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公開番号
2025012105
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-24
出願番号
2023114690
出願日
2023-07-12
発明の名称
船外機および船舶
出願人
ヤマハ発動機株式会社
代理人
個人
主分類
B63H
20/08 20060101AFI20250117BHJP(船舶またはその他の水上浮揚構造物;関連艤装品)
要約
【課題】アノード電極に導通されたシリンダと、シリンダ内を移動するピストンおよびロッドとの導通をより確実に確保して、水に触れるロッドを防食することが可能な船外機および船舶を提供する。
【解決手段】この船外機101は、船外機本体1と、金属製のシリンダ50と、ピストン51およびトリムロッド52を有し、ピストン51を移動させてトリムロッド52を伸縮させる金属製の移動体53とを含み、トリムロッド52により船外機本体1を押し上げるシリンダ装置4と、シリンダ50と導通するアノード電極3と、シリンダ50内に設けられ、弾性変形可能に構成され、シリンダ50と移動体53との間において弾性変形して、シリンダ50と移動体53との両方に対する接触状態を保持する金属製の導通部材7と、を備え、導通部材7は、シリンダ50内を移動する移動体53の移動時においてもトリムロッド52とシリンダ50との導通状態を確保する。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
船外機本体と、
金属製のシリンダと、ピストンおよび前記ピストンに固定されたロッドを有し、前記シリンダ内で前記ピストンを移動させて前記ロッドを伸縮させる金属製の移動体とを含み、伸縮する前記ロッドにより前記船外機本体を押し上げるシリンダ装置と、
前記シリンダと導通状態で水面下に配置される防食用のアノード電極と、
前記シリンダ内に設けられ、弾性変形可能に構成され、前記シリンダと前記移動体との間において弾性変形することにより、前記シリンダと前記移動体との両方に対する接触状態を保持する金属製の導通部材と、を備え、
前記導通部材は、前記シリンダ内を移動する前記移動体の移動時においても前記ロッドと前記シリンダとの導通状態を確保するように構成されている、船外機。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記シリンダ装置は、前記ロッドが挿通された状態で前記シリンダに設けられ、前記シリンダの内部空間を封止する金属製の蓋部材を含み、
前記導通部材は、前記シリンダに対する接触状態が保持されるように前記移動体の前記ピストンに設けられるか、または、前記移動体に対する接触状態が保持されるように前記蓋部材に設けられている、請求項1に記載の船外機。
【請求項3】
前記導通部材は、前記シリンダに対する接触状態が保持されるように前記移動体の前記ピストンに設けられ、
前記ロッドと前記シリンダとは、前記ピストンおよび前記導通部材を介して、導通されるように構成されている、請求項2に記載の船外機。
【請求項4】
前記導通部材は、前記シリンダの環状の内周面に対向して配置される前記ピストンの環状の外周面に沿うようにして前記ピストンに環状に設けられている、請求項2に記載の船外機。
【請求項5】
前記導通部材は、前記ピストンの周方向の全体で、前記シリンダの前記内周面に対する半径方向外側を向く押圧力を発生させる金属製の環状のラジアルスプリングである、請求項4に記載の船外機。
【請求項6】
前記導通部材は、金属製のボール部と、前記シリンダの内周面に前記ボール部を押し付ける弾性変形可能な金属製の圧縮バネ部と、前記圧縮バネ部が取り付けられるとともに前記ピストンに固定される金属製の固定部と、を含むボールプランジャである、請求項3に記載の船外機。
【請求項7】
前記ボールプランジャは、前記ピストンの周方向において、略等角度間隔で配置されるように複数設けられている、請求項6に記載の船外機。
【請求項8】
前記シリンダ装置は、前記シリンダ内に作動油が供給されることにより駆動する油圧式シリンダであり、
前記導通部材は、常に前記シリンダの前記内周面と前記ピストンの前記外周面との隙間を介して、前記作動油が供給されるように構成されている、請求項4に記載の船外機。
【請求項9】
前記シリンダ装置は、前記ピストンの前記外周面に沿って設けられる環状のオイルシールを含み、
前記導通部材は、前記オイルシールよりも前記ロッドの先端に近い位置で、前記ピストンに設けられている、請求項8に記載の船外機。
【請求項10】
前記ロッドは、トリムロッドおよびチルトロッドの少なくとも一方を含み、
前記シリンダ装置は、
前記トリムロッドにより前記船外機本体を押し上げて傾斜させるトリム機構と、
前記チルトロッドにより前記船外機本体を押し上げて傾斜させるチルト機構と、を含み、
前記導通部材は、前記トリムロッドと前記シリンダとの導通状態、および、前記チルトロッドと前記シリンダとの導通状態の少なくとも一方を確保するように構成されている、請求項1に記載の船外機。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、防食用のアノード電極を備える船外機および船舶に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、防食用のアノード電極を備える船外機および船舶が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、防食用のアノード電極が設けられたクランプブラケットと、クランプブラケットに設置されたシリンダ装置とを備える船外機が開示されている。上記シリンダ装置は、筒状の金属製のシリンダと、シリンダ内を移動する金属製のピストンと、ピストンに固定された金属製のロッドとを有しており、ロッドにより船外機本体を押し上げるように構成されている。なお、ロッドは、水面下に配置され、水に触れる構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2005-329828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1には明記されていないが、シリンダ装置の筒状のシリンダは、アノード電極が設けられたクランプブラケットに対して金属製のボルトを介して固定されるものであるため、クランプブラケットを介してアノード電極と導通されている。このため、シリンダ装置の筒状のシリンダは、アノード電極により防食される。しかしながら、筒状のシリンダとピストンおよびロッドとは、互いに摺動し合う構成であり、互いに金属製のボルトなどにより固定することができないため、互いの導通が確実に確保されないという不都合がある。したがって、従来より、アノード電極に導通された筒状のシリンダと、シリンダ内を移動するピストンおよびロッドとの導通をより確実に確保して、水に触れるロッドを防食することが望まれている。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、アノード電極に導通されたシリンダと、シリンダ内を移動するピストンおよびロッドとの導通をより確実に確保して、水に触れるロッドを防食することが可能な船外機および船舶を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、この発明の第1の局面による船外機は、船外機本体と、金属製のシリンダと、ピストンおよびピストンに固定されたロッドを有し、シリンダ内でピストンを移動させてロッドを伸縮させる金属製の移動体とを含み、伸縮するロッドにより船外機本体を押し上げるシリンダ装置と、シリンダと導通状態で水面下に配置される防食用のアノード電極と、シリンダ内に設けられ、弾性変形可能に構成され、シリンダと移動体との間において弾性変形することにより、シリンダと移動体との両方に対する接触状態を保持する金属製の導通部材と、を備え、導通部材は、シリンダ内を移動する移動体の移動時においてもロッドとシリンダとの導通状態を確保するように構成されている。
【0008】
この第1の局面による船外機では、上記のように、シリンダと導通状態で水面下に配置される防食用のアノード電極と、シリンダ内に設けられ、弾性変形可能に構成され、シリンダと移動体との間において弾性変形することにより、シリンダと移動体との両方に対する接触状態を保持する金属製の導通部材と、を設け、導通部材を、シリンダ内を移動する移動体の移動時においてもロッドとシリンダとの導通状態を確保するように構成する。これによって、導通部材を弾性変形させて、導通部材をシリンダと移動体とに押し付けることができるので、シリンダと移動体(ピストンおよびロッド)との両方に対する導通部材の接触状態をより確実に保持して、ロッドとシリンダとの導通状態をより確実に確保することができる。したがって、アノード電極に導通されたシリンダと、シリンダ内を移動するピストンおよびロッド(移動体)との導通をより確実に確保して、水に触れるロッドを防食することができる。また、上記の通り、導通部材をシリンダと移動体とに押し付けて、シリンダ内を移動する移動体の移動時においてもロッドとシリンダとの導通状態を確保することができるので、ロッドの伸縮状態(伸縮長さ)に関わらず、シリンダと、シリンダ内を移動するピストンおよびロッド(移動体)との導通を維持することができる。
【0009】
上記第1の局面による船外機において、好ましくは、シリンダ装置は、ロッドが挿通された状態でシリンダに設けられ、シリンダの内部空間を封止する金属製の蓋部材を含み、導通部材は、シリンダに対する接触状態が保持されるように移動体のピストンに設けられるか、または、移動体に対する接触状態が保持されるように蓋部材に設けられている。このように構成すれば、導通部材をピストンに設ける場合には、シリンダの内周面と摺動するピストンに導通部材を設けることができる。したがって、シリンダの内周面に近接するピストンに導通部材を設けることができるので、ピストンを介して、容易にシリンダとロッドとの導通状態を確保することができる。また、導通部材を蓋部材に設ける場合には、ロッドと摺動する蓋部材に導通部材を設けることができる。したがって、ロッドに近接する蓋部材に導通部材を設けることができるので、蓋部材を介して、容易にシリンダとロッドとの導通状態を確保することができる。
【0010】
この場合、好ましくは、導通部材は、シリンダに対する接触状態が保持されるように移動体のピストンに設けられ、ロッドとシリンダとは、ピストンおよび導通部材を介して、導通されるように構成されている。このように構成すれば、移動したとしてもシリンダに対する摺動面を常に有するピストンに導通部材を設けることができるので、ピストンおよびピストンに設けられた導通部材により、ロッドとシリンダとの導通状態を一層確実に確保することができる。
(【0011】以降は省略されています)
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