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公開番号2024150399
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-23
出願番号2024023635
出願日2024-02-20
発明の名称駐輪機
出願人株式会社CPM
代理人個人
主分類B62H 3/08 20060101AFI20241016BHJP(鉄道以外の路面車両)
要約【課題】耐久性を向上して保守管理の容易化を図ることのできる駐輪機を提供する。
【解決手段】空車状態の昇降ラック100と支柱1に沿って昇降する第一可動体11とが組付けられ、常時上方に引き上げられる第一昇降部10と、昇降ラック100を実車状態となすために搬入・搭載される自転車と支柱1に沿って昇降する第二昇降部20と、実車状態では第一昇降部10及び第二昇降部20の一体昇降作動を可能とし、かつ空車状態となったときには第一昇降部10が単独で上昇するオートリターン作動を可能とする係合部30と、を備える駐輪機において、オートリターン作動の開始時に、支柱1の下部においてロック状態の第二可動体21に対し第一可動体11を上方へ離間(浮上)させるように作用して、第一昇降部10への付勢力を補助する助勢部材40が設けられる。
【選択図】図24
特許請求の範囲【請求項1】
自転車を水平姿勢で搭載可能な昇降ラックと、垂直上下方向に筒状形態で立設された支柱に沿って前記昇降ラックを片持ち状に長手方向へ突出支持しつつ昇降可能な第一可動体とを有し、自転車が非搭載である空車状態の前記昇降ラックと前記第一可動体との合計荷重である定常負荷を牽引する機能を有する第一付勢部材によって常時上方に引き上げるように付勢される第一昇降部と、
前記第一可動体の下方に位置しそれと一体化した状態で前記支柱に沿って昇降可能な第二可動体を有し、前記昇降ラックを実車状態となすために搬入・搭載される自転車と前記第二可動体との合計荷重である駐輪負荷を牽引する機能を有する第二付勢部材によって常時上方に引き上げるように付勢される第二昇降部と、
前記第一可動体と前記第二可動体との間に設けられ、それらを前記支柱の下部において個別にロック可能にするとともに、前記実車状態では前記第一昇降部及び前記第二昇降部の一体昇降作動を可能とし、かつ前記支柱の下部において前記実車状態の前記昇降ラックから自転車を搬出して前記空車状態となったときには前記第一昇降部が単独で上昇するオートリターン作動を可能とする係合部と、を備える駐輪機において、
前記第一付勢部材は、前記定常負荷に比して15%未満の超過分を含む重量を有する釣り合い用の重錘であり、
前記オートリターン作動の開始時に、前記支柱の下部においてロック状態の前記第二可動体に対しロック解除された前記第一可動体を上方へ離間させるように作用することにより、前記支柱の上部に位置する前記重錘の重力に基づく前記第一昇降部への上方付勢力を補助するための助勢部材が配置されていることを特徴とする駐輪機。
続きを表示(約 2,600 文字)【請求項2】
基準面に設定される横方向に沿って直線状に配設された固定レールに対し平面視で直交又は斜め交差する長手方向に載置され前記固定レール上をスライド可能な複数のスライドラックを含む下段駐輪装置と、横方向に沿って基準面から一定のピッチで垂直上下方向に筒状形態で立設された支柱ごとに片持ち状に長手方向へ突出して支持され前記支柱に沿って昇降可能な昇降ラックを含む上段駐輪装置とを有し、前記スライドラックの横方向へのスライドにより生じた空きスペースにおいて前記昇降ラックが前記支柱の上部と下部との間で昇降可能となる上下2段式の駐輪機であり、
さらに前記上段駐輪装置は、
自転車を水平姿勢で搭載可能な前記昇降ラックと、前記昇降ラックを支持しつつ昇降可能な第一可動体とを有し、自転車が非搭載である空車状態の前記昇降ラックと前記第一可動体との合計荷重である定常負荷を牽引する機能を有する第一付勢部材によって常時上方に引き上げるように付勢される第一昇降部と、
前記第一可動体の下方に位置しそれと一体化した状態で前記支柱に沿って昇降可能な第二可動体を有し、前記昇降ラックを実車状態となすために搬入・搭載される自転車と前記第二可動体との合計荷重である駐輪負荷を牽引する機能を有する第二付勢部材によって常時上方に引き上げるように付勢される第二昇降部と、
前記第一可動体と前記第二可動体との間に設けられ、それらを前記支柱の下部において個別にロック可能にするとともに、前記実車状態では前記第一昇降部及び前記第二昇降部の一体昇降作動を可能とし、かつ前記支柱の下部において前記実車状態の前記昇降ラックから自転車を搬出して前記空車状態となったときには前記第一昇降部が単独で上昇するオートリターン作動を可能とする係合部と、を備える駐輪機において、
前記第一付勢部材は、前記定常負荷に比して15%未満の超過分を含む重量を有する釣り合い用の重錘であり、
前記オートリターン作動の開始時に、前記支柱の下部においてロック状態の前記第二可動体に対しロック解除された前記第一可動体を上方へ離間させるように作用することにより、前記支柱の上部に位置する前記重錘の重力に基づく前記第一昇降部への上方付勢力を補助するための助勢部材が配置されていることを特徴とする駐輪機。
【請求項3】
前記係合部は、前記第一可動体から下向きに突出形成され、第一圧接面を有する第一係合部と、前記第二可動体から上向きに突出形成され、前記第一圧接面に対向し長手方向に沿って相対移動可能な第二圧接面を有する第二係合部と、を含み、
前記実車状態においては、前記第一圧接面と前記第二圧接面との圧接により生じる水平方向の圧接力により前記第一昇降部及び前記第二昇降部の一体昇降作動が可能となる一方、
前記オートリターン作動においては、前記昇降ラックから自転車の搬出が開始され終了するまでの間に前記第一圧接面と前記第二圧接面とが離間して水平方向の圧接力が作用しなくなるとともに、前記昇降ラックから自転車の搬出が完了したときに前記助勢部材の上下方向の補助付勢力が作用する請求項1又は請求項2に記載の駐輪機。
【請求項4】
前記助勢部材の補助付勢力は、前記第一圧接面と前記第二圧接面との離間に基づき水平方向の圧接力が作用しなくなった後に前記第一可動体を上向きに押し上げるように作用する請求項3に記載の駐輪機。
【請求項5】
前記助勢部材は前記第一可動体の下面と前記第二可動体の上面との間に上下方向に配置された圧縮コイルばねであり、
前記圧縮コイルばねは前記第一圧接面と前記第二圧接面との離間に基づき水平方向の圧接力が作用しなくなった後に上下方向に伸長し、前記補助付勢力が前記第一可動体の下面を上向きに押し上げるように作用する請求項4に記載の駐輪機。
【請求項6】
前記圧縮コイルばねは、前記第一可動体と前記第二可動体のうちのいずれか一方に固定されている請求項5に記載の駐輪機。
【請求項7】
前記助勢部材は、前記支柱の内壁部下面と前記重錘の頂面との間に上下方向に配置された圧縮コイルばねであり、
前記圧縮コイルばねは前記第一圧接面と前記第二圧接面との離間に基づき水平方向の圧接力が作用しなくなった後に上下方向に伸長し、前記補助付勢力が前記重錘の頂面を下向きに押し下げるように作用する請求項4に記載の駐輪機。
【請求項8】
前記第一昇降部において前記昇降ラックと前記重錘とを連結するための巻き掛け伝動機構のワイヤロープの一端が前記圧縮コイルばねを挿通し、前記重錘の頂面に接続されるとともに、前記オートリターン作動の開始時において前記圧縮コイルばねの両端が前記支柱の内壁部下面及び前記重錘の頂面に接触して圧縮保持される請求項7に記載の駐輪機。
【請求項9】
前記係合部は、前記第二可動体をロック状態に拘束するために前記支柱の下部に固定配置された規制片と、前記支柱の下部において前記昇降ラックから自転車の搬出が開始され終了するまでの間に長手方向支持側に進出して前記第二可動体を前記支柱にロック状態とするために前記第二可動体に支持されたロック体と、を含み、
前記第二可動体が前記支柱の下部においてロック状態にあるとき、前記ロック体の上面は前記規制片の下面に対し上下方向で対向配置されるとともに、前者は上下方向へ移動して後者と接触又は離間可能であり、
前記オートリターン作動の開始直前においては前記ロック体の上面は前記規制片の下面から下方に離間して対向する実質ロック位置にて前記支柱にロック状態となる一方、前記オートリターン作動の開始直後においては前記ロック体の上面は前記規制片の下面と接触する完全ロック位置にて前記支柱にロック状態となる請求項4に記載の駐輪機。
【請求項10】
前記重錘は組立可能に分割して形成されるとともに、前記支柱の内部に挿入されたとき前記支柱の外部から着脱可能に固定保持される請求項1又は請求項2に記載の駐輪機。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は駐輪機に関し、上下2段式の駐輪機にも適用できる。
続きを表示(約 3,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年の駐輪機では、自転車を水平姿勢で搭載し垂直上下方向に移動する昇降ラックを有し、自転車の搭載時(実車状態)及び非搭載時(空車状態)に作業者(利用者)による昇降ラックの上下動操作をアシストするものが普及している。さらに、自転車を搬出して空車状態の昇降ラックを自動的に持ち上げる、昇降ラックの自動戻し(以下の記載では、オートリターン作動ともいう)を可能とするものも広く採用されている。
【0003】
このような駐輪機は特許文献1~3に開示されるように、第一昇降部と第二昇降部と係合部とを備える。具体的には次のような構造を有している。
・第一昇降部は、自転車を水平姿勢で搭載可能な昇降ラックと、垂直上下方向に筒状形態で立設された支柱に沿って昇降ラックを片持ち状に長手方向へ突出支持しつつ昇降可能な第一可動体とを有し、自転車が非搭載である空車状態の昇降ラックと第一可動体との合計荷重である定常負荷を牽引する機能を有する第一付勢部材によって常時上方に引き上げるように付勢される。
・第二昇降部は、第一昇降部の下方に配置され、支柱に沿って第一可動体と一体化した状態で昇降可能な第二可動体を有し、昇降ラックを実車状態となすために搬入・搭載される自転車と第二可動体との合計荷重である駐輪負荷を牽引する機能を有する第二付勢部材によって常時上方に引き上げるように付勢される。
・係合部は、第一可動体と第二可動体との間に設けられ、それらを支柱の下部において個別にロック可能にするとともに、実車状態では第一昇降部及び第二昇降部の一体昇降作動を可能とし、かつ支柱の下部において実車状態の昇降ラックから自転車を搬出して空車状態となったときには第一昇降部が単独で上昇するオートリターン作動を可能とする。
【0004】
そして、特許文献1~3の第一付勢部材には、いずれも定荷重ばねが用いられている。定荷重ばねは、長尺の板ばねをコイル状に巻いたものであり、撓み量が変化してもばね力(直線に引き伸ばすときに生じる戻り力)がほぼ一定になる(変化量が小さい)利点があるとされている。
【0005】
ところが、実際には、定荷重ばねのばね力(付勢力)には定格値に対して±15%程度の許容幅が設定され、定格値(標準ばね力)に対し-15%~+15%の範囲内(許容幅)のばね力を発生する製品であれば定格値の合格品として扱われている。例えば定常負荷が7.0kgの場合、一般的には超過分7%の付勢力(すなわち約7.5kg)でも十分に牽引可能であるところ、定格値(標準ばね力)=7.0kgの定荷重ばねを用いると-側の許容幅において付勢力不足(定常負荷に届かない)が発生するので、定格値(標準ばね力)=8.2kg[ばね力許容幅は7.0kg(-15%)~9.4kg(+15%)]以上を採用する必要がある。そして、製造工程等の理由から、製品個々の定荷重ばねが発生するばね力は定格値(8.2kg)に対する許容幅(±15%)の中で広範囲にばらつく傾向があることも知られている。したがって、駐輪場に複数の駐輪機を設置する際に、オートリターン作動における昇降ラックの上昇スピードが駐輪機毎に大きく異ならないようにすべての定荷重ばねのばね力を初期調整しなければならなくなる。
【0006】
さらに、長期間の使用によって定荷重ばねの巻胴部分には塵埃、土砂、錆等が付着しやすく、これら回転部分の摺動抵抗の増加により定荷重ばねのばね力は低下しやすい。しかも、使用者にとって便利であるはずのオートリターン作動が繰り返し実行されるほどばね力の低下が早くなるという皮肉な結果を招来することになる。したがって、すべての駐輪機について定荷重ばねの経時変化(ばね力の低下)に応じて定期的に又は臨時に補修調整(ばね力再生又は交換)しなければならなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第4265692号公報
特開2014-156238号公報
特許第6183873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、第一付勢部材に重錘を用いかつ助勢部材を設けることにより、定荷重ばねを用いた場合のような付勢力調整の煩わしさを解消し、オートリターン作動(すなわち定常負荷牽引機能)の安定性を長期にわたり確保するとともに、耐久性を向上して保守管理の容易化を図ることのできる駐輪機を提供することにある。
【発明の概要】
課題を解決するための手段及び発明の効果
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の駐輪機は、
自転車を水平姿勢で搭載可能な昇降ラックと、垂直上下方向に筒状形態で立設された支柱に沿って前記昇降ラックを片持ち状に長手方向へ突出支持しつつ昇降可能な第一可動体とを有し、自転車が非搭載である空車状態の前記昇降ラックと前記第一可動体との合計荷重である定常負荷を牽引する機能を有する第一付勢部材によって常時上方に引き上げるように付勢される第一昇降部と、
前記第一可動体の下方に位置しそれと一体化した状態で前記支柱に沿って昇降可能な第二可動体を有し、前記昇降ラックを実車状態となすために搬入・搭載される自転車と前記第二可動体との合計荷重である駐輪負荷を牽引する機能を有する第二付勢部材によって常時上方に引き上げるように付勢される第二昇降部と、
前記第一可動体と前記第二可動体との間に設けられ、それらを前記支柱の下部において個別にロック可能にするとともに、前記実車状態では前記第一昇降部及び前記第二昇降部の一体昇降作動を可能とし、かつ前記支柱の下部において前記実車状態の前記昇降ラックから自転車を搬出して前記空車状態となったときには前記第一昇降部が単独で上昇するオートリターン作動を可能とする係合部と、を備える駐輪機において、
前記第一付勢部材は、前記定常負荷に比して15%未満の超過分を含む重量を有する釣り合い用の重錘[即ちバランスウェイト/カウンターウェイト]であり、
前記オートリターン作動の開始時に[厳密に言うと開始に先立って]、前記支柱の下部においてロック状態の前記第二可動体に対しロック解除された前記第一可動体を上方へ離間(浮上)させるように作用することにより、前記支柱の上部に位置する前記重錘の重力に基づく前記第一昇降部への上方付勢力を補助するための助勢部材が(例えば前記支柱の内部に)配置されていることを特徴とする。
【0010】
また、上記課題を解決するために、本発明の駐輪機は、
基準面に設定される横方向に沿って直線状に配設された固定レールに対し平面視で直交又は斜め交差する長手方向に載置され前記固定レール上をスライド可能な複数のスライドラックを含む下段駐輪装置と、横方向に沿って基準面から一定のピッチで垂直上下方向に筒状形態で立設された支柱ごとに片持ち状に長手方向へ突出して支持され前記支柱に沿って昇降可能な昇降ラックを含む上段駐輪装置とを有し、前記スライドラックの横方向へのスライドにより生じた空きスペースにおいて前記昇降ラックが前記支柱の上部と下部との間で昇降可能となる上下2段式の駐輪機であり、
さらに前記上段駐輪装置は、
自転車を水平姿勢で搭載可能な前記昇降ラックと、前記昇降ラックを支持しつつ昇降可能な第一可動体とを有し、自転車が非搭載である空車状態の前記昇降ラックと前記第一可動体との合計荷重である定常負荷を牽引する機能を有する第一付勢部材によって常時上方に引き上げるように付勢される第一昇降部と、
前記第一可動体の下方に位置しそれと一体化した状態で前記支柱に沿って昇降可能な第二可動体を有し、前記昇降ラックを実車状態となすために搬入・搭載される自転車と前記第二可動体との合計荷重である駐輪負荷を牽引する機能を有する第二付勢部材によって常時上方に引き上げるように付勢される第二昇降部と、
前記第一可動体と前記第二可動体との間に設けられ、それらを前記支柱の下部において個別にロック可能にするとともに、前記実車状態では前記第一昇降部及び前記第二昇降部の一体昇降作動を可能とし、かつ前記支柱の下部において前記実車状態の前記昇降ラックから自転車を搬出して前記空車状態となったときには前記第一昇降部が単独で上昇するオートリターン作動を可能とする係合部と、を備える駐輪機において、
前記第一付勢部材は、前記定常負荷に比して15%未満の超過分を含む重量を有する釣り合い用の重錘[即ちバランスウェイト/カウンターウェイト]であり、
前記オートリターン作動の開始時に[厳密に言うと開始に先立って]、前記支柱の下部においてロック状態の前記第二可動体に対しロック解除された前記第一可動体を上方へ離間(浮上)させるように作用することにより、前記支柱の上部に位置する前記重錘の重力に基づく前記第一昇降部への上方付勢力を補助するための助勢部材が(例えば前記支柱の内部に)配置されていることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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