換えタンパク質を開発する需要が高まっている。これらのバイオ医薬品候補は、一般に、目的のタンパク質を発現することができる市販の細胞株によって製造される。例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞は、モノクローナル抗体を産生するように広く適合されている。
【0005】
市販の細胞株を開発するための従来の戦略は、目的のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列のランダム組込み、続いて目的のポリペプチドを産生する細胞株の選択および単離を含む。しかしながら、この手法にはいくつかの欠点がある。第1に、そのような組込みはまれな事象であるだけでなく、ヌクレオチド配列がどこに組み込まれる部位に関するランダム性を考慮すると、これらのまれな事象は様々な遺伝子発現および細胞増殖表現型をもたらし得る。「位置効果変異」として知られるそのような変異は、少なくとも部分的に、真核細胞ゲノムに存在する複雑な遺伝子調節ネットワーク、ならびに組込みおよび遺伝子発現のための特定のゲノム遺伝子座の利用可能性に起因する。第2に、ランダム組込み戦略は一般に、宿主細胞ゲノムに組み込まれる遺伝子コピーの数を制御しない。実際に、高産生細胞を得るために遺伝子増幅法がしばしば使用される。しかしながら、そのような遺伝子増幅は、不安定な細胞増殖および/または産物発現などの望ましくない細胞表現型をもたらし得る。第3に、ランダム組込みプロセスに固有の組込み遺伝子座の不均一性のために、目的のポリペプチドの望ましいレベルの発現を示す細胞株を単離するためにトランスフェクション後に数千のクローンをスクリーニングすることは時間がかかるとともに、労力を要する。そのような細胞株を単離した後でさえ、目的のポリペプチドの安定発現は保証されず、安定した市販の細胞株を得るためにはさらなるスクリーニングが必要な場合がある。最後に、ランダム組込み細胞株から作製されたポリペプチドは、高度な配列変動を示し、これは、部分的には、目的のポリペプチドの高レベルの発現を選択するために使用される選択剤の変異原性に起因し得る。
【発明の概要】
【0006】
本開示の主題は、一部は、組換えタンパク質の発現に適した標的化組込み(TI)宿主細胞であって、該TI宿主細胞はスーパートランスフェクションされ、その結果、外因性核酸がそれらのゲノムにコード化されてランダム組込み(RI)標的化組込み宿主細胞、ならびに前記スーパートランスフェクションされたTI宿主細胞の製造法、および使用法に関する。本開示の主題は、高い生産性を有する宿主細胞TI部位を提供するだけでなく、リコンビナーゼ媒介カセット交換(RMCE)によって宿主細胞の単一のTI遺伝子座に目的の複数の配列を導入する新規方法も提供し、本明細書に概説されるように、細胞をスーパートランスフェクションに供して、目的の配列の発現の増加を達成し、TI宿主細胞ゲノムに外因性核酸コードをランダムに組み込む(RI)ことによって目的の配列の発現増加を達成する。
【0007】
特定の実施形態では、スーパートランスフェクトされたTI宿主細胞は、最初から(RIに供される前に)宿主細胞のゲノムの遺伝子座内の組込み部位に組み込まれた外因性ヌクレオチド配列を含んでいるか、またはその後に(RIに供された後に)含むようになり、遺伝子座は配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同である。特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列のすぐ5’側のヌクレオチド配列は、NW_006874047.1のヌクレオチド41190~45269、NW_006884592.1のヌクレオチド63590~207911、NW_006881296.1のヌクレオチド253831~491909、NW_003616412.1のヌクレオチド69303~79768、NW_003615063.1のヌクレオチド293481~315265、NW_006882936.1のヌクレオチド2650443~2662054およびNW_003615411.1のヌクレオチド82214~97705と少なくとも約90%相同な配列からなる群から選択される。特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列のすぐ3’側のヌクレオチド配列は、NW_006874047.1のヌクレオチド45270~45490、NW_006884592.1のヌクレオチド207912~792374、NW_006881296.1のヌクレオチド491910~667813、NW_003616412.1のヌクレオチド79769~100059、NW_003615063.1のヌクレオチド315266~362442、NW_006882936.1のヌクレオチド2662055~2701768またはNW_003615411.1のヌクレオチド97706~105117と少なくとも約90%相同な配列からなる群から選択される。特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同な配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列に作動可能に連結される。
【0008】
特定の実施形態では、スーパートランスフェクトされたTI宿主細胞は、最初から(RIに供される前に)、LOC107977062(配列番号1)、LOC100768845(配列番号2)、ITPR2(配列番号3)、ERE67000.1(配列番号4)、UBAP2(配列番号5)、MTMR2(配列番号6)、XP_003512331.2(配列番号7)、およびそれらと少なくとも約90%相同な配列からなる群から選択される内因性遺伝子内の組込み部位に組み込まれた外因性ヌクレオチド配列を含んでいるか、またはその後に(RIに供された後に)含むようになる。特定の実施形態では、外因性ヌクレオチド配列は、LOC107977062(配列番号1)、LOC100768845(配列番号2)、ITPR2(配列番号3)、ERE67000.1(配列番号4)、UBAP2(配列番号5)、MTMR2(配列番号6)、XP_003512331.2(配列番号7)、およびそれらと少なくとも約90%相同な配列からなる群から選択される内因性遺伝子に作動可能に連結された組込み部位に組み込まれる。特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチドは、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同な配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列に隣接する。特定の実施形態では、外因性ヌクレオチド配列は、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同な配列からなる群から選択される配列の全部または一部に直接隣接する組込み部位に組み込まれる。
【0009】
特定の実施形態では、TI宿主細胞は、哺乳動物の宿主細胞である。特定の実施形態では、TI宿主細胞は、ハムスター宿主細胞、ヒト宿主細胞、ラット宿主細胞、またはマウス宿主細胞である。特定の実施形態では、TI宿主細胞は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)宿主細胞、CHO K1宿主細胞、CHO K1SV宿主細胞、DG44宿主細胞、DUKXB-11宿主細胞、CHOK1S宿主細胞、またはCHO K1M宿主細胞である。
【0010】
特定の実施形態では、宿主細胞は、外因性ヌクレオチド配列を含み、その配列の組込みが標的化され、外因性ヌクレオチド配列は1つ以上の組換え認識配列(RRS)を含む。特定の実施形態では、外因性ヌクレオチド配列は、少なくとも2つのRRSを含む。RRSは、リコンビナーゼ、例えば、Creリコンビナーゼ、FLPリコンビナーゼ、Bxb1インテグラーゼ、またはφC31インテグラーゼによって認識され得る。RRSは、LoxP配列、LoxP L3配列、LoxP 2L配列、LoxFas配列、Lox511配列、Lox2272配列、Lox2372配列、Lox5171配列、Loxm2配列、Lox71配列、Lox66配列、FRT配列、Bxb1 attP配列、Bxb1 attB配列、φC31 attP配列、およびφC31 attB配列からなる群から選択され得る。
(【0011】以降は省略されています)

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