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公開番号2025008807
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2023111325
出願日2023-07-06
発明の名称リーン車両および傾斜センサの誤差検出方法および較正方法
出願人ヤマハ発動機株式会社
代理人個人,個人
主分類B62K 5/10 20130101AFI20250109BHJP(鉄道以外の路面車両)
要約【課題】リーン車両における傾斜センサの原点ずれの判定および傾斜センサの較正を容易に行うことができるようにすること。
【解決手段】リーンアクチュエータ33を制御する制御装置36は、IMU45により検出される車体フレーム10のバンク角(検出バンク角)が零となるようにリーンアクチュエータ33を制御する自立制御部60と、自立制御を実行しているときに、検出バンク角が一定、かつ、リーンアクチュエータ33の出力トルクの絶対値が予め定められた閾値以上か否かに基づいて、IMU45の原点ずれの有無を判定する判定部70と、を備えている。
【選択図】図9


特許請求の範囲【請求項1】
ヘッドパイプを有する車体フレームと、
前記ヘッドパイプよりも左方に配置された左車輪と、
前記ヘッドパイプよりも右方に配置された右車輪と、
前記車体フレームと前記左車輪と前記右車輪とを連結するリンク機構と、
前記車体フレームに取り付けられ、前記車体フレームのバンク角を検出する傾斜センサと、
前記車体フレームに対して車両前後方向に延びる回転軸線周りのトルクを与えるリーンアクチュエータと、
前記傾斜センサから信号を受け、前記リーンアクチュエータを制御する制御装置と、
前記リーンアクチュエータの出力トルクを検出するトルク検出装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記傾斜センサにより検出される前記車体フレームのバンク角である検出バンク角が零となるように、前記リーンアクチュエータを制御する自立制御を実行する自立制御部と、
前記自立制御を実行しているときに、前記検出バンク角が一定、かつ、前記リーンアクチュエータの出力トルクの絶対値が予め定められた閾値以上か否かに基づいて、前記傾斜センサの原点ずれの有無を判定する判定部と、を有している、リーン車両。
続きを表示(約 3,200 文字)【請求項2】
前記制御装置は、
予め定められた前記リーンアクチュエータの出力トルクと前記傾斜センサのずれ量との関係を記憶したずれ量記憶部と、
前記原点ずれが有ると前記判定部が判定したときに、前記トルク検出装置が検出した前記リーンアクチュエータの出力トルクと前記ずれ量記憶部に記憶されている前記関係とに基づいて、前記傾斜センサのずれ量を算出するずれ量算出部と、
を有している、請求項1に記載のリーン車両。
【請求項3】
前記自立制御部は、
予め定められた前記検出バンク角と前記リーンアクチュエータの出力トルクとの関係を記憶した出力トルク記憶部と、
前記傾斜センサが検出した検出バンク角と前記出力トルク記憶部に記憶されている前記関係とに基づいて、前記リーンアクチュエータの出力トルクを決定する出力トルク決定部と、
前記出力トルク決定部により決定された出力トルクを出力するように前記リーンアクチュエータを制御する制御実行部と、を有し、
前記ずれ量記憶部に記憶されている前記関係は、
前記車体フレームのバンク角がBのときに、前記車体フレームに作用する重力により生じる前記車体フレームの前記回転軸線周りのトルクをTとし、
前記出力トルク記憶部に記憶されている前記関係において、前記リーンアクチュエータの出力トルクがTのときの検出バンク角をAとしたときに、
前記リーンアクチュエータの出力トルクがTのときの前記傾斜センサのずれ量CをC=B-Aとする関係である、請求項2に記載のリーン車両。
【請求項4】
前記制御装置は、前記傾斜センサの原点位置をP0、前記ずれ量算出部によって算出された前記ずれ量をΔPとしたときに、前記傾斜センサの原点位置をP0からP0+ΔPに較正する較正部を有している、請求項2または3に記載のリーン車両。
【請求項5】
前記制御装置は、前記原点ずれが有ると前記判定部が判定すると、前記傾斜センサの原点位置を変更する原点位置変更部を有し、
前記自立制御部は、前記原点位置変更部が原点位置を変更した後、変更後の原点位置に基づいて前記自立制御を実行するように構成され、
前記原点位置変更部は、前記原点ずれが無いと前記判定部が判定するまで、前記傾斜センサの原点位置の変更を繰り返すように構成されている、請求項1に記載のリーン車両。
【請求項6】
前記リンク機構は、
前記左車輪を支持する左車輪支持部材と、
前記左車輪支持部材の右方に配置され、前記右車輪を支持する右車輪支持部材と、
前記車体フレームの左方および右方に延びる連結部材と、
前記車体フレームを前記連結部材に回転可能に連結する車両前後方向に延びる中央連結軸と、
前記左車輪支持部材を前記連結部材に回転可能に連結する車両前後方向に延びる左連結軸と、
前記右車輪支持部材を前記連結部材に回転可能に連結する車両前後方向に延びる右連結軸と、を備え、
前記リーンアクチュエータは、前記車体フレームに対して前記中央連結軸周りのトルクを付与するように構成されている、請求項1に記載のリーン車両。
【請求項7】
前記傾斜センサは、前記車体フレームに設けられたIMUである、請求項1に記載のリーン車両。
【請求項8】
ヘッドパイプを有する車体フレームと、
前記ヘッドパイプよりも左方に配置された左車輪と、
前記ヘッドパイプよりも右方に配置された右車輪と、
前記車体フレームと前記左車輪と前記右車輪とを連結するリンク機構と、
前記車体フレームに取り付けられ、前記車体フレームのバンク角を検出する傾斜センサと、
前記車体フレームに対して車両前後方向に延びる回転軸線周りのトルクを与えるリーンアクチュエータと、
前記傾斜センサから信号を受け、前記リーンアクチュエータを制御する制御装置と、
を備えたリーン車両における前記傾斜センサの誤差を検出する方法であって、
前記傾斜センサにより検出される前記車体フレームのバンク角である検出バンク角が零となるように前記リーンアクチュエータを制御する自立制御を実行し、
前記リーンアクチュエータの出力トルクを検出し、
前記検出バンク角が一定、かつ、前記リーンアクチュエータの出力トルクの絶対値が予め定められた閾値以上か否かに基づいて、前記傾斜センサの原点ずれの有無を判定する、リーン車両の傾斜センサの誤差検出方法。
【請求項9】
ヘッドパイプを有する車体フレームと、
前記ヘッドパイプよりも左方に配置された左車輪と、
前記ヘッドパイプよりも右方に配置された右車輪と、
前記車体フレームと前記左車輪と前記右車輪とを連結するリンク機構と、
前記車体フレームに取り付けられ、前記車体フレームのバンク角を検出する傾斜センサと、
前記車体フレームに対して車両前後方向に延びる回転軸線周りのトルクを与えるリーンアクチュエータと、
前記傾斜センサから信号を受け、前記リーンアクチュエータを制御する制御装置と、
を備えたリーン車両における前記傾斜センサの較正方法であって、
前記傾斜センサにより検出される前記車体フレームのバンク角である検出バンク角が零となるように前記リーンアクチュエータを制御する自立制御を実行し、
前記リーンアクチュエータの出力トルクを検出し、
前記検出バンク角が一定、かつ、前記リーンアクチュエータの出力トルクの絶対値が予め定められた閾値以上か否かに基づいて、前記傾斜センサの原点ずれの有無を判定し、
前記傾斜センサの原点ずれが有ると判定したときに、前記リーンアクチュエータの出力トルクと、予め定められた前記リーンアクチュエータの出力トルクと前記傾斜センサのずれ量との関係とに基づいて、前記傾斜センサのずれ量ΔPを算出し、
前記傾斜センサの原点位置をP0としたときに、前記傾斜センサの原点位置をP0からP0+ΔPに較正する、リーン車両の傾斜センサの較正方法。
【請求項10】
ヘッドパイプを有する車体フレームと、
前記ヘッドパイプよりも左方に配置された左車輪と、
前記ヘッドパイプよりも右方に配置された右車輪と、
前記車体フレームと前記左車輪と前記右車輪とを連結するリンク機構と、
前記車体フレームに取り付けられ、前記車体フレームのバンク角を検出する傾斜センサと、
前記車体フレームに対して車両前後方向に延びる回転軸線周りのトルクを与えるリーンアクチュエータと、
前記傾斜センサから信号を受け、前記リーンアクチュエータを制御する制御装置と、
を備えたリーン車両における前記傾斜センサの較正方法であって、
前記傾斜センサにより検出される前記車体フレームのバンク角である検出バンク角が零となるように前記リーンアクチュエータを制御する自立制御を実行し、
前記リーンアクチュエータの出力トルクを検出し、
前記検出バンク角が一定、かつ、前記リーンアクチュエータの出力トルクの絶対値が予め定められた閾値以上か否かに基づいて、前記傾斜センサの原点ずれの有無を判定し、
前記傾斜センサの原点ずれが有ると判定したときに、前記傾斜センサの原点位置を変更し、
変更後の原点位置に基づいて前記自立制御を実行し、
前記原点ずれが無いと判定するまで、前記原点ずれの有無の判定、前記原点位置の変更、および前記自立制御の実行を繰り返す、リーン車両の傾斜センサの較正方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、リーン車両および傾斜センサの誤差検出方法および較正方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、左車輪と、右車輪と、地面に対して傾斜可能な車体フレームとを備えたリーン車両が知られている。また、例えば国際公開第2020/045622号に記載されているように、車体フレームの傾斜角度を検出する傾斜センサと、車体フレームを傾斜または直立させるリーンアクチュエータと、傾斜センサの検出結果に基づいてリーンアクチュエータを制御する制御装置とを備えたリーン車両が知られている。
【0003】
上記リーン車両によれば、例えば、車体フレームの鉛直線からの傾斜角度(すなわち、バンク角)が零となるようにリーンアクチュエータを制御することにより、車体フレームを自立させることができる。すなわち、車体フレームを自立させる自立制御が可能である。リーン車両の停止時に自立制御を行うことにより、ライダーが車体フレームを支えなくても車体フレームを直立させることができる。また、上記リーン車両によれば、左折時または右折時にリーンアクチュエータが車体フレームを傾斜させることにより、ライダーはリーン車両を容易に旋回させることができる。このように、上記リーン車両によれば、傾斜センサおよびリーンアクチュエータを利用することにより、様々な制御が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2020/045622号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、傾斜センサを車体フレームに取り付ける際に、傾斜センサの位置または姿勢が正規の位置または姿勢からずれる場合がある。すなわち、傾斜センサの取付誤差が発生する場合がある。また、傾斜センサを車体フレームに取り付ける取付部品に経年劣化が生じる場合がある。取付部品に経年劣化が生じると、傾斜センサの位置または姿勢がずれる場合がある。ここで、傾斜センサの位置または姿勢がずれてしまうと、傾斜センサの原点位置が正規の位置からずれてしまう。以下、原点位置が正規の位置からずれることを、原点ずれと称する。
【0006】
傾斜センサに原点ずれが生じると、リーンアクチュエータを用いた制御を良好に行うことができない。例えば、傾斜センサに原点ずれが生じていることに気づかずに自立制御を実行すると、リーンアクチュエータは車体フレームを傾いた姿勢に保持しようとする。そのため、車体フレームを自動的に直立させることができない。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、リーン車両における傾斜センサの原点ずれの有無を容易に判定できるようにすることである。また、本発明の他の目的は、リーン車両の傾斜センサの原点ずれを容易に較正できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ここに開示されるリーン車両は、ヘッドパイプを有する車体フレームと、前記ヘッドパイプよりも左方に配置された左車輪と、前記ヘッドパイプよりも右方に配置された右車輪と、前記車体フレームと前記左車輪と前記右車輪とを連結するリンク機構と、前記車体フレームに取り付けられ、前記車体フレームのバンク角を検出する傾斜センサと、前記車体フレームに対して車両前後方向に延びる回転軸線周りのトルクを与えるリーンアクチュエータと、前記傾斜センサから信号を受け、前記リーンアクチュエータを制御する制御装置と、前記リーンアクチュエータの出力トルクを検出するトルク検出装置と、を備える。前記制御装置は、前記傾斜センサにより検出される前記車体フレームのバンク角である検出バンク角が零となるように、前記リーンアクチュエータを制御する自立制御を実行する自立制御部と、前記自立制御を実行しているときに、前記検出バンク角が一定、かつ、前記リーンアクチュエータの出力トルクの絶対値が予め定められた閾値以上か否かに基づいて、前記傾斜センサの原点ずれの有無を判定する判定部と、を有している。
【0009】
上記リーン車両によれば、傾斜センサに原点ずれが生じていない場合、自立制御を実行することにより、車体フレームは直立する。車体フレームが直立している場合、車体フレームに作用する重力は鉛直下向きに作用するので、重力は車体フレームを傾斜させるトルクとして作用しない。そのため、リーンアクチュエータの出力トルクの絶対値が比較的小さくても、リーンアクチュエータは車体フレームを直立した姿勢に維持することができる。よって、傾斜センサに原点ずれが生じていない場合、リーンアクチュエータの出力トルクの絶対値は抑えられる。
【0010】
一方、傾斜センサに原点ずれが生じている場合、制御装置は、車体フレームが鉛直線から傾いた姿勢を直立した姿勢と誤認識することになる。リーンアクチュエータは、自立制御の際に、車体フレームを傾いた姿勢に維持しようとする。ところが、車体フレームが傾いている場合、車体フレームに作用する重力は、車体フレームを傾斜させるトルクとして作用する。そのため、リーンアクチュエータは、車体フレームの姿勢を維持するために、そのトルクに見合ったトルクを出力する必要がある。リーンアクチュエータは、比較的大きなトルクを出力する必要がある。よって、傾斜センサに原点ずれが生じている場合、リーンアクチュエータの出力トルクの絶対値は比較的大きくなる。
(【0011】以降は省略されています)

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